第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「人の企業である」「挑戦の企業である」「共存共栄の企業である」「社会的責任の企業である」という4つの企業理念のもと、「株主」に対する責任を果たし、「顧客」満足度を最大限に高め、「従業員」の豊かな生活の実現を目指すことを究極の目標としています。
 三共生興株式会社は、創業以来100年にならんとする歴史の中で繊維専門商社として培ったノウハウを駆使し、ファッション関連事業、繊維関連事業などを行う事業会社を傘下に構成する事業持株会社として、世界を舞台に挑戦するグローバルな事業を展開し、高効率経営に徹した事業活動を展開することで連結経営の強化とグループ企業価値の極大化を図ります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループの主たる経営指標としては、売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標とし、収益性、効率性の高い経営を目指しております。
 中長期的にキャッシュ・フロー重視の経営を推進し、売上高経常利益率のさらなる向上を目指すとともに、投資効率を高め、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、知的財産権の活用によるライセンスビジネスや保有不動産の有効活用により安定的な収益を確保する不動産賃貸事業を展開する事業持株会社を中心に、原料から加工、企画、生産、販売に至るまで繊維製品を一貫して供給することができる当社グループの特色を活かし機動力あふれた高効率経営に徹した事業活動を積極的に展開してまいります。

また、「DAKS」を核として高級ゾーンをターゲットとしたブランド戦略を推し進め、国内はもとより欧米、アジア等グローバルにブランドビジネスを展開し、事業を拡大してまいります。 

 

(4) 会社の対処すべき課題

企業を取り巻く環境は、不透明な要因も多く厳しい状況のまま推移するものと思われます。かかる状況の中にあって当社グループとしては、ブランドを軸としたグローバル戦略を推進し、国内事業の安定的な収益の確保と海外事業の拡大による成長戦略を着実に実行してまいる所存であります。

 

(5) グループ経営の実践

グループ会社間にあっては、グループ力を総合的に発揮できるよう、より効率的な相互補完的関係を構築するとともに、当社グループの強みである企画、生産から販売までの一貫した商品供給体制を活かした高収益の企業集団の確立を推し進めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、平成30年3月31日現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) ファッショントレンドの変動や消費者の嗜好の変化などによる影響

当社グループの主要なセグメントであるファッション関連事業、繊維関連事業は、衣料品を中心としたファッション性の高い商品を取り扱っております。当社グループは、ファッションブランドを中心に商品企画力を高めるとともに、高品質の商品を適正価格で顧客に提供することを経営方針の一つとしております。しかしながら、当社グループの主なターゲットは、ファッション動向に敏感で消費意欲の高い顧客層であり、同業他社との競争が最も激しく、ファッショントレンドや消費者の嗜好の短期的な変化により、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。

 

(2) 気候変動、自然災害による影響

当社グループの取り扱っている衣料品等は、気候変動の影響を受けやすい商品であるため、クイックレスポンス対応を含めた生産体制の整備に取り組んでおりますが、冷夏、暖冬のような天候不順や、風水害、震災などの自然災害によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。

 

(3) ライセンスブランド契約等の状況による影響

当社グループの主要な事業は、海外有名ファッションブランドの独占輸入契約やライセンス契約に基づくブランドビジネスであるため、契約更新の成否や契約条件の変更、契約ブランドの販売動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの業績は、主力ブランドである「DAKS」に対する依存度が高いため、「DAKS」の販売の成否に大きな影響を受ける可能性があります。

 

(4) 取引先の信用リスクによる影響

当社グループは、国内および海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクを有しております。信用リスクの管理を行うため、当社の審査部門が取引先を業容面・資力面から評価し、信用限度の設定を行っております。また信用限度については、信用状態を定期的・継続的に把握し不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。しかしながら、特定の取引先の信用状態が悪化し当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、特定の取引先に対する債権の貸倒等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株価変動による影響

当社グループは、取引先との安定的・長期的な取引関係の維持・強化を目的として取引先の株式を長期保有しております。これらの株式については価格変動リスクがあり、今後の株価の動向、出資先の業況によっては、投資有価証券評価損が発生し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 なお、平成30年3月末現在の投資有価証券の連結貸借対照表計上額は18,526百万円となっております。

 

(6) 固定資産の経済価値変動による影響

当社グループのセグメントである不動産賃貸事業におきましては、当社グループ保有の固定資産の優良化、流動化を図っておりますが、今後、土地評価の変動、市況の変化、天災等の影響に伴い、減損処理の止むなきにいたるなど、保有固定資産の経済価値が変動する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(7) 為替変動による影響

当社グループは、輸出入取引等に係る為替変動リスクに対して、実需の範囲内で成約時に為替予約を行い、為替リスクのヘッジを行っておりますが、今後予測を超えた為替レートの変動があれば、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 個人情報の流出による影響

当社グループでは、保有する個人情報や機密事項に関する情報に関しては、社内管理体制を整備して厳重な管理を行っておりますが、事故や犯罪など予期せぬ事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、長く低金利の状況が続くなかで、企業業績や雇用環境の改善も見られるなど総じて順調に推移してまいりましたが、一方で海外情勢の不安定さもあり、不透明感の漂う状況が続いております。
 当社グループを取り巻く繊維・アパレル業界におきましても長引く消費低迷の状況は変わらず、依然として厳しい状況が続いております。
 このような状況の下、当社グループは売上よりも利益という経営の原点に立ち返り、徹底した経営の効率化を図ってまいりました。

 

売上高及び売上総利益

売上高は前連結会計年度に比べて518百万円(1.8%)減の28,451百万円となり、売上総利益は前連結会計年度に比べて557百万円(4.6%)減の11,598百万円となりました。

 

営業利益及び経常利益

販売費及び一般管理費の合計額が前連結会計年度に比べて805百万円減少したことなどにより、営業利益は前連結会計年度に比べて247百万円(12.9%)増の2,170百万円となりました。

経常利益につきましては、営業利益が増加したものの、貸倒引当金戻入額が前連結会計年度に比べて99百万円減少、また前連結会計年度の営業外収益に計上しておりました為替差益59百万円が、当連結会計年度は営業外費用の為替差損41百万円に転じたことなどにより、前連結会計年度に比べて171百万円(6.9%)増の2,649百万円となりました。

 

税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

投資有価証券売却益47百万円の特別利益が発生したこと、減損損失が前連結会計年度に比べて88百万円減少、前連結会計年度に計上しておりました契約違約金42百万円の特別損失がなくなった一方で、前連結会計年度に計上しておりました固定資産売却益117百万円の特別利益がなくなったことなどにより、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて243百万円(10.5%)増の2,565百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度に比べて336百万円増加した一方で、同調整額が前連結会計年度に比べて81百万円減少したことなどにより、前連結会計年度に比べて9百万円(0.5%)減の1,828百万円となりました。

 

また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の40円60銭から20銭減の40円40銭となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

ファッション関連事業

ファッションブランド商品の販売におきましては、国内市場では消費低迷が続く中で、ブランド価値の向上と利益重視の徹底により経営効率を高めるため不採算店からの撤退を進め、付随する費用を含めた経費全体の圧縮を図り、更に生産の絞込みも含めた在庫の削減を進めるなど利益の向上を目指し、その効果も表れてきました。

また、海外市場でも香港を拠点として中国市場への販売ルートを再構築し拡販に努める一方で、不採算店舗については閉鎖を急ぐなど、徹底して利益の向上を図ってまいりました。

以上の結果、当事業全体の売上高は前期比6.6%減の15,035百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比31.3%増の1,485百万円となりました。

 

繊維関連事業

アパレル企業向けOEM事業におきましても、依然として受注競争は厳しく、取引先との取組みの強化を図ると同時に新規企画商品の開発など商品力強化に努めております。

経費についても、利益重視の観点から徹底した見直しを図っており、今期は天候にも恵まれ、また為替も比較的安定しておりましたので、順調に推移いたしましたが、前期には貸倒引当金の取崩もありましたので利益面では前期並みにとどまりました。

以上の結果、当事業全体の売上高は前期比6.3%増の12,056百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比1.8%減の450百万円となりました。

 

不動産賃貸事業

大阪の賃貸ビルをメインとする東京・横浜・神戸等の不動産に係る賃貸事業におきましては、稼働率は向上してまいりましたが、テナントの入れ替わりもありましたので、売上高は前期比5.1%減の1,713百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比8.6%減の555百万円となりました。

 

その他

ビルメンテナンス事業、内装工事業等におきましては、売上高は前期比13.8%増の1,064百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比24.4%減の18百万円となりました。

 

(注)上記のセグメント売上高には合計1,418百万円のセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

生産金額は僅少であるため記載を省略しております。

 

② 受注実績

該当事項はありません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ファッション関連事業

15,035

△6.6

繊維関連事業

12,056

6.3

不動産賃貸事業

1,713

△5.1

その他

1,064

13.8

調整額

△1,418

合計

28,451

△1.8

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の数値であります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2) 財政状態

①  流動資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて860百万円(4.6%)増加し、19,594百万円となりました。

これは、現金及び預金が1,817百万円増加した一方で、商品及び製品が468百万円減少、未収還付法人税等が238
百万円減少、受取手形及び売掛金が222百万円減少したことなどによるものであります。

 

②  固定資産

固定資産は、前連結会計年度末に比べて762百万円(2.2%)増加し、34,751百万円となりました。

これは、投資有価証券が891百万円増加、商標権が258百万円増加した一方で、建物及び構築物が295百万円減
少したことなどによるものであります。

 

③  流動負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて638百万円(6.0%)減少し、10,068百万円となりました。

これは、短期借入金が1,004百万円減少した一方で、未払法人税等が434百万円増加したことなどによるもので
あります。

 

④  固定負債

固定負債は、前連結会計年度末に比べて45百万円(0.7%)増加し、6,454百万円となりました。

これは、繰延税金負債が294百万円増加、長期預り金が56百万円増加した一方で、長期借入金が320百万円減少
したことなどによるものであります。

 

⑤  純資産

純資産は、前連結会計年度末に比べて2,214百万円(6.2%)増加し、37,822百万円となりました。

これは、利益剰余金が1,149百万円増加、その他有価証券評価差額金が646百万円増加、純資産から控除してい
る為替換算調整勘定が422百万円減少したことなどによるものであります。

 

 

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて1,817百万円増加(前連結会計年度は319百万円の増加)し、当連結会計年度末には10,886百万円(前連結会計年度末における現金及び現金同等物は、9,069百万円)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上額が2,565百万円、減価償却費の計上額が609百万円、たな卸資産の減少額が453百万円、売上債権の減少額が245百万円ありました。その一方で仕入債務の減少額が187百万円、また法人税等の支払額が164百万円あったことなどにより、4,096百万円の収入(前連結会計年度は2,842百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が211百万円ありました。その一方で投資有価証券の売却による収入が114百万円あったことなどにより、197百万円の支出(前連結会計年度は50百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純減少額が1,001百万円、配当金の支払額が677百万円、長期借入金の返済による支出(1年内返済予定の長期借入金を含む)が340百万円あったことなどにより、2,074百万円の支出(前連結会計年度は2,384百万円の支出)となりました。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。また、設備投資並びに事業投資等の長期資金需要につきましては、自己資金はもとより、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討しております。

 

(5) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高経常利益率及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な指標として位置づけております。

当連結会計年度の売上高経常利益率は9.3%(前連結会計年度比0.8%増)、ROEは5.0%(前連結会計年度比0.4%減)となりました。引き続きこれらの指標について改善されるよう取り組んでまいります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 主要な技術受入契約

 

契約会社名

相手先の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

三共生興株式会社
(当社)

レオナール
ファッション社

フランス

高級婦人服、
身の回り品、
雑貨等

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾
台湾における販売権の許諾

自 平成13年1月1日
至 平成32年12月31日

三共生興株式会社
(当社)

フェリックス
ビューラー社

スイス

高級婦人服、
身の回り品、
紳士服、
雑貨等を含む
あらゆる商品

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾

自 平成22年4月1日
至 平成32年3月31日

三共生興株式会社
(当社)

ミッソーニ社及び  T&J VESTOR社

イタリア

寝具類、
タオル、雑貨等

日本における
1  商標権の使用権の設定
2  技術情報の提供
3  製造権及び販売権の許諾

自 平成30年1月1日
至 平成32年12月31日

 

(注)  上記の技術受入契約においては、それぞれ売上高に対して一定率のロイヤリティーを支払っております。

 

(2) 主要な賃貸契約

 

契約会社名

相手先の名称

契約内容

契約期間

株式会社横浜テキ
スタイル倶楽部
(連結子会社)

株式会社東横イン

株式会社横浜テキスタイル倶楽部が横浜市中区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成15年9月1日
至 平成45年8月31日

三共生興株式会社
(当社)

株式会社東横イン

当社が横浜市中区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成18年1月23日
至 平成48年1月22日

三共生興株式会社
(当社)

株式会社東横イン

当社が東京都中央区に所有する建物を株式会社東横インが宿泊施設(ビジネスホテル)及びその関連施設として使用する賃貸契約。

自 平成22年12月15日
至 平成52年12月14日

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。