文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「人の企業である・挑戦の企業である・共存共栄の企業である・社会的責任の企業である」を企業理念に、人々の生活の質の向上に寄与し、豊かで夢のある社会の実現に貢献すべく事業に邁進し、経営理念である「共生トライアングル」を基に、株主・顧客・社員の3つのステークホルダーが共生し発展していくことを目指します。
当社グループの主たる経営指標としては、売上高経常利益率の向上を重要な経営指標とし、収益性、効率性の高い経営を目指しております。
当社グループは、強固な財務基盤を確立するための構造改革を継続し実行してまいりましたが、本年、当社創業100周年を迎えるにあたり、積極的経営路線に転換することにより、企業価値および株主価値向上を目指してまいりました。
当連結会計年度におきましては、主力ブランドである「DAKS」のブランド価値を極大化するために、海外展開に関しましては、中国市場の新規出店を積極的に推し進め、また幅広い世代に向けトータル展開するために、2020年春夏シーズンにはカジュアルラインの「DAKS10」をデビュー、英国をはじめ、日本、中国、香港、台湾、韓国で展開をスタートいたしました。一方、保有資産を有効活用するために、不動産売却により得た資金により、神戸に新たな賃貸物件であるビジネスホテルを建設するなど、積極的に重点施策を推し進めてまいりました。
しかし、当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、個人消費は深刻な打撃を受けるなど大変厳しく、市場環境の回復は不確定なものであります。
今後の不透明な事業環境に対応するため、翌期におきましては、積極的経営路線の速度を緩め、更なる事業構造改革に取り組む決意を新たにしております。
第一に、当社グループは、経営理念である「共生トライアングル」を基に、株主・顧客・社員の3つのステークホルダーが共生し発展していくことを目指し、今後も持続的に成長していくために、これからの不透明な状況下にも耐えうる内部留保を確保し、強固な財務基盤を維持することに重きをおいてまいります。
次に、今後の大幅な需要減が想定されることから、売上高の拡大が見込めない市場環境下でも、安定した利益が確保できる収益体質の構築を目指してまいります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大が終息した後の経営環境は、従前のものではなく、これをきっかけにして、人々の生活や価値観が多様化し、様々な社会変革が加速するものと思われます。その変化に対応するために、将来性の見込めない事業分野からは、速やかに撤退を検討いたします。
そして、事業環境が好転する時期を見通しながら、中長期的な企業価値の向上を図るために、「DAKS」ブランドを核としたビジネスを、中国を含めたアジアを中心に、海外展開を拡大し、また、新規事業を含めた将来性のある事業分野を厳選し、投資戦略を構築するなど、事業の選択と集中を推し進めます。
厳しい状況下となりますが、強固な財務基盤や安定した収益体質を構築する、更なる事業構造改革に取り組み、真のグローバル企業として、当社グループの企業価値、株主価値向上に邁進してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、2020年3月31日現在において当社グループが判断したものであり、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループの主要なセグメントであるファッション関連事業、繊維関連事業は、衣料品を中心としたファッション性の高い商品を取り扱っております。当社グループは、ファッションブランドを中心に商品企画力を高めるとともに、高品質の商品を適正価格で顧客に提供することを経営方針のひとつとしております。しかしながら、当社グループの主なターゲットは、ファッション動向に敏感で消費意欲の高い顧客層であり、同業他社との競争が最も激しく、ファッショントレンドや消費者の嗜好の短期的な変化により、当社グループの業績に影響を受ける可能性があります。
当社グループの取り扱っている衣料品等は、気候変動の影響を受けやすい商品であるため、クイックレスポンス対応を含めた生産体制の整備に取り組んでおりますが、冷夏、暖冬のような天候不順や、風水害、震災などの自然災害によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を受ける可能性があります。
国内外の主要販路である百貨店及び商業施設の営業時間短縮や営業自粛等により、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、感染拡大が今後も続いた場合、国内外の経済活動への影響や消費低迷による更なる景気の落ち込みにより、当社グループの業績や財政状態に大きな影響を受ける可能性があります。
当社グループの主要な事業は、海外有名ファッションブランドの独占輸入契約やライセンス契約に基づくブランドビジネスであるため、契約更新の成否や契約条件の変更、契約ブランドの販売動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの業績は、主力ブランドである「DAKS」に対する依存度が高いため、「DAKS」の販売の成否に大きな影響を受ける可能性があります。
当社グループは、国内および海外の取引先に対する売掛債権等についての信用リスクを有しております。信用リスクの管理を行うため、当社の審査部門が取引先を業容面・資力面から評価し、信用限度の設定を行っております。また信用限度については、信用状態を定期的・継続的に把握し不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。しかしながら、特定の取引先の信用状態が悪化し当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、特定の取引先に対する債権の貸倒等により、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、取引先との安定的・長期的な取引関係の維持・強化を目的として取引先の株式を長期保有しております。これらの株式については価格変動リスクがあり、今後の株価の動向、出資先の業況によっては、投資有価証券評価損が発生し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2020年3月末現在の投資有価証券の連結貸借対照表計上額は10,654百万円となっております。
当社グループのセグメントである不動産関連事業におきましては、当社グループ保有の固定資産の優良化、流動化を図っておりますが、今後、土地評価の変動、市況の変化、天災等の影響に伴い、減損処理の止むなきにいたるなど、保有固定資産の経済価値が変動する場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、輸出入取引等に係る為替変動リスクに対して、実需の範囲内で成約時に為替予約を行い、為替リスクのヘッジを行っておりますが、今後予測を超えた為替レートの変動があれば、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、保有する個人情報や機密事項に関する情報に関しては、社内管理体制を整備して厳重な管理を行っておりますが、事故や犯罪など予期せぬ事態によりこれらの情報が漏洩した場合、当社グループの社会的信用が低下し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速などの影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の悪化により、先行きの不透明感が急速に広がっております。
当社グループを取り巻く繊維・アパレル業界におきましても、消費税増税や度重なる自然災害、暖冬による冬物衣料の不振に加え、2020年1月以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響から、国内外におきまして急速に需要が減少するなど、総じて厳しい状況となりました。
このような状況のもと、当社グループは、主力ブランドである「DAKS」のブランド価値を極大化すべく様々な戦略に取り組むなど、将来の企業成長のために積極的経営への転換を図り、利益追求を推し進めてまいりました。
売上高及び売上総利益
国内外における市場環境の悪化による消費低迷の影響が大きく、売上高は前連結会計年度に比べて3,994百万円(14.6%)減の23,356百万円となりました。また、国内外の連結子会社におきまして、徹底した商品在庫の圧縮を図るため、棚卸資産の評価替えを計上したことなどにより、売上総利益は前連結会計年度に比べて2,533百万円(23.9%)減の8,055百万円となりました。
営業利益及び経常利益
販売費及び一般管理費の合計額が前連結会計年度に比べて734百万円減少したことなどにより、営業利益は前連結会計年度に比べて1,798百万円(94.9%)減の96百万円となり、経常利益につきましては、前連結会計年度に比べて1,860百万円(77.0%)減の556百万円となりました。
税金等調整前当期純利益及び親会社株主に帰属する当期純利益
固定資産売却益3,403百万円の特別利益が発生した一方で、減損損失が前連結会計年度に比べて374百万円増加、店舗閉鎖損失379百万円の特別損失が発生したことなどにより、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べて656百万円(27.9%)増の3,009百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度に比べて117百万円減少したこと、また法人税等調整額が前連結会計年度に比べて549百万円減少したことなどにより、前連結会計年度に比べて1,316百万円(78.2%)増の3,000百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の37円77銭から30円75銭増加の68円52銭となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内事業は、「DAKS」「LEONARD」のブランド価値向上のため、顧客ファースト、商品クオリティの追求を最優先し、経営効率を重視する販売戦略を推し進めております。当連結会計年度におきましては、当該ブランドを百貨店等に販売する国内子会社では、不採算店舗の撤退に加え、消費税増税や台風などの自然災害、暖冬などの天候不順、新型コロナウイルスの感染拡大などによる個人消費の悪化も影響し、売上減となりました。人件費や物流費などの経費削減を行いましたが、徹底した商品在庫の圧縮を実施したことが大きく影響し、国内事業としましては、減収となり営業損失となりました。
このような国内経営環境の変化に対応するため、グローバルな事業展開を積極的に推し進めており、海外事業は、中国市場におきましては、「DAKS」の販路拡大のため、上海の旗艦店をリニューアルオープンし、5店舗を新たに出店するなど、積極的なショップ展開をすすめてまいりました。香港、マカオ、台湾の小売事業におきましては、香港デモの長期化や新型コロナウイルスの感染拡大が影響し、店舗ごとの収益性の見直しやブランドの付加価値の向上に努めましたが、国内事業と同様に、徹底した商品在庫の圧縮を実施したことが大きく影響し、海外事業としましても、減収となり営業損失となりました。
以上の結果、当事業全体の売上高は前期比17.7%減の11,139百万円、セグメント損失(営業損失)は568百万円(前期は1,177百万円のセグメント利益)となりました。
繊維関連事業
アパレル企業向けのOEM事業は、依然として厳しい市況が続き受注競争が加速する中、販売面におきましては企画提案力の強化、付加価値の高い商品開発に注力し、また生産面におきましては更なる品質向上を目指し、商品の安定供給に努めることで、重点得意先との取組拡大を目指しております。
当連結会計年度におきましては、取引先であるアパレル各社が、ブランド戦略の見直しや生産数量の抑制を図るなどの構造改革をすすめていることが影響し受注減となり、物流などの効率化、経費の削減などの収益性の向上に努めましたが、減収減益となりました。
以上の結果、当事業全体の売上高は前期比14.0%減の10,707百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比30.5%減の305百万円となりました。
不動産関連事業
大阪の賃貸ビルをメインとして、東京・横浜・神戸などの不動産に係る賃貸事業は、大阪サンライズビルの稼働率の向上により売上増となりましたが、神戸に建設いたしました賃貸物件であるビジネスホテルの設備費用増などがあり、増収減益となりました。東西サンライズビルにおけるイベントホール事業は、新型コロナウイルスの感染拡大により、需要が急激に減少し、減収減益となりました。
以上の結果、当事業全体の売上高は前期比4.6%増の2,474百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比7.8%減の628百万円となりました。
(注)上記のセグメント売上高には合計964百万円のセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
生産金額は僅少であるため記載を省略しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の数値であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
① 流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,648百万円(8.9%)増加し、20,085百万円となりました。
これは、現金及び預金が4,071百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が1,254百万円減少、商品及び製品が996百万円減少したことなどによるものであります。
② 固定資産
固定資産は、前連結会計年度末に比べて2,614百万円(8.6%)減少し、27,924百万円となりました。
これは、投資有価証券が3,701百万円減少、商標権が338百万円減少した一方で、IFRS適用在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したことなどにより使用権資産が1,946百万円増加したことなどによるものであります。
③ 流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べて307百万円(4.1%)増加し、7,825百万円となりました。
これは、IFRS適用在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したことなどによりリース債務が489百万円増加、未払金が391百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が555百万円減少したことなどによるものであります。
④ 固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べて113百万円(2.1%)減少し、5,344百万円となりました。
これは、繰延税金負債が1,698百万円減少した一方で、IFRS適用在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したことなどによりリース債務が1,495百万円増加したことなどによるものであります。
⑤ 純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べて1,160百万円(3.2%)減少し、34,839百万円となりました。
これは、その他有価証券評価差額金が2,548百万円減少、純資産から控除している為替換算調整勘定が446百万円増加、同じく純資産から控除している自己株式が285百万円増加した一方で、利益剰余金が2,115百万円増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて4,071百万円増加(前連結会計年度は563百万円の減少)し、当連結会計年度末には14,395百万円(前連結会計年度末における現金及び現金同等物は、10,323百万円)となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上額が3,009百万円、売上債権の減少額が1,225百万円、減価償却費の計上額が1,126百万円、たな卸資産の減少額が995百万円となった一方で、固定資産売却益が3,403百万円、法人税等の支払額が661百万円あったことなどにより、2,857百万円の収入(前連結会計年度は2,171百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が3,613百万円となった一方で、有形固定資産の取得による支出が567百万円あったことなどにより、3,019百万円の収入(前連結会計年度は232百万円の収入)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が884百万円、リース債務の返済による支出が572百万円、自己株式の取得による支出が285百万円あったことなどにより、1,746百万円の支出(前連結会計年度は2,984百万円の支出)となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入を資金の源泉としております。また、設備投資ならびに事業投資等の長期資金需要につきましては、自己資金はもとより、金融機関からの借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討しております。
当社グループは、売上高経常利益率を重要な指標として位置づけております。
当連結会計年度の売上高経常利益率は2.4%(前連結会計年度比6.4%減)となりました。引き続き当該指標について改善されるよう取り組んでまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。当社グループは特に下記の会計方針が重要な見積り及び判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
① たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の評価基準に原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。商品及び製品については、それぞれの販売可能性について推定される将来需要及び市場状況を踏まえて、販売見込額まで減額しています。当該商品及び製品に関する実際の販売価格が、販売見込額を下回った場合には追加の損失が発生する場合があります。
② 固定資産の減損
当社グループは、有形固定資産、商標権等の固定資産を保有しております。有形固定資産及び商標権等のうち、減損の兆候が認められる資産又は資産グループについては、回収可能価額(当該資産又は資産グループから得られる割引後将来キャッシュ・フローの総額もしくは当該資産又は資産グループの正味売却価額のいずれか高い方の金額)が帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、減損した当該金額を減損損失として計上することとなります。そのため、当該資産又は資産グループが属する事業の経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合には減損損失が発生する可能性があります。
(注) 上記の技術受入契約においては、それぞれ売上高に対して一定率のロイヤリティーを支払っております。
該当事項はありません。