第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針、経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、2017年度からの中期経営計画WAVE“10”Season 2 において、新しい価値を創造することによって、物質的な豊かさと心の豊かさを提供することを通じて日本及び国際社会に貢献することができる企業グループを目指して、そのための経営基盤の確立と企業風土の醸成を基本方針として定めています。

当社グループの中長期的な会社の経営戦略として、事業戦略では、既存事業における新規取引先や商材の開拓により厚みのある事業への転換を図るとともに、「ものづくり」をキーワードとして、高付加価値製品・商品の開発を推進するほか、各事業を融合した新規事業や新製品・新商品を開発してまいります。また財務戦略では、安定した収益と効率的な経営によって自己資本を充実しつつ、有利子負債を削減し、事業拡大・新規事業のための戦略的投資に必要な資金余力を確保してまいります。組織戦略としては、グループの総合力発揮のため、部門間の情報を共有し、事業に横串を通す機能を構築・整備してまいります。

当社グループでは、経営目標の達成状況を客観的に判断するための指標として、経常利益と自己資本比率を重視しております。2017年度から2019年度までの中期経営計画WAVE“10”Season 2 における経営目標としては、

① 取り巻く環境にかかわらず安定して年間10億円以上の連結経常利益を創出できる企業体を目指す

② 連結自己資本比率の改善を図り、20%以上を維持する財務体質を目指す

③ 中期経営計画最終年度(2020年3月期)において連結経常利益15億円、連結自己資本比率23%を目指す

としております。

  しかしながら、当連結会計年度までの当社を取り巻く事業環境の変化や各種施策の進捗状況等を総合的に勘案した結果、2020年3月期に上記③の経営目標を達成することは困難であると判断し、同期においては、すべての事業における収益基盤の確立を最優先の課題として掲げ、これを実現するための各事業のコア・コンピタンスを基軸にした事業推進を行うこととしております。

 

(2) 会社の対処すべき課題

 今後の世界経済は、米国と中国との間の貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題といった混沌とした状況を背景に全体的に減速感が広がり、わが国経済においても、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックを控えながらも、世界経済の影響を受けた不透明感が増していくことが懸念されます。
 当社グループは、このような状況を踏まえ、すべての事業における収益基盤の確立を急ぐとともに、新しい価値創造のための企業風土改革に取組むことによって、収益状況の改善を果たしてまいります。

  具体的には、冷凍食品事業など当社グループが強みを有する事業については、経営資源の積極的な投入によりさらなる事業規模の拡大を図るとともに、固有の技術力を有する電子関連の各事業をはじめとする強みを活かせる分野において、新たな収益源となる事業の育成に取組んでまいります。これらに加え、不振事業については抜本的改革を進めることで、安定的に収益計上ができるより強固な事業体を構築いたします。

 

  また、ICTの整備・活用を進め、現場での意識改革による生産性の向上を図るとともに、従業員の様々なライフサイクルにおいても、心身ともに健康な状態で新しい価値の創造に取組むことができる労働環境を構築してまいります。
 さらには、保有資産の効率的な活用や在庫の適正な管理などにより有利子負債の削減を進めることで、財務基盤を確立する一方、人材基盤を確立するため、向上心と変革への意欲を持ち続ける人材の育成に取組むとともに、多様な人材が様々な事業分野において活躍できるよう、人事労務面の施策を確立してまいります。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容は次のとおりであります。

当社は、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合、その判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。したがって、当社株式の大規模買付行為や買収提案がなされた場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。
 しかしながら、株式の大規模買付行為や買収提案の中には、当社の企業価値及び株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を内包しているものもあります。
 以上のことから、当社株式の大規模買付行為や買収提案に対しては、株主共同の利益確保の観点から、必要に応じて適切な対応を行ってまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは、事業等のリスクに関し、リスク管理規程に基づき、組織的・体系的に対処することとしていますが、現在、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスクには以下のようなものがあると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 事業上のリスク

① 取扱商品の品質にかかるリスク

当社グループは国内及び海外に生産・加工拠点を有しており、社会への貢献という当社グループの経営理念にもとづき、安全・安心のための品質基準を設けて、商品の品質管理には細心の注意を払い万全の体制をとっていますが、食品の安全に関する問題など製造及び販売に関して予期しない何らかの問題が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 自然災害などにかかるリスク

当社グループは国内を始めとして、中国、東南アジア、米国等の世界各国における事業を展開し、情報ネットワークを構築しており、自然災害、戦争、テロ、疾病、社会的混乱、公的規制の制約、情報システムトラブル等が発生した場合、その地域においては原材料購入、生産加工、製品の販売及び物流等に一時的な遅延や停止が生じる可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 出退店にかかるリスク

当社グループのアパレル小売事業における出店については、集客の見込めるショッピングセンターへの出店が大部分を占めております。新規出店にあたっては、商圏、競合状況、売上予測、賃借条件、出店コスト等を検討し、収益性の見込める店舗に出店しております。このため、当社の出店条件に合致する物件の数が、当初の出店予定数に達しない場合があります。また、出店先の売上や集客力が予想値と乖離した場合や、他の競合するショッピングセンター等の出店により出店先の集客力が変化した場合、出店した店舗の業績に影響を及ぼすことがあります。出店後は店舗の損益管理を行い、業績改善の見込みのない不採算店舗については退店を行っておりますが、退店時には店舗閉鎖に伴う損失が発生する場合があり、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 法令及び規制にかかるリスク

当社グループの展開する事業は、食品衛生法、建築基準法並びに独占禁止法など各種の法令及び規制の適用を受けております。そのため、法令及び規制の変更、又は規制当局による措置その他の法的手続きにより、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 財務上のリスク

① 為替及び金利の変動にかかるリスク

海外との事業における現地通貨建て取引に関しては、主要通貨間の為替レートの短期的な変動による影響を最小限に止めるために為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、短期及び中長期的な予測を超えた為替変動は、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループの有利子負債は主に金融機関からの借入・社債により調達していますが、借入条件が変動金利のものや新たな資金調達に関しては、金利情勢の影響により業績が変動する可能性があります。

② 資金調達にかかるリスク

当社グループは商品を輸入して国内の販売先に供給する事業のウエイトが高く、輸入商品の支払サイトに比べて国内販売の受取サイトが長いことから運転資金の負担が発生し、有利子負債が比較的多額となっております。現時点においては、借入金・社債による資金調達に支障はありませんが、今後、金融システム・金融情勢の大きな変化や取引金融機関の融資姿勢の変化によって、資金調達や借入条件に影響が出てくる可能性があります。

③ 債権の貸倒れにかかるリスク

販売先の倒産等による与信リスクについては、当社グループ独自の与信管理システムにより債権管理に万全を期していますが、経済環境の変化によって予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、売上債権の回収に支障を来たした場合には、当社グループの財政状態、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の概況

当連結会計年度における世界経済は、米国では良好な雇用環境と堅調な個人消費によって景気回復基調が持続している一方、中国においては経済成長の減速傾向が続きましたが、全般的に堅調に推移しました。

わが国経済は、雇用環境の改善傾向が続くなど緩やかな景気回復基調にあり、個人消費にも回復の兆しが見られるものの、企業収益が弱含んできており、また輸出が減速するなど米国通商政策の動向による影響も懸念される状況にありました。

当社グループは、2017年度より中期経営計画WAVE“10” Season 2 をスタートさせており、既存事業において新規取引先や商材の開拓によって厚みのある事業への転換を図るとともに、各事業を融合した新規事業や新製品・新商品の開発を進め、取り巻く環境にかかわらず安定した収益を創出できる基盤を確立することに取組んでおります。

当連結会計年度における当社グループの売上高は、食品関連が増加したほか、物資関連も建設機械の大型案件の取扱いにより増加しましたが、繊維関連において低採算取引の縮小などの事業構造の見直しに取組んだ影響もあって大幅に減少し、電子関連も減少したことから、全体では42,739百万円(前連結会計年度比1.5%減)となりました。

利益面におきましても、物資関連が増益となったものの、大幅な減収となった繊維関連やホコリセンサの受注が大きく落ち込んだ電子関連のほか食品関連も減益となった結果、営業利益は202百万円(前連結会計年度比74.8%減)、経常利益は147百万円(前連結会計年度比76.0%減)となりました。

また、フイルムコンデンサの取引に関する米国における集団訴訟に対応するための弁護士報酬等や減損損失などを特別損失に計上したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は396百万円の損失(前連結会計年度は158百万円の利益)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

繊維関連

 

繊維業界では、衣料品に対する消費者の節約志向が続いたことで購買意欲は低調に推移し、また生産面では主な生産地である中国での人件費の高止まりに加え、環境保全対策が原材料費など製造コストにも影響を与え、また日本国内では台風や豪雨、暖冬などの異常気象により厳しい環境が続きました。

当社グループのアパレル卸売分野では、企画提案や高付加価値国産素材の提案、海外仕入先工場の管理強化などに注力しましたが、低採算の取引を縮小しながら進めた新規開拓の実現が遅れたことで取扱いが大きく減少し、利益も減少しました。

 

またアパレル小売分野でも、ウェブストアでの取扱いの増加や店舗での顧客獲得、海外での生産品質管理機能の強化と原価率の低減に取組みましたが、小売市場での熾烈な競争や天候不順の影響などもあり、取扱い・利益ともに大きく減少しました。

レッグウエア分野でも、ライセンスブランド商品や周辺商材などの提案営業の強化を進めたものの主要顧客との取組み構築や新規販路開拓が進まず、また低採算取引の見直しや天候不順により荷動きが鈍化したことなどもあり取扱いが減少したことで、利益も大きく減少しました。

その結果、繊維関連の売上高は5,831百万円(前連結会計年度比30.2%減)、セグメント利益は385百万円の損失(前連結会計年度は146百万円の損失)となりました。

 

食品関連

 

食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、市場での価格競争の激化や中国をはじめとする仕入国での工場経費・原材料費の上昇に加えて、国内の物流コストも増加傾向という状況にありました。

このような環境下、当社グループの冷凍食品分野では、強みである品質管理体制を活かして、高齢化市場としての医療老健施設向けや品質管理要求の高いルートへの販売に注力してきました。冷凍野菜は市場が拡大傾向にある中、シェア確保への取組みや天候不順に伴う生鮮野菜の高騰の影響等もあって取扱いは伸長しましたが、価格競争が厳しく利益率が低下し、また物流費の増加もあって採算面は悪化しました。冷凍調理品では、調理の時短・簡便化の流れが加速する中、外食・量販店向けの提案営業や新商品開発が奏功して取扱いは大きく伸長し、厳しい価格競争はありましたが、採算面も改善しました。冷凍水産加工品では、高付加価値商材をはじめとする品揃えの充実によって取扱いは伸長しましたが、原料価格の高騰による利益率の大幅な低下により採算面は悪化しました。

農産分野では、落花生は競争が厳しく取扱いが減少したものの、ナッツ類が市場の拡大に加え積極的な提案営業が奏功し、取扱いは大きく伸長し採算面も改善しました。

その結果、食品関連の売上高は28,301百万円(前連結会計年度比7.4%増)、セグメント利益は1,405百万円(前連結会計年度比10.3%減)となりました。

 

物資関連

 

建設業界は、公共工事を中心とした需要が比較的高水準である一方で、マンション建築関連においては競争がより一層厳しい状況にありました。このような状況下、当社グループの建築金物・資材分野では金物関連が低調でありましたが、新たなサプライヤーを加えた輸入ガラスが伸長したことから取扱いは増加し、採算面も改善しました。

機械機器・金属製品分野では、南アジア向け大型建設機械の輸出に加え、北米向け輸出において、ベアリング等のハードウエアや自動車産業向けを中心に注力してきた各種試験機の受注が順調に推移し、売上・利益ともに大きく増加しました。

生活用品分野では、テレビショッピング向けの家庭用品が堅調に推移しましたが、アウトドアやブラシ関連が伸び悩みました。

防災関連分野では、安全性調査案件について成約・実施に向けた対応を継続し、複数の契約を獲得でき、取扱いが増加しました。

その結果、物資関連の売上高は4,182百万円(前連結会計年度比25.2%増)、セグメント利益は311百万円(前連結会計年度比55.9%増)となりました。

 

電子関連

 

電子部品業界は、車載関連需要の堅調さが継続している一方で、産業機器・FA関連需要が設備投資抑制の影響やスマートフォン関連の設備需要の停滞により、減速傾向となりました。

当社グループのコンデンサ分野では、調理家電用途や音響用途が減少したものの、照明用途や産業機器用途が増加したため、全体で売上はわずかながら増加しましたが、製造コストの上昇により採算面は悪化しました。

センサ関連機器分野では、前連結会計年度において好調であったホコリセンサが中国での空気清浄機の在庫調整等による影響で売上・利益ともに大きく減少しました。また湿度センサは主に車載用途が好調に推移しましたが、湿度計測機器の売上は減少しました。
 落下・衝撃試験機分野では、国内メーカー向けの大型衝撃試験機の受注増加により、売上が大きく増加し、採算面も改善しました。

その結果、電子関連の売上高は4,425百万円(前連結会計年度比17.2%減)、セグメント利益は178百万円(前連結会計年度比66.2%減)となりました。

 

※  セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に

    基づいております。  

 

② 財政状態の概況

当連結会計年度末の資産は、24,379百万円であり、前連結会計年度末に比べて247百万円の増加となりました。これは投資有価証券が時価の下落などに伴い612百万円減少した一方で、商品及び製品が580百万円、建物及び構築物(純額)が297百万円増加したことなどによるものであります。

また、負債は21,573百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,173百万円の増加となりました。これは社債が260百万円減少した一方で、長短借入金が1,489百万円増加したことなどによるものであります。

一方、純資産は2,806百万円であり、前連結会計年度末に比べて925百万円の減少となりました。これは親会社株主に帰属する当期純損失396百万円の計上及び配当金113百万円の支払いなどにより株主資本が509百万円減少したことに加え、その他有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額が416百万円減少したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、337百万円の支出前連結会計年度比174百万円の支出減)となりました。これは、減価償却費388百万円及び仕入債務の増加195百万円などにより増加した一方で、税金等調整前当期純損失193百万円及びたな卸資産の増加688百万円などにより減少したことによるものであります。

 

また、投資活動によるキャッシュ・フローは、557百万円の支出前連結会計年度比397百万円の支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出616百万円などにより減少したことによるものであります。

一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,054百万円の収入前連結会計年度比702百万円の収入増)となりました。これは、社債の償還による支出260百万円及び配当金の支払額113百万円などにより減少した一方で、長短借入金の純増額1,489百万円により増加したことによるものであります。

その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は119百万円増加(前連結会計年度は320百万円の減少)して1,027百万円となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

電子関連

3,711

79.8

合計

3,711

79.8

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

受注残高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

電子関連

3,683

83.4

284

79.5

合計

3,683

83.4

284

79.5

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

繊維関連

5,831

69.8

食品関連

28,301

107.4

物資関連

4,182

125.2

電子関連

4,425

82.8

合計

42,739

98.5

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 セグメント間の内部売上高は控除しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであり、当社グループの課題としては、食品関連に収益を依存していることに加え、繊維関連の収益が改善していない状況が継続していることが挙げられます。このような状況であったことを踏まえ、中期経営計画において目標としている、取り巻く環境にかかわらず安定して年間10億円以上の連結経常利益を創出できる企業体となるため、以下の施策を進めてまいります。

繊維関連においては、環境が大きく変化している中で不振事業の抜本的な改革に取組むとともに、「健康」「快適」「機能」をキーワードとした商材開発や提案の取組みを進めてまいります。

食品関連においては、経営資源の積極的な投入により日本国内における冷凍食品事業のさらなる規模拡大を図るとともに、中国・東南アジアにおける食品販売事業の確立にも一層注力してまいります。

物資関連においては、海外防災コンサルティング事業における継続的な受注につながる取組みの遂行、北米向け輸出事業の拡大、また建築金物事業での販路の拡大や新商品の開発に注力し、安定した収益基盤の確立を図ってまいります。

電子関連においては、各事業の環境整備により事業展開をスピードアップさせ、センサ事業の収益拡大、その他の事業の収益基盤の安定化に取組んでまいります。さらに強みである固有の技術力を活かせる分野における新たな収益源となる事業の育成にも取組んでまいります。

 

財政状態につきましては、繊維関連において低採算取引の縮小による売上債権の減少はありましたが、食品関連における売上拡大に向けた在庫の積み増しによる大幅な増加や物資関連における増収に伴う売上債権の増加により、総資産は増加しました。連結自己資本比率の改善に向け取組みを進める中、総資産の増加に加えて、損失計上や投資有価証券の時価の下落などに伴い純資産が減少したことで、連結自己資本比率は前連結会計年度から4.0ポイント低下し11.5%となりました。このような状況であったことを踏まえ、中期経営計画において目標としている連結自己資本比率20%以上に向け、強みを有する中核的事業の拡大と今後中核となりうる事業の育成に取組むことで、すべての事業における収益基盤の確立を図り、また在庫の適正な管理をはじめとした運転資金の圧縮や保有資産の効率的な活用による総資産の圧縮に取組んでまいります。

 

資本の財源及び資金の流動性につきましては、食品関連における運転資金の増加に加え、特に神栄グループR&Dセンター拡張に係る資金需要に対応するため、借入金の増額による資金調達を実施いたしました。このような状況であったことを踏まえ、2020年3月期においては、収益の確保や運転資金の圧縮などにより設備投資資金を調達する予定にしており、全体としては有利子負債の削減を進めてまいります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、電子関連のセンサ機器関連の研究開発を神栄テクノロジー㈱にて、試験機関連の研究開発を神栄テストマシナリー㈱にて、フイルムコンデンサ及び関連ユニットの研究開発を神栄キャパシタ㈱にて行っており、それぞれの研究内容は次のとおりであります。

なお、研究開発費の金額は249百万円であります。

 

センサ機器関連

(1) 車載用及び産業用ホコリセンサの開発

(2) 大学や外部研究機関との共同研究による吸収分光方式露点水分計の開発

(3) 産業・工業向けの各種センサ機器製品の開発

(4) 新型センサ開発に向けた基礎研究

 

試験機関連

(1) 新型高加速度衝撃試験機の製品化

(2) デジタル型鉄道車輪用測定器の製品化

(3) 新型輸送記録計の開発

 

コンデンサ関連

(1) 超薄膜フイルムを使用した産業機器分野向け世界最小・大容量品の開発

(2) ノイズ対策関連製品の開発

(3) パワーエレクトロニクスモジュールの開発