文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針、経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループは、2019年度までの中期経営計画WAVE“10”Season 2 において、新しい価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献できる企業グループを目指し、そのための経営基盤の確立と企業風土の醸成を基本方針と定め取組んでまいりました。最終年度にあたる当連結会計年度においては、経営基盤の確立に向けた大きな課題への取組みとして、不振が長く続いていた繊維関連のアパレル小売事業とレッグウエア事業から撤退しました。
本来であれば2020年度からの新たな中期経営計画を策定することになりますが、繊維関連における不振事業からの撤退を受けての当社グループの新たな事業ポートフォリオ組成とそれによる事業と収益の基礎固めの年度とするために、新中期経営計画の策定を1年見送り、2020年度は単年度の経営計画を策定いたしました。
2019年度までの中期経営計画の基本方針で未だ実現できていない「安定して年間10億円以上の連結経常利益を創出」し、「毎期安定した配当の実施」ができる企業体へ早期に変革するための基盤づくりの年度としております。
そのための基本路線は、「食品関連事業の拡大(輸出を含む)」、「電子関連事業の業績回復」、「物資関連事業の骨太化」、「繊維関連事業の再構築」としております。
当社グループでは、経営目標の達成状況を客観的に判断するための指標として、新型コロナウイルス感染拡大の影響が顕在化する以前に策定した2020年度経営計画において、
① 連結売上高 430億円以上
② 連結経常利益 8億円以上
③ 有利子負債 155億円以下
としております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大が当社グループの業績にマイナス面の影響を与えることが見込まれ、上記①・②について達成は厳しい状況でありますが、国内外の大きな環境変化に適時適切に対処し、影響については最小限に留めるべく対応を行ってまいります。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
足下の世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大により消費、貿易、設備投資などあらゆる経済活動が大きく落ち込み、わが国経済においても先行きの不透明感が強まっております。
当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染拡大による、業務遂行やお取引先様などへの影響が少なからず認められますが、まずは従業員の安全を最大限確保したうえで事業への影響を最小限に抑える取組みに注力しております。
このような中、当社グループにおきましては、引き続き、安定して年間10億円以上の連結経常利益を創出できる企業体へ、早期に変革するための基盤づくりを進めてまいります。
具体的には、確固たる収益基盤を有する冷凍食品事業などの食品関連事業については、持続的な成長・拡大を成し遂げられるよう積極的に経営資源を投入してまいります。また、独自の技術力という強みを有する電子関連事業においては、産業機器・車載向けの領域での事業拡大に注力いたします。物資関連事業におきましては、日本の優れた技術を海外へ提供する防災コンサルティング事業や各種試験機等の輸出の拡大によって事業基盤の確立に取組みます。繊維関連事業においては、アパレル卸売事業及びテキスタイル事業での収益力の強化を進めてまいります。
さらに、引き続き新しい価値創造のための企業風土改革に取組み、年代、性別、国籍などを超えた多様な人材が、グループの発展のために互いに協調し、より高い生産性をもって事業を拡大していく強固な組織を構築していきます。財務面においては、保有資産の効率的な活用や在庫の適正な管理などにより有利子負債の削減を進めることで、強固な財務基盤の確立を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
また当社は「神栄グループリスクマネジメント規則」に基づき、当社グループの事業の遂行上、想定し得る重要な個別リスクに関し、組織的・体系的に対処することとしております。これらの個別リスクは、当社グループ横断的に設置する常設の内部統制委員会で適切な管理を行い、リスクの未然防止を図るとともに、管理対象とすべき新たなリスクが生じた場合は、速やかに、当該リスクに対する施策を講じます。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
① 自然災害・感染症などにかかるリスク
当社グループは国内を始めとして、中国、東南アジア、米国等の世界各国における事業を展開し、情報ネットワークを構築しており、自然災害やウイルス等の感染症の流行、戦争、テロ、疾病、社会的混乱、公的規制の制約等が発生した場合、その地域においては原材料購入、生産加工、製品の販売及び物流等に一時的な遅延や停止が生じる可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延し、当社グループの従業員や事業全般に対し重大な影響を及ぼしかねない状況になったため、当社グループでは、代表取締役社長を委員長とする危機管理対策委員会を設置し、感染拡大の防止と従業員の健康確保を最重要課題として、出張制限などの細やかな注意喚起を行い、テレワークによる在宅勤務や時差出勤などにも当社グループを挙げて積極的に取組んでおります。また当社グループの各事業をとりまく環境の変化を随時把握し、適切に対策を講じながら事業継続に注力しております。しかしながら今後さらに感染が拡大した場合、経済活動の回復の遅れやサプライチェーンの停滞、また従業員の感染による拠点閉鎖等により当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは国内外で事業を遂行する上で、訴訟やその他の法的手段の当事者となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合又は事業遂行の制限が加えられた場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は2014年11月に米国で提起された当社グループを含む日系コンデンサメーカーにおける取引において米国反トラスト法に違反したと主張する複数の集団訴訟等への対応を行っており、そのうち当社が主要と位置付ける直接購入者を原告とする集団訴訟について、2020年3月に原告との間で和解の合意に達しましたが、継続しているその他原告との集団訴訟等の動向によっては当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの食品関連事業における商品及び原材料の調達は、その調達のほとんどを中国からの輸入に依存しているため、中国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、紛争、自然災害、伝染病の流行等の不測の事態により調達できなくなった場合には、当社グループの販売活動に影響が生じ、当社グループの財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。しかしながら、当社グループでは中国以外の調達ルートの開拓も進めており、中国への輸入依存リスク軽減に努めております。
当社グループは国内及び海外に生産・加工拠点を有しており、社会への貢献という当社グループの経営理念にもとづき、安全・安心のための品質基準を設けて、商品の品質管理には細心の注意を払い万全の体制をとっていますが、食品の安全に関する問題など製造及び販売に関して予期しない何らかの問題が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいて展開する事業は、食品衛生法、建築基準法並びに独占禁止法など各種の法令及び規制の適用を受けております。そのため、法令及び規制の変更、又は規制当局による措置その他の法的手続きにより、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めております。それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的・人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、業務の停止や機密情報・個人情報・その他データの盗取や漏洩などの問題を引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは商品を輸入して国内の販売先に供給する事業のウエイトが高く、輸入商品の支払サイトに比べて国内販売の受取サイトが長いことから運転資金の負担が発生し、有利子負債が比較的多額となっております。現時点においては、借入金・社債による資金調達に支障はありませんが、今後、金融システム・金融情勢の大きな変化や取引金融機関の融資姿勢の変化によっては、資金調達や借入条件に影響が出てくる可能性があります。
② 債権の貸倒れにかかるリスク
販売先の倒産等による与信リスクについては、当社グループ独自の与信管理システムにより債権管理に万全を期していますが、経済環境の変化によって予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、売上債権の回収に支障を来たした場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しており、予測される将来の課税所得の見積りに基づき、税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得がその見積り額を下回ることとなり、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産が取り崩されて税金費用が計上されることで、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における世界経済は、米国では景気回復基調が持続し、東南アジアでも一部で回復の動きがみられましたが、米中貿易戦争長期化の影響を受けて中国においては経済成長の減速傾向が続き、年明けからは新型コロナウイルス感染拡大によって世界経済全体が大きく減速してまいりました。
わが国経済も、緩やかな回復基調が続いていましたが、新型コロナウイルス感染拡大による深刻な影響が懸念される状況となりました。
当社グループは、2017年度よりスタートさせた中期経営計画WAVE“10” Season 2 の最終年度を迎え、当連結会計年度においては、すべての事業における収益基盤の確立を急ぐとともに、新しい価値創造のための企業風土改革に取組んでまいりました。この観点から、2019年8月20日に公表しましたとおり、繊維関連において不振が続いていたアパレル小売事業及びレッグウエア事業からの事業撤退を決定し、2020年2月に撤退を完了しました。
当連結会計年度における当社グループの売上高は、物資関連が増加したものの、事業撤退を進めた繊維関連を中心に減少したことから、全体では41,164百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
利益面におきましては、売上利益率が改善したことや繊維関連を中心に経費が減少した結果、営業利益は359百万円(前連結会計年度比77.7%増)、経常利益は272百万円(前連結会計年度比84.1%増)となりました。
また、特別利益として投資有価証券売却益と固定資産売却益を計上した一方で、特別損失としてフイルムコンデンサの取引に関する米国における集団訴訟に対応するための弁護士報酬や一部原告との和解金などに係る訴訟関連損失に加え、繊維関連における上記事業撤退に係る事業整理損などを計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は677百万円の損失(前連結会計年度は396百万円の損失)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
繊維業界では、猛暑・台風・暖冬などの天候不順に加え、消費増税により購買意欲が減退したことで販売は低調に推移し、これによる激しい販売競争が繰り広げられ、さらに2020年3月には新型コロナウイルス感染拡大の影響により販売が大きく落ち込みました。また生産面では販売不振による在庫過多の影響を受け、短納期や小ロットでの受注対応により製造コストの面でも厳しい環境となりました。
当社グループのアパレル卸売分野では、生産拠点の拡充、生産・品質管理力の強化や企画提案力の向上により収益の改善に注力しましたが、消費の停滞を背景とする一部販売先における在庫調整が影響し、取扱い・利益ともに減少しました。
アパレル小売分野では、不採算店舗の退店により、またレッグウエア分野では、市場のトレンドや顧客ニーズを反映した商材の展開が不足したことから、それぞれ取扱いが減少しました。さらにこれらの分野は、当連結会計年度後半においては事業撤退に伴う在庫処分を進めました。
その結果、繊維関連の売上高は4,518百万円(前連結会計年度比22.5%減)、セグメント利益は170百万円の損失(前連結会計年度は385百万円の損失)となりました。
食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、市場では激しい価格競争が続く中、中国をはじめとする仕入国での工場経費・原材料費の上昇に加え、国内の物流コストの上昇圧力も高まりました。また新型コロナウイルス感染拡大以降、学校給食・外食産業・インバウンド分野での需要が急減しました。
このような環境下、当社グループの冷凍食品分野では、調理の時短・簡便化の流れが加速し市場が拡大する中、強みである品質管理体制を活かして、高齢化市場としての医療老健施設向けや品質管理要求の高いルートへの販売に注力してきましたが、2020年3月には外食産業向けなどの業務用分野において新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けました。冷凍野菜は、品質力や安定供給力を背景にシェア確保への取組みを強化しましたが、価格競争の激化により売上高は減少しました。採算面は生産コストの上昇や物流費の増加はありましたが、販売価格や物流の管理強化が奏功し改善しました。冷凍調理品では、新製品の導入や量販店向けの提案営業の強化、またシェア確保への取組みにより取扱いは伸長しました。採算面は原材料費の上昇や物流費の増加はあったものの、取扱量の増加により改善しました。冷凍水産加工品では、主要魚種の原料高に伴う製品値上げの影響から取扱量は減少しましたが、「助っ魚 魚衛門(すけっと うえもん)骨なし切身シリーズ」などの高付加価値商材の伸長が寄与し、採算面は改善しました。
農産分野は、落花生・ナッツ類ともに、積極的な提案が奏功し取扱量は増加したものの販売単価が低下し、また添加物等の取扱いが減少したことで売上・採算面ともに横ばいとなりました。
その結果、食品関連の売上高は28,110百万円(前連結会計年度比0.7%減)、セグメント利益は1,440百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。
市場環境としましては、長引く米中の貿易摩擦問題に加えて新型コロナウイルス感染拡大の影響で、機械輸出等の減少傾向が続きました。国内におけるマンション等の住宅建設関連は一進一退で推移しました。
当社グループにおける機械機器・金属製品分野では、大型建設機械の輸出案件と鋳物製品の取扱いが伸長したことで全体として売上は増加しましたが、北米向けのハードウエアや自動車産業向け・携帯端末用の各種試験機の受注が低迷したことで利益は減少しました。
建築金物・資材分野では、首都圏での建築金物の受注が順調に推移したことや、輸入ガラスの取扱いが増加したことから、売上・利益ともに増加しました。
生活用品分野では、アウトドア関連の取扱いが増加しましたが、ブラシ関連とテレビショッピング向けの家庭用品が低調に推移したことで、売上・利益ともに減少しました。
防災関連分野では、海外における安全性調査案件について取組みを継続したことにより、取扱いが大きく伸長し、利益も増加しました。
その結果、物資関連の売上高は4,534百万円(前連結会計年度比8.4%増)、セグメント利益は276百万円(前連結会計年度比11.3%減)となりました。
電子部品業界は、米中貿易摩擦の長期化に伴う設備投資意欲の減退や中国景気低迷の長期化に加えて新型コロナウイルス感染拡大の影響から、低調に推移しました。
当社グループのコンデンサ分野では、新エネルギー用途が堅調に推移したものの照明用途や産業機器用途が減少したことで売上・利益ともに減少しました。
センサ関連機器分野では、ホコリセンサは車載用途が順調に増加した一方、中国の空気清浄機市場の低迷により売上・利益ともに減少しました。湿度センサは車載用途が堅調に推移した一方で、湿度計測機器は売上が減少しました。
落下・衝撃試験機分野では、携帯端末市場の低迷に加えて国内の設備投資の冷え込みにより大型試験機の受注がなく、売上・利益ともに減少しました。
その結果、電子関連の売上高は4,002百万円(前連結会計年度比9.6%減)、セグメント利益は109百万円(前連結会計年度比39.1%減)となりました。
※ セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に
基づいております。
当連結会計年度末の資産は、22,314百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,065百万円の減少となりました。これは投資有価証券が売却や時価の下落などに伴い916百万円減少したことに加え、商品及び製品が881百万円減少したことなどによるものであります。
また、負債は20,676百万円であり、前連結会計年度末に比べて896百万円の減少となりました。これは流動負債のその他に含まれる未払金が284百万円増加した一方で、長短借入金が1,103百万円減少したことなどによるものであります。
一方、純資産は1,638百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,168百万円の減少となりました。これは親会社株主に帰属する当期純損失677百万円の計上などにより株主資本が656百万円減少したことに加え、その他有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額が511百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,010百万円の収入(前連結会計年度比1,348百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純損失591百万円などにより減少した一方で、たな卸資産の減少872百万円及び売上債権の減少709百万円などにより増加したことによるものであります。
また、投資活動によるキャッシュ・フローは、187百万円の収入(前連結会計年度比745百万円の収入増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出434百万円などにより減少した一方で、投資有価証券の売却による収入374百万円及び有形固定資産の売却による収入151百万円などにより増加したことによるものであります。
一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,045百万円の支出(前連結会計年度比2,099百万円の支出増)となりました。これは、長短借入金の純減額1,103百万円などにより減少したことによるものであります。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は158百万円増加(前連結会計年度は119百万円の増加)して1,186百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 セグメント間の内部売上高は控除しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりでありますが、当社グループの課題であり、これまで多額の損失を計上していた繊維関連における不振事業から撤退し、また長年収益の圧迫要因となっておりましたフイルムコンデンサの取引に関する米国における一連の集団訴訟等のうち、当社が主要と位置付ける直接購入者を原告とする集団訴訟において原告との和解合意に達したことは、今後収益面での大きな改善要因になるものと考えております。しかしながら、食品関連に収益を依存していることは当社グループの課題であり、引き続き取り巻く環境にかかわらず安定して年間10億円以上の連結経常利益を創出できる企業体へ早期に変革するための基盤づくりを行うため、以下の施策を進めてまいります。
食品関連においては、持続的な成長を果たすために経営資源を積極的に投入しつつ、高付加価値商材の拡販や物流拠点の整備によって既存分野の深耕を進めてまいります。また、外食向けなど需要低迷が懸念される分野がある反面、中食向けなど当社グループの強みが評価され伸長が見込まれる分野もあり、これらの分野での売上拡大を図り、収益確保に努めてまいります。
物資関連においては、安全性調査などの海外防災コンサルティング事業の継続的な受注や各種試験機等の北米向け輸出事業の拡大、また建築金物事業における高付加価値商材の開発と販路の開拓により、安定した収益基盤の確立を図ってまいります。
繊維関連においては、アパレル卸売分野でテレビショッピング・通販向けやホームセンター向けの販売拡大を図るとともに、事業改革を継続していくことで、収益改善に取組んでまいります。
電子関連においては、強みである独自の技術力を活かして製品の高付加価値化を進め、また産業機器や物流、自動車分野における収益基盤の確立に向けて取組みを進めてまいります。
財政状態につきましては、繊維関連における事業撤退に伴い売上債権や在庫が減少したことや、食品関連において前連結会計年度末に大型連休に向けて積み増しをしていた在庫の販売を進めたことによる大幅な減少により、総資産は減少しました。連結自己資本比率の改善に向け取組みを進める中、総資産は減少したものの、多額の損失を計上したことや投資有価証券の時価が下落したことなどに伴い純資産も減少し、連結自己資本比率は前連結会計年度から4.2ポイント低下し7.3%となり、自己資本が大きく毀損いたしました。このような状況であったことを踏まえ、まずは連結自己資本比率の回復に向け、強みを有する中核的事業の拡大と今後中核となりうる事業の育成に取組むことで、すべての事業における収益基盤の確立を図り、また在庫の適正な管理をはじめとした運転資金の圧縮や保有資産の効率的な活用による総資産の圧縮に取組んでまいります。
キャッシュ・フローの分析につきましては、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備投資に係る資金需要に対しては保有資産の売却により資金調達を行い、また食品関連や繊維関連における運転資金が減少したことにより有利子負債の削減を進めました。2021年3月期においては、設備投資は減価償却費の範囲内で行うことを原則とし、収益の確保により、全体としては有利子負債の削減を進めてまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、当社グループとして重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、回収可能性があると判断した将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。また回収可能性については、過去の実績に基づき見積可能期間に応じた将来の課税所得を見積もっております。
なお当連結会計年度の見積りについては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響を含め、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (追加情報)」に記載しております。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、電子関連のセンサ機器関連及び計測・試験機器関連の研究開発を神栄テクノロジー㈱にて、フイルムコンデンサ及び関連ユニットの研究開発を神栄キャパシタ㈱にて行っており、それぞれの研究内容は次のとおりであります。
なお、研究開発費の金額は
(1) 産業用浮遊粒子センサ及び機器の開発
(2) 車載用ホコリセンサシリーズの開発
(3) 産業向け湿度センサユニットの高度化
(1) 物流、自動車分野向けデータロガーの開発
(2) 自動車分野向け吸収分光方式水分計の開発
(3) 高加速度衝撃試験機の開発
(1) 産業機器、新エネルギー分野向けコンデンサ及びモジュールの開発
(2) 車載規格IATF16949認証取得に向けた研究