第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針、経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、2018年3月期から2020年3月期までの中期経営計画WAVE“10” Season 2において、新しい価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献できる企業グループを目指し、そのための経営基盤の確立と企業風土の醸成を基本方針と定めました。計画に基づき各種施策を進める中、最終年度にあたる2020年3月期において、経営基盤の確立に向けた大きな課題への取組みとして、不振が長く続いていた繊維関連のアパレル小売事業とレッグウエア事業からの撤退を行ったことを受け、当連結会計年度(2021年3月期)を当社グループの新たな事業ポートフォリオ組成とそれによる事業と収益の基礎固めの年度とするために、新中期経営計画の策定を1年見送ることといたしました。

中期経営計画の策定を見送った当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大による国内外の大きな環境変化については適時適切に対処し、マイナス面の影響については最小限に留めるとともに、強化すべき分野を見定めて注力することで、収益改善を果たしました。一方、米国における集団訴訟等の終結に向けた和解合意を進め、また各事業・ビジネスの収益力の分析を始めとする各種課題への取組みを積極的に推進してまいりました。

このような当連結会計年度までの取組み結果と現状の新型コロナウイルス問題の影響を踏まえ、2022年3月期から2024年3月期までの3年間を対象とする新たな中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」を策定しました。

本計画期間において、環境変化にも適切に対応し安定的に連結経常利益10億円を創出できる企業・収益体質を構築することを目標としています。また現状の収益構造が食品関連に依存していることを踏まえ、食品関連においてさらなる事業拡大を強力に推進しながら、物資関連・繊維関連・電子関連がそれぞれ早期に収益基盤を確立・安定化することで、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオを構築することを目指します。

当社グループでは、経営目標の達成状況を客観的に判断するための指標として、中期経営計画最終年度となる2024年3月期経営計画におけるセグメント利益の構成比率及び連結経常利益額の目標は以下のとおりとしています。

 


 

 

2021年3月期実績

2024年3月期計画

連結経常利益

676百万円

1,250百万円

 

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の世界経済は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響を受ける中、中国や米国では回復の兆しがみられたものの、全体としては景気の減速が続く状況であり、わが国経済においても、感染の収束がみられない中、先行きの不透明感が一層強まっております。

当社グループにおきましては、前連結会計年度と比べ大きく収益改善を果たした当連結会計年度までの取組み結果と現状を踏まえ、2022年3月期から2024年3月期までの3年間を対象とする新たな中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」を策定いたしました。本中期経営計画では、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオとすることを目指し、さらに環境変化にも適切に対応し安定的に連結経常利益10億円を創出できる企業・収益体質を構築することを目標としております。

本中期経営計画の初年度にあたる2022年3月期の具体的な取組みとして、まず確固たる収益基盤を有する冷凍食品事業などの食品関連においては、日配を基軸にした既存の冷凍食品の輸入販売に加えて、市販ルートへの取組みや食品・惣菜メーカーへの供給を通じて川下の流通層へのアプローチを進めるなど、収益源の多様化と規模拡大を図ります。物資関連においては、日本の優れた技術・製品の輸出や海外での適地調達による機能するサプライチェーンの構築を図り、グローバルな展開を推進してまいります。繊維関連においては、コロナ禍の影響を特に受けるアパレル市場や繊維業界での大きな変化に対応し、テレビショッピング・通販向け等、将来性の見込まれる新たな顧客層・市場・商材での事業拡大にチャレンジします。独自の技術力という強みを有する電子関連においては、センサ機器分野は新たなセンシング市場への進出による事業規模の拡大、計測・試験機器分野は成長市場への参入による事業基盤の安定化、コンデンサ分野は事業構造の変革により収益の安定化を目指します。

さらに、各事業において既存のビジネスモデルを進化させ、新たな戦略を構築するとともに、業務管理の面においても業務プロセスの高度化と生産性の改善を図ることを目標としたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進いたします。また財務面においては、安定した収益確保に基づいた自己資本の充実を進めます。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また当社は「神栄グループリスクマネジメント規則」に基づき、当社グループの事業の遂行上、想定し得る重要な個別リスクに関し、組織的・体系的に対処することとしております。これらの個別リスクは、当社グループ横断的に設置する常設の内部統制委員会で適切な管理を行い、リスクの未然防止を図るとともに、管理対象とすべき新たなリスクが生じた場合は、速やかに、当該リスクに対する施策を講じます。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

 

(1) 事業上のリスク

① 自然災害・感染症などにかかるリスク

当社グループは国内を始めとして、中国、東南アジア、米国等の世界各国における事業を展開し、情報ネットワークを構築しており、気候変動により起こる異常気象や自然災害、ウイルス等の感染症の流行、戦争、テロ、疾病、社会的混乱、公的規制の制約等が発生した場合、その地域においては原材料購入、生産加工、製品の販売及び物流等に一時的な遅延や停止が生じる可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延し、当社グループの従業員や事業全般に対し重大な影響を及ぼしかねない状況になったため、当社グループでは、代表取締役社長を委員長とする危機管理対策委員会を設置し、感染拡大の防止と従業員の健康確保を最重要課題として、出張制限などの細やかな注意喚起を行い、テレワークによる在宅勤務や時差出勤などにも当社グループを挙げて積極的に取組んでおります。また当社グループの各事業をとりまく環境の変化を随時把握し、適切に対策を講じながら事業継続に注力しております。しかしながら今後さらに感染が拡大した場合、経済活動の回復の遅れやサプライチェーンの停滞、また従業員の感染による拠点閉鎖等により当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟にかかるリスク

当社グループは国内外で事業を遂行する上で、訴訟やその他の法的手段の当事者となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合又は事業遂行の制限が加えられた場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は2014年11月に米国で提起された当社グループを含む日系コンデンサメーカーにおける取引において米国反トラスト法に違反したと主張する複数の集団訴訟等への対応を行っており、そのうち直接購入者及び間接購入者を原告とする集団訴訟については、すでに原告との間で和解の合意に達しましたが、継続しているその他原告との訴訟の動向によっては当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 商品及び原材料の調達にかかるリスク

当社グループの食品関連における商品及び原材料の調達は、その調達のほとんどを中国からの輸入に依存しているため、中国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、紛争、気候変動、自然災害、伝染病の流行等の不測の事態により調達できなくなった場合には、当社グループの販売活動に影響が生じ、当社グループの財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。しかしながら、当社グループでは中国以外の調達ルートの開拓も進めており、中国への輸入依存リスク軽減に努めております。

また足元では世界的な半導体不足が生じており、今後もこの状況が続く場合には、当社グループの電子関連において部品調達に支障をきたし、製品の生産に影響を与える可能性があります。

④ 取扱商品の品質にかかるリスク

当社グループは国内及び海外に生産・加工拠点を有しており、社会への貢献という当社グループの経営理念にもとづき、安全・安心のための品質基準を設けて、商品の品質管理には細心の注意を払い万全の体制をとっていますが、食品の安全に関する問題など製造及び販売に関して予期しない何らかの問題が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 法令及び規制にかかるリスク

当社グループにおいて展開する事業は、食品衛生法、建築基準法並びに独占禁止法など各種の法令及び規制の適用を受けております。そのため、法令及び規制の変更、又は規制当局による措置その他の法的手続きにより、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 情報システムの障害にかかるリスク

当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めております。それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的・人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、業務の停止や機密情報・個人情報・その他データの盗取や漏洩などの問題を引き起こし、事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。その結果、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 財務・会計上のリスク
① 資金調達にかかるリスク

当社グループは商品を輸入して国内の販売先に供給する事業のウエイトが高く、輸入商品の支払サイトに比べて国内販売の受取サイトが長いことから運転資金の負担が発生し、有利子負債が比較的多額となっております。現時点においては、借入金・社債による資金調達に支障はありませんが、今後、金融システム・金融情勢の大きな変化や取引金融機関の融資姿勢の変化によっては、資金調達や借入条件に影響が出てくる可能性があります。

② 債権の貸倒れにかかるリスク

販売先の倒産等による与信リスクについては、当社グループ独自の与信管理システムにより債権管理に万全を期していますが、経済環境の変化や新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響の長期化による与信リスクの増大によって予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、売上債権の回収に支障を来たした場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 繰延税金資産にかかるリスク

当社グループは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しており、予測される将来の課税所得の見積りに基づき、税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得がその見積り額を下回ることとなり、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産が取り崩されて税金費用が計上されることで、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の概況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響を受ける中、中国においては輸出が順調に拡大するなど景気回復基調が持続し、米国では感染再拡大に伴う活動規制強化により停滞していた個人消費が経済対策やワクチンの普及などによって持ち直してきた一方で、東南アジアにおいては回復の動きは緩慢であり、全体としては景気の減速が続く状況となりました。

わが国経済も、世界経済全体の減速により減少していた輸出は各国の経済活動再開などによって回復基調が持続し、企業収益は非製造業に弱さがみられるものの、改善傾向が継続した一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う休業要請・外出自粛要請などの解除によって持ち直す兆しを見せた個人消費に感染再拡大による低迷の動きがみられ、企業の設備投資も減少するなど、厳しい状況が続きました。

当社グループは、当連結会計年度を安定して年間10億円以上の連結経常利益を創出できる企業体へ早期に変革するための基盤づくりの年度と位置付けておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらした環境変化への対応として、感染拡大防止と従業員の安全確保に最大限配慮しつつ事業への影響を最小限に抑え、収益改善を果たすべく注力してまいりました。

当連結会計年度における当社グループの売上高は、電子関連がホコリセンサの受注増加などにより伸長した一方で、食品関連が新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたことや、繊維関連が前連結会計年度に不振事業から撤退したことなどから減少し、全体では37,265百万円(前連結会計年度比9.5%減)となりました。

利益面におきましては、電子関連の増収や繊維関連における不振事業からの撤退による改善のほか、全社的に取組んだ経費の削減もあり、営業利益は778百万円(前連結会計年度比116.4%増)、経常利益は676百万円(前連結会計年度比148.3%増)となりました。

また、特別損失においてフイルムコンデンサの取引に関する米国における集団訴訟に対応するための弁護士報酬などに係る訴訟関連損失が前連結会計年度比で大幅に減少したほか、前連結会計年度において繊維関連で事業整理損を計上していたことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は500百万円(前連結会計年度は677百万円の損失)となり大幅に改善いたしました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

食品関連

 

食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大により内食需要が増加した一方で、学校給食・産業給食・外食産業など幅広い分野において需要が減少しました。市場が収縮した環境下において、商品が滞留し価格競争はますます激化する状況にありました。

 

このような状況の中で、当社グループの冷凍食品分野では、ホテル・飲食店用途などの外食産業向け及び産業給食等向けについては、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、冷凍野菜・冷凍調理品・冷凍水産加工品の各商材で取扱いが減少しました。売上の減少を最小限に抑えるために、高齢化市場としての医療老健施設向けなど品質管理要求の高いルートへの販売に引き続き注力するとともに、強みである品質管理体制と品揃え、きめ細かな配送サービスを活かした販路拡大や内食需要の拡大への取組みを強化したことで、量販店向けの冷凍野菜と冷凍調理品は伸長しました。利益面では、在庫圧縮などによる経費削減にも注力しましたが、外食産業向け及び産業給食等向けの取扱い減少の影響が大きく、全体では売上・利益ともに減少しました。

農産分野では、生落花生は競争激化により取扱量が減少し、ナッツ類は取扱量は増加したものの市場価格の下落を受けたことなどで、売上・利益ともに減少しました。

その結果、食品関連の売上高は25,110百万円(前連結会計年度比10.7%減)、セグメント利益は1,304百万円(前連結会計年度比9.5%減)となりました。

 

物資関連

 

新型コロナウイルス感染症の拡大により、海外渡航を制限する動きが世界中で継続し、経済活動の規制により欧米向けの機械等の輸出は減少しました。

このような状況ではありましたが、当社グループの機械機器・金属製品分野では、大型建設機械の輸出案件の取扱いが伸長したことに加えて、北米向けのハードウエアや各種試験機の輸出が堅調に推移したことから、売上・利益ともに大幅に増加しました。

一方で、防災関連分野では、年度後半において対象地域への海外渡航ができる状態にはなったものの、役務の提供や商談が遅延したことから、売上・利益ともに減少しました。

建築金物・資材分野では、国内におけるマンション等の住宅建設関連の着工数が減少し、特に近畿圏での金物受注が落ち込み、また輸入ガラスも首都圏での取扱いが低調に推移したことで、売上・利益ともに減少しました。

その結果、物資関連の売上高は4,246百万円(前連結会計年度比6.3%減)、セグメント利益は276百万円(前連結会計年度比0.0%増)となりました。

 

繊維関連

 

繊維業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内では外出自粛により購買意欲が低下し、生産地である中国等においても一時的な生産力低下などが見られ、厳しい状況が続きました。

当社グループのアパレル卸売分野では、テレワーク・巣ごもりなど新たな生活様式に伴い消費者の購買活動に変化がみられ、アパレル専門店向けの取扱いや百貨店アパレル用途の生地販売が減少した一方で、量販店向けの紳士用ホームウエアや企画提案が高く評価されたテレビショッピング用婦人服の取扱いが増加しました。また、ホームセンター向けの吸汗・冷感など機能性衣料やマスク関連商材が伸長し、売上・利益ともに増加しました。

 

前連結会計年度において不振事業であったアパレル小売分野及びレッグウエア分野から撤退したことで、売上は大幅な減少となりましたが、固定費を削減できたことで収益は改善しました。

その結果、繊維関連の売上高は3,333百万円(前連結会計年度比26.2%減)、セグメント利益は30百万円(前連結会計年度は170百万円の損失)となりました。

 

電子関連

 

電子部品業界は、世界的な半導体不足や新型コロナウイルス感染再拡大が懸念される中、パソコンやゲーム機向けが好調であったことに加え、中国と米国を中心とした自動車生産の急速な回復により、全体としては堅調に推移しました。

当社グループのセンサ機器分野では、湿度センサは産業用途などの受注が減少したものの、ホコリセンサは国内及び中国・韓国市場向け空気清浄機用途に加えて車載用途でも増加したことから、売上・利益ともに大幅に増加しました。

計測・試験機器分野では、試験機が国内・海外向けともに堅調に推移したことに加え、新製品の温度ロガーを新型コロナワクチンの温度管理用に受注したことで、売上が増加し、利益は大幅に増加しました。

コンデンサ分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、マレーシアの工場が一時操業停止となるなど影響を受けたほか、照明や調理家電用途などが低調であったことにより売上は減少しましたが、生産性向上による利益率の改善により採算面は好転しました。

その結果、電子関連の売上高は4,574百万円(前連結会計年度比14.3%増)、セグメント利益は368百万円(前連結会計年度比237.6%増)となりました。 

 

※  セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に

    基づいております。  

 

② 財政状態の概況

当連結会計年度末の資産は、21,193百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,121百万円の減少となりました。これは投資有価証券が時価の上昇などに伴い733百万円増加した一方で、商品及び製品が843百万円、受取手形及び売掛金が455百万円、流動資産のその他に含まれる預託金が300百万円、繰延税金資産が201百万円減少したことなどによるものであります。

また、負債は18,519百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,156百万円の減少となりました。これは長短借入金が1,418百万円、流動負債のその他に含まれる未払金が327百万円、社債(1年内償還予定を含む)が250百万円減少したことなどによるものであります。

一方、純資産は2,673百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,035百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益500百万円の計上などにより株主資本が518百万円増加したことに加え、その他有価証券評価差額金などのその他の包括利益累計額が517百万円増加したことによるものであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、2,124百万円の収入前連結会計年度比1,113百万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益598百万円及びたな卸資産の減少858百万円並びに売上債権の減少448百万円などにより増加したことによるものであります。

また、投資活動によるキャッシュ・フローは、224百万円の支出前連結会計年度比412百万円の支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出194百万円などにより減少したことによるものであります。

一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,716百万円の支出前連結会計年度比670百万円の支出増)となりました。これは、長短借入金の純減額1,418百万円及び社債の償還による支出250百万円などにより減少したことによるものであります。

その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は164百万円増加(前連結会計年度は158百万円の増加)して1,351百万円となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

電子関連

4,099

114.6

合計

4,099

114.6

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

受注残高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

電子関連

4,260

118.9

443

136.4

合計

4,260

118.9

443

136.4

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

食品関連

25,110

89.3

物資関連

4,246

93.7

繊維関連

3,333

73.8

電子関連

4,574

114.3

合計

37,265

90.5

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 セグメント間の内部売上高は控除しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりでありますが、当連結会計年度におきましては、前連結会計年度において繊維関連における不振事業から撤退したことによる固定費削減や全社的に取組んだ経費削減などにより、前連結会計年度に比べ大きく収益改善を果たしました。一方でコロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた食品関連の収益が落ち込んだものの、依然として食品関連に収益を依存している状況に変わりなく、当社グループの課題であります。そのため、2022年3月期からの新中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」においては、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオとすることを目指し、取組みを進めてまいります。

財政状態につきましては、食品関連において新型コロナウイルス感染拡大による外食産業向け及び産業給食等向けの需要の減少に伴い、売上債権が減少したことに加え、売上高の減少により在庫水準を抑制したこともあり、運転資金が大きく減少したことで、総資産は減少しました。一方で、純資産は利益計上や投資有価証券の時価が上昇したことなどに伴い増加したことで、連結自己資本比率は前連結会計年度から5.3ポイント上昇し12.6%となりました。引き続き連結自己資本比率の改善に向け、強みを有する中核的事業の拡大と今後中核となりうる事業の育成に取組むことで、すべての事業における収益基盤の確立を図り、また保有資産の効率的な活用などによる総資産の圧縮に取組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの分析につきましては、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。資本の財源及び資金の流動性につきましては、利益計上や主に食品関連における運転資金が減少したほか、設備投資を減価償却費の範囲内で行ったことにより、有利子負債の削減を進めました。2022年3月期においては、設備投資は減価償却費の範囲内で行うことを原則としつつ、今後の収益拡大に向けた設備投資を行うこととし、また売上拡大に伴う運転資金の増加も見込むものの、収益の確保などにより、有利子負債の削減もしくは増加を最小限に抑えるべく、取組みを進めてまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、当社グループとして重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、回収可能性があると判断した将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。また回収可能性については、過去の実績に基づき見積可能期間に応じた将来の課税所得を見積もっております。

なお、当連結会計年度の見積りについては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響を含め、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、電子関連のセンサ機器関連及び計測・試験機器関連の研究開発を神栄テクノロジー㈱にて、フイルムコンデンサ及び関連ユニットの研究開発を神栄キャパシタ㈱にて行っており、それぞれの研究内容は次のとおりであります。

なお、研究開発費の金額は238百万円であります。

 

センサ機器関連

(1) 産業用パーティクルセンシングモニターの開発

(2) 車載用ホコリセンサシリーズの開発

(3) 産業向け湿度センサユニットの高度化

 

計測・試験機器関連

(1) ワクチン物流用温度ロガーの製品化及びソフトウエア開発

(2) クラウド型輸送貨物監視システムの開発

(3) 吸収分光式水分計の応用研究

 

コンデンサ関連

(1) 産業機器、パワーエレクトロニクス分野向けコンデンサ及びモジュールの開発

(2) 車載規格IATF16949に関連する研究