第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針、経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループでは、2022年3月期から2024年3月期までの3年間を対象とする新たな中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」を策定し、環境変化にも適切に対応し安定的に連結経常利益10億円を創出できる企業・収益体質を構築することを目標として取組みを進めております。

当社グループの中長期的な経営戦略としては、現状の収益構造が食品関連に依存していることを踏まえ、食品関連においてさらなる事業拡大を強力に推進しながら、物資関連・繊維関連・電子関連がそれぞれ早期に収益基盤を確立・安定化することで、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオを構築することを目指しています。

また当社グループでは、経営目標の達成状況を客観的に判断するための指標として、中期経営計画最終年度となる2024年3月期経営計画におけるセグメント利益の構成比率及び連結経常利益額の目標を以下のとおりとしています。

 

 

(単位:百万円)

 

2021年3月期

実績

2022年3月期

実績

2023年3月期

計画

2024年3月期

中期経営計画

セグメント利益

 

構成比

 

構成比

 

構成比

 

構成比

 

食品関連

1,304

66%

1,072

58%

1,150

59%

1,615

56%

 

物資関連

276

14%

377

21%

410

21%

470

16%

 

繊維関連

30

1%

△57

△3%

△40

△2%

215

8%

 

電子関連

368

19%

449

24%

430

22%

560

20%

 

 計

1,979

100%

1,842

100%

1,950

100%

2,860

100%

全社費用等

△1,302

△1,208

△1,250

△1,610

連結経常利益

676

634

700

1,250

 

(注)2024年3月期の全社費用等は、費用が大きく増える要素はありません。新型コロナウイルス感染症の影響や為替リスクなど想定外のリスクを考慮した金額としております。

 

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の世界経済は新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない中、原油をはじめとする資源高、原材料費の高騰、国際輸送の混乱と運賃の上昇などによる影響を大きく受け、わが国経済においては、円安の進行も加わり消費者物価が上昇傾向にあるなど、先行きの消費動向への不透明感が一層強まっております。

当社グループにおきましては、中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」の2年目にあたる2023年3月期は、原材料費、物流費の高騰や円安などのコストアップとなる要因について収益への影響を最小限に留めるべく、適時適切な対応を進め、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオとすることを目指してまいります。

セグメント別の取組みとしましては、まず確固たる収益基盤を有する食品関連においては、日配を基軸にした既存の冷凍食品輸入販売の深耕に加え、販路・カテゴリーの拡張によって収益のさらなる拡大を目指します。物資関連においては、日本の優れた技術・製品の輸出や海外での適地調達による機能するサプライチェーンの構築により、グローバルな展開を推進し、収益基盤の強化に繋げてまいります。繊維関連においては、既存の量販店向けへの商品展開に加え、テレビショッピング・通販向け等での事業拡大・収益改善を進めます。独自の技術力という強みを有する電子関連においては、センサ機器分野は車載・産業用途の強化による事業規模の拡大、計測・試験機器分野は医薬品等の物流市場への参入による新たな収益源の確保、コンデンサ分野は産業・自動車市場へ注力することで事業基盤の安定化を目指します。

さらに、各事業において既存のビジネスモデルを進化させ、新たな戦略を構築するとともに、業務管理の面においても業務プロセスの高度化と生産性の向上を図ることを目標としたDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進も継続いたします。財務面においては、安定した収益確保に基づき、2023年3月期の期末配当の実現に向けた自己資本の充実を進めてまいります。

また、委員の過半数を社外取締役とする監査等委員会を設置することで取締役会の監督機能をより強化することを目的とした監査等委員会設置会社への移行や、役員の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するための独立した委員会の設置により、コーポレートガバナンスを一層強固なものとするとともに、人々の様々な豊かさと持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ経営を推進してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また当社は「神栄グループリスクマネジメント規則」に基づき、当社グループの事業の遂行上、想定し得る重要な個別リスクに関し、組織的・体系的に対処することとしております。これらの個別リスクは、当社グループ横断的に設置する常設の内部統制委員会で適切な管理を行い、リスクの未然防止を図るとともに、管理対象とすべき新たなリスクが生じた場合は、速やかに、当該リスクに対する施策を講じます。

 

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 事業上のリスク

① 自然災害・感染症などにかかるリスク

当社グループは国内を始めとして、中国、東南アジア、米国等の世界各国における事業を展開し、情報ネットワークを構築しており、気候変動により起こる異常気象や自然災害、ウイルス等の感染症の流行、戦争、テロ、疾病、社会的混乱、公的規制の制約等が発生した場合、その地域においては原材料購入、生産加工、製品の販売及び物流等に一時的な遅延や停止が生じる可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界中に蔓延し、当社グループの従業員や事業全般に対し重大な影響を及ぼしかねない状況になったため、当社グループでは、代表取締役社長を委員長とする危機管理対策委員会を設置し、感染拡大の防止と従業員の健康確保を最重要課題として、時々の地域の感染状況に合わせて出張制限などの細やかな注意喚起を行い、テレワークによる在宅勤務や時差出勤などにも当社グループを挙げて積極的に取組むなど、適切に対策を講じながら事業継続に注力しております。しかしながら、今後さらに感染状況が悪化した場合、経済活動の回復の遅れやサプライチェーンの停滞等により当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟にかかるリスク

当社グループは国内外で事業を遂行する上で、訴訟やその他の法的手段の当事者となる可能性があり、重要な訴訟等が提起された場合又は事業遂行の制限が加えられた場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社は2014年11月に米国で提起された当社グループを含む日系コンデンサメーカーにおける取引において米国反トラスト法に違反したと主張する複数の訴訟等(集団訴訟を含む)への対応を行っており、そのうち米国における直接購入者及び間接購入者を原告とする集団訴訟については、すでに原告との間で和解の合意に達しましたが、継続しているその他原告との訴訟の動向によっては当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 商品及び原材料の調達にかかるリスク

当社グループの食品関連における商品及び原材料の調達は、その多くを中国から輸入しております。中国以外の調達ルートの開拓も進めており、中国への輸入依存リスク軽減に努めておりますが、中国の政治・経済情勢等の変化、法律の改正、紛争、気候変動、自然災害、伝染病の流行等の不測の事態により調達できなくなった場合には、当社グループの販売活動に影響が生じ、当社グループの財政状態、経営成績に影響を与える可能性があります。

また足元では世界的な半導体不足や国際輸送の混乱が生じており、当社グループにおいては在庫の積み増しなどの対応は行っておりますが、今後もこの状況が続く場合には、当社グループの商品及び原材料や部品の調達に支障をきたし、商品の販売や製品の生産に影響を与える可能性があります。

 

④ 取扱商品の品質にかかるリスク

当社グループは国内及び海外に生産・加工拠点を有しており、社会への貢献という当社グループの経営理念にもとづき、安全・安心のための品質基準を設けて、商品の品質管理には細心の注意を払い万全の体制をとっていますが、食品の安全に関する問題など製造及び販売に関して予期しない何らかの問題が発生した場合、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 情報システムの障害にかかるリスク

当社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、セキュリティの高度化などシステムやデータの保護に努めております。それにもかかわらず、災害やサイバー攻撃など外的・人為的要因などにより情報システムに障害が生じた場合、業務の停止や機密情報・個人情報・その他データの盗取や漏洩などの問題を引き起こし、事業活動の継続に支障をきたし、その結果、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 法令及び規制にかかるリスク

当社グループにおいて展開する事業は、食品衛生法、建築基準法並びに独占禁止法など各種の法令及び規制の適用を受けております。そのため、法令及び規制の変更、又は規制当局による措置その他の法的手続きにより、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 財務・会計上のリスク
① 資金調達にかかるリスク

当社グループは商品を輸入して国内の販売先に供給する事業のウエイトが高く、輸入商品の支払サイトに比べて国内販売の受取サイトが長いことから運転資金の負担が発生し、有利子負債が比較的多額となっております。現時点においては、借入金・社債による資金調達に支障はありませんが、今後、金融システム・金融情勢の大きな変化や取引金融機関の融資姿勢の変化によっては、資金調達や借入条件に影響が出てくる可能性があります。

② 債権の貸倒れにかかるリスク

販売先の倒産等による与信リスクについては、当社グループ独自の与信管理システムにより債権管理に万全を期していますが、経済環境の変化や新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響の長期化による与信リスクの増大によって予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、売上債権の回収に支障を来たした場合には、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 繰延税金資産にかかるリスク

当社グループは、過年度に生じた税務上の繰越欠損金を有しており、予測される将来の課税所得の見積りに基づき、税務上の繰越欠損金に対する繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得がその見積り額を下回ることとなり、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産が取り崩されて税金費用が計上されることで、当社グループの財政状態、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の概況

当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の長期化と感染再拡大に加え、ウクライナ情勢の悪化による影響も懸念される中、米国ではインフレが加速しているものの、個人消費は底堅く推移するなど景気の回復傾向が継続し、また東南アジアでも活動規制が段階的に緩和されるにつれて内需が持ち直し、緩やかな景気回復が続きました。一方、中国では輸出の増加基調が持続しているものの、感染症への対策強化や不動産投資への警戒感などから引き続き景気減速傾向となりました。

わが国経済は、輸出や設備投資に一時下振れの動きがみられたものの増加基調が持続した一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う断続的な緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用などにより経済活動が制限されたことで個人消費は低調に推移し、依然として厳しい状況が継続しました。

当社グループは、2022年3月期から2024年3月期までの3年間を対象とする新たな中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」を策定し、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオとすることを目指し、環境変化にも適切に対応し安定的に連結経常利益10億円を創出できる企業・収益体質を構築することに取組んでおります。

当連結会計年度における当社グループの売上高は、会計基準変更に伴う減少はあったものの、ナッツ類を中心に食品関連が増加したことなどで、全体では37,686百万円(前連結会計年度比1.1%増)となりました。

しかしながら利益面では、年度後半にかけて、特に食品関連における原料不足や原料高に加えて、海上運賃の高騰や円安がさらに進む中、第3四半期までは影響を受けながらも当初計画に見合う進捗を確保したものの、続く第4四半期では影響をさらに大きく受ける形で利益を圧迫する結果となり、通期では経費の削減を進めましたが、営業利益は721百万円(前連結会計年度比7.3%減)、経常利益は634百万円(前連結会計年度比6.3%減)となりました。

また、特別利益に環境対策引当金戻入額を計上した一方で、特別損失に農業事業及びタイ市場における食品輸入販売事業からの撤退に伴う事業整理損などを計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は474百万円(前連結会計年度比5.3%減)となりました。

なお、収益認識に関する会計基準等の適用に伴い、従来の方法に比べ売上高は1,883百万円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ8百万円減少しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表[注記事項](会計方針の変更)」をご参照ください。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

 

 

食品関連

 

食品業界の輸入食材を取り巻く環境は、中国をはじめとする仕入国での天候不順の影響や工場経費・原材料費の上昇、また世界的な物流の混乱等による国外の物流コスト上昇のほか、円安の進行により仕入コストの上昇傾向が続きました。国内では新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で需要の低迷が長期化し、緊急事態宣言が一斉解除された第3四半期以降に需要回復の動きが期待されたものの、第4四半期に入り感染再拡大により各地でまん延防止等重点措置が発令されたことで、結果として通期にわたり厳しい市場環境が続きました。

このような状況の中、当社グループの冷凍食品分野では、強みである品質管理体制を活かした医療老健施設向けなど品質管理要求の高いルートへの販売に引き続き注力しながら、市販用商品の販売量を伸長させるなどの販路拡大や商品開発による内食需要への取組みを強化したことで、冷凍野菜・冷凍調理品・冷凍水産加工品の各商材ともに売上は前年度並みを維持しました。一方、利益面では円安の進行や海外運賃など物流コストの上昇、また冷凍野菜の原料高の影響を受け続け、特に第4四半期での影響は非常に大きく、利益は大幅に減少しました。

農産分野は、主力のカシューナッツを中心にナッツ類の取扱いが大きく増加し、また落花生の取扱いも堅調であったことで、売上は大幅に伸長し、利益も増加しました。

その結果、食品関連の売上高は26,412百万円(前連結会計年度比5.2%増)、セグメント利益は1,072百万円(前連結会計年度比17.8%減)となりました。

 

物資関連

 

輸出事業を取り巻く環境は、世界的な自動車生産の回復やICT関連産業が堅調であった一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の抑制や半導体などの電子部品不足がサプライチェーンに影響を及ぼしました。

このような状況の中、当社グループの機械機器・金属製品分野では、北米向けのハードウエアや大型建設機械の輸出は堅調に推移したものの、各種試験機の取扱いが減少したことに加え、会計基準変更に伴う影響もあり、売上は大幅に減少しましたが、利益は経費の削減もあり増加しました。

一方で、防災関連分野では、予定していた調査案件が開始されず、わずかな売上にとどまりました。

国内における住宅建設関連については、マンション着工にも回復の動きがみられ、当社グループの建築金物・資材分野では、金物・輸入ガラスとも主要都市圏を中心とした取扱いが堅調に推移したことで、売上・利益ともに大幅に増加しました。

生活用品分野では、ブラシ毛材や周辺商品、またアウトドア関連商品が好調に推移し、売上・利益ともに増加しました。

その結果、物資関連の売上高は3,370百万円(前連結会計年度比20.6%減)、セグメント利益は377百万円(前連結会計年度比36.6%増)となりました。

 

 

繊維関連

 

繊維業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内では外出自粛による購買意欲の減退が続き、また原材料や物流コストの高騰などにより仕入コストが上昇し、厳しい状況が続きました。

当社グループのアパレル卸売分野では、専門店向けやコロナ関連用途の生地の販売が減少したものの、高い企画提案力で量販店に販路を有する主力顧客向け紳士衣料品やテレビショッピング向けレディース衣料品が伸長し、売上は増加しました。一方、利益は全般的に原材料や物流費の高騰などの影響を受けたことや在庫の早期処分を進めたこともあり利益率が低下し、減少しました。

その結果、繊維関連の売上高は3,391百万円(前連結会計年度比1.7%増)、セグメント利益は57百万円の損失(前連結会計年度は30百万円の利益)となりました。

 

電子関連

 

電子部品業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う供給制約を懸念した在庫の積み増しが受注水準を高めたことに加え、自動車や産業機器関連の生産の回復による部品需要が増大したことで、市場の拡大が続きました。

当社グループのセンサ機器分野では、ホコリセンサは車載用途が好調に推移した一方で、空気清浄機用途が減少し、また湿度センサは民生・産業用途が増加したものの、車載用途が減少したことで、売上は減少しましたが、利益は経費の削減により増加しました。

計測・試験機器分野では、携帯端末機器用途の落下試験機の輸出が伸長した一方で、計測機器が低調に推移したことで、売上は横ばいとなりましたが、利益は減少しました。

コンデンサ分野では、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いマレーシアの工場で操業制限の影響を受け、売上は減少しましたが、利益率が改善したことで利益は増加しました。

その結果、電子関連の売上高は4,511百万円(前連結会計年度比1.4%減)、セグメント利益は449百万円(前連結会計年度比22.2%増)となりました。

 

なお、収益認識に関する会計基準等の適用に伴うセグメントごとの売上高とセグメント利益の減少額は、以下のとおりであります。

 

 

売上高

セグメント利益

食品関連

  412百万円

8百万円

物資関連

1,228百万円

繊維関連

  230百万円

電子関連

   11百万円

 

 

※  セグメント利益は、報告セグメントに帰属しない一般管理費等配賦前の経常利益の金額に 基づいております。  

 

 

② 財政状態の概況

当連結会計年度末の資産は、23,586百万円であり、前連結会計年度末に比べて2,393百万円の増加となりました。これは商品及び製品が1,679百万円、原材料及び貯蔵品が210百万円増加したほか、売上債権が463百万円増加したことなどによるものであります。

また、負債は20,154百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,634百万円の増加となりました。これは環境対策引当金が181百万円減少した一方で、長短借入金が1,307百万円、支払手形及び買掛金が464百万円増加したことなどによるものであります。

一方、純資産は3,432百万円であり、前連結会計年度末に比べて758百万円の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益474百万円の計上や、第三者割当増資に伴い資本金及び資本準備金がそれぞれ85百万円増加したことなどにより株主資本が652百万円増加したことに加え、為替換算調整勘定などのその他の包括利益累計額が106百万円増加したことによるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,291百万円の支出前連結会計年度比3,415百万円の支出増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益618百万円及び仕入債務の増加445百万円などにより増加した一方で、棚卸資産の増加1,928百万円及び売上債権の増加432百万円などにより減少したことによるものであります。

また、投資活動によるキャッシュ・フローは、264百万円の支出前連結会計年度比40百万円の支出増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出238百万円などにより減少したことによるものであります。

一方、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,347百万円の収入前連結会計年度比3,063百万円の収入増)となりました。これは、長短借入金の純増額1,307百万円などにより増加したことによるものであります。

その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は167百万円減少(前連結会計年度は164百万円の増加)して1,183百万円となりました。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

電子関連

4,230

103.2

合計

4,230

103.2

 

(注) 金額は、販売価格によっております。

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

受注残高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

電子関連

3,916

91.9

281

63.5

合計

3,916

91.9

281

63.5

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前連結会計年度比
(%)

食品関連

26,412

105.2

物資関連

3,370

79.4

繊維関連

3,391

101.7

電子関連

4,511

98.6

合計

37,686

101.1

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

2 セグメント間の内部売上高は控除しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績につきましては、当社グループの当連結会計年度における経営成績に重要な影響を与える要因についての分析等は、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりでありますが、当連結会計年度におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中にあっても、主に食品関連の増収により全体で売上は増加しましたが、年度後半にかけて、特に食品関連における原料不足や原料高に加えて、海上運賃の高騰や円安がさらに進み収益を圧迫する結果となりました。当社グループでは、中期経営計画「神栄チャレンジプロジェクト2023」においては、すべてのセグメントが収益を拡大しつつバランスの取れた事業ポートフォリオとすることを目指し、取組みを進めている中で、物資関連及び電子関連が収益を拡大したことでセグメント利益の構成比率が上昇しました。また各事業が収益に貢献し又は将来貢献し得るかの検証を定期的に行う中、食品関連において農業事業から撤退し、タイ市場における食品輸入販売事業からの撤退も決定いたしました。引き続き、原材料費・物流費の高騰や円安などのコストアップ要因による収益への影響を最小限に留められるよう適時適切な対応を行い、また特に繊維関連の事業収益基盤を早期に確立することで、バランスの取れた事業ポートフォリオとするべく、取組みを進めてまいります。

 

財政状態につきましては、主に食品関連において、棚卸資産が新型コロナウイルス感染症の影響に伴う抑制からの反動や今後の売上拡大に向けた積み増しにより大幅に増加したことに加え、売上債権が増収に伴い増加したことで、総資産は増加し、これらの要因による運転資金の増加を主に短期借入金で充当したことで、負債も増加しました。一方、純資産は利益計上に加え、第三者割当増資の実施などにより増加したことで、連結自己資本比率は前連結会計年度から2.0ポイント上昇し14.6%となりました。引き続き連結自己資本比率の改善に向け、強みを有する中核的事業の拡大と今後中核となりうる事業の育成に取組むことで、すべての事業における収益基盤の確立を図り、また保有資産の効率的な活用などによる総資産の圧縮及び有利子負債の抑制に取組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの分析につきましては、前項の(1)経営成績等の状況の概要に記載のとおりであります。資本の財源及び資金の流動性につきましては、設備投資は自己資金及びリース契約にて対応した一方で、主に食品関連における運転資金の大幅な増加に係る資金需要への対応は、短期借入金の増額による資金調達を実施いたしました。2023年3月期においては、電子関連における新製品及び新サービス等の研究開発投資については、当連結会計年度に実施した第三者割当増資により調達した資金を一部充当して対応することとし、また例年実施している更新等に係る設備投資は減価償却費の範囲内で行うことを原則とし、全体としては利益計上などによるフリーキャッシュ・フローの確保に取組んでまいります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、当社グループとして重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、回収可能性があると判断した将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について繰延税金資産を計上しております。また回収可能性については、過去の実績に基づき見積可能期間に応じた将来の課税所得を見積もっております。

なお、当連結会計年度の見積りについては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響を含め、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項] (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

(業務提携契約の締結及び第三者割当による普通株式の発行)

 当社は、2021年12月21日開催の取締役会において、株式会社メディパルホールディングス(以下「メディパル」といいます。)との間において、資本業務提携を行うとともに、当社がメディパルに対して、第三者割当の方法により普通株式を発行すること(以下「本第三者割当増資」といいます。)を決議し、同日に業務提携契約を締結いたしました。また、本第三者割当増資につきましては2022年1月6日付で払込が完了しております。

 

(1)資本業務提携の目的及び理由

 当社グループでは、「新しい価値の創造につとめ豊かな社会づくりに貢献します。」という経営理念の下、商品開発から始まる「ものづくり」を基礎として食品・物資・繊維・電子という幅広い分野で優位性のある商品・製品・サービスを提供し、人々の暮らしと社会の発展に貢献することを目指しております。

 当社グループの電子事業において、次のターゲットを物流分野における計測と定め、マーケティングを行ったところ、医薬品・医療機器等に関する「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」や食品における衛生管理手法の国際標準であるHACCP(ハサップ)など、保管や輸送といった物流過程での品質管理に関する各種規格化が進められているとの情報を得ました。これを受けて2019年3月下旬に、メディパルの完全子会社であり医療用医薬品等卸売事業大手の株式会社メディセオにアプローチし、物流過程における温度管理に対応する温度ロガー「G-TAG TempView」を開発していたところ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のモデルナ社製ワクチンの保管・輸送時の温度計測・管理用途にこの温度ロガーが採用されることになりました。電子事業における医薬品・医療機器等の物流分野への参入は、同事業の収益基盤の安定化に不可欠で、かつ当社グループの事業拡大に大きく寄与できるものであることから、温度に加えて、湿度、衝撃、振動、照度の計測など幅広い用途に活用できる「G-TAGシリーズ」の用途拡大や機能拡張を目指し、同分野での取組みの深化が必要となっております。

 メディパルグループは医療用医薬品等卸売事業などを営む国内最大級の流通グループであり、わが国で医療・介護・福祉の分野が拡大する中で、がんや希少疾病を対象とした医薬品、再生医療等製品の流通体制において厳格な温度管理が必要とされるなど、高度な流通体制が求められており、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体において、卸機能を最大限に発揮するための様々な取組みを行っています。

 このような状況の中、当社グループの有する医薬品・医療機器等の流通環境での品質管理に貢献できる製品・技術の強みとメディパルグループの高度な流通体制を両社が有効に活用することや、冷凍食品事業におけるコラボレーション等も検討していくことなどにより、各種のシナジーを発揮することが、両社の企業価値向上につながると考え、メディパルとの業務提携(以下「本業務提携」といいます。)を決定いたしました。

 また、企業価値向上の実現においては、業務提携だけではなく、資本的なつながりも持つことにより、より強固な信頼関係を築くことができ、本業務提携をより密接かつ確実に進めるとともに各種のシナジーを生み出すことにつながると考え、第三者割当増資による資本業務提携を決定するに至りました。

 

(2)資本業務提携の概要

 ①業務提携の内容

   医療用医薬品等の流通機能の高度化とその流通体制の構築及び食品関連事業での提携等

 ②資本提携の内容

   当社は、本第三者割当増資により、メディパルに対して普通株式を割り当てました。

(3)資本業務提携の相手先の概要

①名称

株式会社メディパルホールディングス

②所在地

東京都中央区八重洲二丁目7番15号

③代表者の役職・氏名

代表取締役社長 渡辺 秀一

④事業内容

持株会社として「医療用医薬品等卸売事業」、「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」及び「動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業」などを行う関係会社の株式を所有する事による当該関係会社の経営活動の管理・支援及びメディパルグループにおける事業開発等

⑤資本金

22,398百万円

⑥設立年月日

1923年5月6日

 

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、電子関連のセンサ機器関連及び計測・試験機器関連の研究開発を神栄テクノロジー㈱にて、フイルムコンデンサ及び関連ユニットの研究開発を神栄キャパシタ㈱にて行っており、それぞれの研究内容は次のとおりであります。

なお、研究開発費の金額は213百万円であります。

 

センサ機器関連

(1) 産業用パーティクルセンシングモニターの開発

(2) 車載用ホコリセンサシリーズの開発

 

計測・試験機器関連

(1) 温湿度ロガーの製品化及びソフトウエア開発

(2) 物流用温度データ管理クラウドシステムの開発

(3) 吸収分光式水分計の応用研究

 

コンデンサ関連

(1) 産業機器・パワーエレクトロニクス分野向けコンデンサ及びモジュールの開発

(2) 車載及び車周辺分野向けコンデンサの開発並びに車載規格IATF16949に関連する研究

(3) 耐高温高湿環境向けコンデンサの開発