当連結会計年度における世界経済は、米国政権交代による政策変更、東アジアの政治的緊張、欧州のテロや移民問題などの地政学的なリスクの影響などもありましたが、好調な米国経済に加えて期後半には中国、欧州、アジアの景気は総じて回復に転じました。
一方、わが国経済は、輸出の持ち直しや政府の金融政策などに支えられ企業業績や雇用・所得環境の改善が続くなか、緩やかな回復基調で推移しました。
このような事業環境のもと、当社グループでは、化成品・自動車部品・機械機器関連において高付加価値商品の取り扱いを拡大しました。木質バイオマス関連で大型設備案件を受注するなど、各分野の新規ビジネス開拓に努めました。また、古江サイエンス㈱、日本フリーマン㈱を買収し、新規投資戦略を推進しました。グローバル展開では、欧州に駐在員事務所(Sanyo Trading Co., Ltd. Düsseldorf Representative Office)を開設しネットワークを拡充するとともに、アセアン地域において人員増強を図るなど、事業展開を加速させております。
この結果、当連結会計年度の売上高は67,738百万円(前連結会計年度比13.1%増)、営業利益は4,938百万円(前連結会計年度比21.9%増)、経常利益は5,270百万円(前連結会計年度比23.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,351百万円(前連結会計年度比21.5%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
ゴム関連商品は、主力の自動車・家電・情報機器向けの合成ゴムや添加剤などの副資材が好調でした。また輸出商材の販売も好調でした。化学品関連商品は、アジア向け輸出は振るわなかったものの、塗料・インキ原料や香料及び染料が好調に推移し、医薬関連商品、畜産関連商品、接着剤及び関連機器の販売は堅調でした。また、子会社㈱ソートの業績も寄与しました。
この結果、化成品の売上高は26,703百万円(前連結会計年度比9.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1,642百万円(前連結会計年度比30.0%増)となりました。
産業資材関連商品は、自動車内装用部品の販売が伸長し、前年実績を大幅に上回りました。またシート用高機能性部品も好調に推移しました。機械・環境関連商品は、飼料・肥料用ペレットミルは堅調に推移し、木質バイオマス関連は熱電併給装置の国内第2号機が稼働しました。科学機器関連商品は、耐候性試験機や表面物性測定装置、摩擦摩耗試験機等の分析・試験機器が好調でした。
この結果、機械資材の売上高は21,613百万円(前連結会計年度比13.1%増)、セグメント利益(営業利益)は2,524百万円(前連結会計年度比14.1%増)となりました。
Sanyo Corporation of America、三洋物産貿易(上海)有限公司、San-Thap International Co., Ltd.(タイ)は、自動車用部品及びゴム関連商品の販売が好調でした。
なお、当連結会計年度より、「海外現地法人」セグメントにおいて、Sanyo Trading (Viet Nam) Co., Ltd.を新たに含めております。
この結果、海外現地法人の売上高は15,093百万円(前連結会計年度比40.4%増)、セグメント利益(営業利益)は727百万円(前連結会計年度比98.2%増)となりました。
コスモス商事㈱は、地熱開発関連の機材販売やレンタル事業が好調でしたが、海洋・船舶関連では大型案件がなく低調でした。㈱ケムインターは、韓国・台湾・米国向けの化学品および半導体関連商材の輸出が好調に推移しました。
この結果、国内子会社の売上高は4,093百万円(前連結会計年度比22.7%減)、セグメント利益(営業利益)は540百万円(前連結会計年度比7.7%減)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,601百万円(前連結会計年度末比1,110百万円の減少)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、178百万円の収入(前連結会計年度比2,818百万円の減少)となりました。これは、売上債権やたな卸資産が大幅に増加した一方で、税金等調整前当期純利益の計上があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,359百万円の支出(前連結会計年度比157百万円の減少)となりました。これは、主に無形固定資産の取得や子会社株式の取得、非連結子会社への貸付金の支出によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、 15百万円の支出(前連結会計年度比1,204百万円の増加)となりました。これは、銀行借入金が増加した一方で、配当金支払いによる支出があったこと等によるものです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
売上高(千円) |
前年同期比(%) |
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化成品 |
26,703,219 |
9.1 |
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機械資材 |
21,613,730 |
13.1 |
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海外現地法人 |
15,093,566 |
40.4 |
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国内子会社 |
4,093,367 |
△22.7 |
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合計 |
67,503,883 |
13.2 |
(注)1. 成約高と売上高の差額は僅少であるため、成約高の記載は省略しております。
2. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3. セグメント間の取引は相殺消去しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「国際的な視野に立ち、高い情報力と技術力で新たな価値を創造し、社会に貢献する企業を目指すこと」を経営理念に掲げ、事業展開を行っております。
この経営理念のもとに、①堅実と進取の起業精神において健全な経営と継続的で安定した成長を図る、②当社の強みを発揮し、国内外でお客様および社会に貢献する、③風通しのよい自由闊達な社風を維持し、社員に国内外での活躍の場を設け、働き甲斐のある会社を目指す、を経営方針として掲げております。
事業環境の変化が激しい今日においては、事業の選択と集中をタイムリーに実現し企業価値の増大を図る一方、企業の社会的責任としての企業統治、法令遵守、環境問題、社会貢献などにも積極的に取り組んでおります。
(2) 目標とする経営指標
収益面の強化を重視する観点から、営業利益、税引前利益、売上利益率を重要視しています。また、資金・資産効率性と安全性の観点からROE、自己資本比率なども重要指標と捉えております。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当社を取り巻く環境については、米国や中国をはじめとするアジアの経済と為替の動向や地政学的なリスクなどの不透明要因があります。
当社ではこれらのリスク要因は新しい事業機会をもたらすチャンスでもあると捉えており、永年培った強みを通じて時代の変化に柔軟に対応することが課題と認識しております。
当社の長期経営指針「VISION2020」は定量面では目標の連結経常利益50億円を当連結会計年度に前倒しで達成いたしました。更なる成長を目指すとともに定性面では以下の6項目を重点戦略として引き続き推進してまいります。
① 既存コアビジネスの深化
高付加価値商品への特化を一層進めるとともに、その関連分野でも取扱い商品群を広げ、収益基盤の強化と安定化を図ります。
② 新規ビジネスの開拓
地熱・海洋資源開発機材や木質バイオマス関連機材を中心とする資源・環境分野、医薬中間体・原体、医療関連資材、バイオ関連分析機器などのライフサイエンス分野、工業用フィルムの海外展開などに注力します。
③ グローバル展開の加速
自動車産業を中心に日系企業の進出が続くアセアン+インド、中国、北中米を主軸に置くとともに、欧州や新たな地域、新規商材開拓など営業基盤の強化に努めてまいります。
④ 新規投資案件の推進
既存事業との相乗効果、成長性、グローバル展開を目指すM&Aなどの投資案件に積極的に取り組んでまいります。
⑤ 国内外の組織の強化・最適化
国内外での人材の積極的採用や社員教育・研修の充実化を通じて人材の育成・組織の強化を図ります。
⑥ 経営管理の強化
内部統制システムをより充実させ財務報告の信頼性を高めるとともに、グループ全体のコンプライアンス体制ならびにリスク管理体制の強化を図ります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①主要市場の経済動向について
当社グループは、広範な産業分野に対して商品を販売しておりますが、特に自動車、家電・情報機器関連向けが大きな割合を占めております。従って、これら業界の市況が悪化した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
②商品価格の変動について
当社グループの取扱商品には、需給バランスにより仕入価格が大きく変動するものが含まれており、変動に応じた販売価格の設定および適正在庫の管理に努めております。しかし、価格転嫁が十分にできない場合、あるいは在庫の価値が下落し評価損の計上を余儀なくされる場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
③競合のリスクについて
当社グループは、多岐にわたる商品を取り扱っており、国内外の様々な企業と競合しております。これら競合相手の戦略変更や、新興国企業等価格競争力の強い競合相手の新規参入があった場合には、当社グループの優位性が維持できずに、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
④仕入先に係るリスクについて
当社グループは、国内外の数多くの取引先から商品を仕入れており、商品の安定確保のため、仕入先との良好な関係の維持・強化に努めております。しかし、これら仕入先の事業再編や業績悪化、代理店政策の見直し等により、商権を喪失・縮小した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤新規事業開拓に伴う投資について
当社グループは、新規事業の開拓に向けてM&A等に積極的に取り組んでおります。投資の決定に際しては、対象となる企業や事業につきまして財務、法務等の各側面からデュー・ディリジェンスを実施し、十分な精査、検討を行うことによってリスク回避を図っております。しかしながら、投資先企業・事業の価値が低下した場合には、のれんの減損処理等によって当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥海外事業展開に伴うリスクについて
当社グループは、多くの輸出入取引、米国・アジアにおける事業拠点の設置等、幅広く海外活動を展開しており、今後更に注力していく所存であります。しかし、関係する各国・地域において、予期し得ない政治・経済情勢の悪化などのカントリーリスクが顕在化した場合には、取引の継続あるいは当社グループが計画通りの事業活動を行うことに支障をきたし、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑦債権管理について
当社グループの総資産に対する売上債権の割合は、当連結会計年度末現在43.3%(16,897百万円)と高い水準にあります。債権の管理につきましては、取引先別の業績・財務内容に応じた与信設定を行い、信用状態の継続的な把握をするなど、不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。また、不測の事態に備え、過去の実績率や個別の回収可能性等の見積りに基づき貸倒引当金を計上しておりますが、実際に回収不能となった債権額がこれを超過した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑧為替変動の影響について
当社グループは、商社として欧米およびアジアを中心とした輸出入取引にも積極的な営業を推進しております。外貨建ての取引については先物為替予約等を行うことによりヘッジを行っておりますが、取引先との価格交渉等において為替変動の影響は避けられず、急激な為替変動が生じた場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外連結子会社の財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて当社グループの純資産が減少するリスクを有しています。
⑨株式相場の変動について
当社グループは、事業上の関係緊密化を図るため金融機関や取引先の株式を保有しております。その多くは市場に流通する時価のある株式であり、今後の株式相場の変動によっては、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑩自然災害による影響について
当社グループは、地震、台風、洪水等による災害が発生した場合に備えて、BCP(事業継続計画)を策定し、その一環で安否確認システム導入等の対策を講じております。しかしながら、被害を完全に回避することは困難であり、更には仕入先や得意先が被害を受けることもあります。そのような場合、当社グループの各事業拠点における活動に支障をきたし、業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑪コンプライアンス等に関するリスクについて
当社グループは、日本および諸外国で事業活動を行っており、関連する法的規制は広範囲にわたっております。これらの法的規制を遵守するために、当社ではコンプライアンス委員会を設けコンプライアンス体制の強化を図っております。しかしながら、このような対策を行っても事業活動におけるコンプライアンス等に関するリスクを完全に排除することはできません。関係する法的規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが行われた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
金額が僅少であるため、記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に有価証券の評価、固定資産の評価、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(資産)
流動資産は、売上の増加に伴う売掛債権の増加や商品及び製品の増加等により前連結会計年度末に比べ5,110百万円増加し、31,401百万円となりました。
固定資産は、主に次期基幹システム開発に伴う無形固定資産の増加や保有有価証券の時価上昇により前連結会計年度末に比べ1,421百万円増加し、7,586百万円となりました。
(負債)
流動負債は、仕入債務の増加や資金需要の高まりによる銀行借入金の増加等により前連結会計年度末に比べ2,526百万円増加し、12,875百万円となりました。
固定負債は、主に投資有価証券の評価差額計上による繰延税金負債の増加により前連結会計年度末に比べ360百万円増加し、1,512百万円となりました。
(純資産)
親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加によって株主資本が増加したことに加え、保有有価証券の時価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加や円安による為替換算調整勘定の増加により、その他の包括利益累計額が増加しました。
この結果、前連結会計年度末に比べ3,645百万円増加し、24,600百万円となりました。
(売上高)
売上高は67,738百万円となり、前連結会計年度に比べ7,829百万円の増収となりました。国内子会社セグメントの売上高が減少した一方で、自動車関連を中心に機械資材セグメントや海外現地法人セグメントの売上高は増加しました。
(営業利益)
利益率の高い機械資材セグメントの売上高が増加したことなどにより、売上総利益は12,264百万円と前連結会計年度に比べ2,247百万円の増益となりました。販売費及び一般管理費は人件費の増加や売上増に伴う販売費の増加により7,325百万円と前連結会計年度に比べ1,361百万円増加しました。この結果、営業利益は4,938百万円となり、前連結会計年度に比べ885百万円の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は5,247百万円と前連結会計年度に比べ996百万円の増益となりました。当連結会計年度の特別損益は、特別利益に国庫補助金を計上する一方、出資金評価損を特別損失に計上したことにより、22百万円の損失となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,351百万円と前連結会計年度に比べ593百万円の増益となりました。
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。