第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、この度「堅実と進取の精神、自由闊達な社風のもと、柔軟かつ迅速に最適解を提供し、国際社会の永続的な展開と従業員の幸福を共創する」と新たに経営理念を再構築しました。併せてこの理念浸透の合言葉として、スローガン「最適解への挑戦」を掲げ、全社一丸となって事業展開を行っていきます。

この新たな経営理念のもと、着実な成長を達成しながら、働き甲斐のある会社を目指すことを、経営方針としています。

事業環境の変化が激しい今日においては、事業の選択と集中をタイムリーに実現し企業価値の増大を図る一方、企業の社会的責任としての企業統治、法令遵守、環境問題、社会貢献などにも積極的に取り組んでいます。

 

(2) 目標とする経営指標

収益面の強化を重視する観点から、営業利益、経常利益、各利益率を重要視しています。

また、経営効率と収益性の観点からROEを、グローバル展開を加速させるため海外拠点成長率を重要指標と捉えております。

なお、長期経営計画として策定した「VISION2023」において、以下のとおり定量目標を掲げております。

 

数値目標                                              (達成目標期;2023年9月期)

連結経常利益

75億円

ROE

15%

海外拠点成長率(売上、年率)

10%

 

 

(3) 中期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境については、米中貿易摩擦や金融資本市場の変動の影響等の不透明要因があります。
 当社グループでは、これらのリスク要因は新しい事業機会をもたらすチャンスでもあると捉えており、永年培った強みを通じて時代の変化に柔軟に対応することが課題と認識しています。
 従来の経営指針であった「VISION2020」については、定量目標の連結経常利益50億円を前連結会計年度に前倒しで達成しました。
 これに伴い、経営理念を再構築したうえで、次なる長期経営計画として「VISION2023」を策定しました。
 当計画における重点戦略として以下の7項目に注力する所存です。

 

① 最適解への挑戦

当社グループは、経営理念・事業理念・行動指針にもとづき、スローガンである最適解の提供に挑戦する企業体質を構築します。

② 企業基盤の強化

自由闊達な社風・柔軟な組織・法令等遵守を堅持し、IT活用・ESG対応・財務基盤の強化を推進します。

③ 人材への投資

社員教育・研修の充実、働き甲斐や安全・健康の促進、柔軟で多様な活用など人材への投資を強化します。

④ 事業領域の深化

主要事業領域(ドメイン)に加えニッチな分野において、当社グループの強みを生かした付加価値の高いビジネスを追求・深化させます。

⑤ 新規ビジネスの開拓

2023年までに具現化可能な新規ビジネスをプロジェクト化し、推進します。

 

⑥ グローバル展開の加速

米国・中国・タイをハブとしたグローバル展開を加速し、海外拠点において年率10%の成長を目指します。

⑦ 新規投資案件の推進

当社グループ事業領域(ドメイン)に関連し、かつ1)既存事業とのシナジー効果、2)将来の成長性、3)グローバル展開に寄与する投資案件に積極的に取り組みます。

 

2 【事業等のリスク】

 当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。しかしながら、これらの事項が当社の事業上のリスクを必ずしも網羅するものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

①主要市場の経済動向について

当社グループは、広範な産業分野に対して商品を販売していますが、特に自動車、家電・情報機器関連向けが大きな割合を占めています。従って、これら業界の市況が悪化した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②商品価格の変動について

当社グループの取扱商品には、需給バランスにより仕入価格が大きく変動するものが含まれており、変動に応じた販売価格の設定および適正在庫の管理に努めています。しかし、価格転嫁が十分にできない場合、あるいは在庫の価値が下落し評価損の計上を余儀なくされる場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③競合のリスクについて

当社グループは、多岐にわたる商品を取り扱っており、国内外の様々な企業と競合しています。これら競合相手の戦略変更や、新興国企業等価格競争力の強い競合相手の新規参入があった場合には、当社グループの優位性が維持できずに、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④仕入先に係るリスクについて

当社グループは、国内外の数多くの取引先から商品を仕入れており、商品の安定確保のため、仕入先との良好な関係の維持・強化に努めています。しかし、これら仕入先の事業再編や業績悪化、代理店政策の見直し等により、商権を喪失・縮小した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤新規事業開拓に伴う投資について

当社グループは、新規事業の開拓に向けてM&A等に積極的に取り組んでいます。投資の決定に際しては、対象となる企業や事業につきまして財務、法務等の各側面からデュー・ディリジェンスを実施し、十分な精査、検討を行うことによってリスク回避を図っています。しかしながら、投資先企業・事業の価値が低下した場合には、のれんの減損処理等によって当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥海外事業展開に伴うリスクについて

当社グループは、多くの輸出入取引、米国・アジアにおける事業拠点の設置等、幅広く海外活動を展開しており、今後更に注力していく所存です。しかし、関係する各国・地域において、予期し得ない政治・経済情勢の悪化などのカントリーリスクが顕在化した場合には、取引の継続あるいは当社グループが計画通りの事業活動を行うことに支障をきたし、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦債権管理について

当社グループの総資産に対する売上債権の割合は、当連結会計年度末現在43.2%(18,013百万円)と高い水準にあります。債権の管理につきましては、取引先別の業績・財務内容に応じた与信設定を行い、信用状態の継続的な把握をするなど、不良債権の発生が極力少なくなるよう努めています。また、不測の事態に備え、過去の実績率や個別の回収可能性等の見積りに基づき貸倒引当金を計上していますが、実際に回収不能となった債権額がこれを超過した場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧為替変動の影響について

当社グループは、商社として欧米およびアジアを中心とした輸出入取引にも積極的な営業を推進しています。外貨建ての取引については先物為替予約等を行うことによりヘッジを行っていますが、取引先との価格交渉等において為替変動の影響は避けられず、急激な為替変動が生じた場合には、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。また、海外連結子会社の財務諸表は現地通貨建てとなっており、円換算する際の為替レートによっては、為替換算調整勘定を通じて当社グループの純資産が減少するリスクを有しています。

 

⑨株式相場の変動について

当社グループは、事業上の関係緊密化を図るため金融機関や取引先の株式を保有しています。その多くは市場に流通する時価のある株式であり、今後の株式相場の変動によっては、当社グループの業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩自然災害による影響について

当社グループは、地震、台風、洪水等による災害が発生した場合に備えて、BCP(事業継続計画)を策定し、その一環で安否確認システム導入等の対策を講じています。しかしながら、被害を完全に回避することは困難であり、更には仕入先や得意先が被害を受けることもあります。そのような場合、当社グループの各事業拠点における活動に支障をきたし、業績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪コンプライアンス等に関するリスクについて

当社グループは、日本および諸外国で事業活動を行っており、関連する法的規制は広範囲にわたっています。これらの法的規制を遵守するために、当社ではコンプライアンス委員会を設けコンプライアンス体制の強化を図っています。しかしながら、このような対策を行っても事業活動におけるコンプライアンス等に関するリスクを完全に排除することはできません。関係する法的規制の大幅な変更、予期しない解釈の適用などが行われた場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続く中で個人消費にも持ち直しの動きが見られるなど、緩やかな回復が続いています。一方で、米中貿易摩擦や金融資本市場の変動の影響などにより、不透明感が増しています。

このような事業環境のもと、当社グループでは長期経営指針「VISION2020」に基づき、主力既存事業分野の化成品、自動車部品、機械・科学機器にて高付加価値商品の取り扱いを拡大し強化するとともに、以下の各戦略を着実に実行しました。
 まず新規ビジネス開拓としては、木質バイオマス関連で、九州での大型設備案件を実現し、更に四国、北海道でも大型案件を受注するなど、確実な成果をあげています。
 次に新規投資としては、医薬中間体ビジネス戦略として、化学品・医薬中間体商社のアズロ㈱を買収しました。また2016年に買収した子会社㈱ソートを当社に吸収合併し、一層のシナジー効果を発揮できる体制を整えています。
 またグローバル展開として、タイのSan-Thap International Co., Ltd.の完全子会社化および資本増強を実行しました。併せてSanyo Trading Asia Co., Ltd.と名称変更し、アセアンおよびインド地域のハブ拠点として、事業展開をより加速させる体制を構築しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は78,450百万円前連結会計年度比15.8%増)、営業利益は5,263百万円前連結会計年度比6.6%増)、経常利益は5,575百万円前連結会計年度比5.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,635百万円前連結会計年度比8.5%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

(化成品)

ゴム関連商品は、主力の自動車・情報機器に加え、建機向けの合成ゴムや添加剤などの副資材が好調でした。また輸出商材の販売が堅調に推移しました。化学品関連商品では、主力の塗料・インキ原料やフィルム・電材輸出が堅調に推移したことに加え、香料や畜産・農薬関連商材、アジア向け輸出が好調でした。

この結果、化成品の売上高は28,606百万円前連結会計年度比7.1%増)、セグメント利益(営業利益)は1,726百万円前連結会計年度比5.1%増)となりました。

 

(機械資材)

産業資材関連商品は、自動車内装用部品の販売が伸長し、好調であった前年実績を上回りました。シート周辺部品は、世界的な市場の快適性志向の高まりを背景とした高機能製部品の採用車種増加により好調に推移しました。機械・環境関連商品は、木質バイオマス分野で熱電併給装置の大型案件が実現し好調でした。飼料・肥料用ペレットミルの販売も堅調に推移しました。科学機器関連商品は、主力の摩擦摩耗試験機や耐候性試験機等の各種分析・試験機器が好調に推移し、加えてバイオ関連機器や表面物性測定装置などの新規商材の販売が伸長しました。

この結果、機械資材の売上高は25,932百万円前連結会計年度比20.0%増)、セグメント利益(営業利益)は2,913百万円前連結会計年度比15.4%増)となりました。

 

(海外現地法人)

Sanyo Corporation of Americaは高機能性樹脂等の化学品、自動車用部品・原材料、情報機器向け副資材の販売が堅調でした。三洋物産貿易(上海)有限公司は、ゴム・化学品は伸び悩みましたが、自動車内装用部品の販売が大幅に伸び、好調でした。Sanyo Trading Asia Co.,Ltd.(タイ)は、ゴム関連商品および自動車内装用部品の販売が好調でした。

この結果、海外現地法人の売上高は19,610百万円前連結会計年度比29.9%増)、セグメント利益(営業利益)は879百万円前連結会計年度比21.0%増)となりました。

 

(国内子会社)

㈱ケムインターは、前期に引き続き、米国・韓国向けの半導体関連商材の輸出が好調でした。コスモス商事㈱は、海洋・船舶分野での大型案件がなく、昨年好調であった地熱分野での機材販売・レンタル事業の低迷が響き、低調でした。

この結果、国内子会社の売上高は4,119百万円前連結会計年度比0.6%増)、セグメント利益(営業利益)は462百万円前連結会計年度比14.3%減)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

流動資産は、商品及び製品の積み増しや売上増に伴う売掛債権の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,666百万円増加し、34,067百万円となりました。

固定資産は、投資有価証券の売却や減価償却・のれんの償却による減少の一方で、本社ビル増床工事による建物及び構築物の増加や次期基幹システム開発に伴うソフトウェア仮勘定の増加により、前連結会計年度末に比べ64百万円増加し、7,651百万円となりました。

 

(負債)

流動負債は、仕入債務の増加や期末日が金融機関の休業日であったことによる銀行借入金の増加等により、前連結会計年度末に比べ752百万円増加し、13,627百万円となりました。

固定負債は、投資有価証券の評価差額計上による繰延税金負債の減少や賃貸不動産の預り敷金を返還したこと等により前連結会計年度末に比べ177百万円減少し、1,334百万円となりました。

 

(純資産)

連結子会社株式の追加取得によって非支配株主持分が減少した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によって利益剰余金が増加しました。

この結果、前連結会計年度末に比べ2,156百万円増加し、26,756百万円となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、2,468百万円前連結会計年度末比133百万円の減少)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,583百万円の収入前連結会計年度比1,405百万円の増加)となりました。売上債権やたな卸資産の増加、法人税等の支払による支出の一方で、税金等調整前当期純利益の計上があったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、408百万円の支出前連結会計年度比950百万円の増加)となりました。主に有形・無形固定資産の取得や関係会社株式の取得による支出によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、 1,297百万円の支出前連結会計年度比1,281百万円の減少)となりました。これは主に親会社の配当金支払いと連結子会社の非支配株主への配当金支払いによるものです。

 

④生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

該当事項はありません。

 

b.受注実績

受注実績と販売実績の差異が僅少の為、記載を省略しています。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

化成品

28,606,110

7.1

機械資材

25,932,084

20.0

海外現地法人

19,610,974

29.9

国内子会社

4,119,638

0.6

合計

78,268,806

15.9

 

(注)1. 上記の金額には消費税等は含まれていません。

2. セグメント間の取引は相殺消去しています。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に有価証券の評価、固定資産の評価、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債等であり、継続して評価を行っています。

なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

売上高は78,450百万円となり、前連結会計年度に比べ10,712百万円の増収となりました。自動車関連を中心に機械資材セグメントや海外現地法人セグメントの売上高が大きく増加しました。

(営業利益)

利益率の高い機械資材セグメントの売上高が増加したことなどにより、売上総利益は13,410百万円前連結会計年度に比べ1,146百万円の増益となりました。販売費及び一般管理費は人件費の増加や売上増に伴う販売費の増加等により8,147百万円前連結会計年度に比べ821百万円増加しました。この結果、営業利益は5,263百万円となり、前連結会計年度に比べ324百万円の増益となりました。

(税金等調整前当期純利益)

税金等調整前当期純利益は5,769百万円前連結会計年度に比べ521百万円の増益となりました。当連結会計年度の特別損益は、特別損失に関係会社株式や関係会社出資金の評価損を計上する一方、投資有価証券売却益等を特別利益に計上したことにより、193百万円の利益となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3,635百万円前連結会計年度に比べ284百万円の増益となりました。

 

b.財政状態の分析

財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりです。

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因

 「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

d.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、運転資金および投資等の資金需要に対して、自己資金で賄うことを基本方針としつつ、不足分は金融機関からの短期/中長期借入金で調達しています。

また、売掛/手形/電子記録債権の流動化による資金調達手段の多様化や、当社および国内子会社間で導入しているキャッシュ・マネジメント・システムによりグループにおける余剰資金を効率的にグループ内で活用するなど、安定的な流動性の確保と金融費用の削減を図っています。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

金額が僅少であるため、記載を省略しています。