(1)業績
当期におけるわが国経済は、緩やかな回復基調にあるものの弱さが見られ、個人消費の回復の遅れに加え、年明けからの急激な円高進行による企業業績への悪影響や、中国をはじめとする新興国経済の減速による海外景気の下振れ懸念などから、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のもと、当期業績は、売上高は前期比2,800百万円、1.8%減収の151,639百万円となりました。
売上総利益は、前期比590百万円、4.1%減益の13,657百万円、営業利益は、前期比64百万円、5.5%増益の1,228百
万円、経常利益は、前期比36百万円、3.6%減益の975百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比185百
万円、32.9%増益の749百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
①繊維関連事業
インナー関連は、機能性の高い原糸および生地が増収となりましたが、利益率は低下しました。製品の取引は、企画提案型・OEMともに減少しました。また、ソックスも、低採算取引の見直しにより輸入が減少しました。
アウター関連は、米国アパレル向けの生地輸出の取引が堅調に推移し、製品のOEM取引は、アウトドア向け
やレディース向けが伸長しました。一方、婦人アパレル事業は販売が伸びず苦戦しました。
以上の結果、当事業全体の売上高は前期比1,382百万円、1.1%減収の125,678百万円、セグメント利益(営業
利益)は前期比127百万円、14.5%減益の756百万円となりました。
②工業製品関連事業
半導体関連の部材は、市況の悪化を受けてウエハの取扱いが減少しました。また、理化学機器は前年並みとな
りました。
塗料・樹脂の添加剤は、欧米やアジア向けが好調に推移し、米国における半導体用途の化学製品の取引や化粧品原料も堅調に推移しました。一方、フィルムは、競争激化により減少しました。
ホビー関連商品は、プラモデル用塗料や塗装用器具が堅調に推移しました。
以上の結果、当事業全体の売上高は前期比1,417百万円、5.2%減収の25,961百万円、セグメント利益(営業利
益)は前期比190百万円、25.1%増益の951百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、仕入債務の増加など営業活動による収入や、有形固定資産の売却による収入など投資活動による収入、借入金の返済など財務活動による支出などの要因により、また、これらに換算差額△117百万円、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額36百万円を加算した結果、全体では前連結会計年度末に比べ、613百万円増加の9,037百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,344百万円の増加(前期末比834百万円の収入の減少)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、611百万円の増加(前期末比619百万円の収入の増加)となりました。主な要因は有形固定資産の売却による収入などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,261百万円の減少(前期末比889百万円の支出の減少)となりました。主な要因は借入金の返済などによるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
繊維関連事業 |
2,479 |
△2.1 |
|
工業製品関連事業 |
1,441 |
2.2 |
|
合計 |
3,921 |
△0.5 |
(注)1 生産高は、製造会社における生産実績を販売価格により表示しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
繊維関連事業 |
125,917 |
△2.4 |
21,012 |
4.0 |
|
工業製品関連事業 |
26,330 |
△2.2 |
1,881 |
24.4 |
|
合計 |
152,248 |
△2.4 |
22,893 |
5.4 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
繊維関連事業 |
125,678 |
△1.1 |
|
工業製品関連事業 |
25,961 |
△5.2 |
|
合計 |
151,639 |
△1.8 |
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
Toray Industries (HK) Ltd. |
42,470 |
27.5 |
42,202 |
27.8 |
|
Pacific Textiles Limited |
23,666 |
15.3 |
23,977 |
15.8 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、成長路線への転換を図るため、2020年ビジョンを「ニッチな分野でグローバルに独自の機能を
提供する事業創造型商社として社会に貢献する。」と定めました。
*ニッチな分野とは、メーカーが直接攻めにくく、他商社の追随を許さない、当社グループが得意としている商材や事業をいいます。
この2020年ビジョン実現に向け、中期的にはつぎの経営戦略にもとづき課題に対処してまいります。
(1)基本方針
①『世界で稼ぐ力』を徹底的に強化してまいります。
②人材を重点分野あるいは有望分野に積極的にシフトしてまいります。
③グループ会社間の連携を強化してまいります。
④当社グループ主導のビジネスモデルを深耕してまいります。
(2)選択と集中
①重点(ニッチ)分野
繊維関連事業においては、原料・生地取引による収益拡大とインナー・レッグ製品の取扱拡大を図ってまいります。一方、工業製品関連事業においては、塗料原料・添加剤関連ビジネスの拡大とホビー関連事業の多角化を進めてまいります。
②有望分野
戦略的経費の使用や積極的な投資を行うことで将来の柱となる事業を育成してまいります。そのひとつとして自動車軽量化事業に取り組んでまいります。同様にナノテクノロジー事業については、早期の収益化を実現いたします。
(3)重点施策
①海外事業の拡大:海外現地法人の経営・営業力を強化するとともにナショナルスタッフの育成を行ってまいります。また、事業を軸として戦略を立案することでグローバルベースでの事業を運営してまいります。
②収益性の向上:各バリューチェーンの中で戦略パートナーを設定し、その連携を強化することにより企画・原料調達から小売までを最適化し、あらゆる段階で付加価値を提供してまいります。また、業務の効率化を更に進めてまいります。
③人材の充実(育成と確保):特にグローバル人材の育成に注力してまいります。また、キャリア採用の積極的実施により、高度な人材を確保するとともに外国人や女性の登用を図ることなどにより多様性を取り入れてまいります。
④内部統制システムの充実とリスクマネジメントの強化:当社グループの利益計画の達成に影響を及ぼすリスク要因を洗い出し、的確な分析と評価の結果を踏まえて対応策に取り組めるよう、グループ全体でリスクマネジメント体制の強化を図ってまいります。また、収益に見合ったリスクテイクを徹底し、無駄・ロスを排除するとともにコンプライアンスマインドの向上に努めてまいります。
当社グループは、糸からアパレルまでの繊維関連事業を主たる事業としているほか、機械、化成品、その他の工業製品関連事業を営んでおり、北米をはじめ東南アジア、ヨーロッパなど広く海外との取引を行っております。
そのため、当社グループは将来の経営成績、財政状態に影響を及ぼすと考えられる様々なリスクをかかえており、それらのリスクを十分認識しながら、事業運営に携わっております。
有価証券報告書に記載しました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらの事項を含めたすべての事象が経営活動におけるリスクと認識し、リスクの発生を未然に防ぐとともに、発生した場合の的確な対応に努めております。
なお、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)為替レート変動によるリスク
当社グループは、様々な通貨で取引を行っております。外貨建金銭債権債務等に係る為替変動リスクを最小限に止めるため、為替予約を行っておりますが、為替レートに急激な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)金利変動によるリスク
当社グループは、主として金融機関からの借入金によって事業資金を調達しております。営業資産の多くは借入金利の変動リスクを転嫁できるものですが、金利に急激な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)株価変動によるリスク
当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を保有しております。これらの株式については、価格変動リスクがあり、今後の株価の動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)退職給付債務に関するリスク
当社グループの退職給付制度は、一部を除いて確定給付型制度を採用しております。退職給付債務は、退職給付債務の割引率や年金資産の長期期待運用収益率などの数理計算上の前提にもとづいて算出されておりますが、数理計算上の前提を変更する必要が生じた場合や株式市場の低迷などにより、年金資産が毀損した場合には、将来の当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)信用リスク
当社グループは、国内外で多様な取引を行っており、取引先に対して売上債権や保証等の形で信用供与を行っております。信用供与の実施に際しては、一定のルールにもとづき、適切な信用限度額を設定するとともに、回収の状況を定期的に確認し必要な貸倒引当金を計上しておりますが、これら信用リスクを完全に回避できる保証はなく、特定取引先において債務不履行が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)消費者の嗜好変化および気候不順によるリスク
当社グループは、流行や消費者の嗜好を追求する衣料品やファッション商品を取り扱っております。シーズン商品を主体に短サイクルでの営業展開を図るとともに、商品企画精度の向上や生産期間の短縮化に取り組んでおりますが、ファッショントレンドや消費者嗜好の短期的変化および冷夏・暖冬などの気候不順により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)品質に関するリスク
当社グループは、繊維から工業製品まで幅広い分野にわたる事業を営んでおります。衣料品に係る品質基準に加え、衣料品以外の商品についても適切な基準をもって対応しておりますが、今後自社または仕入先などに原因が存する事由により、商品の製造物責任に係る事故が発生した場合は、企業・ブランドイメージの低下や多額の損害賠償の請求などにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8)事業投資リスク
当社グループは、業容拡大を目的として、国内外で事業投資を行っております。新規の事業投資を行う場合には、その意義・目的を明確にした上で、一定のルールにもとづき、意思決定をしております。また、投資実行後も、事業投資先ごとのモニタリングを定期的に行い、投資価値の評価・見直しを実施しております。
しかしながら、これら事業投資については、期待収益が上がらないというリスクを完全に回避することは難しく、当該案件から撤退する場合や事業パートナーとの関係など個別の事由により、当社グループが意図したとおりの撤退ができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9)カントリーリスク
当社グループは、広く海外でも事業展開を図っております。予測可能なリスクについては、過去のノウハウや知り得る情報をもとに細心の対応を行っておりますが、テロまたは戦争等による予期不能な政治・経済の混乱あるいは法律等の変更が起こった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10)訴訟等に関するリスク
当社グループが、国内外において訴訟・仲裁といった法的手続き上の対象となることがあります。これらの訴訟・仲裁等の発生は、予測が困難であるとともに、その結果についても不確実性が伴います。したがって、このような訴訟・仲裁等が発生し、予期せぬ結論となった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)情報システムおよび情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、業務効率化や情報共有のため、情報システムを構築・運用しております。情報システム運営上の安全確保のため、情報セキュリティに関する管理規定を定めるなど、危機管理対応に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウィルス侵入等による企業機密・個人情報の漏洩が発生した場合や、自然災害・事故等による情報システムの不稼動が発生した場合には、業務効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、将来の当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)自然災害等によるリスク
地震・風水害等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症などにより、事務所・設備・システムや従業員などに被害が発生し、営業活動に影響を与える可能性があります。そうした事態に備え、災害対策マニュアルの策定や、建物・設備・システム等の耐震対策、防災訓練などの対策を講じておりますが、想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
当連結会計年度における研究開発活動について、特記すべき事項はありません。
当社グループは、資産の圧縮による使用資金の効率化や有利子負債の削減に努めながら、財務体質の改善を一層推し進めることで、より健全なバランスシ-トの維持をめざしております。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下、「前期末」という。)比2,320百万円、3.5%増加の68,206百万円となりました。このうち、流動資産は前期末比3,734百万円、6.9%増加の58,066百万円、固定資産は前期末比1,413百万円、12.2%減少の10,140百万円となりました。
流動資産の増加は、主に受取手形及び売掛金の前期末比2,081百万円、6.2%の増加によるものであります。
また、固定資産につきましては、有形固定資産が前期末比1,049百万円、22.4%減少の3,646百万円、無形固定資産が前期末比85百万円、9.5%減少の813百万円、投資その他の資産が前期末比278百万円、4.7%減少の5,680百万円となりました。有形固定資産の減少は、土地の減少が主なものであります。無形固定資産の減少は、リース資産の減少が主なものであり、投資その他の資産の減少は、投資有価証券の減少が主なものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、前期末比2,473百万円、5.0%増加の52,297百万円となりました。このうち、流動負債は前期末比2,793百万円、5.8%増加の50,992百万円、固定負債は前期末比319百万円、19.7%減少の1,305百万円となりました。
流動負債の増加は、主に支払手形及び買掛金の前期末比3,133百万円、11.4%の増加によるものであり、固定負債の減少は、主にリース債務の前期末比216百万円、40.4%の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、株主資本が親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより前期末比435百万円増加したことに加え、その他の包括利益累計額がその他有価証券評価差額金などの減少により前期末比538百万円減少したため、前期末比152百万円、1.0%減少の15,908百万円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の自己資本比率は前期末の24.3%から23.3%となり、1株当たり純資産は前期末の249.30円から246.54円となりました。
(2) 経営成績の分析
「1[業績等の概要](1)業績」を参照願います。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
「1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」を参照願います。