第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当期におけるわが国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、中国をはじめとする新興国経済の減速や英国の

EU離脱決定に伴う海外景気の下振れ懸念に加えて、米国新政権の政策効果への思惑から金融資本市場が大きく

変動するなど、先行き不透明な状況で推移しました。

 このような状況のもと、当期業績は、売上高は前期比10,107百万円、6.7%減収の141,532百万円となりました。

売上総利益は、前期比504百万円、3.7%減益の13,153百万円、営業利益は、前期比81百万円、6.6%増益の1,309百

万円、経常利益は、前期比131百万円、13.5%増益の1,107百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比885百万円、118.2%増益の1,634百万円となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

①繊維関連事業

 肌着やパンスト等は平成28年9月末の事業譲渡により、機能性の高いインナー用の原糸および生地は円高に伴い、売上高が大きく減少しました。また、ソックスも、低採算取引を見直したことから減少しました。一方、

企画提案型の婦人ファンデーションは、取引が増加するとともに採算が好転し、インナー製品のOEM取引も増加しました。

 アウター用の生地輸出は、欧米やアジア向けが減少しましたが、アウター製品のOEM取引は、レディース向けが堅調に推移しました。婦人アパレル事業は販売が伸びず苦戦しました。

 以上の結果、当事業全体の売上高は前期比10,248百万円、8.2%減収の115,429百万円、セグメント利益(営業

利益)は前期比98百万円、13.0%増益の854百万円となりました。

②工業製品関連事業

 樹脂の添加剤は、欧米やアジア向けが増加しました。一方、フィルムの取引は、市況の悪化を受けて減少し、

化粧品原料の取引も減少しました。

 ホビー関連商品は、堅調に推移しました。

 以上の結果、当事業全体の売上高は前期比140百万円、0.5%増収の26,102百万円、セグメント利益(営業利益)は前期比71百万円、7.5%増益の1,022百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、売上債権の減少など営業活動による収入や、有形固定資産の売却による収入など投資活動による収入、リース債務の返済など財務活動による支出などの要因により、また、これらに換算差額△129百万円、新規連結、連結除外に伴う現金及び現金同等物の増減額133百万円を加算した結果、全体では前連結会計年度末に比べ、3,334百万円増加の12,371百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、165百万円の増加(前期末比1,178百万円の収入の減少)となりました。

主な要因は売上債権の減少などによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、3,428百万円の増加(前期末比2,817百万円の収入の増加)となりまし

た。主な要因は有形固定資産の売却による収入などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、264百万円の減少(前期末比997百万円の支出の減少)となりました。

主な要因はリース債務の返済などによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

繊維関連事業

2,381

△3.9

工業製品関連事業

1,442

0.1

合計

3,824

△2.5

(注)1 生産高は、製造会社における生産実績を販売価格により表示しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

繊維関連事業

118,467

△5.9

24,049

14.5

工業製品関連事業

26,286

△0.2

2,065

9.8

合計

144,754

△4.9

26,115

14.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

繊維関連事業

115,429

△8.2

工業製品関連事業

26,102

0.5

合計

141,532

△6.7

(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

Toray Industries (HK) Ltd.

42,202

27.8

40,471

28.6

Pacific Textiles Limited

23,977

15.8

17,899

12.6

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループの企業理念は、存在理念、経営理念、行動理念から構成されております。その中核である「存在理

念」の中に謳っておりますとおり、当社グループは「次代の生活品質を追求するビジネスプロデューサー」とし

て、「株主」「取引先」「従業員」等すべての当事者の信頼と期待に応え、その幸せを実現することを経営の基本

方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、収益力の強化と財務体質の改善を図り、効率経営を進めるための最適な経営指標としてROAを採

用しております。利益の増大と総資産の圧縮をさらに進めることにより、当面の目標値を3%といたします。進捗度

の評価につきましては、事業ごとに個別目標値を設定するとともに、人事評価においてもこの数値を使用するなど

徹底を図っております。また、本業の成果が反映される営業利益も重視しつつ、中長期的な収益基盤の強化と安定

的な収益の計上を目指してまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループは、成長路線への転換を図るため、2020年ビジョンを「ニッチな分野でグローバルに独自の機能を

提供する事業創造型商社として社会に貢献する。」と定めました。

*ニッチな分野とは、メーカーが直接攻めにくく、他商社の追随を許さない、当社グループが得意としている商材や事業をいいます。

この2020年ビジョン実現に向け、中期的にはつぎの経営戦略にもとづき課題に対処してまいります。

【基本方針】

①『世界で稼ぐ力』を徹底的に強化してまいります。

②人材を重点分野あるいは有望分野に積極的にシフトしてまいります。

③グループ会社間の連携を強化してまいります。

④当社グループ主導のビジネスモデルを深耕してまいります。

【選択と集中】

①重点(ニッチ)分野

繊維関連事業においては、原料・生地取引による収益拡大とインナー・レッグ製品の取扱拡大を図ってまいり

ます。一方、工業製品関連事業においては、塗料原料・添加剤関連ビジネスの拡大とホビー関連事業の多角化を

進めてまいります。

②有望分野

戦略的経費の使用や積極的な投資を行うことで将来の柱となる事業を育成してまいります。そのひとつとして

自動車軽量化事業に取り組んでまいります。同様にナノテクノロジー事業については、早期の収益化を実現いた

します。

【重点施策】

①海外事業の拡大:海外現地法人の経営・営業力を強化するとともにナショナルスタッフの育成を行ってまいりま

す。また、事業を軸として戦略を立案することでグローバルベースでの事業を運営してまいります。

②収益性の向上:各バリューチェーンの中で戦略パートナーを設定し、その連携を強化することにより企画・原料

調達から小売までを最適化し、あらゆる段階で付加価値を提供してまいります。また、業務の効率化を更に進め

てまいります。

③人材の充実(育成と確保):特にグローバル人材の育成に注力してまいります。また、キャリア採用の積極的実施

により、高度な人材を確保するとともに外国人や女性の登用を図ることなどにより多様性を取り入れてまいりま

す。

④内部統制システムの充実とリスクマネジメントの強化:当社グループの利益計画の達成に影響を及ぼすリスク要

因を洗い出し、的確な分析と評価の結果を踏まえて対応策に取り組めるよう、グループ全体でリスクマネジメン

ト体制の強化を図ってまいります。また、収益に見合ったリスクテイクを徹底し、無駄・ロスを排除するととも

にコンプライアンスマインドの向上に努めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループは、糸からアパレルまでの繊維関連事業を主たる事業としているほか、機械、化成品、その他の工業製品関連事業を営んでおり、北米をはじめ東南アジア、ヨーロッパなど広く海外との取引を行っております。

 そのため、当社グループは将来の経営成績、財政状態に影響を及ぼすと考えられる様々なリスクをかかえており、それらのリスクを十分認識しながら、事業運営に携わっております。

 

 有価証券報告書に記載しました事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループは、これらの事項を含めたすべての事象が経営活動におけるリスクと認識し、リスクの発生を未然に防ぐとともに、発生した場合の的確な対応に努めております。

 なお、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)為替レート変動によるリスク

当社グループは、様々な通貨で取引を行っております。外貨建金銭債権債務等に係る為替変動リスクを最小限に止めるため、為替予約を行っておりますが、為替レートに急激な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)金利変動によるリスク

当社グループは、主として金融機関からの借入金によって事業資金を調達しております。営業資産の多くは借入金利の変動リスクを転嫁できるものですが、金利に急激な変動が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)株価変動によるリスク

当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を保有しております。これらの株式については、価格変動リスクがあり、今後の株価の動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)退職給付債務に関するリスク

当社グループの退職給付制度は、一部を除いて確定給付型制度を採用しております。退職給付債務は、退職給付債務の割引率や年金資産の長期期待運用収益率などの数理計算上の前提にもとづいて算出されておりますが、数理計算上の前提を変更する必要が生じた場合や株式市場の低迷などにより、年金資産が毀損した場合には、将来の当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)信用リスク

当社グループは、国内外で多様な取引を行っており、取引先に対して売上債権や保証等の形で信用供与を行っております。信用供与の実施に際しては、一定のルールにもとづき、適切な信用限度額を設定するとともに、回収の状況を定期的に確認し必要な貸倒引当金を計上しておりますが、これら信用リスクを完全に回避できる保証はなく、特定取引先において債務不履行が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)消費者の嗜好変化および気候不順によるリスク

当社グループは、流行や消費者の嗜好を追求する衣料品やファッション商品を取り扱っております。シーズン商品を主体に短サイクルでの営業展開を図るとともに、商品企画精度の向上や生産期間の短縮化に取り組んでおりますが、ファッショントレンドや消費者嗜好の短期的変化および冷夏・暖冬などの気候不順により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)品質に関するリスク

当社グループは、繊維から工業製品まで幅広い分野にわたる事業を営んでおります。衣料品に係る品質基準に加え、衣料品以外の商品についても適切な基準をもって対応しておりますが、今後自社または仕入先などに原因が存する事由により、商品の製造物責任に係る事故が発生した場合は、企業・ブランドイメージの低下や多額の損害賠償の請求などにより、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)事業投資リスク

当社グループは、業容拡大を目的として、国内外で事業投資を行っております。新規の事業投資を行う場合には、その意義・目的を明確にした上で、一定のルールにもとづき、意思決定をしております。また、投資実行後も、事業投資先ごとのモニタリングを定期的に行い、投資価値の評価・見直しを実施しております。

しかしながら、これら事業投資については、期待収益が上がらないというリスクを完全に回避することは難しく、当該案件から撤退する場合や事業パートナーとの関係など個別の事由により、当社グループが意図したとおりの撤退ができない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)カントリーリスク

 当社グループは、広く海外でも事業展開を図っております。予測可能なリスクについては、過去のノウハウや知り得る情報をもとに細心の対応を行っておりますが、テロまたは戦争等による予期不能な政治・経済の混乱あるいは法律等の変更が起こった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)訴訟等に関するリスク

当社グループが、国内外において訴訟・仲裁といった法的手続き上の対象となることがあります。これらの訴訟・仲裁等の発生は、予測が困難であるとともに、その結果についても不確実性が伴います。したがって、このような訴訟・仲裁等が発生し、予期せぬ結論となった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)情報システムおよび情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、業務効率化や情報共有のため、情報システムを構築・運用しております。情報システム運営上の安全確保のため、情報セキュリティに関する管理規定を定めるなど、危機管理対応に取り組んでおりますが、外部からの予期せぬ不正アクセスやコンピューターウィルス侵入等による企業機密・個人情報の漏洩が発生した場合や、自然災害・事故等による情報システムの不稼動が発生した場合には、業務効率性の低下を招くほか、被害の規模によっては、将来の当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)自然災害等によるリスク

地震・風水害等の自然災害や新型インフルエンザ等の感染症などにより、事務所・設備・システムや従業員などに被害が発生し、営業活動に影響を与える可能性があります。そうした事態に備え、災害対策マニュアルの策定や、建物・設備・システム等の耐震対策、防災訓練などの対策を講じておりますが、想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 連結子会社の固定資産の譲渡

 当社は平成28年9月16日開催の取締役会において、当社の連結子会社である大三紙化工業株式会社が保有する固定資産を譲渡することを決議し、平成28年9月28日に契約を締結しております。

 

(1)譲渡資産の内容

 名  称  大三紙化工業株式会社の工場兼事務所

 所在地 埼玉県越谷市大里485

 内  容 土地:8,044.88㎡

      建物:4,701.00㎡

 

(2)譲渡の相手先

 名  称  丸三飲料株式会社

 所在地  群馬県高崎市大八木町666ー1

 

(3)譲渡の価額

 2,100百万円

 

(4)譲渡の日程

 平成29年3月

 

6【研究開発活動】

 当連結会計年度における研究開発活動について、特記すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社グループは、資産の圧縮による使用資金の効率化や有利子負債の削減に努めながら、財務体質の改善を一層推し進めることで、より健全なバランスシ-トの維持をめざしております。

 

(1) 財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末(以下、「前期末」という。)比2,729百万円、4.0%減少の65,476百万円となりました。このうち、流動資産は前期末比3,758百万円、6.5%減少の54,308百万円、固定資産は前期末比1,028百万円、10.1%増加の11,168百万円となりました。

 

 流動資産の減少は、主に受取手形及び売掛金の前期末比3,262百万円、9.1%の減少によるものであります。

 また、固定資産につきましては、有形固定資産が前期末比590百万円、16.2%増加の4,237百万円、無形固定資産が前期末比71百万円、8.8%減少の742百万円、投資その他の資産が前期末比509百万円、9.0%増加の6,189百万円となりました。有形固定資産の増加は、土地の増加が主なものであります。無形固定資産の減少は、リース資産の減少が主なものであり、投資その他の資産の増加は、投資有価証券の増加が主なものであります。

 

 当連結会計年度末の負債合計は、前期末比4,783百万円、9.1%減少の47,513百万円となりました。このうち、流動負債は前期末比4,699百万円、9.2%減少の46,292百万円、固定負債は前期末比84百万円、6.5%減少の1,220百万円となりました。

 流動負債の減少は、主に支払手形及び買掛金の前期末比4,952百万円、16.2%の減少によるものであり、固定負債の減少は、主に長期借入金の前期末比346百万円、45.1%の減少によるものであります。

 

 当連結会計年度末の純資産合計は、株主資本が親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどにより前期末比1,628百万円増加したことに加え、その他の包括利益累計額がその他有価証券評価差額金の増加などにより前期末比425百万円増加したため、前期末比2,054百万円、12.9%増加の17,963百万円となりました。

 

 これらの結果、当連結会計年度の自己資本比率は前期末の23.3%から27.4%となり、1株当たり純資産は前期末の246.54円から278.39円となりました。

 

(2) 経営成績の分析

 「1[業績等の概要](1)業績」を参照願います。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

 「1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローの状況」を参照願います。