(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景として、景気は緩やかな回復基調を維持しました。また世界経済においても、全体として緩やかな成長を維持したものの、中国をはじめとする新興国の経済成長の鈍化、米国や欧州の政治・経済政策の動向といった不安要素もあり、先行きは不透明な状態にあります。
このような状況の下、当第1四半期連結累計期間の業績は、国内販売は949億4千万円(前年同期比+6.8%)、海外販売は921億8千万円(同+9.1%)となり、売上高は1,871億3千万円(同+7.9%)となりました。
利益面につきましては、増収に伴い、売上総利益は240億7千万円(同+6.7%)となりました。営業利益は、数理計算上の差異の償却に伴う退職給付費用が減少したこと等により56億円(同+59.0%)となりました。また、経常利益は持分法投資損益の改善等により63億7千万円(同+63.2%)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は34億8千万円(同+55.7%)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 機能素材
機能素材につきましては、国内および海外ともに売上は増加しました。
機能化学品事業は、国内外における自動車生産台数が堅調に推移したことから、塗料原料およびウレタン原料等の売上が増加し、事業全体として売上は増加しました。
スペシャリティケミカル事業は、半導体関連等の電子業界向けを中心としてフッ素ケミカル、エレクトロニクスケミカル、樹脂原料・添加剤の売上が増加し、海外では樹脂添加剤等の売上が増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
この結果、売上高は403億2千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、32億3千万円(+8.7%)の増収となりました。営業利益は11億7千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、3億1千万円(+35.8%)の増益となりました。
② 加工材料
加工材料につきましては、国内および海外ともに売上は増加しました。
カラー&プロセシング事業は、工業用および包装材料用の合成樹脂、顔料・添加剤や情報印刷関連材料等の売上が増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
OA・ゲーム機器業界への合成樹脂の販売を中心とするポリマーグローバルアカウント事業は、国内、グレーターチャイナおよびアセアンにおいて売上が増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
この結果、売上高は645億9千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、59億円(+10.1%)の増収となりました。営業利益は16億6千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、4億5千万円(+38.2%)の増益となりました。
③ 電子
電子につきましては、国内および海外ともに売上は微増となりました。
電子化学品事業は、フォトリソ材料の売上が増加し、重電・半導体業界向け等の変性エポキシ樹脂関連の売上も堅調に推移したことから、事業全体として売上は増加しました。
電子資材事業は、ディスプレイ関連部材の販売は増加したものの、スマートフォン筐体用部材の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は305億3千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、6億5千万円(+2.2%)の増収となりました。営業利益は17億2千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、2億4千万円(+16.5%)の増益となりました。
④ 自動車・エネルギー
自動車材料事業は、国内での樹脂ビジネスが順調に推移したことに加え、カーエレクトロニクス関連商材の売上が増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
この結果、売上高は307億3千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、45億1千万円(+17.2%)の増収となりました。営業利益は6億7千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、4億円(+150.0%)の増益となりました。
⑤ 生活関連
生活関連につきましては、欧州での売上は増加したものの、国内での売上が減少したことから、全体として売上は微減となりました。
ライフ&ヘルスケア製品事業は、食品素材分野において、トレハ®等の売上は国内、海外ともに横ばいとなりました。スキンケア・トイレタリー分野において、AA2G®の国内での主要顧客に対する売上は増加したものの、海外での主要顧客に対する売上は減少しました。医療・医薬分野では、原料・中間体および医療材料の売上が減少しました。この結果、事業全体として売上は微減となりました。
化粧品・健康食品の販売を行うビューティケァ製品事業は、従来商品の販売が低調であったことから、事業全体として売上は微減となりました。
この結果、売上高は207億9千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、5億3千万円(△2.5%)の減収となりました。営業利益は12億1千万円と前第1四半期連結累計期間に比べ、3千万円(△2.8%)の減益となりました。
⑥ その他
特記すべき事項はありません。
(2) 経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等および経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。
(3) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、売掛金やたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ、54億2千万円増加の3,266億4千万円となりました。固定資産は、保有株式の時価上昇による投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ、44億8千万円増加の2,140億4千万円となりました。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ、99億1千万円増加の5,406億9千万円となりました。
負債は、社債の償還による減少があったものの、長期借入金の増加やコマーシャル・ペーパーの発行等により、前連結会計年度末に比べ、46億6千万円増加の2,402億4千万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益34億8千万円を計上したほか、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ、52億5千万円増加の3,004億5千万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末と同様の54.7%となりました。
(4) 事業上および財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
当社は、以下のように財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めています。
① 基本方針の内容
当社は、上場会社である以上、株主は原則として株式の自由な取引を通じて決まるものであり、株式会社の支配権の移転を伴う大規模買付行為の提案に応じるか否かも最終的には個々の株主の意思に基づき行われるべきものと考えております。かかる観点から、当社としては、企業価値向上に邁進することこそが本分であり、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者を当社自身の判断で定めるべきではないと考えております。
しかし、ときに市場においては、企業価値向上のために誠実な取組みをしている当社の価値が正当に評価されない状況が生じることも考えられます。株式の大規模買付行為の中には、かかる状況に乗じ、その目的等から見て短期的利益だけを求め、当社の企業価値および株主共同の利益を毀損するものもあり得るところであります。
当社は、このような当社の企業価値および株主共同の利益を毀損するような大規模買付行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
② 基本方針の実現に資する取組み
当社は、上記の基本方針を実現するため、創業200年の節目を迎える2032年度(平成45年3月期)に向けた「長期経営方針」および平成28年4月からスタートした5ヶ年の中期経営計画「ACE-2020」を掲げ、企業価値向上に邁進しております。「長期経営方針」は、注力領域への経営資源の投下と、日本に依存したビジネス運営からの脱却を通じ、これまでの事業の延長だけでは成し得ない飛躍的成長を目指した「成長に向けたチャレンジ」とその「成長に向けたチャレンジ」を成功に導くために事業の拡大とグローバル化に寄与する経営基盤の構築を目指した「成長を支える経営基盤の強化」を骨子としております。また長期経営方針の目標実現のために、平成28年度からの17年間を3つのStageに分け、平成28年度から平成32年度までの5ヶ年をStage1:「変革期」と位置付け、中期経営計画「ACE-2020」をスタートしております(「ACE-2020」の“ACE”は、Accountability(主体性)、Commitment(必達)、Efficiency(効率性)を表します。)。中期経営計画「ACE-2020」は、商社中心の考え方から、商社をグループ機能のひとつと考え、製造、研究、海外ネットワーク、物流、投資の各機能を最大限活用し、グループ一丸となって世界へ新たな価値を創造し、提供することを目指しており、「収益構造の変革」と「企業風土の変革」の2つの変革を骨子としております。「収益構造の変革」の実現に向けた重点施策として「ポートフォリオの最適化」と「収益基盤の拡大・強化」を掲げ、「企業風土の変革」の実現に向けた重点施策として「マインドセットの徹底」と「経営基盤の強化」を掲げております。なお、収益拡大の手段として成長投資1,000億円を設定しており、営業活動によるキャッシュ・フローを上回る財源は、主に有利子負債での調達を基本とし、運転資金の効率化および資産の入替により強固な財務体質と長期的な安定配当は堅持することとしております。以上のとおり、経営の効率性とともにその透明性をも高め、株主、顧客、取引先、社員、地域社会等のステークホルダーの皆様との円滑な関係を構築し、企業価値の向上へ向けて邁進してまいります。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
前記の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を、平成28年5月23日開催の当社取締役会および平成28年6月29日開催の第101回定時株主総会の決議に基づき更新しております。なお、本プランの有効期間は、平成31年に開催される当社定時株主総会の終了時点までとなっております。
本プランは、当社の企業価値および株主共同の利益を確保し向上させることを目的として、大規模買付行為が行われる場合に、大規模買付者に対し、事前に当該大規模買付行為等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付け等についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、大規模買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。
かかる手続が遵守されなかった場合には、取締役会決議もしくは株主総会の承認により対抗措置(新株予約権無償割当て)を講じることがあります。当該対抗措置の発動により、結果的に手続を遵守しない大規模買付者に、経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、手続が遵守されている場合は、原則として対抗措置は講じませんが、当該大規模買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益の確保・向上に反すると認められる場合には、対抗措置(新株予約権無償割当て)を講じることがあります。
なお、本プランの具体的内容は、平成28年5月23日付のニュースリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新について」
(https://www.nagase.co.jp/assetfiles/tekijikaiji/20160523.pdf)をご参照ください。
④ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
②に記載した当社の「長期経営方針」および中期経営計画「ACE-2020」は、当社企業価値および株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではございません。
③に記載した本プランは、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社の企業価値および株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入しております。また、対抗措置発動等の運用に際して、取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために実質的な判断を客観的に行う諮問機関として、独立委員会を設置しております。取締役会の判断は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、また、対抗措置の発動に際し、状況により、株主意思を確認することとしており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、14億1千万円であります。研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
なお、当第1四半期連結累計期間におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
|
機能素材 |
115 |
|
加工材料 |
221 |
|
電子 |
368 |
|
自動車・エネルギー |
27 |
|
生活関連 |
542 |
|
全社(共通)(注) |
139 |
|
合計 |
1,415 |
(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。