※新型コロナウイルス感染症の影響および当社グループの考え方
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大収束後に予想される顧客・市場・社会の変化に対応し、新たな提供価値を創出することを重要な課題と認識しております。
新型コロナウイルス感染症がサプライチェーン、グローバリゼーションに与える影響に鑑み、当社グループとして、ビジネスモデルの見直しが求められます。例えば、デジタルトランスフォーメーション(注)(以下、DX)の推進においては先端技術の採用などにより、外部環境の変化に対応した経営戦略を推進してまいります。
なお、当社グループの基本理念、ビジョン、長期経営方針に変更はありません。2020年度に最終年度となる中期経営計画「ACE-2020」(以下、「ACE-2020」)については、計画にある各施策の遂行を基本としますが、新型コロナウイルス感染症による影響を分析し、適宜、新たな施策を講じてまいります。
(注)デジタル技術とデータを活用して、顧客や社会のニーズに対応するため、製品やサービス、ビジネスモデル、業務プロセス、組織、企業風土などを変革し、競争優位性を確立すること。
当社は、2032年までを対象とする「長期経営方針」および2016年度~2020年度の5ヶ年を対象とする
「ACE-2020」に掲げる事項を対処すべき課題と捉えております。
(1) 基本理念
当社は、グループの共通の価値観として、以下の経営理念、ビジョン、NAGASEウェイを掲げております。
(2) 長期経営方針
当社グループは、創業200年の節目を迎える2032年度に向かい、「現行比3倍の利益水準の常態化」を目指して、「成長に向けたチャレンジ」と「成長を支える経営基盤の強化」を骨子とした長期経営方針を2014年度に策定しております。
「成長に向けたチャレンジ」においては、注力領域への経営資源の投下と、従来からのビジネスモデルに依存する体質からの脱却を通じ、これまでの事業の延長だけではなし得ない飛躍的な成長を目指します。「成長を支える経営基盤の強化」は、「成長に向けたチャレンジ」を成功に導くために、事業の拡大とグローバル化に寄与する経営基盤を構築してまいります。
(3) 中期経営計画「ACE-2020」について
長期経営方針の目標実現のために、2016年度からの17年間を3つのStageに分け、2016年度から2020年度までの5ヶ年をStage1:「変革期」と位置付け、「ACE-2020」をスタートしました。
「ACE-2020」の“ACE”は、Accountability(主体性)、Commitment(必達)、Efficiency(効率性)を表しています。
「ACE-2020」では、商社中心の考え方から、商社をグループ機能のひとつと考え、製造、研究、海外ネットワーク、物流、投資の各機能を最大限活用し、グループ一丸となって世界へ新たな価値を創造し、提供することを目指しております。
「ACE-2020」の定量目標および推移は下表のとおりです。
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目標 |
第105期 |
第104期 |
第103期 |
第102期 |
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連結売上高 |
1兆円以上 |
7,995億円 |
8,077億円 |
7,839億円 |
7,223億円 |
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連結営業利益 |
300億円以上 |
191億円 |
252億円 |
241億円 |
150億円 |
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ROE |
6.0%以上 |
4.9% |
6.6% |
5.8% |
3.7% |
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(4) 「ACE-2020」の骨子と施策
「ACE-2020」では、「収益構造の変革」と「企業風土の変革」の2つの変革を実行しております。
① 収益構造の変革
重点施策①-1:「ポートフォリオの最適化」
「ACE-2020」では、経営資源の最大効率化を進めるために、成長性、収益性、事業規模を観点に、事業を「注力領域」、「育成領域」、「基盤領域」、「改善領域」の4つの領域に仕分けを行い、各領域にあった戦略実行により、事業拡大を図っております。
当期は、「注力領域」であるライフ&ヘルスケアにおいて、米国のPrinova Group, LLC(以下、Prinova社)を子会社化しました。Prinova社は、北米・欧州を中心に食品素材販売、配合品製造および最終製品の受託製造までを手掛けるバリューチェーンの垂直統合型事業を展開しており、NAGASEグループの既存事業とのシナジー創出により成長を図ってまいります。また、㈱林原の海外ビジネスの拡大を図るべく中国(厦門)にアプリケーション開発ラボ「長瀬食品素材 食品開発中心(厦門)」を設立しました。なお、食品素材・食品添加物・機能性素材分野の強化を目的に、2020年4月1日にフード イングリディエンツ事業部を新設しました。
同じく「注力領域」であるエレクトロニクスにおいては、成長が見込まれる次世代情報通信市場(5G市場)に経営資源を投入しました。NAGASEグループが持つ要素技術とネットワークの有効活用が可能となる高機能素材および高速通信世代に要求される技術ソリューションにおいて、次年度以降につながる基盤を構築しました。
「育成領域」では、2016年度よりIBM社と共同で開発しているマテリアルズ・インフォマティクス(注)1(以下、MI)のプロジェクトは順調に進んでおり、次年度、NAGASEグループ内外に対して、サービス開始を見込んでおります。また、デジタルマーケティングのプラットフォーム(注)2開発のため、専門性の高い人的資源を確保し、米国(フィラデルフィア)に拠点を開設しました。なお、MIプロジェクトやデジタルマーケティングの展開を含むNAGASEグループのDX推進を目的に、2020年4月1日にグローバルマーケティング室を設置しました。
ナガセR&Dセンターでは、従前より取り組んできた希少アミノ酸「エルゴチオネイン」の研究が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2019年度課題設定型産業技術開発費助成事業に採択されました。エルゴチオネインの生産において、化学合成から環境配慮型バイオプロセス確立への研究を進めております。
「基盤領域」では、中国における環境規制の強化および貿易摩擦による供給不安を解消することを目的にリスクケミカルの調査・分析を行い、バリューチェーン上で情報を共有しました。また、国内外における合成樹脂の販売は、減速する市場においても、高機能樹脂を中心に前年水準の販売量を維持し、「基盤領域」における商社機能を果たしました。
また、㈱アイエンスを関連会社化し、排水・循環水・排ガス処理事業のグローバル展開を図ってまいります。上下水の水質向上は持続可能な社会を実現するためのグローバルな課題のひとつであり、今後も、「基盤領域」のネットワークを活用して環境貢献事業への展開を進めてまいります。
「改善領域」では、一部の不採算事業の撤退を決定しました。
(注)1. データと人工知能を用いて新規材料や代替材料の探索などを効率よく行う情報科学の手法。
2. 顧客の閲覧・購入履歴のデータを活用し、人工知能などを用いたデータ解析を行うことによる効率的なマーケティング手法とその仕組み。
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ポートフォリオの最適化:2019年度実施の具体的施策 |
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注力領域 |
● 米国のPrinova社を子会社化 ● 中国(厦門)にアプリケーション開発ラボ設立 ● フード イングリディエンツ事業部を新設 ● 次世代情報通信市場(5G市場)における基盤構築 |
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育成領域 |
● MIの開発 ● デジタルマーケティングのプラットフォーム開発に着手 ● DX推進のため、グローバルマーケティング室を新設 ● 希少アミノ酸「エルゴチオネイン」がNEDOの助成事業に採択 |
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基盤領域 |
● リスクケミカルの情報発信 ● 高機能樹脂の拡販 ● ㈱アイエンスの関連会社化による環境貢献事業の推進 |
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改善領域 |
● 一部の不採算事業の撤退を決定 |
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重点施策①-2:「収益基盤の拡大・強化」
「ACE-2020」では、商社業・製造業それぞれが独自の重要業績評価指標(KPI)設定と施策実行により、各機能を向上させるとともに、それぞれの機能を活用した新たな事業の創造を目指しております。
商社業は、海外の売上規模の拡大によりグローバル展開のさらなる加速を目指し、製造業は、将来の注力事業の育成とコストダウンによる経営の安定化(損益分岐点の改善)を進めております。
当期は、注力エリアである米州において、高付加価値事業の創出等を目的に、樹脂等の分野における革新的な技術プラットフォームおよび優れた製品開発能力を有する米国のINTERFACIAL CONSULTANTS社を子会社化しました。
製造業においては、前期より継続しておりましたグループ製造責任者会議を発展させ、グループ製造連携委員会を発足しました。同委員会は、NAGASEグループとしての標準的な製造管理体制を構築し、安全・品質・環境対応などの非財務項目の改善活動を促進してまいります。
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収益基盤の拡大・強化:2019年度実施の具体的施策 |
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商社業 |
● 注力エリアである米州においてINTERFACIAL CONSULTANTS社を子会社化 |
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製造業 |
● グループ製造連携委員会を発足 |
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② 企業風土の変革
重点施策②-1:「マインドセットの徹底」
「ACE-2020」では、「主体性・責任感・危機意識の醸成」、「トップメッセージの共有化」、「モニタリングとPDCAの徹底」を進め、グループ一丸となって主体的に行動を起こす仕組みづくりに取組んでおります。
当期は、「モニタリングとPDCAの徹底」として、注力および育成領域における新規施策の収益貢献が想定に届かず、各施策の蓋然性評価および課題抽出を実施しました。
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マインドセットの徹底:2019年度実施の具体的施策 |
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● 「ACE-2020」における各施策の蓋然性評価および課題抽出 |
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重点施策②-2:「経営基盤の強化」
「ACE-2020」では、「効率性の追求」を進め、連結の売上高販管費率の0.5%改善を目指しております。また、「人財育成」を進め、競争力向上と持続的発展を可能にする人財を育成しております。
当期は、「効率性の追求」として、コーポレート機能の強化および間接業務(取引リスクマネジメントとオペレーション)の生産性向上を目的に、組織と機能の集約化を進めました。次年度より、長瀬ビジネスエキスパート㈱は、グループ全体の取引リスクマネジメントの高度化と効率性の向上を担うことになりました。
「人財育成」においては、多様な人財の活用を方針として、労働年齢に対応する人事制度の変更、グローバルのリーダー候補の可視化、リーダー人財の育成計画などの仕組みづくりを行いました。
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経営基盤の強化:2019年度実施の具体的施策 |
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● 長瀬ビジネスエキスパート㈱への業務移管による組織と機能の集約化 ● 多様な人財活用に向けた人事施策の実施 |
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(5) 経営者による当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、米中貿易摩擦に加え、第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症の影響による需要と市況の下落の影響を受け、通期業績は当初見込みを下回り、前期比減収減益となりました。
一方で、MIの開発継続やデジタルマーケティングの開発着手などの投資は継続し、将来に向けて、新しいビジネスモデルの構築に必要とされる技術開発を進めました。
「ACE-2020」では、外部環境の影響を受けやすい収益体質からの脱却を目指し、「ギャップを埋める対策」を掲げて各施策を策定・実行しております。現時点では各施策の収益貢献は低く、事業戦略のPDCAサイクルに課題を認識しました。(4)に記載の通り、各施策の蓋然性評価を開始しており、来期および次期中期経営計画の戦略策定において改善を図ってまいります。
また、当社グループは、資本効率性の改善を課題として認識しております。「ACE-2020」では、注力領域の規模の拡大、全領域の資本効率の改善、および新たなビジネスモデルの育成により改善を図っております。
「ACE-2020」は、KPIとして、「注力ビジネス拡大」、「グローバル展開の加速」、「製造業の収益力向上」、「効率性の追求」、「投資」、「強固な財務体質」を設けております。今期、「ACE-2020」の施策である「注力領域に追加できるコーポレート規模のM&A」を実施し、各KPIの向上に貢献しています。
「注力ビジネス拡大」においては、(4)に記載の通り、Prinova社を子会社化することにより欧米における食品素材関連事業のプラットフォームを獲得しました。2012年度の㈱林原の子会社化に続き、新たな成長ドライバーの確保および事業・地域ポートフォリオの最適化が進んだことを評価しております。今後、子会社化により発生したのれんを上回るシナジー創出が資本効率性の観点から課題として認識しております。しかし、もう一つの「注力領域」であるエレクトロニクスは、「ACE-2020」策定時の前提と外部環境が乖離しており、戦略の見直しが必要であると認識しております。
「グローバル展開の加速」においては、「ACE-2020」のKPIとして掲げている海外売上高6,000億円により、各エリアでNAGASEグループがプレゼンスを発揮し、その結果として、エリア独自の市場開発が可能となることを目的としています。技術優位性のある企業の子会社化やデジタルマーケティングへの先行投資は、今後のエリア独自の市場開発の手段として有効と評価しております。
「製造業の収益力向上」においては、(4)に記載の通り、Prinova社、INTERFACIAL CONSULTANTS社および㈱アイエンスの関係会社化など新規市場の開拓を進めました。また、Prinova社のPMI活動として、NAGASEグループ製品の米州における採用、NAGASEグループのアジアチャネル利用によるPrinova製品の拡販など、シナジー効果が期待できる施策を進めてまいります。
「効率性の追求」においては、グループ全体の売上高が想定を下回り、加えて、Prinova社買収に伴う費用の増加および中長期的な成長に向けた先端技術への投資による費用の増加等により、連結の売上高販管費率の改善が想定と乖離しています。(4)に記載の通り、長瀬ビジネスエキスパート㈱を主体とし、業務・組織・機能の効率化を推し進め、引き続き、効率性の追求を図っております。
今期、Prinova社、INTERFACIAL CONSULTANTS社など成長に向けた投資として784億円の支出を行いました。運転資本は143億円増加しましたが、子会社の新規連結に伴う増加分が264億円であり、樹脂原料や化学品等の在庫管理を徹底し、運転資本の適正化を図っております。また、株主還元は配当金の支払として57億円の支出を行いました。
これらの資金支出の財源は、営業活動によるキャッシュ・フロー330億円に加え、長期借入による調達254億円および社債の発行による調達200億円であり、結果として、グループ全体の有利子負債は503億円増加しました。
今期、「ACE-2020」の施策の一つである「注力領域におけるコーポレート規模のM&A」を実施し、KPIとして設定された「成長投資額」は達成しました。一方で、「強固な財務体質」をKPIとして設定しており、今後は、のれんを上回るシナジーの創出、適正な運転資本水準の維持により、資本効率性の改善を図ってまいります。
なお、上記文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(6) 次期の見通し
① 次期における業績全般の見通し
次期の当社グループを取り巻く環境として、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響を受け、世界経済の大幅な悪化が予想されます。
このような状況の下、来年度は、中期経営計画「ACE-2020」の最終年度となりますが、「ACE-2020」で掲げた各施策の遂行を基本としつつ、新型コロナウイルス感染症への対応および感染拡大収束後に予想される顧客・市場・社会の外部環境変化に対応した経営戦略の更新を適宜行ってまいります。
次期の業績見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が下半期においては概ね回復する前提のもと、以下のとおり策定しております。
生活関連セグメントでは、第2四半期連結会計期間において買収したPrinova社の業績が次年度では通期にわたり寄与すること、および、同社のビタミン類、アミノ酸類等の販売が主として欧米で好調に推移することにより、大幅な増収・増益を見込んでおります。一方、他のセグメントでは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受け、特に自動車業界に関わる事業の比率が高い機能素材セグメント、モビリティ・エネルギーセグメントでは相当程度の減収・減益を見込んでおります。また、加工材料セグメントでは、減収に加え、情報印刷関連材料ビジネスにおける市況下落の影響による収益性の悪化等により、相当程度の減益を見込んでおります。
なお、次期の業績見通しにつきましては、現時点で得られた情報および合理的であると判断する一定の前提に基づいて算出しておりますが、実際の業績は、新型コロナウイルス感染症拡大の収束時期、海外および国内の景気動向、為替動向など様々な要因により大きく変動する可能性があります。
(単位:百万円)
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売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
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2021年3月期 見通し |
754,000 |
15,000 |
15,500 |
12,500 |
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2020年3月期 実績 |
799,559 |
19,167 |
19,083 |
15,144 |
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増減率 |
△5.7% |
△21.7% |
△18.8% |
△17.5% |
② 次期におけるセグメント別業績の見通し
(売上高)
(単位:百万円)
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2020年3月期 実績 |
2021年3月期 見通し |
増減率 |
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機能素材 |
169,318 |
148,000 |
△12.6% |
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加工材料 |
267,078 |
243,000 |
△9.0% |
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電子 |
115,123 |
84,500 |
△26.6% |
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モビリティ・エネルギー |
126,000 |
103,000 |
△18.3% |
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生活関連 |
121,545 |
175,000 |
+44.0% |
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全社・その他 |
492 |
500 |
+1.5% |
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売上高 計 |
799,559 |
754,000 |
△5.7% |
(営業利益)
(単位:百万円)
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2020年3月期 実績 |
2021年3月期 見通し |
増減率 |
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機能素材 |
5,364 |
4,300 |
△19.8% |
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加工材料 |
8,526 |
5,600 |
△34.3% |
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電子 |
5,396 |
4,800 |
△11.1% |
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モビリティ・エネルギー |
1,890 |
1,100 |
△41.8% |
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生活関連 |
3,973 |
6,800 |
+71.1% |
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全社・その他(注) |
△5,984 |
△7,600 |
- |
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営業利益 計 |
19,167 |
15,000 |
△21.7% |
(注)セグメント間取引消去による調整を含んでおります。
当社グループは、機能素材、加工材料、電子、モビリティ・エネルギー、生活関連、その他のセグメントにおいて、トレーディング機能、マーケティング機能、研究開発機能、製造・加工機能を活用し、グローバルに事業展開をしております。これらの事業の性質上、様々なリスクにさらされており、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)営業活動全般に係るリスク
当社グループは、化学を基盤として、機能素材、加工材料、電子、モビリティ・エネルギー、生活関連のセグメントにおいて、顔料・着色剤、塗料・インキ、界面活性剤、OA、電機、家電、自動車、液晶、半導体、医薬・医療業界向け等に広範に事業を推進しております。従って、日本および世界における化学工業全般の動向に著しい変化が生じた際には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(2)商品市況による影響について
当社グループは、ナフサを原料として製造される石油化学製品の取扱いを機能素材、加工材料、モビリティ・エネルギーセグメントを中心に広範に行っております。石油化学製品はこれら原料市況並びに需給バランスの要因から、製品ごとに固有の市況を形成しており、その変動は当該取引の売上と損益に影響を与える可能性があります。また、当社グループにおいて製造する一部製品に穀物由来の原料を使用しております。当該原料の価格は穀物相場の価格により大きく変動する場合があり、原料の上昇分を販売価格に転嫁できない場合には、損益に影響を与える可能性があります。
(3)為替変動による影響について
当社グループは、外貨建てによる輸出入、および貿易外取引を行っており、これら外貨建て取引については為替の変動により円換算後の価額に影響を与えます。これらの取引に対し為替予約によるヘッジを行い為替変動リスクを最小限に止める努力をしておりますが、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは海外に現地法人を有しており、外貨建ての財務諸表を作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、これらを日本円に換算する際の為替レート変動に伴う換算リスクがあります。
(4)金利変動による影響について
当社グループは、営業活動や投資活動に係る資金を金融機関からの借入等により資金調達しておりますが、有利子負債には変動金利条件となっているものがあります。変動金利による調達に関しましては、金利スワップ契約等を活用することで金利変動に伴うリスクの軽減に努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
また、金利変動によって退職給付債務の割引率および年金資産の運用収益が変動し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(5)海外事業活動に係るリスク
当社グループの販売および生産はグレーターチャイナ、アセアン、米州、欧州を中心とした海外での活動の割合が高まっております。当社グループは現地動向を随時把握の上、適切に対応していく方針ですが、現地の法的規制や慣習等に起因する予測不能な事態が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)株価変動による影響について
当社グループは、取引先を中心に市場性のある株式を保有しており、これらは株価の変動によるリスクを負っております。それらのリスクに対し、所有株式を継続的に見直し、整理する等リスクを軽減する施策を講じておりますが、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。また、株価の下落により年金資産の運用が悪化した場合には、退職給付費用の増加により損益に影響を与える可能性があります。
(7)取引先の信用に係るリスク
当社グループは、多様な商取引により国内外の販売先に対して信用供与を行っており、信用リスクを負っております。これら信用リスクの低減のため、販売先の信用状態に応じて、担保・保証・保険等の取得等の対策を講じております。また、安定かつ継続的な商品の調達に努めているものの、仕入先等の信用状況の悪化や経営破綻等により、取扱商品の継続的な供給が困難となる場合もあります。これらのリスクが顕在化することによって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(8)投資に係るリスク
当社グループは、新会社の設立、製造子会社における設備投資および企業買収等の投資活動を行っております。このような投資活動においては、当初計画した水準まで収益を計上出来ないことによる回収リスク、追加の資金拠出が発生するリスク、また、当社グループが希望する時期や方法で撤退出来ないリスク等を有しております。新規事業投資においては事業計画の実現性および採算性を精査した上で意思決定し、既存投資においては定期的にモニタリングを実施し、リスク軽減に努めておりますが、こうした管理を行ったとしても投資リスクを完全に回避することは困難であり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(9)固定資産に係る減損のリスク
当社グループは、製造子会社における事業用資産やのれん等の固定資産を有しており、これらの資産価値の下落に伴う減損損失発生の可能性があります。当社グループは、適宜必要な減損処理を実施しておりますが、今後、事業の採算性悪化等により更に減損処理が必要となった場合は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(10)製品の品質に係るリスク
当社グループは、より高い付加価値を顧客に提供するためにナガセR&Dセンターおよび製造子会社を有しており、それらの提供する技術・製品の品質には細心の注意を払っております。また、輸入品や委託加工製品等、製造物責任を負う製品の取扱いを行っており、その製品の品質に関しましても、同様の注意を払っております。しかしながら、当該製品の不具合等による販売停止および製品回収あるいは損害賠償等が、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(11)商品関連法令に係るリスク
当社グループは、化学品を主体として広範な用途向けに多種類の商品の輸出、輸入、国内販売を行っております。輸出については、国際的な平和や安全の維持等を目的とした「外国為替および外国貿易法」や「輸出貿易管理令」等、輸入・国内販売については、「化学物質の審査および製造等の規制に関する法律(化審法)」等の法規制の適用を受けるほか、海外各国においても、同様の規制が存在し、適用を受けております。これらに対し安全保障貿易管理規程、化学品・製品管理規程等を定め、商品に係る法規制の遵守活動に努めておりますが、これらの法規制等に抵触した場合、事業活動に制約を受け、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(12)自然災害等のリスク
当社グループは、グループ各社において災害時における業務継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、在宅勤務インフラの整備、災害対策マニュアルの作成、耐震対策、防災訓練等、自然災害発生時への備えを講じております。しかしながら、当社グループは国内外の広範な地域にわたって営業活動を行っており、大規模な自然災害や新型コロナウイルス・新型インフルエンザ等の感染症が発生した場合には、サプライチェーンの寸断による販売活動の停滞や、工場設備の被災に伴う生産活動の停止による機会損失等によって、当社グループの経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、雇用環境の改善は続いていたものの、世界的な景気減速の影響を受け、製造および設備投資は減速しました。世界経済は、米国の堅調な企業業績がけん引していたものの、米中貿易摩擦の長期化等により中国の景気が減速する中、第4四半期には新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、急速に悪化が進んでおります。
このような状況の下、当連結会計年度の業績は、国内販売は4,023億9千万円(前年比△2.5%)、海外販売は3,971億6千万円(同+0.5%)となった結果、売上高は7,995億5千万円(同△1.0%)となりました。
利益面につきまして、売上総利益は減収に伴い、1,049億円(同△0.5%)、営業利益は191億6千万円(同△24.0%)となりました。経常利益は190億8千万円(同△28.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は151億4千万円(同△24.8%)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
機能素材
機能素材につきましては、国内・海外ともに売上は減少しました。
機能化学品事業は、国内外における自動車生産台数の減少により、塗料原料およびウレタン原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
スペシャリティケミカル事業は、国内外における半導体関連等の電子業界向けを中心としたエレクトロニクスケミカルの売上や、加工油剤原料の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,693億1千万円と前連結会計年度に比べ、103億円(△5.7%)の減収となりました。営業利益は53億6千万円と前連結会計年度に比べ、1億3千万円(△2.4%)の減益となりました。
加工材料
加工材料につきましては、国内での売上は微減となり、海外での売上は減少しました。
カラー&プロセシング事業は、国内での工業用および包装材料用の合成樹脂や導電材料の売上が減少したものの、国内・海外における情報印刷関連材料の売上が増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
OA・ゲーム機器業界への合成樹脂の販売を中心とするポリマーグローバルアカウント事業は、国内、グレーターチャイナおよびアセアンにおいて売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は2,670億7千万円と前連結会計年度に比べ、81億2千万円(△3.0%)の減収となりました。一方、営業利益は、国内の製造子会社の収益性の改善等により、85億2千万円と前連結会計年度に比べ、4億3千万円(+5.3%)の増益となりました。
電子
電子につきましては、フォトリソ材料関連、モバイル機器用電子部品向け・半導体業界向け等の変性エポキシ樹脂関連の売上が増加したものの、半導体中間工程用等の精密加工関連、装置関連、ディスプレイ関連部材の売上が減少したことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,151億2千万円と前連結会計年度に比べ、71億9千万円(△5.9%)の減収となりました。また、営業利益は一部の海外製造子会社の収益性の悪化等により、53億9千万円と前連結会計年度に比べ、20億円(△27.1%)の減益となりました。
モビリティ・エネルギー
モビリティソリューションズ事業は、国内でのカーエレクトロニクス関連部材の売上が微減となり、国内・海外での樹脂ビジネスの売上が減少したことから、国内・海外ともに売上は減少しました。
この結果、売上高は1,260億円と前連結会計年度に比べ、132億3千万円(△9.5%)の減収となりました。営業利益は18億9千万円と前連結会計年度に比べ、11億6千万円(△38.1%)の減益となりました。
(注)当連結会計年度より、従来の「自動車・エネルギーセグメント」から「モビリティ・エネルギーセグメント」に名称を変更しております。
生活関連
生活関連につきましては、国内での売上は微減となったものの、海外での売上は大幅に増加したことから、全体として売上は大幅に増加しました。
ライフ&ヘルスケア製品事業は、食品素材分野において、トレハ®等の売上は国内では微減となったものの、海外では増加しました。また、第2四半期連結会計期間において新たに買収したPrinovaグループの売上が加わったことから、海外での売上は大幅に増加しました。スキンケア・トイレタリー分野では、AA2G®の国内での売上は減少しましたが、海外においては主に欧州での販売が好調であったことから売上は増加しました。医療・医薬分野では、製剤事業の売上は減少したものの、医薬品原料・中間体、医用材料の売上は増加したことから、事業全体として売上は増加しました。
化粧品・健康食品の販売を行うビューティケァ製品事業は、全般的に販売が低調であったことから、事業全体として売上は減少しました。
この結果、売上高は1,215億4千万円と前連結会計年度に比べ、307億5千万円(+33.9%)の増収となりました。一方、Prinovaグループの当期における利益貢献は企業結合に係る一過性の費用の発生等により限定的となりました。さらに一部の国内製造子会社の収益性が悪化した結果、営業利益は39億7千万円と前連結会計年度に比べ、6億7千万円(△14.5%)の減益となりました。
その他
特記すべき事項はありません。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の流動資産は、既存会社における売上債権およびたな卸資産の減少等があったものの、子会社の新規連結に伴う資産の受入等により、前連結会計年度末に比べ、135億1千万円増加の3,793億3千万円となりました。固定資産は、保有株式の売却や時価下落による投資有価証券の減少等があったものの、子会社の新規連結に伴う資産の受入、のれんを含む無形資産等の計上により、前連結会計年度末に比べ306億2千万円増加の2,321億3千万円となりました。この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ441億3千万円増加の6,114億7千万円となりました。
負債は、コマーシャル・ペーパー、長期借入金および社債が増加したことから、前連結会計年度末に比べ434億9千万円増加の2,982億3千万円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の減少等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益151億4千万円を計上したことから、前連結会計年度末に比べ6億3千万円増加の3,132億4千万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.2%から4.3ポイント減少し、49.9%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の増加330億7千万円、投資活動による資金の減少492億円、財務活動による資金の増加243億3千万円に換算差額による資金の増加等を加味した結果、前連結会計年度末と比べ64億5千万円(+14.7%)増加し、504億7千万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加額は、330億7千万円となりました。これは、法人税等の支払70億3千万円があったものの、税金等調整前当期純利益242億円、運転資本の減少による資金の増加89億4千万円があったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少額は、492億円となりました。これは、投資有価証券の売却による収入102億7千万円があったものの、連結範囲の変動を伴う子会社株式の取得による支出446億9千万円、有形および無形固定資産の取得による支出123億7千万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加額は、243億3千万円となりました。これは、短期借入金の減少213億3千万円、社債の償還による支出100億円があったものの、長期借入による収入254億5千万円、社債の発行による収入200億円、コマーシャル・ペーパーの純増加180億円があったこと等によるものです。
④ 販売の状況
「① 経営成績の状況」および「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照願います。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に際し、当連結会計年度末における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える貸倒引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等の見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づいて継続して評価・判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に関する会計上の見積りへの反映については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(追加情報)」および「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記情報(追加情報)」に記載したとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営者による当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照願います。
当社は、2019年6月3日開催の取締役会において、当社100%子会社であるNagase Holdings America Corporation(2019年4月1日設立)がPrinova Group, LLCの持分を取得することにより同社および同社の子会社を連結子会社化することを決議し、同日付で持分譲渡契約を締結いたしました。また、本契約に係る持分取得は2019年8月6日付で完了しております。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、グループの総合力を結集し、新規事業創出のため、マーケティング活動に基づく新技術・新製品の開発と技術情報の発信を目的に研究開発活動を行っております。
NVC(New Value Creation)室はAI、IoTや通信技術のトレンドを見据えた新しい価値を創造することで、これまでグループになかったビジネスの仕組みを作ることを目指しています。新しい材料開発ツールとなるマテリアルズ・インフォマティクス、5G世代に必須とされる低遅延化要求と処理性能の両立およびシステムの低消費電力化のためのサーバアクセラレーションを可能にするソリューション(Axonerve)に加え画像センサー、匂いセンサー等を用いてトレーサビリティを担保した従来にないブロックチェーンシステムの開発を推進しております。
ナガセR&Dセンターでは、サステナブル社会の実現に向けて、独自のコア技術(放線菌の育種・発酵技術:N-STePP®(注))と基盤技術を活用して、現在は化学合成困難とされる植物や動物由来の希少有用物質を発酵法で高効率生産できるように「プロセスイノベーション」(=Unavailable Made Available)を目指して取り組んでおります。発酵法は従来の抽出法や化学合成法に比べ、「安全・安心、環境にやさしい」と言う特徴があります。現在は、藻類由来の紫外線吸収物質(マイコスポリン様アミノ酸)、キノコや麦類に含有される希少抗酸化アミノ酸(エルゴチオネイン)、バイオ色素等の放線菌特有の機能性物質の発酵生産を検討しています。これらの有用物質を、機能性食品、化粧品、および工業用品として広く展開されるよう開発を進めると同時に毎年多数の特許を出願・登録しております。このように当センターは、独自の技術を活用して、グループの将来の事業を先導する新規事業の芽の創出をミッションとしております。
(注)Nagase Streptomyces Technology for Protein/Precious Productsの略称、弊社の国内登録商標
ナガセアプリケーションワークショップ(NAW)では、プラスチック、コーティング材料の分野で原材料の評価分析、用途開発から、それら原材料を使った最終製品の処方開発を行うことができる設備と専門技術スタッフを有しております。取引先やグループ製造会社が持つ素材や加工技術を組み合わせ、グループネットワークを活かしたマーケティング機能で得た市場ニーズに応えるソリューション提案を行うことで、当社グループ独自の商社業の差別化戦略を支えるとともに、商社が運営するラボならではの自由な発想でサステナブルな新規事業開発に貢献することを目指して活動しています。
ナガセケムテックス㈱では、「バイオマテリアル」分野における新規事業の立ち上げに注力しています。特に、医療材料、医療機器分野においてニーズが高まってきている低エンドトキシン素材の開発を進めており、㈱林原の製品である「プルラン」を精製した低エンドトキシンプルラン等のサンプル提供を既に開始しております。また、播磨事業所内に低エンドトキシン素材の製造プロセスの検証と、提供サンプルの作製を目的としたパイロットプラントを新設いたしました。今後、本格的な事業化へ向け、製品ラインアップの拡充も進め、高い提供価値を有する製品の創出を進めてまいります。
INKRON Oyでは、独自のシロキサン合成技術により、半導体および電子デバイス向け機能性材料の開発・製造を行っております。特に次世代デバイスとして開発が進む拡張現実(AR)/複合現実(MR)ウェアラブルディスプレイ向けの光学部品材料の開発が進捗しており、ガラス基板メーカー、ナノインプリント(NIL)装置メーカーおよび回折導波路設計会社とパートナーシップを結びNIL工法による革新的なソリューションを提供してまいります。ナガセケムテックス㈱にて長年にわたって蓄積してきたナノ粒子分散技術、量産化技術、品質管理システムとの補完的相乗効果により、次世代デバイス向け先端材料のグローバル供給を通じて顧客のイノベーションに貢献してまいります。
㈱林原では、食品はもとより、化粧品、医薬品・医療から、農業、工業分野に至るまで様々な領域において、「トレハ®」・「プルラン」をはじめとする糖質を広くご利用頂くべく、研究開発活動を行っております。注力商品である「ファイバリクサ®」および「林原ヘスペリジン®S」については、消費者の認知度を上げると共に、さらなる機能性表示食品への展開ならびに新規用途開発活動を強化しております。新規素材については、エイジングケア化粧品素材のグルコシルナリンギンの上市を行いました。引続き、微生物からの新規酵素生産菌の探索を行い、独自酵素を用いて生み出される製品の研究開発を進めております。さらに、次世代の主力となる機能性糖質の製品化に向け、特許・知財戦略も考慮しながら、新たな素材に関する製法の検討を進めるとともに、市場分析、有用な利用法の提案、アプリケーション開発等の活動を推進しております。一方、機能性色素の研究開発活動としては、保有する豊富な機能性色素ライブラリーを活用しながら、写真・印刷刷版等の工業分野に加えて、現在伸びている医薬品や検査薬等のライフサイエンス分野への展開に注力した開発活動を継続しております。
なお、当連結会計年度におけるセグメントごとの研究開発費は次のとおりです。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
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機能素材 |
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加工材料 |
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電子 |
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モビリティ・エネルギー |
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生活関連 |
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全社(共通)(注) |
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合計 |
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(注)全社(共通)は特定のセグメントに関連付けられない基礎研究等に関する費用です。