第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営理念

  世界市場において、ものつくりに貢献する感性豊かな“グローバル最適調達パートナー”を目指します

 

(2) 経営方針・経営戦略等

  岡谷鋼機グループは、2016年度を初年度とする中期計画≪Gih-2020≫を策定し、G(Global)、I(Innovation)、

 H(Human resource)を柱に、2020年度に向けて取り組んでいます。

  G:世界市場で地域に根ざした「ものつくり」に貢献すべく、グループ総合力を発揮します。

  I:時代の変化に向き合い、先端商品・技術の取扱い拡大に挑戦し続けます。

  H:企業活動を支える社員一人一人が、成長を実感できる人材育成を行います。

 

(3) 目標とする経営指標

  中期計画≪Gih-2020≫では、2020年度に連結売上高1兆円、親会社株主に帰属する当期純利益200億円を目指

 します。

 

(4) 経営目標に関する分析・検討内容

中期計画≪Gih-2020≫における当連結会計年度の実績及び今後の見通しは下記の通りです。目標達成に向けて上記「(2)経営方針・経営戦略等」に記載された戦略に基づいてPDCAを回しながら各施策を実施してまいります。

 

 

≪Gih-15≫

≪Gih-2020進捗≫

2015年度

2018年度

2019年度

2020年度

実績

当初計画

実績

予想

目標

売上高

7,854億円

8,500億円

9,485億円

9,600億円

1兆円

親会社株主に

帰属する

当期純利益

 

128億円

 

150億円

164億円

180億円

200億円

 

 

(5) 経営環境及び対処すべき課題

  今後の見通しにつきましては、米中貿易摩擦の影響による世界的な先行き不透明感が懸念されますが、底堅

 く推移するものと期待されます。

  また、国内では消費税増税の影響等が懸念されますが、人手不足に伴う企業の設備投資の継続等を中心に底堅

 さが予想されます。

このような経済環境において、当社は国内外のグループ会社共々社会的責任を重視し、内部統制の充実・強化、コンプライアンスの徹底、環境に配慮した事業活動の推進など、経営品質の継続的改善にも努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態、株価等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経済環境が変化するリスク

当社グループは、日本・アジア・北米・欧州等においてグローバルな事業展開を行っております。国内はもちろん、世界各国の景況変動により、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 商品市況の変動によるリスク

当社グループは、鉄鋼製品をはじめとした多様な商品を扱っておりますが、市況の変動への適宜な対応が出来なかった場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 

(3) 為替変動によるリスク

当社グループは、国内外において外貨建取引を行っております。営業取引においては、為替変動リスクを軽減するため、原則として実需に基づく為替予約等のデリバティブ取引を締結しておりますが、海外連結会社の外貨建借入金等及び連結決算時の円換算については、今後の為替変動によって、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 金利変動によるリスク

当社グループは、金融機関からの借入金により事業資金を調達しております。金利情勢等を勘案し、主として相対的に金利の低い短期借入金で調達し、長期借入金についても金利スワップ等を利用して金利コスト低減に努めておりますが、今後の金利変動によっては、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株価変動によるリスク

当社グループは、 事業戦略の一環として、重要な取引先及び金融機関の株式を保有しておりますが、今後の株価動向によっては、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 取引先の信用リスク

当社グループは、国内外の取引先に対し、営業債権・貸付金・保証等の形で信用を供与するとともに、商品の供給責任も有しております。取引先毎に適確な与信管理を行い、想定し得る回収リスクについては、情報に基づきこれまでのノウハウにて細心の対応をしており、また仕入先の信用状況等の把握にも努めております。特定の取引先において、倒産等により債務不履行が生じた場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 事業投資リスク

当社グループは、事業展開を図るため、新会社の設立、既存の会社への投資等を行っております。新規投資については専門委員会で検討を行い、慎重を期しておりますが、投資先企業の企業価値が低下した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) カントリーリスク

当社グループは、海外との取引や海外での事業投資を行っており、その国における政治や経済・社会情勢の変化、法的規制の変更などにより、代金の回収や事業継続が困難になるリスクを負っております。外部格付機関の情報をもとにカントリーリスクのランク付けを行うとともに、貿易保険を付保するなど、リスクの管理・ヘッジに努めておりますが、実際に特定の国において代金の回収や事業継続が不能となる事態が発生した場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 品質保証によるリスク

当社グループは、商社という特性から大半の商品は他社ブランド商品でありますが、一部グループ会社の製造した商品を当社グループが販売することがあります。品質管理には万全を期しておりますが、全ての商品について品質の不具合がなく、将来において品質問題が発生しないという保証はありません。大規模な品質問題が発生した場合、多額な補償損失が発生し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、環境関連の法令及び規制により、国内外の取引先から環境負荷物質不使用についての保証を求められることがあります。専門委員会を中心に仕入先とも連携し慎重に対処いたしますが、不測の事態が発生した場合、取引に支障をきたし、その場合は経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 法的規制によるリスク

当社グループは、国内及び海外において様々な法令や規制の適用を受けて事業展開を行っております。当社グループでは、コンプライアンスを経営上の重要な課題と位置付け、その強化に努めておりますが、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することはできません。当社グループの事業活動が法令や規制に抵触するような事態が発生したり、予期せぬ法令や規制の新設・変更が行われたりした場合、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 情報システム・情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、情報資産の有効な活用とその適切な保護・管理を情報セキュリティ基本方針として定め、そのための体制の確立や諸規程の整備を行うとともに、情報システムの安全性確保の観点からも各種対策を講じております。しかしながら、予期せぬ事故や障害による情報システムの機能不全や情報資産の漏洩等の事態が発生する可能性を完全に排除することはできません。かかる事態が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 自然災害等に係わるリスク

当社グループは、自然災害等による事業活動への被害を最小限にとどめるため、災害対応マニュアルの策定等の対応を進めております。しかしながらかかる自然災害等の被害は完全に回避できるものではなく、また想定をはるかに超える規模で発生する可能性もあり、かかる場合には事業活動に大きな影響を与える可能性があります。

 

(13) 役員・社員の内部統制によるリスク

当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営上の重要な課題と位置付けており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務運営においては役員・社員の不正及び不法行為の防止に万全を期しておりますが、万一かかる行為が発生した場合、経営成績、財政状態及び当社の社会的信用に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、年後半にかけて米中貿易摩擦・英国のEU離脱問題の影響や中国経済の減速等で力強さを欠きましたが、全体として堅調な米国経済を背景に緩やかな成長が続きました。

日本経済は、年央に自然災害の影響を受けましたが、高水準な製造業の生産活動に加え、好調な企業収益を背景に総じて底堅く推移しました。

このような環境下にあって、連結売上高は9,485億96百万円前連結会計年度比11.4%の増収となりました。

損益につきましては、売上総利益は639億32百万円前連結会計年度比8.0%増)となりました。営業利益は209億72百万円前連結会計年度比16.4%増)、経常利益は250億2百万円前連結会計年度比11.6%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は164億94百万円で、前連結会計年度比9.5%の増益となりました。

 

 セグメントの業績は次のとおりであります。

 

(鉄鋼)

鉄鋼部門は、鋼材価格の上昇に加え、土木・建築及び製造業向けが堅調に推移しました。

特殊鋼部門は、自動車や建機・工作機械等の生産が国内外で堅調に推移し、数量も増加しました。

海外は、鋼材価格の上昇に加え、東南アジア向けが増加しました。

鉄鋼セグメントの売上高は3,915億11百万円前連結会計年度比11.2%増)、営業利益は58億81百万円前連結会計年度比3.6%減)となりました。

 

(情報・電機)

非鉄金属部門は、中国向け家電分野が減少しましたが、自動車関連が増加しました。

エレクトロニクス部門は、車載用電子部品及びFA関連機器などの分野で増加しました。

情報・電機セグメントの売上高は1,944億37百万円前連結会計年度比5.1%増)、営業利益は40億21百万円前連結会計年度比1.1%減)となりました。

 

(産業資材)

化成品部門は、原材料価格の上昇に加え、自動車関連向けが増加しました。

メカトロ部門は、航空機向けをはじめ、国内外で設備機械や部品・工具が大幅に増加しました。

産業資材セグメントの売上高は3,009億67百万円前連結会計年度比16.8%増)、営業利益は88億16百万円前連結会計年度比31.7%増)となりました。

 

 

(生活産業)

配管建設部門は、配管機材類及び建築物件の請負工事が底堅く推移しました。

食品部門は、水産物の輸入及び量販店向け鶏肉加工品等が増加しました。

生活産業セグメントの売上高は616億80百万円前連結会計年度比9.2%増)、営業利益は22億36百万円前連結会計年度比11.4%増)となりました。

 

 (注) 「第2 事業の状況」における記載金額は、消費税等を含まない額としております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動及び投資活動の支出超過を借入金により充当した結果、87億85百万円前連結会計年度比5.8%増)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度においては、仕入債務の増加や税金等調整前当期純利益の計上などにより収入は増加しましたが、売上債権やたな卸資産の増加などにより、8億32百万円前連結会計年度は52億50百万円)の支出超過となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度においては、有形固定資産の取得などにより支出が増加し、25億15百万円前連結会計年度は28億39百万円)の支出超過となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度においては、短期借入金の増加などにより収入が増加し、39億46百万円前連結会計年度は82億64百万円)の収入超過となりました。

 

(3) 販売の状況

上記「(1) 経営成績の状況」及び「第5 経理の状況」における連結財務諸表注記(セグメント情報等)に記載しております。なお、セグメントごとの販売の状況は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成29年3月1日

  至 平成30年2月28日)

当連結会計年度

(自 平成30年3月1日

  至 平成31年2月28日)

前年度比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

鉄鋼

352,201

41.4

391,511

41.3

11.2

情報・電機

185,024

21.7

194,437

20.5

5.1

産業資材

257,715

30.3

300,967

31.7

16.8

生活産業

56,484

6.6

61,680

6.5

9.2

合計

851,425

100.0

948,596

100.0

11.4

 

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、重要な影響を与える見積りを必要とする会計方針としては、以下のようなものがあると考えております。

① 貸倒引当金

当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。将来、取引先の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

② 投資有価証券及び出資金の減損処理

当社グループは、保有する有価証券について、時価のあるものについては、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合に時価まで減損処理を行い、30%以上50%未満下落した株式等の減損にあっては、個別銘柄毎にその回復可能性を総合的に検討し実施することとしております。また、時価のない有価証券については実質価額が著しく低下した場合に減損処理を行っております。将来、株式の市況又は投資先の業績が悪化した場合には、さらなる評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

③ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合には、繰延税金資産が減額され税金費用の追加計上が発生する可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、9,485億96百万円前連結会計年度比11.4%増)となりました。損益につきましては、営業利益は209億72百万円前連結会計年度比16.4%増)、経常利益は250億2百万円前連結会計年度比11.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は164億94百万円前連結会計年度比9.5%増)となりました。

 

① 売上高及び営業利益

上記「(経営成績等の状況の概要) (1) 経営成績の状況」及び「第5 経理の状況」における連結財務諸表注記(セグメント情報等)に記載のとおりであります。

 

② 営業外損益

営業外損益は、支払利息の増加3億27百万円などにより、前連結会計年度の43億94百万円に対し、当連結会計年度は40億30百万円となりました。

 

 

③ 特別損益

特別損益は、減損損失の減少2億93百万円はありましたが、投資有価証券評価損の増加4億41百万円などもあり、前連結会計年度の△4億59百万円に対し、当連結会計年度は△5億30百万円となりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の150億63百万円に対し、当連結会計年度は164億94百万円となりました。その結果、1株当たり当期純利益金額は前連結会計年度の1,564.55円から1,713.44円に増加いたしました。

 

なお、経営目標に関する分析・検討内容は、上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 経営目標に関する分析・検討内容」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の分析

① 資産

流動資産は、売上債権の増加などにより前連結会計年度末の2,958億16百万円に対し当連結会計年度末は3,299億89百万円となりました。固定資産は、保有株式の時価下落に伴う投資有価証券評価額の減少などにより前連結会計年度末の2,065億80百万円に対し当連結会計年度末は1,896億36百万円となりました。その結果、資産合計は、前連結会計年度末の5,023億96百万円に対し、当連結会計年度末は5,196億26百万円となりました。

 

② 負債

流動負債は、仕入債務の増加や短期借入金の増加などにより、前連結会計年度末の2,391億50百万円に対し、当連結会計年度末は2,531億80百万円となりました。固定負債は、長期借入金の増加はありましたが、保有株式の時価評価差額の減少に伴う繰延税金負債の減少などもあり、前連結会計年度末の520億92百万円に対し、当連結会計年度末は518億91百万円となりました。その結果、負債合計は、前連結会計年度末の2,912億42百万円に対し、当連結会計年度末は3,050億71百万円となりました。

 

③ 純資産

保有株式の時価評価差額の減少に伴うその他有価証券評価差額金の減少はありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などもあり、その結果、純資産合計は、前連結会計年度末の2,111億53百万円に対し、当連結会計年度末は2,145億54百万円となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末に比べて4億80百万円増加し、87億85百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の増加61億42百万円税金等調整前当期純利益の計上244億71百万円などにより資金の増加もありましたが、売上債権の増加201億23百万円たな卸資産の増加61億30百万円などにより資金が減少した結果、8億32百万円前連結会計年度は52億50百万円)の支出超過となりました。

 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出20億94百万円などにより資金が減少した結果、25億15百万円前連結会計年度は28億39百万円)の支出超過となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額19億26百万円などにより資金の減少もありましたが、借入金の増加額61億64百万円により資金が増加した結果、39億46百万円前連結会計年度は82億64百万円)の収入超過となりました。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特記事項はありません。