当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比13.0%減の1,511,800百万円となりました。また、損益面につきましては、営業利益は金属原料事業や非鉄金属事業の減益により前連結会計年度比4.9%減の18,178百万円、経常利益は為替差損の減少などにより前連結会計年度比8.1%増の15,424百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益の計上や法人税等の減少などにより、前連結会計年度比180.3%増(約2.8倍)の25,469百万円となりました。
セグメント別の業績(売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)は、次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、従来、「その他」に含まれていた「海外販売子会社」について、量的な重要性が増したため、報告セグメントとして記載する方法に変更しており、前連結会計年度との比較にあたっては、前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えて行っております。変更の内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報)」をご参照ください。
① 鉄鋼事業
海外市場や鉄鋼原料の価格下落の影響を受けて、国内鋼材市況も下落基調が続きました。鋼材の実需面でも、製造業分野では消費停滞の長期化や輸出の不振などにより、また建設分野では工事の出件や進捗の遅れなどにより荷動きに停滞感がありました。利益面では採算の良い請負工事の完工計上があったものの、持分法適用関連会社であるCOSMOSTEEL HOLDINGS LIMITEDの株価下落に伴う持分法による投資損失や海外コイルセンターでの現地通貨安によるドル建債務の為替差損が利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比9.1%減の798,691百万円、セグメント利益は前連結会計年度比0.6%増の14,829百万円にとどまりました。
② 金属原料事業
インドネシアの鉱石禁輸措置に起因するニッケル地金の代替需要の増加やステンレス母材、合金鉄の販売増などがあったものの、ニッケル価格の下落に連動したスクラップ価格の下落や低調なステンレス生産によるニッケルスクラップやステンレススクラップ販売の減少が収益を下押ししました。一方、利益面では商品価格の下落により利幅は縮小しましたが、前連結会計年度での急激な円安進行による為替差損が、当連結会計年度においては緩やかな円高傾向により為替差益に転じたことが利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比横ばいの131,188百万円、セグメント利益は前連結会計年度比546.4%増(約6.5倍)の2,217百万円となりました。
③ 非鉄金属事業
当第1四半期連結会計期間より連結子会社としたアルミニウムのスクラップ加工及び脱酸材製造の正起金属加工㈱の売上高が加わりましたが、原油を始めとする商品価格全般の下落に伴いアルミニウムや銅の価格も下げ基調で推移し、販売価格を押し下げました。また、利益面では商品価格の下落や経済活動全般の停滞などにより、スクラップ類の発生が減少したため、仕入れコストが上昇して販売収益を圧迫しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.5%減の82,081百万円、セグメント利益は前連結会計年度比26.0%減の848百万円となりました。
④ 食品事業
国内消費は低調な状態が続いており、サケなど主力魚種の価格も下げ基調にあったことから、収益は低調な推移となりました。当第1四半期連結会計期間より米国子会社のSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.を連結子会社に加えたことが売上高の増加には寄与したものの、米国のエビ価格の下落等による損失のため、利益面では貢献できませんでした。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比3.5%増の90,671百万円、セグメント利益は前連結会計年度比87.1%減の75百万円となりました。
⑤ 石油・化成品事業
前連結会計年度に急落した原油価格が当連結会計年度においても更に下落し、石油製品価格も前連結会計年度に比べ大きく値下がりしました。需要面でも海運市場の停滞による舶用石油需要の減少を始め各種産業用燃料の需要が低迷したことに加え、暖冬による燃料消費の減少も収益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比35.7%減の276,450百万円、セグメント利益は前連結会計年度比20.4%減の1,974百万円となりました。
⑥ 海外販売子会社
主にシンガポールで扱っている舶用石油が原油価格の低下や海上輸送の停滞による販売価格の下落により売上高を減少させました。また、米国では日本製鋼材などへのアンチダンピング措置が発動されたことから鉄鋼事業の収益が減少した他、タイでも非鉄金属価格の下落などにより低収益となりました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.1%減の177,617百万円、セグメント損失は708百万円となりました(前連結会計年度は、59百万円の損失)。
⑦ その他の事業
レジャー機械の完工収入の他、産業機械の拡販に努めたことなどにより、売上高は前連結会計年度比7.0%増の67,254百万円となりました。また、セグメント利益は、木材事業で欧州材の供給がタイト化したことによる市況上昇などから収益が改善したことなどにより、前連結会計年度比85.1%増の1,375百万円となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,289百万円(5.3%)増加し、25,804百万円となりました。
これは主に売上高が減少したことに伴い運転資金需要が低下し、資金回収が進んだことなどによるものであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は53,098百万円となり、前連結会計年度に比べ51,308百万円の増加となりました。これは主に前連結会計年度に比べて売上高が減少したことに伴う売上債権やたな卸資産の減少により、運転資金の回収が進んだことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は10,446百万円となり、前連結会計年度に比べ3,246百万円(23.7%)の減少となりました。これは主に有形固定資産や投資有価証券の取得や長期貸付の実行など支出の増加はあったものの、多額の不動産売却収入があったことによるものであります。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、42,652百万円の収入となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による支出は41,751百万円となりました(前連結会計年度は19,339百万円の収入)。これは主に運転資金の回収が進んだことにより、短期借入金やコマーシャル・ペーパーの返済が増加したことによるものであります。
受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 外部顧客への売上高(百万円) | 前連結会計年度比増減率(%) |
鉄 鋼 事 業 | 778,737 | △9.2 |
金 属 原 料 事 業 | 127,759 | 1.6 |
非 鉄 金 属 事 業 | 80,894 | △1.3 |
食 品 事 業 | 89,541 | 3.0 |
石 油 ・ 化 成 品 事 業 | 271,602 | △35.7 |
海 外 販 売 子 会 社 | 97,468 | △3.8 |
そ の 他 | 65,795 | 6.8 |
計 | 1,511,800 | △13.0 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(1) 次期の見通し
米国の経済は力強さには欠けるものの緩やかな回復基調にありますが、金融政策の動向や原油価格下落などの影響に注意が必要です。一方、欧州では、景気は緩やかに回復しているものの、政情の不安定化や激増する難民の受入れなどが与える経済・社会への影響に不透明な要素が残ります。また、中国でも新常態政策を進める政府当局は、景況感の悪化に対し大規模な景気浮揚策を打ち出しにくく、構造改革には時間がかかることが予想されることから停滞した状況が続くと見込まれます。その他の新興諸国でも米国の利上げなど世界的な金融環境の変化や中国経済の停滞などに影響され、先行きの不透明な状況が続くと予想されます。
国内経済では、オリンピックやインフラ整備などを始めとする建設需要に持ち直しへの期待感があるものの、海外景気の停滞などによる先行きの不透明感から個人消費や住宅投資、設備投資などの分野では上昇機運に乏しく、製造業も輸出不振による稼働低迷からの脱却が見通しにくい状況です。今後も海外経済の下振れや原油など資源価格の下落などによる景気下押しのリスクにも注意が必要と思われます。
(2) 中期経営計画について
当社グループは平成25年5月に、平成25年度から平成27年度までの3か年にわたる中期経営計画を策定し、重点課題の達成に向けた取り組みを進めてまいりました。
なお、本項目は、平成25年5月に公表した「中期経営計画」の内容を掲載したものであり、現在までの進捗状況とは異なる記載が含まれております。
《テーマ》
「中長期的な国内外市場の変化を見据えた事業構築と経営基盤の強化を目指す。」
《業績目標》
最終年度(平成28年3月期) 売上高1兆8,000億円 経常利益150億円
《企業戦略の骨子》
・人材・組織のベーシック理念 ~プロフェッショナル & グローバル~
・3つの戦略概念
① ユーザー系スタンスの徹底
② 企業活動の多様化
③ グループ一体経営の推進
・共鳴型経営 ~バリューチェーンの最適化~
3つの戦略概念を各事業セグメントの活動における基本とし、メーカー・サプライヤーからユーザーにいたるバリューチェーンの中でその効率化や全体最適を目指して、当社グループの事業領域を広げ、ユーザーの満足度を最大化していきます。
計画期間の最終年度にあたる当連結会計年度での上記の基本課題、成長戦略に係る主な進捗状況は、次のとおりです。
鉄鋼事業では、そこか(即納・小口・加工)機能を充実させ、地域需要の深堀を推進するべく平成27年4月に鉄鋼卸売業の福岡鋼業㈱(岡山県津山市)、鋼材卸売及び鉄骨・鉄筋工事業の大鋼産業㈱(大阪市西区)を、7月には鋼材卸売業の㈱ダイサン(大阪市西区)を新たに当グループに加えた他、平成27年4月に福山営業所を、平成28年3月に和歌山事務所を開設いたしました。また、鉄鋼流通形態の変化に対応して、阪和流通センター東京㈱の規模を縮小し、内陸部に小規模物流拠点の新設計画を決定するなど拠点配置の見直しを行い、物流機能の再構築を進めました。
金属原料事業では、ニッケル銑鉄製造事業に出資している中国の大手ステンレスメーカー青山控股集団有限公司の製造するステンレス原コイルの欧州・アジア向け販売を開始した他、南アフリカのクロム製造業Samancor Chrome社に追加出資し、鉱石・製品の仕入れソースを強化しました。国内では、特殊金属卸売業の日興金属㈱を平成27年10月に子会社化し、特殊金属スクラップの集荷ネットワークを充実させました。
非鉄金属事業では、需要の拡大している基板屑の仕入れに関し、既存の仕入地域の競争環境が厳しくなっているため、中南米や南欧など新規の仕入ソース拡大に努めました。また、バーゼル条約関連品種の取扱いに注力し、硫酸鉛の輸出などを伸ばしました。
食品事業では、子会社のハンワフーズ㈱や丸本本間水産㈱と連携して川下分野への展開を強化し、寿司ネタ用商品やかき揚げ、イカ・タコの加工品などの商品開発に力を入れました。また、海外からの仕入れに関し、外国流通業者との競合が激しくなっている他、漁獲規制等も強化されてきているため、仕入地域の新規開拓にも注力しました。
石油・化成品事業では、石油製品需要の縮小を見据えて、出資先のイーレックス㈱と子会社のトーヨーエナジー㈱らで売電事業の合弁会社を設立した他、バイオマス発電所向けに需要の拡大しているPKS(椰子殻)や木質チップ・ペレット類などの仕入ソース開拓に努めました。また、RPF(故紙・廃プラスティック固形燃料)製造業の西部サービス㈱と㈲アルファフォルムを子会社化し、多様な燃料販売の体制づくりに努めました。
企業体制面につきましては、引き続きコンプライアンスの徹底と、コーポレート・ガバナンスや内部統制の強化に努めております。また、「内部統制システム整備に関する基本方針」に則って企業を運営していくと共に、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応として、内部統制・HKQC推進課が当社の内部統制システムの有効性検証、システム改善を継続して実施しております。
これらの成果を踏まえて、当社グループは平成28年5月に、新たに平成28年度から平成30年度までの3か年にわたる中期経営計画を策定いたしました(計画の詳細は、平成28年5月13日発表の「阪和興業 中期経営計画(2016年度-2018年度)に関するお知らせ」をご参照ください。)。
新中期経営計画の概要は以下の通りです。
《テーマ》
『Sへのこだわり -STEADY, SPEEDY, STRATEGIC- 』
~中長期を見据えたSUSTAINABLEな収益体質と経営基盤の強化~
① STEADY:既存の事業領域から得られる収益の確保と強化
② SPEEDY:グループ企業や国内外の戦略投資からの投資効果の早期実現
③ STRATEGIC:3年間で300億円程度の戦略的投資の継続による将来の追加収益の確保
《業績目標》
最終年度(平成31年3月期) 売上高2兆円、経常利益200億円、新規ユーザー獲得数2,000社
当社グループとしましては、今後、これらの事業戦略を継続して実行していくことで、総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を実現させ、さらなる顧客満足の向上を図り、合わせて社会貢献にも目配りしてまいります。
(3) 株式会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図るという観点から決定されるべきものと考えております。従いまして、結果的に支配権の異動を伴うような株式の大規模な買付提案(以下、「大規模買付提案」といいます。)に応じるか否かは、当社株式を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。この考えに基づき、当社株式の大規模買付提案が提起された場合には、株主の皆様が提案に応じるか否かを判断するに足る十分な情報と時間が提供されることが不可欠であると考えます。
しかし、株式の大規模買付行為の中には、大規模買付の対象企業(以下、「対象企業」といいます。)の経営者や株主の皆様に対する買付目的や買付後の経営戦略等について明確な説明がないまま行われるものや、大規模買付者の一方的な考えに基づき買付行為が行われるものなど、対象企業の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ることなく進められることがあります。
当社は当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、株主の皆様に大規模買付提案に応諾するか否かを検討するための十分な情報と時間が提供されない場合や、当社の支配権が異動するに足る当社株式を取得した特定の株主により、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が損なわれるおそれがあると判断される場合には、こうした株主を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると判断し、必要かつ相当な範囲において、対抗措置をとることができる旨を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)といたします。
② 基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、平成28年5月に平成28年度を初年度とする3か年の中期経営計画を策定しました。本中期経営計画では、『Sへのこだわり -STEADY, SPEEDY, STRATEGIC- 』~中長期を見据えたSUSTAINABLEな収益体質と経営基盤の強化~ をテーマに掲げ、達成すべき具体的な事業戦略を設けております。当社は、具体的な事業戦略を着実に実行していくことで、当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化が図れるものと考えております。
③ 不適切な支配の防止のための取組み
当社は、平成27年6月26日開催の当社第68回定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるため、基本方針に照らして不適切な支配の防止のための取組みとして、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の一部改定及び継続の件」を上程し、株主の皆様のご承認をいただきました(以下、承認後の対応方針を「現対応方針」といいます。)。
現対応方針におきまして、当社は大規模買付者からの事前の情報提供に関する一定のルールを定めるとともに、ルールを遵守しない場合や当社の企業価値や株主共同の利益を毀損することが明らかであると当社取締役会が判断する場合には、一定の対抗措置を講じることがある旨を公表しております。また、大規模買付行為を評価・検討する際や、対抗措置を発動する際等には、当社取締役会は独立した第三者により構成される特別委員会に諮問し、特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することとしております。特別委員会は社外有識者、社外取締役、社外監査役の中から選任された3名以上の委員から構成され、これにより当社取締役会の行う判断の公正性、透明性が確保できるものと考えます。
④ 上記取組みについての取締役会の判断
当社取締役会は、上記③の取組みが上記①の当社の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えます。また、取締役会による恣意的な判断がなされることを防止するため、独立した第三者により構成される特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する際等には特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することにより、現対応方針に係る取締役会の恣意的な判断を排除する仕組みを確保しております。
また、当社は、現対応方針の有効期限を当社第68回定時株主総会終結のときから3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとしておりますので、平成30年開催の当社第71回定時株主総会において現対応方針の継続等を付議し、改めまして現対応方針に関する株主の皆様の総体的なご意思を確認することとしております。当該株主総会において出席株主の議決権の過半数のご賛同が得られなかった場合には、現対応方針はその時点で廃止されるものといたします。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況の変動に係るリスク
当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、北米、欧州、アジア等を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 商品市況の変動に係るリスク
当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品及び石油・化成品等について流通在庫を有しております。これらは市況商品であるため、需給状況や為替動向が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
(3) 為替レートの変動に係るリスク
当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。
(4) 金利の変動に係るリスク
当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動リスクの軽減に努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 株価の変動に係るリスク
当社グループは、取引先を中心に国内外で市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。従いまして、保有する上場株式の株価動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 取引先の信用に係るリスク
当社グループの事業における売上債権の大部分は、販売先ごとに一定の信用を供与し、掛売りを行ったものであります。当社グループにおいては厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収が行われる保証はありません。従いまして、販売先の不測の倒産・民事再生手続等は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 事業投資に係るリスク
当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行うなど投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 資金の流動性に係るリスク
当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。資金調達に当たっては、資金需要見通しに基づき、手元流動性の確保に努めておりますが、国内外の金融市場の混乱や金融規制の変更、当社グループへの信用格付の引き下げまたは金融機関の融資方針の変更など調達環境に大きな変化が生じた場合には、資金調達の制約や調達コストの増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループは、近年アジア市場や米国、欧州等の市場に対して積極的に事業進出を行っております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。
① 予期しない法律または関税などの貿易取引規制の変更
② 不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動
③ 人材の採用と確保の難しさ
④ 未整備のインフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性
⑤ 企業活動にとって不利な税制度への変更
⑥ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
従いまして、これらの事象は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制等に係るリスク
当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障またはその他の理由による輸出入及び販売制限、関税をはじめとするその他の貿易取引規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 自然災害等に係るリスク
当社グループは、地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の発生に備えて、危機管理マニュアルや事業継続計画の整備、安否確認システムの導入、耐震対策や防災訓練などの対策を実施しております。しかしながら当社グループの各事業所及び社員の活動は広範囲に及んでおり、自然災害等が発生した際にはその被害を完全に回避できるものではありません。想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 退職給付債務に係るリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率や長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
① 概要
当連結会計年度における世界経済は、米国では力強さには欠けるものの個人消費や住宅投資を中心に緩やかな回復基調を維持していましたが、平成27年12月のフェデラル・ファンド金利の引き上げ以降は停滞感も見られました。また、欧州では、実体経済面は総じて回復基調を維持しましたが、財政問題や難民問題、地政学的問題など政情面での不安定要素もあり、不透明な状況にありました。中国では不動産や金融バブルへの反動や設備過剰問題などにより景気が減速する中にあっても、安定成長への移行を目指す新常態政策が進められた結果、経済成長が鈍化しました。その他の新興諸国でも金融環境の変化や資源価格の下落、政治的・地政学的問題などの影響を受け、全体的に停滞感のある状態が続きました。
国内経済は、個人消費や住宅投資が若干上向いたものの力強さに欠け、海外景気の低迷による輸出の伸び悩みや円高傾向に動いたことなどにより製造業の生産活動にも停滞感が出ました。結果として、設備投資も伸び悩んだ他、公共投資も減少傾向にあったことから、いわゆるアベノミクスや日本銀行の金融緩和による景気浮揚効果が薄れてきました。
このような環境において、当連結会計年度の売上高は、石油製品や鋼材の供給過剰や需要の低迷による価格下落などにより、前連結会計年度比13.0%減の1,511,800百万円となりました。一方、利益面では、営業利益は商品市況低迷の影響を受けた金属原料事業や非鉄金属事業などの減益により前連結会計年度比4.9%減の18,178百万円、経常利益は持分法による投資損失が発生したものの、為替差損の減少などにより前連結会計年度比8.1%増の15,424百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産の譲渡に伴う売却益の発生や当該資産の過年度に計上した減損損失等について税務上の損金算入を行ったことによる法人税等の減少などから、前連結会計年度比180.3%増(約2.8倍)の25,469百万円となりました。
② 売上高
売上高は、石油・化成品事業や鉄鋼事業の減収などにより、前連結会計年度に比べ13.0%減の1,511,800百万円となりました。そのうち、国内売上高は前連結会計年度に比べ12.0%減の1,130,114百万円、海外売上高は前連結会計年度に比べ15.8%減の381,686百万円となりました。
③ 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、市況下落による仕入れ価格の低下と在庫圧縮のための仕入数量の減少などにより、前連結会計年度に比べ13.5%減の1,455,240百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、給料・賞与の増加や新規連結した子会社分の経費の増加などにより、前連結会計年度に比べ4.8%増の38,381百万円となりました。
④ 営業利益
営業利益は、鉄鋼事業での請負工事に係る収益が増加しましたが、金属原料事業や非鉄金属事業で地金やスクラップ販売の利幅が縮小したことから、前連結会計年度の19,107百万円に対して4.9%減益の18,178百万円となりました。なお、売上高営業利益率は1.2%と前連結会計年度に対し0.1ポイント上昇しました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は、貸倒実績率の低下に伴う一般貸倒引当金の戻入益が591百万円発生した他、受取配当金が増加したことなどから、前連結会計年度に比べ57.3%増加し3,773百万円となりました。また、営業外費用は、持分法適用関連会社であるCOSMOSTEEL HOLDINGS LIMITEDの株価下落によるのれんの一括償却などからの持分法による投資損失が1,304百万円発生しましたが、前連結会計年度に比べ為替の変動が穏やかだったことから為替差損が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ9.9%減少し6,526百万円となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、千葉県に所在する流通センターの不動産を売却したことなどに伴い発生した固定資産売却益13,074百万円や負ののれんの発生益1,101百万円などにより、14,918百万円となりました。
一方、特別損失は、投資有価証券や出資金の減損による評価損3,273百万円などにより、3,599百万円となりました。
⑦ 法人税等
法人税等は、売却した不動産について過年度に認識していた減損損失等を損金算入したことなどにより、課税所得が減少したため、前連結会計年度に比べ67.4%減少し、1,264百万円となりました。
⑧ 当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度に比べ178.7%増加(約2.8倍)の25,479百万円となり、その内、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ180.3%増加(約2.8倍)の25,469百万円となりました。その結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の43.85円に対し、122.92円となりました。
⑨ セグメントの状況
鉄鋼事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.1%減の798,691百万円、セグメント利益は0.6%増の14,829百万円となりました。建設分野では予定物件は多いものの、出件や着工の具体化が延期されたり、工事進捗の遅れなどが多く、条鋼類の荷動きは停滞しました。製造業向け需要も海外経済の低迷から輸出向けが低調だったほか、国内消費や設備投資などの伸び悩みなどから、鋼板類の販売が失速しました。また、価格面でも中国経済の停滞から供給過剰となった鋼材や半製品が国際市場に流入して国際価格を押し下げ、その影響を受けて鉄スクラップ価格も下落し、国内市況を押し下げる誘因となるなど年度を通じて下げ基調で推移し、売上高が減少しました。また、利益面では、アベノミクス初期の景気回復期に受注した比較的採算の良い建設物件の請負工事が完工計上されて利益に貢献したものの、持分法適用会社であるCOSMOSTEEL HOLDINGS LIMITEDの株価が大きく下落し持分法による投資損失が発生したことや海外のコイルセンターで現地通貨安が進んだことからドル建ての債務に対する為替差損が拡大したことなどにより、セグメント利益は若干の増加にとどまりました。
金属原料事業の売上高は前連結会計年度に比べ横ばいの131,188百万円、セグメント利益は546.4%増(約6.5倍)の2,217百万円となりました。インドネシアのニッケル鉱石の禁輸措置による中国のニッケル銑鉄不足からニッケル地金の代替需要が発生したことや、ステンレス母材、高炉メーカー向け合金鉄の販売増などがあったものの、ステンレススクラップやニッケルスクラップ類の売上が価格の下落やステンレス生産の停滞による販売減により減少し、結果として売上高は前連結会計年度並みとなりました。また、利益面では、商品価格の下落などから販売収益は低下しましたが、前連結会計年度において急激な円安進行により発生した多額の為替差損が、比較的穏やかに推移した当連結会計年度では減少したことから、増益となりました。
非鉄金属事業の売上高は前連結会計年度に比べ1.5%減の82,081百万円、セグメント利益は26.0%減の848百万円となりました。アルミニウムのスクラップ加工や脱酸材製造の正起金属加工㈱を新規に連結子会社としたことや、銅、亜鉛、貴金属類のスクラップ販売を拡大したものの、各種商品市況の下落により、売上高は減少となりました。また、利益面では、販売価格が国際価格に連動して下落基調にある一方で、経済の停滞からスクラップの発生が減少したため、数量確保のために割高な仕入れもせざるを得ず収益性が悪化した他、アルミニウムの対日プレミアムの急落による利幅の縮小なども利益を押し下げました。
食品事業の売上高は前連結会計年度に比べ3.5%増の90,671百万円、セグメント利益は87.1%減の75百万円となりました。新規連結した米国で水産物販売を手掛けるSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.の売上高が加算されましたが、国内の水産物消費は低調な状態が続き、価格も前連結会計年度より低い水準にあったことから、売上高は若干の増加に留まりました。一方、利益面では、親会社での販売は、海外産地では弱含みの品種が多かったものの、円安の影響もあり国内価格が下げ止まったことから収益性は改善しましたが、北米でのエビ市況の下落によりSEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.が最終赤字となったことから、減益となりました。
石油・化成品事業の売上高は前連結会計年度に比べ35.7%減の276,450百万円、セグメント利益は20.4%減の1,974百万円となりました。前連結会計年度に急落した原油価格は、当連結会計年度に入っても、中国経済の低迷や米国での在庫増加、産油国間の生産調整の不調、投資家の商品市場回避の動きなどから更に下落し、連動して石油製品の価格も下落しました。需要面では海運市況の低迷による舶用石油需要の減少や、国内景気減速や燃料転換による産業用燃料販売の減少、更に暖冬による灯油消費の減少などが収益を押し下げました。
海外販売子会社の売上高は前連結会計年度に比べ1.1%減の177,617百万円、セグメント損失は708百万円となりました(前連結会計年度は59百万円の損失)。前連結会計年度に比べ、円安水準にあったにも関わらず、シンガポールで扱っている舶用石油が原油価格の下落や海上輸送の停滞により売上高を減少させた他、各地域での非鉄金属販売でも価格下落が影響しました。また、米国で日本製鋼材などへのアンチダンピング措置が発動され、輸入取引が停滞した他、タイの非鉄金属事業でも価格下落の影響により収益性を落としました。
その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ7.0%増の67,254百万円、セグメント利益は85.1%増の1,375百万円となりました。機械事業でのレジャー機械の完工収入の他に、産業機械分野での拡販も寄与しました。また、利益面では、木材事業において、欧州材供給のタイト化により市況が上昇したことなどから、収益性が改善しました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、売上高の減少に伴う売上債権の減少やたな卸資産の圧縮などにより、前連結会計年度末比7.9%減の599,694百万円となりました。
負債は、仕入債務やコマーシャル・ペーパーの減少などにより、前連結会計年度末比12.8%減の443,555百万円となりました。そのうち、有利子負債は、前連結会計年度末比12.8%減の237,552百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.4倍となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金などの減少はあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益からの利益剰余金の積み上げなどにより、前連結会計年度末比9.4%増の156,139百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の21.7%から25.8%に上昇しました。
② キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて51,308百万円多い53,098百万円の収入となりました。これは、石油製品などの単価下落による売上高の減少により、売掛金やたな卸資産が減少し、運転資金の回収が進んだことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて3,246百万円少ない10,446百万円の支出となりました。これは、企業買収やアライアンス構築のための出資など投資有価証券の取得による支出は依然として増加しており、出資先への貸付実行による支出も発生したものの、流通センター不動産の売却収入が発生したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が19,339百万円の収入であったことに対し、当連結会計年度においては41,751百万円の支出となりました。これは、運転資金需要の減少に伴い、コマーシャル・ペーパーや短期借入金の返済が進んだことなどによるものであります。
③ 財務政策
当社グループは、運転資金及び投融資資金につきましては、銀行借入による調達を主としておりますが、安定的かつ機動的な流動性確保のため、資金調達ソースの多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。
銀行借入につきましては、運転資金の調達には、主に変動金利の長期借入金を利用することで安定的な資金を確保するとともに、日常の資金需要の変動については短期借入金により対応しております。なお、海外の連結子会社は、それぞれ現地において銀行借入を利用しております。また、設備投資などの長期資金については、海外分も含めて原則として日本において長期借入金により調達しております。当連結会計年度末現在の短期借入金残高は56,412百万円であり、主な通貨は日本円であります。長期借入金残高は1年以内の返済予定額10,322百万円を含めて139,743百万円であります。
社債につきましては、主に運転資金の調達を目的に利用しており、当連結会計年度末現在の社債発行残高は、普通社債40,136百万円であります。当社は市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、40,000百万円であります。
当社グループは総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を標榜しており、事業の拡大に必要な資金需要に対応した効率的な資金調達を図り、健全な財務バランスを追求していく方針であります。