第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社は経営理念として、『私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、「流通のプロ」として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します。』を掲げております。

この理念の下、顧客第一主義を掲げ、付加価値を高めた商品の流通や顧客ニーズに即応した提案型サービスを提供するユーザー系商社として、「存在感ある商社流通」を追求し、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の向上に努めます。またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで、「企業の社会的責任」を果たしていきます。

 

(2) 目標とする経営指標

企業価値の向上と財務体質の強化を図るため、投下資本利益率(ROIC)、ネット負債倍率(Net DER)などを経営指標としております。また、企業活動の裾野を広げて事業の成長性を量る指標として、新規ユーザー獲得数も採用しております。
 なお、平成31年3月期の通期目標は、売上高2兆円、営業利益310億円、経常利益300億円、親会社株主に帰属する当期純利益195億円としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、平成28年度から平成31年度までの4か年にわたる中期経営計画を策定し、重点課題の達成に向けた取り組みを進めております。中期経営計画の概要は、以下の通りです。

《テーマ》

 『Sへのこだわり -STEADY, SPEEDY, STRATEGIC- 』

~中長期を見据えたSUSTAINABLEな収益体質と経営基盤の強化~

① STEADY:既存の事業領域から得られる収益の確保と強化

② SPEEDY:グループ企業や国内外の戦略投資からの投資効果の早期実現

③ STRATEGIC:4年間で500億円程度の戦略的投資の継続による将来の追加収益の確保

《業績目標》

最終年度(平成31年度)  売上高2兆円、経常利益350億円

新規ユーザー獲得数2,700社(4年間累計)

※当社は平成30年5月11日開催の取締役会において、最終年度の売上高目標を、これまでの進捗や事業環境などを考慮して、2兆1,000億円に見直しすることを決議いたしました。

 

当連結会計年度での上記の基本課題、成長戦略に係る主な進捗状況は、次のとおりです。
 鉄鋼事業では、そこか(即納・小口・加工)機能を充実させ、地域需要の深堀を推進するべく平成29年4月に鉄鋼卸売業の亀井鐵鋼㈱(愛媛県松山市)、山陽鋼材㈱(広島県広島市)を新たに当グループに加えた他、6月には群馬県伊勢崎市に物流・加工拠点として北関東スチールセンターを開設し、10月には特殊金具製造の最大手であるジャパンライフ㈱もグループ会社化するなど機能強化を進めました。また、海外でもマレーシアのステンレスメーカーBAHRU STAINLESS SDN.BHD.やベトナムの鋼材卸売業SMC TRADING INVESTMENT JSCに出資した他、東南アジア地域での鉄筋加工や製缶加工などを強化し、「第二の阪和を東南アジアに」戦略も進展させました。

金属原料事業では、南アフリカのクロム製造業SAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.株式を独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で取得し、対日向け製品の仕入れソースを強化した他、メキシコで炭酸リチウムの製造プロジェクトを進めているBACANORA MINERALS LTD.(現 BACANORA LITHIUM PLC)にも出資、南アフリカでJOGMEC主導で進められているウォーターバーグ白金族プロジェクトへの参画も決定するなど世界各地からの金属資源調達ネットワークの確立を進めています。また、当社が出資しているインドネシアでの青山控股集団有限公司が進めるステンレスプロジェクトもスラブやステンレス母材の出荷を開始し、当社もその販売の一翼を担っています。

 

非鉄金属事業では、オランダの三菱マテリアル㈱子会社で一部出資もしている貴金属スクラップ集荷・検品業MM

METAL RECYCLING B.V.の稼働開始に向けて、欧州での集荷・販売体制の構築に努めたほか、銅スクラップやアルミ

ニウムスクラップの輸入事業も拡大しました。

食品事業では、川下展開を進める食品版そこか戦略を推進し、子会社のハンワフーズ㈱と連携して寿司ネタ用商品やかき揚げ、エビ・イカ・タコなどの加工品の商品開発・提案を行いました。

石油・化成品事業では、石油製品需要の縮小を見据えて、出資先のイーレックス㈱と子会社のトーヨーエナジー㈱他で設立した売電事業合弁会社が、トーヨーエナジー㈱の販売ネットワークを活用して低圧・家庭用電力の販売を進めています。また、バイオマス発電所向けに需要が拡大しているPKS(椰子殻)や木質チップ・ペレット類などの安定調達のため、仕入ソースの開拓・出資を含めた提携を引き続き進めています。
 企業体制面につきましては、引き続きコンプライアンスの徹底と、コーポレート・ガバナンスや内部統制の強化に努めており、「内部統制システム整備に関する基本方針」に則って企業を運営していくと共に、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応として、内部統制・HKQC推進課が当社の内部統制システムの有効性検証、システム改善を継続して実施しております。また、業務品質の向上を目指すHKQC(Hanwa Knowledge Quality Control)活動を推進しており、業務フローにおけるリスクポイントを洗い出し、ケアすることで、手続きミスや漏れによる収益の取りこぼしを減らす取り組みを進めています。
 当社グループとしましては、今後、これらの事業戦略を継続して実行していくことで、総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を実現させ、さらなる顧客満足の向上を図り、合わせて社会貢献にも目配りしてまいります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

世界経済は、米国ではトランプ政権での経済・財政政策や通商問題の動向の他、FRBによるフェデラル・ファンド金利の追加利上げや資産規模の縮小方針の影響に注意が必要ですが、緩やかな回復基調を持続するものと思われます。欧州でも英国のEU離脱問題や欧州中央銀行の資産購入プログラム縮小の影響に加え、移民問題など各国の政情面での不安定要素はあるものの、実体経済面では堅調に推移するものと思われます。また、中国経済も、堅調な個人消費に加え、企業活動や固定資産投資も拡大基調にあり、政府当局も財政支出を継続する方針にあることから景気は底堅く推移するものと思われます。その他の新興諸国も緩やかな成長が続くと予想されますが、国際金融環境や先進国経済の変化による影響には留意が必要です。
 国内経済は、雇用・所得環境の改善や働き方改革などの政策効果により、個人消費や住宅投資が引き続き底堅く推移すると思われる他、東京オリンピック・パラリンピック関連やインフラ整備・都市再開発などの建設需要も高い水準を維持していくものと思われます。製造業でも内需の増加や海外景気の持ち直しによる輸出増などにより、生産活動は堅調に推移し、設備投資も回復していくものと思われます。
 当社グループとしましては、このような事業環境の中で、各事業分野における需要動向を的確に把握し、取引先のニーズを反映した適切な販売・在庫政策を進めるとともに、新規取引先を積極的に開拓することにより、業績の維持・向上に注力していく所存です。
 当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。
 営業面では、メーカー・サプライヤーからユーザーにいたるバリューチェーンの各段階の効率化や最適化を実現していくことにより、全体に含まれるあらゆる収益機会を確実にとらえて収益を最大化していく必要があり、そのために自律的な成長と事業の多様性の確保を軸に、攻めの戦略を打ち出していきます。また、「第二の阪和を東南アジアに」をコンセプトに、これからの有望・成長市場である東南アジア域内へモノの輸出から機能の輸出への転換を推進するほか、北米での事業展開を強化し、海外での収益力強化を図ります。
 経営管理面では、事業規模の拡大やグループ会社の増加に伴い、部分最適からグローバル最適へと、本社の経営資源を効率よく効果的に配分することができるコーポレート体制の構築が必要であり、それぞれのグループ会社や地域の特性に適合した自律性の尊重と収益を漏らさない統合管理のバランスを追求しながら、徹底した効率化も推進していきます。

 

(5) 株式会社の支配に関する基本方針

※当社は平成30年5月11日開催の取締役会において、現対応方針の有効期間が満了する当社第71回定時株主総会終結の時をもって、現対応方針を継続せず、廃止することを決議いたしましたので、以下の対応方針は失効しております。

 

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図るという観点から決定されるべきものと考えております。従いまして、結果的に支配権の異動を伴うような株式の大規模な買付提案(以下、「大規模買付提案」といいます。)に応じるか否かは、当社株式を保有する株主の皆

様の判断に委ねられるべきものであると考えます。この考えに基づき、当社株式の大規模買付提案が提起された場合には、株主の皆様が提案に応じるか否かを判断するに足る十分な情報と時間が提供されることが不可欠であると考えます。

 しかし、株式の大規模買付行為の中には、大規模買付の対象企業(以下、「対象企業」といいます。)の経営者や株主の皆様に対する買付目的や買付後の経営戦略等について明確な説明がないまま行われるものや、大規模買付者の一方的な考えに基づき買付行為が行われるものなど、対象企業の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ることなく進められることがあります。
 当社は当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、株主の皆様に大規模買付提案に応諾するか否かを検討するための十分な情報と時間が提供されない場合や、当社の支配権が異動するに足る当社株式を取得した特定の株主により、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が損なわれるおそれがあると判断される場合には、こうした株主を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると判断し、必要かつ相当な範囲において、対抗措置をとることができる旨を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)といたします。
 

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、平成28年度を初年度とする4か年の中期経営計画を推進しております。本中期経営計画では、『Sへのこだわり -STEADY, SPEEDY, STRATEGIC- 』~中長期を見据えたSUSTAINABLEな収益体質と経営基盤の強化~ をテーマに掲げ、達成すべき具体的な事業戦略を設けております。当社は、具体的な事業戦略を着実に実行していくことで、当社の企業価値及び株主共同の利益の最大化が図れるものと考えております。

 

③ 不適切な支配の防止のための取組み

当社は、平成27年6月26日開催の当社第68回定時株主総会において、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させるため、基本方針に照らして不適切な支配の防止のための取組みとして、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の一部改定及び継続の件」を上程し、株主の皆様のご承認をいただきました(以下、承認後の対応方針を「現対応方針」といいます。)。

現対応方針におきまして、当社は大規模買付者からの事前の情報提供に関する一定のルールを定めるとともに、ルールを遵守しない場合や当社の企業価値や株主共同の利益を毀損することが明らかであると当社取締役会が判断する場合には、一定の対抗措置を講じることがある旨を公表しております。また、大規模買付行為を評価・検討する際や、対抗措置を発動する際等には、当社取締役会は独立した第三者により構成される特別委員会に諮問し、特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することとしております。特別委員会は社外有識者、社外取締役、社外監査役の中から選任された3名以上の委員から構成され、これにより当社取締役会の行う判断の公正性、透明性が確保できるものと考えます。

 

④ 上記取組みについての取締役会の判断

当社取締役会は、上記③の取組みが上記①の当社の基本方針に沿って策定され、当社の企業価値、株主共同の利益を確保するための取組みであり、株主の皆様の共同の利益を損なうものではないと考えます。また、取締役会による恣意的な判断がなされることを防止するため、独立した第三者により構成される特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する際等には特別委員会の助言・勧告を最大限尊重することにより、現対応方針に係る取締役会の恣意的な判断を排除する仕組みを確保しております。

また、当社は、現対応方針の有効期限を当社第68回定時株主総会終結のときから3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結のときまでとしております。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況の変動に係るリスク

当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、北米、欧州、アジア等を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 商品市況の変動に係るリスク

当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品及び石油・化成品等について流通在庫を有しております。これらは市況商品であるため、需給状況や為替動向が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替レートの変動に係るリスク

 当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。

 

(4) 金利の変動に係るリスク

当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動リスクの軽減に努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 株価の変動に係るリスク

当社グループは、取引先を中心に国内外で市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。従いまして、保有する上場株式の株価動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 取引先の信用に係るリスク

当社グループの事業における売上債権の大部分は、販売先ごとに一定の信用を供与し、掛売りを行ったものであります。当社グループにおいては厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収が行われる保証はありません。従いまして、販売先の不測の倒産・民事再生手続等は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 事業投資に係るリスク

当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行うなど投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 資金の流動性に係るリスク

当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。資金調達に当たっては、資金需要見通しに基づき、手元流動性の確保に努めておりますが、国内外の金融市場の混乱や金融規制の変更、当社グループへの信用格付の引き下げまたは金融機関の融資方針の変更など調達環境に大きな変化が生じた場合には、資金調達の制約や調達コストの増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 

 

(9) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

当社グループは、近年アジア市場や米国、欧州等の市場に対して積極的に事業進出を行っております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。

① 予期しない法律または関税などの貿易取引規制の変更

② 不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動

③ 人材の採用と確保の難しさ

④ 未整備のインフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧

  客の支持を低下させる可能性

⑤ 企業活動にとって不利な税制度への変更

⑥ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱

従いまして、これらの事象は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 法的規制等に係るリスク

当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障またはその他の理由による輸出入及び販売制限、関税をはじめとするその他の貿易取引規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 取扱商品の品質に係るリスク

当社グループが提供する製品やサービスについては、仕入先や委託加工先と共同で、適切な品質管理や検査体制の下に提供しておりますが、製品やサービスに欠陥があり、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、多額の費用負担が発生することや、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下を招くなど、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 自然災害等に係るリスク

当社グループは、地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の発生に備えて、危機管理マニュアルや事業継続計画の整備、安否確認システムの導入、耐震対策や防災訓練などの対策を実施しております。しかしながら当社グループの各事業所及び社員の活動は広範囲に及んでおり、自然災害等が発生した際にはその被害を完全に回避できるものではありません。想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 退職給付債務に係るリスク

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率や長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国では個人消費や民間投資などが底堅く推移し、企業活動も生産・輸出が回復するなど拡大基調を維持しました。また、欧州では各国で国政選挙が続き、政情面での不安定要素はありましたが、実体経済面では緩やかな拡大基調が続きました。中国では当局の景気下支え策の効果により、インフラや不動産の開発投資が持ち直した他、企業活動の活発化による雇用・所得環境の改善が個人消費を牽引するなど成長を維持しました。その他の新興諸国でも欧米諸国や中国の堅調な景気による輸出の持ち直しや資源価格の回復に伴い、個人消費や設備投資など内需も堅調に推移しました。

一方、国内経済は、北朝鮮問題や米中通商摩擦などの動向により、為替や金利、株式市場が影響を受ける局面があったものの、海外景気の緩やかな回復を受けて輸出が回復基調にあった他、所得や雇用状況の改善に伴い、住宅投資や個人消費も底堅く推移して、企業の生産活動も緩やかに回復、建設需要や設備投資も持ち直すなど、全体としては安定した推移となりました。

このような環境において、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度後半から上昇傾向に転じた鋼材や金属資源の価格が前連結会計年度に比べ高い水準にあったことなどから、前連結会計年度比18.3%増の1,791,118百万円となりました。また、利益面では、営業利益は、金属原料事業の増益などにより、前連結会計年度比11.9%増の26,217百万円に、経常利益は、営業利益の増加に加え前連結会計年度には差損であった為替差損益が当連結会計年度においては差益に転じたことなども寄与し、前連結会計年度比11.3%増の25,502百万円に、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の減少や法人税等の増加はあったものの、前連結会計年度比6.1%増の17,354百万円になりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 鉄鋼事業

鋼材需要が製造業分野、建設土木分野ともに堅調に推移する中、供給面での制約もあり、需給が引き締まりました。また、鋼材価格は原料価格の上昇や需給のタイト化を反映して、上げ基調が強まり、前連結会計年度に比べ高い水準となりました。利益面では、鋼材価格の上昇ペースは徐々に鈍化してきたものの、年度前半の鋼材価格の上昇局面では、製造業向けの紐付き・流通業向け店売分野で利幅が拡大し、全体の利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比18.4%増の931,948百万円、セグメント利益は前連結会計年度比12.4%増の20,324百万円となりました。

 金属原料事業

合金鉄価格の上昇などにより販売価格が前連結会計年度に比べ高い水準にあったことに加え、クロム系やマンガン系の合金鉄、ステンレス母材の拡販が収益を押し上げました。また、当連結会計年度から持分法適用会社となったSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LIMITEDからの持分法投資損益は損失になったものの、前連結会計年度には赤字となっていた昭和メタル㈱の損益が回復したことも利益増に寄与しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比50.9%増の203,200百万円、セグメント利益は前連結会計年度比250.7%増(約3.5倍)の4,958百万円となりました。

 非鉄金属事業

中国の環境規制や堅調な需要などに支えられてアルミニウムや銅などの国際商品価格が強含みで推移したことに加え、銅スクラップなどの販売増が収益の増加に寄与しました。また、前連結会計年度の為替差損が当連結会計年度では差益に転換したことも利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比25.1%増の99,060百万円、セグメント利益は前連結会計年度比87.9%増の2,038百万円となりました。

 食品事業

海外産地の水揚げ量の減少や漁獲枠の縮小、低い在庫水準に起因して、エビ・カニ類やサケ類を中心とした商品価格が前連結会計年度に比べ高い水準にあり、取扱量も堅調に推移したことが売上高を押し上げました。一方、利益面では、一部商品の国内市況が高値が続いたことによる需要停滞により年央から軟調に転じた一方で、海外産地価格の高止まりによる仕入コストの上昇のため、前連結会計年度に比べ利幅が縮小しました。これらの結果、当事

業の売上高は前連結会計年度比11.8%増の99,477百万円、セグメント利益は前連結会計年度比63.2%減の1,057百万円となりました。

 石油・化成品事業

原油価格は産油国の協調減産などにより緩やかな上昇基調を持続し、石油製品価格も元売会社の価格政策により前連結会計年度よりも高い水準にありましたが、ガソリンや灯油などのスポット取引の大幅な減少が収益を下押ししました。加えて利益面では、前連結会計年度に好採算だった輸入日用雑貨品販売の利益が平準化して減少したことも減益要因となりました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比9.0%減の240,695百万円、セグメント利益は前連結会計年度比12.0%減の2,164百万円となりました。

 海外販売子会社

舶用石油の商権を移管したシンガポールでの取扱い増に加え、タイやシンガポールでの非鉄金属スクラップ販売やインドネシア、北米などでの鋼材販売の増加が収益を押し上げました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比27.2%増の221,678百万円、セグメント利益は前連結会計年度比383.4%増(約4.8倍)の950百万円となりました。

 その他の事業

木材事業では住宅メーカー向けなどで販売を伸ばしたものの、ユーロ安による仕入コストの上昇により利幅が縮小した他、前連結会計年度に収益に大きく寄与した機械事業でのレジャー機械の物件完工が、当連結会計年度においては発生しなかったことも収益を押し下げました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比4.9%増の76,598百万円、セグメント利益は前連結会計年度比54.7%減の691百万円となりました。


② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、売上債権や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末比24.2%増の861,965百万円となりました。

負債は、主に仕入債務や長短借入金の増加などにより、前連結会計年度末比26.0%増の658,264百万円となりました。そのうち、有利子負債は、前連結会計年度末比25.4%増の325,562百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.5倍となりました。

純資産は、当連結会計年度から連結子会社となった日本南ア・クロム㈱の非支配株主持分が増加したことや親会社株主に帰属する当期純利益の積み上がりなどにより、前連結会計年度末比18.7%増の203,700百万円となりました。しかしながら、当連結会計年度末の自己資本比率は、自己資本の増加に比べ、負債や非支配株主持分の増加幅が大きかったことから、前連結会計年度末の24.5%から21.8%に低下しました。


③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,649百万円(28.1%)増加し、34,855百万円となりました。
 これは主に売上高の上昇に伴う運転資金需要の増加や引き続き旺盛な投融資向け資金需要を反映して、長期借入金による調達などを増やしたことによるものであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による支出は19,755百万円となりました(前連結会計年度は3,959百万円の収入)。これは主に売上高の上昇により、売上債権やたな卸資産の増加幅が拡大するなど運転資金需要が増加したことによるものであります。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による支出は39,971百万円となり、前連結会計年度に比べ21,543百万円(116.9%)の増加となりました。これは主に投資有価証券の取得に係る支出や長期貸付金の実行額が増加したことによるものであります。


 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、59,727百万円の支出となりました。


(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による収入は66,435百万円となり、前連結会計年度に比べ50,987百万円(330.1%)の増加となりました。これは主に投資資金や運転資金需要の増加に対応して、長期借入金による調達が増加したことによるものであります。


④ 受注及び販売の実績

 a. 受注実績

   受注実績と販売実績との差異は僅少なため、受注実績の記載は省略しております。

 

 b. 販売実績

   当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

外部顧客への売上高(百万円)

前連結会計年度比増減率(%)

鉄       鋼      事       業

920,269

18.6

金  属  原  料   事  業

198,330

50.9

非  鉄  金  属   事  業

97,356

25.3

食       品      事       業

98,876

11.5

石 油 ・ 化 成 品 事 業

233,926

△9.0

海   外  販   売  子  会  社

167,388

49.5

そ      の      他

74,970

5.0

1,791,118

18.3

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表  注記事項4 会計方針に関する事項」をご参照ください。なお、有価証券や固定資産の評価、貸倒引当金や賞与引当金等における見積り及び判断・評価については、過去の実績や足元の状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況

売上高は、前連結会計年度後半から鋼材や金属資源などの価格が上げ基調に転じていたところに、鉄鋼事業や金属原料事業中心に販売量の増加も相まって、スポット取引の市場規模が縮小している石油・化成品事業以外の事業は増収となり、前連結会計年度に比べ18.3%増の1,791,118百万円となりました。そのうち、国内売上高は前連結会計年度に比べ14.6%増の1,302,944百万円、海外売上高は前連結会計年度に比べ29.3%増の488,174百万円となりました。
 売上原価は、商品価格上昇による仕入単価の上昇や販売増に伴う仕入量の増加などにより、前連結会計年度に比べ18.6%増の1,718,922百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、給料・福利厚生費などの人件費や旅費交通費の増加に加え、新規連結した子会社分の経費の増加などにより、前連結会計年度に比べ11.9%増の45,977百万円となりました。
 営業外収益は、貸付に対する受取金利が増加したほか、前連結会計年度での為替差損が為替差益に転じたことなどから、前連結会計年度に比べ16.4%増加し4,531百万円となりました。また、営業外費用は、有利子負債の増加に伴う支払利息や銀行手数料の増加、持分法投資損失などにより、前連結会計年度に比べ18.9%増加し5,246百万円となりました。

特別利益は、関係会社の事業整理に伴う損失を過年度に引き当てていたところ、実際の損失が想定より縮小できたことから引当金の戻り益が発生しましたが、前連結会計年度に比べ、固定資産や投資有価証券の売却益が減少したことから、前連結会計年度に比べ56.3%減少の678百万円となりました。一方、特別損失は、子会社の取扱製品の品質保証費用を345百万円引き当てました他、譲渡が決まったコイルセンターの阪和鋼板加工(江西)有限公司の出資金について評価損を計上しましたが、投資有価証券評価損が減少したことから、前連結会計年度に比べ42.5%減少の744百万円となりました。

法人税等は、前連結会計年度には売却した不動産について過年度に認識していた減損損失等を損金算入したことによる軽減効果が若干ありましたが、当連結会計年度では実効税率に近い水準となったため、前連結会計年度に比べ23.6%増加し、8,315百万円となりました。

当期純利益は、前連結会計年度に比べ4.2%増加の17,120百万円となり、その内、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ6.1%増加の17,354百万円となりました。その結果、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の400.89円に対し、427.04円となりました。

 

③ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績等に影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。

当社の主たる事業である商社事業において、影響が大きいものは、商品価格の動向であります。価格のトレンドや国内外の需給動向を確認しながら、売りと仕入のタイミングを図っていきます。特に在庫取引を行う商品については、買う時期と数量を慎重に判断して行います。鉄鋼事業では流通業向け店売り市場が縮小しており、以前ほど大量の在庫を保有することはなくなったため、市況下落による評価損も昨今は限定的ではあるものの、商品価格の変動幅が過去に比べて大きくなり、変動速度も速くなっており、実需以外の要因も影響を及ぼすため、市況動向の見極めが一層重要になっております。

次に、海外との取引において、決済通貨と表示通貨が異なる場合には、表示通貨への換算の際に為替変動の影響を受けます。個別の取引においては、原則として為替予約などにより為替変動による影響を最小限にするように対処しておりますが、決算期末での債権債務の期末レートへの換算替えにおいては、評価損益が発生することがあり、変動幅や速度によっては、全体の損益が影響を受けることがあります。

また、当社グループは、運転資金や投融資資金を金融機関からの借入や社債発行などにより調達しており、金利変動や金融市場の動向、格付などにより、事業の採算や借入コストが影響を受けます。取引仲介における口銭や手数料収入の利率を金利変動に応じて変動させたり、金利スワップ等でコスト増を抑制するなどの対応はしておりますが、金融市場の大きな変動の中では全体の損益が影響を受けることがあります。

次に、当社グループの取引は掛け売りやユーザンスを与えるものも多く、それらは各取引先に対する厳格な審査・与信管理の下に信用枠を設定しています。取引先の信用状態については、常に各営業担当が確認しており、会社としても社員の与信管理能力の強化や信用保険・ファクタリング等による債権保全に努めておりますが、不測の倒産等が発生した場合には、売上債権の全額を回収できず、貸倒れとなることもあり、全体の損益が影響を受けることがあります。

また、当社グループは様々な商品やサービスを取り扱っており、その品質については、仕入先や委託加工先と提携して万全を期していますが、時に品質基準を満たさないもの、不良なものが発生することがありえます。従来、商社は品質に問題があった場合には仕入先や加工先にその保証責任を負わせておりましたが、品質欠陥に対する社会的な影響が大きくなっている昨今、商社も品質管理に一層の注意を払うことが必要になっており、その対応によっては保証費用や信用低下などにより全体の損益が影響を受けることがあります。なお、当社では平成30年4月より、品質安全環境管理部を新設し、協力業者も含めた品質管理体制の強化を進めています。

当社グループとしては、上記以外の業績に影響を与えるリスク要因に対しても、あらかじめ可能な限り対処策を講じることで、影響の軽減に努めてまいります。

 

④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が3,959百万円の収入であったことに対し、当連結会計年度においては19,755百万円の支出となりました。これは、前連結会計年度の半ばから売上高が増加して運転資金需要が増加傾向に転じたものが、当連結会計年度では売上高が一段と増加し、売掛金やたな卸資産が増加して運転資金需要がさらに増加したことなどによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて21,543百万円多い39,971百万円の支出となりました。これは、SAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.株式をはじめとした投資有価証券の取得による支出の増加や、出資先への長期貸付金の実行による支出が発生したことなどによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて50,987百万円多い66,435百万円の収入となりました。これは、投資有価証券などの取得のための投資資金や売上高の増加に伴う運転資金需要の増加に対応して、長期借入金による調達などを増やしたことによるものであります。

 

(財務政策)

当社グループは、運転資金及び投融資資金につきましては、銀行借入による調達を主としておりますが、安定的かつ機動的な流動性確保のため、資金調達ソースの多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。また、金融機関との間で総額80,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。

銀行借入につきましては、運転資金の調達には、主に長期借入金を利用することで安定的な資金を確保するとともに、日常の資金需要の変動については短期借入金により対応しております。当連結会計年度末現在の短期借入金残高は81,722百万円であり、主な通貨は日本円であります。長期借入金残高は1年以内の返済予定額34,522百万円を含めて182,124百万円であります。

社債につきましては、主に運転資金の調達を目的に利用しており、当連結会計年度末現在の社債発行残高は、普通社債50,176百万円であります。当社は市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、40,000百万円であります。

当社グループは総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を標榜しており、事業の拡大に必要な資金需要に対応した効率的な資金調達を図り、健全な財務バランスを追求していく方針であります。


⑤ セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容

鉄鋼事業の売上高は前連結会計年度に比べ18.4%増の931,948百万円、セグメント利益は12.4%増の20,324百万円となりました。鋼材需要は人手不足や物流面の課題などにより、期待されたような盛り上がりには欠けましたが、各製造業分野および建設分野とも堅調に推移し、当社の取扱量も前連結会計年度を若干上回る水準を達成しました。また、価格面では前連結会計年度後半から主原料価格の上昇を受けて、鉄鋼メーカーが値上げ方針を打ち出して以降、製造業向け紐付き価格、流通業向け店売り価格ともに上昇し、国際市況も中国の地条鋼生産禁止措置を受けて、供給がタイト化したことから、強含みで推移する期間が長く、売上高の増加に寄与しました。利益面でも市況の上昇により、店売り分野で子会社含め増益となった他、海外のコイルセンターで販売価格の値上げが先行して進んだことによる利幅の増加や現地通貨高による為替差益の発生などから、増益となりました。

金属原料事業の売上高は前連結会計年度に比べ50.9%増の203,200百万円、セグメント利益は250.7%増(約3.5倍)の4,958百万円となりました。中国での鋼材の増産により副原料である合金鉄の需要が増加する一方で、環境規制などの影響もあり、合金鉄価格が上昇、ニッケル価格も当連結会計年度当初は鉱石輸出の再開の動きなどから弱い時期があったものの、その後、供給不足懸念などもあり持ち直して、金属価格は全般的に高い水準にありました。加えて生産者に一部出資もしているクロム系やマンガン系の合金鉄の取り扱いが伸びたことも売上高を押し上げました。また、利益面では、販売増による利益増に加え、前連結会計年度では赤字だった昭和メタル㈱の収益改善や年度末に円高に転じたことによる外貨建て債務の時価換算益も寄与しました。

非鉄金属事業の売上高は前連結会計年度に比べ25.1%増の99,060百万円、セグメント利益は87.9%増の2,038百万円となりました。LMEなどの国際商品価格は中国での環境規制や米国の追加関税などの影響もあり、強含みで推移、中国で雑品スクラップの規制が強化されたことから、品質の良い銅スクラップの取り扱いが増えたことも売上高を押し上げました。また、利益面では、銅スクラップやアルミニウムスクラップの販売収益の増加に加え、前連結会計年度の為替差損が当連結会計年度では差益となったことも増益要因となりました。

食品事業の売上高は前連結会計年度に比べ11.8%増の99,477百万円、セグメント利益は63.2%減の1,057百万円となりました。海外の産地では水揚げが低調であったり、漁獲量の枠が削減された一方で、現物在庫は低水準にあったことから、カニやエビ、サケ類の価格は総じて高止まりし、取扱数量も前連結会計年度比若干増となったため、増収となりました。一方、利益面では、前連結会計年度では高値の販売価格に対して、仕入れコストが上昇途上であったため、利幅が広がりましたが、当連結会計年度では仕入れコストがさらに上昇する中で、販売市況は高値が続いたことから需要が弱まり、一部商品で軟調に転じたことから利幅が縮小し、減益となりました。

石油・化成品事業の売上高は前連結会計年度に比べ9.0%減の240,695百万円、セグメント利益は12.0%減の2,164百万円となりました。原油価格はOPECの協調減産などにより緩やかな上昇基調を維持し、石油製品の販売価格も元売りの価格政策により、上昇基調にありましたが、元売り業界の再編の影響から、従来、商社が取り扱ってきたスポット取引や元売り間の需給調整取引市場が大きく縮小し、取扱量を落とした結果、減収となりました。また、利益面でも石油販売数量の減少による収益低下に加え、前連結会計年度はレジ袋などの輸入化成品雑貨類がコスト低下により採算が良く、利益を押し上げましたが、当連結会計年度では利幅が平準化したことも、利益を引き下げました。

海外販売子会社の売上高は前連結会計年度に比べ27.2%増の221,678百万円、セグメント利益は383.4%増(約4.8倍)の950百万円となりました。シンガポールに舶用石油の商権を移管したことからシンガポールの石油製品の取扱いが増加した他、タイやシンガポールでの非鉄金属スクラップ類やインドネシアや米国での鋼材販売が増加したことも売上高を押し上げました。また、利益面ではシンガポールやインドネシアでの売上高の増加に伴う利益増加が寄与し、増益となりました。

その他の事業の売上高は前連結会計年度に比べ4.9%増の76,598百万円、セグメント利益は54.7%減の691百万円となりました。木材事業では住宅メーカー向けの直需取引を増やし、売上規模を拡大していますが、利益面では為替変動の影響などからコスト増となり、減益となりました。また、機械事業では前連結会計年度ではレジャー機械の完工収入が利益に貢献しましたが、当連結会計年度では完工がなかったことから減収減益となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。