文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は経営理念として、『私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、「流通のプロ」として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します。』を掲げております。
この理念の下、顧客第一主義を掲げ、付加価値を高めた商品の流通や顧客ニーズに即応した提案型サービスを提供するユーザー系商社として、「存在感ある商社流通」を追求し、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の向上に努めます。またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで、「企業の社会的責任」を果たしていきます。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、持続的な企業の成長、高収益な事業体質及び安定的な財務基盤の確立を図るため、事業セグメントごとの取扱数量・経常損益、グループ全体でのネット負債倍率(Net DER)などを経営上の重要な管理指標としております。また、企業活動の裾野を広げて事業の成長性を量る指標として、新規ユーザー獲得数も採用しております。
なお、2020年3月期の通期業績目標は、売上高2兆2,000億円、営業利益355億円、経常利益280億円、親会社株主に帰属する当期純利益192億円としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2016年度から2019年度までの4か年にわたる中期経営計画を策定し、重点課題の達成に向けた取り組みを進めております。中期経営計画の概要は、以下の通りです。
《テーマ》
『Sへのこだわり -STEADY, SPEEDY, STRATEGIC- 』
~中長期を見据えたSUSTAINABLEな収益体質と経営基盤の強化~
① STEADY:既存の事業領域から得られる収益の確保と強化
② SPEEDY:グループ企業や国内外の戦略投資からの投資効果の早期実現
③ STRATEGIC:4年間で500億円程度の戦略的投資の継続による将来の追加収益の確保
《業績目標》
最終年度(2019年度) 売上高2兆1,000億円、経常利益350億円
新規ユーザー獲得数2,700社(4年間累計)
※当社は2019年5月13日開催の取締役会において、最終年度の業績目標を、これまでの進捗や事業環境などを考
慮して、売上高2兆2,000億円、経常利益280億円に見直しすることを決議いたしました。
当連結会計年度での上記の基本課題、成長戦略に係る主な進捗状況は、次のとおりです。
鉄鋼事業では、そこか(即納・小口・加工)機能を充実させ、地域需要の深堀を推進するべく2018年4月に住宅基礎鉄筋ユニットの加工に定評のある㈲創電社を子会社化するとともに、10月には同加工分野における協業体制を確立することを目的として鉄筋加工事業を手掛けるアイワスチール㈱に対し一部出資を行いました。また7月にはブリヂストン化工品ジャパン㈱より冷凍・冷蔵倉庫向け防熱(冷熱)工事事業を承継し、当社鉄構営業部門における新たな収益源を確保しました。海外においては、マレーシアのコイルセンターであるTATT GIAP STEEL CENTRE SDN. BHD.に対し追加出資を行い、子会社化しました(現、HANWA STEEL CENTRE (M) SDN. BHD.)。東南アジアにおける当社グループで3番目のコイルセンターとして薄板事業のさらなる拡大を目指すとともに、「第二の阪和を東南アジアに」戦略を進展させました。
金属原料事業では、ステンレス鋼メーカーである青山控股集団有限公司、電池リサイクル及び二次電池部材生産事業者である格林美股份有限公司(GEM)、車載用リチウムイオン電池メーカーである寧徳時代新能源科技股份有限公司(CATL)の各関係会社と合弁で、二次電池向けニッケル・コバルト化合物等製造会社であるQMB NEW ENERGY MATERIALS CO., LTD.のインドネシアでの設立・出資契約を締結したほか、南アフリカにおいて独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)主導で進められていたウォーターバーグ白金族金属プロジェクトの契約者としての地位を譲り受けるなど、世界各地からの金属資源調達ネットワークの確立を進めています。
非鉄金属事業では、オランダの三菱マテリアル㈱子会社で当社も一部出資している貴金属スクラップ集荷・検品業MM METAL RECYCLING B.V.の稼働に伴い、欧州での集荷・販売体制を強化したほか、銅スクラップやアルミニウムスクラップの輸入事業も拡大しました。
食品事業では、川下展開を進める食品版そこか戦略を推進し、子会社のハンワフーズ㈱や丸本本間水産㈱と連携して寿司ネタ用商品やエビ・イカ・タコ・数の子などの加工品の商品開発・提案を行いました。
石油・化成品事業では、石油製品需要の縮小を見据えて、PKS(パーム椰子殻)や木質チップ・ペレットなどのバイオマス燃料の安定的な仕入れソースを確保し、国内での拡販に努めたほか、子会社の西部サービス㈱や㈲アルファフォルムが生産するRPF(産業廃棄物を主原料とする固形燃料)の販売にも注力しています。
企業体制面につきましては、引き続きコンプライアンスの徹底と、コーポレート・ガバナンスや内部統制の強化に努めており、「内部統制システム整備に関する基本方針」に則って企業を運営していくと共に、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応として、内部統制・HKQC推進課が当社の内部統制システムの有効性検証、システム改善を継続して実施しております。また、業務品質の向上を目指すHKQC(Hanwa Knowledge Quality Control)活動を推進しており、業務フローにおけるリスクポイントを洗い出し、ケアすることで、手続きミスや漏れによる収益の取りこぼしを減らす取り組みを進めています。
当社グループとしましては、今後、これらの事業戦略を継続して実行していくことで、総合的な企業価値の向上と持続的な企業成長を実現させ、さらなる顧客満足の向上を図り、合わせて社会貢献にも目配りしてまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
米国の経済は、対中通商協議の行方や今後の金融市場の動向に注意が必要ですが、民間部門における自律的な回復の動きが続く中で、当面緩やかな成長基調を維持していくものと思われます。欧州では、英国のEU離脱問題や各国における政情不安など先行きに対する不透明感が増しており、実体経済面へのさらなる影響について注視していく必要があると思われます。また中国では、米国との通商問題の長期化が危惧されるなかで、設備投資意欲の低下や輸出入の減少などが懸念されますが、当局による金融政策の見直しや各種の内需刺激策に下支えされ、景気の基調は一定の均衡を保っていくと思われます。その他の新興諸国では、貿易摩擦や外需の牽引力の低下など輸出をめぐる経済環境の変化やアジア諸国において相次ぎ予定されている国政選挙の影響などに留意が必要です。
国内経済は、世界的な貿易摩擦や消費税率の引上げによる影響など不透明な面もありますが、内需においては、雇用・所得環境の改善に伴い個人消費が底堅く推移するほか、オリンピック関連やインフラ整備・都市再開発など建設需要が高い水準を維持していくものと思われます。製造業でも引き続き生産活動が堅調に推移していくことに加え、研究開発投資や合理化・省力化投資など設備投資の積極化も期待されます。
当社グループとしましては、このような事業環境の中において、各事業分野における需要動向を的確に把握し、取引先のニーズを反映した適切な販売・在庫政策を進めるとともに、新規取引先を積極的に開拓することにより、業績の維持・向上に注力していく所存です。
当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。
営業面では、メーカー・サプライヤーからユーザーにいたるバリューチェーンの各段階の効率化や最適化を実現していくことにより、全体に含まれるあらゆる収益機会を確実にとらえて収益を最大化していく必要があり、そのために自律的な成長と事業の多様性の確保を軸に、攻めの戦略を打ち出していきます。また、「第二の阪和を東南アジアに」をコンセプトに、これからの有望・成長市場である東南アジア域内へモノの輸出から機能の輸出への転換を推進するほか、北米での事業展開を強化し、海外での収益力強化を図ります。
経営管理面では、事業規模の拡大やグループ会社の増加に伴い、部分最適からグローバル最適へと、本社の経営資源を効率よく効果的に配分することができるコーポレート体制の構築が必要であり、それぞれのグループ会社や地域の特性に適合した自律性の尊重と収益を漏らさない統合管理のバランスを追求しながら、徹底した効率化も推進していきます。
当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況の変動に係るリスク
当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、北米、欧州、アジア等を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 商品市況の変動に係るリスク
当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品及び石油・化成品等について流通在庫を有しております。これらは市況商品であるため、需給状況や為替動向が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替レートの変動に係るリスク
当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。
(4) 金利の変動に係るリスク
当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動リスクの軽減に努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 株価の変動に係るリスク
当社グループは、取引先を中心に国内外で市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っております。従いまして、保有する上場株式の株価動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 取引先の信用に係るリスク
当社グループの事業における売上債権の大部分は、販売先ごとに一定の信用を供与し、掛売りを行ったものであります。当社グループにおいては厳格かつ機敏な与信管理を行っておりますが、必ずしも全額の回収が行われる保証はありません。従いまして、販売先の不測の倒産・民事再生手続等は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 事業投資に係るリスク
当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行うなど投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 資金の流動性に係るリスク
当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。資金調達に当たっては、資金需要見通しに基づき、手元流動性の確保に努めておりますが、国内外の金融市場の混乱や金融規制の変更、当社グループへの信用格付の引き下げまたは金融機関の融資方針の変更など調達環境に大きな変化が生じた場合には、資金調達の制約や調達コストの増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループは、近年アジア市場や米国、欧州等の市場に対して積極的に事業進出を行っております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。
① 予期しない法律または関税などの貿易取引規制の変更
② 不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動
③ 人材の採用と確保の難しさ
④ 未整備のインフラが当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧
客の支持を低下させる可能性
⑤ 企業活動にとって不利な税制度への変更
⑥ テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
従いまして、これらの事象は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法的規制等に係るリスク
当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障またはその他の理由による輸出入及び販売制限、関税をはじめとするその他の貿易取引規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 取扱商品の品質に係るリスク
当社グループが提供する製品やサービスについては、仕入先や委託加工先と共同で、適切な品質管理や検査体制の下に提供しておりますが、製品やサービスに欠陥があり、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、多額の費用負担が発生することや、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下を招くなど、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12) 自然災害等に係るリスク
当社グループは、地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の発生に備えて、危機管理マニュアルや事業継続計画の整備、安否確認システムの導入、耐震対策や防災訓練などの対策を実施しております。しかしながら当社グループの各事業所及び社員の活動は広範囲に及んでおり、自然災害等が発生した際にはその被害を完全に回避できるものではありません。想定を超える被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13) 退職給付債務に係るリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率や長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。従いまして、割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では通商政策や外交面での不透明感はあるものの、良好な雇用・所得環境を背景に個人消費が堅調に推移するとともに、企業の生産活動も概ね拡大傾向を維持するなど、景気は総じて底堅く推移しました。また、欧州では英国のEU離脱問題をめぐる不確実性の高まりなどを背景として、実体経済面でも製造業などを中心に弱い動きが見られましたが、堅調な個人消費等が下支えとなり緩やかながら回復の基調が続きました。一方、中国では米国との貿易摩擦や政府が推進した過剰債務縮減策の影響により、設備投資が抑制傾向に転じたことに加え輸出入が低い伸びになるなど、景気に減速傾向が見られました。その他の新興諸国では、米国における保護主義政策や中国経済の動向などを反映し、総じて輸出における減速感が目立ちました。
一方、国内経済は、自然災害などの影響による停滞局面や輸出における弱含み傾向なども見られましたが、所得や雇用状況の改善に伴い個人消費の持ち直しが続いたほか、堅調な企業収益を背景として設備投資も増加基調にあるなど概ね安定した推移となりました。
このような環境において、当連結会計年度の売上高は、鋼材をはじめとする素材全般の価格が前連結会計年度に比べ高い水準にあったことに加え、金属原料事業における合金鉄やステンレス母材の拡販、海外販売子会社の売上高増などにより、前連結会計年度比15.8%増の2,074,600百万円となりました。また利益面では、営業利益は金属原料事業及び海外販売子会社の増益などにより、前連結会計年度比10.2%増の28,904百万円となりましたが、外貨建資金の調達コストの一部が為替差損として生じたことや支払手数料・支払利息の増加などにより、経常利益は前連結会計年度比8.3%減の23,395百万円に、また親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として投資有価証券評価損などを計上したことも加わり、前連結会計年度比19.8%減の13,914百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
鉄鋼事業
鋼材需要が製造業分野、建設土木分野ともに堅調に推移したことに加え、供給面での制約もあり需給は引き締まった状態が続きました。一方、鋼材価格は、鉄鋼メーカーの値上げ方針や需給のタイト化を反映して仕入価格は高い水準となりましたが、販売価格の上昇ペースが前連結会計年度に比べて緩やかで、価格への反映に時間を要したことなどにより、利幅は前連結会計年度に比べて縮小しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比12.4%増の1,047,974百万円、セグメント利益は前連結会計年度比14.4%減の17,393百万円となりました。
金属原料事業
ニッケル価格が前連結会計年度に比べ総じて高い水準にあったことに加え、クロム系・マンガン系の合金鉄やステンレス母材、ニッケル化合物の拡販が収益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比39.2%増の282,924百万円、セグメント利益は前連結会計年度比28.8%増の6,386百万円となりました。
非鉄金属事業
ベースメタルの国際価格は米国における通商政策や中国景気の先行き懸念などに影響されて上げ下げしたものの、おしなべて前連結会計年度並みの水準を維持する中、アルミニウムスクラップの販売数量は増加しましたが、銅スクラップや貴金属スクラップについては、中国をはじめとした雑品屑に対する輸入禁止措置の影響などから国内で供給過多の傾向が強まったため販売数量・価格が低下し、前連結会計年度に比べ販売収益が落ち込みました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比2.0%減の97,085百万円、セグメント利益は前期に差益であった為替差損益が差損に転じたことも影響し前連結会計年度比53.4%減の950百万円となりました。
食品事業
水産品の国内需要は停滞したものの、主力品目であるサケ類やカニ類を中心に商品価格が前連結会計年度に比べて高い水準で推移したことに加え、鶏肉類の取扱量の増加が収益を押し上げました。また、利益面では、為替差益が生じたことも増益に寄与しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.9%増の101,389百万円、セグメント利益は前連結会計年度比46.0%増の1,543百万円となりました。
石油・化成品事業
原油価格が産油国による協調減産や地政学的リスクの高まりなどから総じて高い水準が続いた中、国内においても元売り会社の価格政策や製油所トラブルの影響などにより、石油製品の価格は前連結会計年度に比べて高い水準となりました。一方、元売り業界の再編により、スポット取引や元売り会社間の需給調整取引市場が縮小したことや、暖冬により灯油の需要が落ち込んだ影響などから、当社の取扱量は前連結会計年度に比べて減少しました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比1.5%増の244,250百万円、セグメント利益は前連結会計年度比横ばいの2,165百万円となりました。
海外販売子会社
インドネシアにおける鋼材販売が大きく伸びたことに加え、シンガポールにおける舶用石油や非鉄金属スクラップの取扱量の増加などが収益を押し上げました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比42.0%増の314,755百万円、セグメント利益は7.8%増の1,024百万円となりました。
その他の事業
木材事業において住宅メーカー向けなどで販売を伸ばしたほか、機械事業では産業機械分野での収益に加え年度後半におけるレジャー機械の完工収入なども利益に貢献しました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比7.7%増の82,514百万円、セグメント利益は前連結会計年度比39.7%増の966百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、未完工の請負工事に係る前渡金や現預金の増加などにより、前連結会計年度末比8.5%増の933,307百万円となりました。
負債は、主に長期借入金や仕入債務の増加などにより、前連結会計年度末比11.3%増の730,847百万円となりました。そのうち、有利子負債は、前連結会計年度末比11.6%増の363,257百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、1.6倍(※1.3倍)となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益からの利益剰余金の積み上がりはあったものの、為替換算調整勘定やその他有価証券評価差額金の減少などにより、前連結会計年度末比0.6%減の202,459百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の21.8%に対し20.2%(※22.8%)となりました。
※ネット負債倍率及び自己資本比率の( )内の値は、2019年3月に実施した劣後特約付ローン(ハイブリッドロー
ン)500億円について、格付上の資本性(50%)を考慮して算出しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ23,529百万円(67.5%)増加し、58,384百万円となりました。
これは主に鋼材価格等の上昇ペースが前連結会計年度に比べて緩やかになり、追加の運転資金需要が減少したことや、投資有価証券の取得や長期貸付金による支出などが減少したことによるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による収入は15,417百万円となりました(前連結会計年度は19,755百万円の支出)。これは主に鋼材をはじめ素材全般の価格上昇が前連結会計年度に比べて緩やかになり売上債権の増加額が減少したことや、期末のたな卸資産を縮減したことなどにより新たな運転資金需要が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による支出は20,623百万円となり、前連結会計年度に比べ19,348百万円(48.4%)減少しました。これは主に投資有価証券の取得に係る支出や長期貸付金の実行額が減少したことによるものです。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、5,205百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による収入は28,132百万円となり、前連結会計年度に比べ38,302百万円(57.7%)減少しました。これは主に運転資金需要や投資資金の減少に対応して、短期借入金やコマーシャル・ペーパーの返済額が増加したことによるものです。
④ 受注及び販売の実績
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、前連結会計年度及び当連結会計年度における当該割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
③ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載の通りです。
当社の主たる事業である商社事業において、影響が大きいものは、商品価格の動向であります。価格のトレンドや国内外の需給動向を確認しながら、売りと仕入のタイミングを図っていきます。特に在庫取引を行う商品については、買う時期と数量を慎重に判断して行います。鉄鋼事業では流通業向け店売り市場が縮小しており、以前ほど大量の在庫を保有することはなくなったため、市況下落による評価損も昨今は限定的ではあるものの、商品価格の変動幅が過去に比べて大きく変動速度も速くなっており、実需以外の要因も影響を及ぼすため、市況動向の見極めが一層重要になっております。
次に、当社グループの取引は掛け売りやユーザンスを与えるものも多く、それらは各取引先に対する厳格な審査・与信管理の下に信用枠を設定しています。取引先の信用状態については、常に各営業担当が確認をしており、会社としても社員の与信管理能力の強化や信用保険・ファクタリング等による債権保全に努めておりますが、不測の倒産等が発生した場合には、売上債権の全額を回収できずに貸倒れとなることもあり、全体の損益が影響を受けることがあります。
海外との取引においては、決済通貨と表示通貨が異なる場合に、表示通貨への換算の際に為替変動の影響を受けます。個別の取引においては、原則として為替予約などにより為替変動による影響を最小限にするように対処しておりますが、決算期末での債権債務の期末レートへの換算替えにおいては、評価損益が発生することがあり、変動幅や速度によっては、全体の損益が影響を受けることがあります。
資本政策に関しては、当社グループは運転資金や投融資資金を金融機関からの借入や社債発行などにより調達しており、金利変動や金融市場の動向、格付などにより、事業の採算や借入コストが影響を受けます。取引仲介における口銭や手数料収入の利率を金利変動に応じて変動させたり、金利スワップ等でコストの増加を抑制するなどの対応をしてはおりますが、金融市場の大きな変動の中では全体の損益が影響を受けることがあります。
また、当社グループは、事業領域の拡大や将来収益の源泉を確保するために、既存の商社事業を土台としながら、バリューチェーンのより広い範囲に積極的な事業投資を展開しております。投資に際しては、専門家によるデューディリジェンスの実施や、投資等審査委員会などによる収益性の検証及びリスクの洗い出し等を行っておりますが、当初予定していた事業計画が大きく下振れした場合や予測が困難であった重要な偶発的事象が発生した場合などには、全体の損益が影響を受けることがあります。
さらに、当社グループは様々な商品やサービスを取り扱っており、その品質については、仕入先や委託加工先と提携して万全を期していますが、時に品質基準を満たさないもの、不良なものが発生することがありえます。従来、品質に問題があった場合には仕入先や加工先に一義的な保証責任がありましたが、品質欠陥に対する社会的な影響が大きくなっている昨今、商社も品質管理に一層の注意を払うことが必要になっており、その対応によっては保証費用や信用低下などにより全体の損益が影響を受けることがあります。なお、当社では2018年4月より、品質安全環境管理部を新設し、協力業者も含めた品質管理体制の強化を進めています。
当社グループとしては、上記以外の業績に影響を与えるリスク要因に対しても、あらかじめ可能な限り対処策を講じることで、影響の軽減に努めてまいります。
④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性
(キャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度が19,755百万円の支出であったことに対し、当連結会計年度においては15,417百万円の収入となりました。これは、鋼材などの価格の上昇が前連結会計年度に比べて緩やかになり、前連結会計年度に比べて売上債権の増加額が減少したことや、期末のたな卸資産を縮減したことなどにより、運転資金需要の増加幅が縮小したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて19,348百万円少ない20,623百万円の支出となりました。これは、前連結会計年度ではSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.の株式の取得による支出が大きかったことや、当連結会計年度において長期貸付金の実行による支出が減少したことなどによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて38,302百万円少ない28,132百万円の収入となりました。これは、運転資金や投資資金の需要減少に対応して、短期借入金やコマーシャル・ペーパーの返済額が増加したことなどによります。
⑤ セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。