第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が抑制傾向にあるなかで、総じて弱い動きが続きました。米国や欧州では生産活動や企業収益などが持ち直した一方、感染症の再拡大に伴い個人消費や雇用環境などの回復に遅れが見られました。一方、中国では引き続き政府主導による政策支援のもとで内需の回復が続いたほか、海外経済の持ち直しを背景に輸出も増加するなど改善傾向にありました。その他の新興諸国では防疫・医療体制や財政面の弱さなどから、回復の遅れが目立つ結果となりました。

国内経済については、輸出や生産活動が回復基調にあり製造業を中心に景況感の改善が見られましたが、感染症の再拡大などを背景に小売りや消費性向は低い水準で推移しました。

このような環境において、当第3四半期連結累計期間の売上高は、感染症の影響による経済活動の停滞から鋼材などの需要が減少し、上半期を中心に取扱数量を減らしたほか、非鉄金属や石油製品などの商品価格が上昇基調にあったものの前第3四半期連結累計期間に比べると低い水準で推移したことから、前第3四半期連結累計期間比12.5%減の1,244,969百万円となりました。また、利益面では、営業利益はプライマリー原料事業やリサイクル原料事業、その他の事業の減益などにより、前第3四半期連結累計期間比8.2%減の18,749百万円になりましたが、前第3四半期連結累計期間に損失であった持分法による投資損益が利益に転じたことや支払利息が減少したことなどにより、経常利益は前第3四半期連結累計期間比23.3%増の17,930百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は前第3四半期連結累計期間に特別損失として計上した投資有価証券評価損が当第3四半期連結累計期間には生じなかったこともあり、前第3四半期連結累計期間比23.6%増の12,271百万円となりました。

 

セグメント別の業績(売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを従来の「石油・化成品事業」から、「エネルギー・生活資材事業」に名称変更しております。

鉄鋼事業

建築土木分野での工事の進展に加え、製造業における生産活動でも持ち直しの動きが続きましたが、鋼材需要は前第3四半期連結累計期間に比べて減少しており当社も取扱数量を減らしました。また、利益面では、販売経費が減少したものの、海外のコイルセンターにおいて現地通貨安による為替差損が生じたことが利益を下押ししました。これらの結果、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間比11.9%減の652,217百万円、セグメント利益は前第3四半期連結累計期間比0.2%減の11,251百万円となりました。

プライマリー原料事業

鉄鋼・非鉄金属メーカーの操業は足もとでは徐々に持ち直しているものの、期の前半での操業低下によりステンレス母材やマンガン系・シリコン系合金鉄などの取扱いが減少したほか、ニッケルなどの商品価格は前第3四半期連結累計期間に比べると低い水準で推移したことにより売上高が下押しされました。一方、利益面では、営業外損益において前第3四半期連結累計期間に計上したSAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.からの持分法投資損失が当第3四半期連結累計期間には発生しなかったことや支払利息が減少したことなどが利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間比16.6%減の159,940百万円、セグメント利益は3,203百万円(前第3四半期連結累計期間は、40百万円の損失)となりました。

リサイクル原料事業

製造業における生産活動が前第3四半期連結累計期間に比べると縮小傾向にあったなか、ステンレススクラップなどの取扱数量が減少し売上高を下押ししました。また、利益面では、中国での需要回復に対し感染症の再拡大による原料供給のタイト化懸念などから第3四半期末にかけてベースメタルの国際価格が上昇し、当社の在庫には含み益が発生したものの、在庫に対する価格変動リスクをヘッジするデリバティブ取引残高の時価評価において損失が生じました。これらの結果、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間比6.2%減の55,885百万円、セグメント利益は前第3四半期連結累計期間比75.0%減の379百万円となりました。

食品事業

外食産業の営業自粛を受けて加工品類の取扱数量が減少した一方で、量販店向けでは年末の需要期にかけてサケやエビ類などを中心に取扱いが回復しましたが、商品価格は全般的に前第3四半期連結累計期間に比べて低い水準にありました。利益面では、アメリカの販売子会社の採算の改善や、国内の連結子会社の増加などが貢献しました。これらの結果、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間比0.1%減の80,005百万円、セグメント利益は前第3四半期連結累計期間比93.4%増の1,710百万円となりました。

エネルギー・生活資材事業

原油・石油製品価格は前第3四半期連結累計期間に比べ低い水準にあり、売上高は減少しましたが、期首に大幅に下落したのちに短期間で上昇基調に転じたことや、国内外での価格差の拡大を捉えて利幅を確保しました。また、バイオマス発電所向けの長期契約などでPKS(パーム椰子殻)の販売が伸びたほか、生活資材分野では外出自粛下での日用品・生活雑貨類の需要増により取扱数量を増やしました。これらの結果、当事業の売上高は前第3四半期連結累計期間比14.6%減の129,308百万円、セグメント利益は前第3四半期連結累計期間比54.5%増の4,375百万円となりました。

海外販売子会社

インドネシアを中心に鉄鋼の取扱いは増加したものの、感染症の影響により各国の経済活動が抑制傾向にあるなか、シンガポールにおいて舶用燃料の取扱いが減少したほか米国では外食産業向けの食品需要が減少しました。一方、利益面ではタイでの非鉄金属取引の採算改善やインドネシアやシンガポールでの支払利息の低減などが増益に寄与しました。これらの結果、売上高は前第3四半期連結累計期間比24.0%減の145,540百万円、セグメント利益は前第3四半期連結累計期間比128.7%増の947百万円となりました。

その他の事業

外出自粛などが続くなかで連結子会社である㈱ハローズが運営するアミューズメント施設での収入が落ち込んだほか、機械事業においてレジャー施設分野・産業機械分野ともに前第3四半期連結累計期間に比べて完工物件が少ない状況にありました。これらの結果、売上高は前第3四半期連結累計期間比1.9%減の63,807百万円、セグメント利益は前第3四半期連結累計期間比64.5%減の453百万円となりました。

 

② 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、未成工事前渡金や投資有価証券の増加などにより、前連結会計年度末比3.2%増の823,934百万円となりました。

負債は、主に仕入債務や未成工事前受金の増加などにより、前連結会計年度末比1.9%増の644,420百万円となりました。そのうち有利子負債は、前連結会計年度末比8.8%減の302,062百万円となり、当第3四半期連結会計期間末のネット負債倍率は、1.4倍(1.1倍※)となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益からの積み上げやその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末比8.1%増の179,513百万円となりました。この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は、前連結会計年度末の20.5%(23.6%※)から21.5%(24.5%※)に上昇しました。

 

※ネット負債倍率及び自己資本比率の( )内の値は、2019年3月に実施した劣後特約付ローン(ハイブリッド

  ローン)50,000百万円について、格付上の資本性(50%)を考慮して算出しております。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更又は新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

特記すべき事項はありません。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

新型コロナウイルス流行の長期化を背景に、世界経済の先行きは見通しづらい状況が続いています。米国や欧州においては経済活動の再開が段階的に進んだものの、感染症の再拡大により景気回復には時間を要すると見込まれるほか、新政権下での米国の政策動向やEU・英国間の通商関係の行方など政情面での不透明感も残ります。中国ではインフラ投資や産業補助金の拡充など各種経済政策をてこに着実な改善傾向にあり、感染症の状況に留意が必要であるものの回復に向けた動きが続くものと思われます。その他の新興諸国では感染症流行の長期化を背景に、物価の変動や財政状態の悪化などが懸念されます。

国内経済は、外需の回復に伴う輸出の増加や生産活動の回復などが見込まれますが、緊急事態宣言が再発令されるなど感染症による影響が長引くなかで、消費や設備投資の回復にはなお時間を要するものと思われます。

当社グループとしましては、このような事業環境の中においても、各事業分野における需要動向を的確に把握し、取引先のニーズを反映した適切な販売・在庫政策を進めるとともに、国内外で新規取引先を積極的に開拓することにより、業績の維持・向上に注力していく所存です。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは持続可能な企業成長のために必要なレベルの流動性の確保と財務的な健全性・安定性維持を方針としており、資金調達にあたっては、主に長期借入金を利用すると共に、資金調達の多様化を図り、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達も随時行っております。また、流動性維持のために、金融機関との間で総額120,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。

社債につきましては、市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当第3四半期連結会計期間末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、50,000百万円であります。

長期借入金のうち、50,000百万円は劣後特約付ローン(ハイブリッドローン)であり、持続可能な企業成長のための資金確保と財務的な健全性の両立を目的として2019年3月に調達を行っております。本ハイブリッドローンは、資本と負債の中間的な性質を持ち、格付機関は残高の50%である25,000百万円を資本と同等に扱っております。

有利子負債の大半は円建てでの調達によるものですが、資産側の通貨属性を考慮した上で負債の通貨を変換するために、適宜通貨金利スワップ、為替予約を締結することで、通貨属性を考慮した資産の内容に見合った調達を図っております。

また、国内子会社については、原則キャッシュ・マネジメント・サービスを導入しており、資金効率化と流動性確保を図っております。

当連結会計年度は、中長期に安定した調達基盤を維持し、連結ベースでの資金効率化と流動性の確保の一層の向上を図るべく、海外子会社の一部について、当社からの調達を導入していく取り組みを継続します。

 

(6) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2020年11月に、2020年度から2022年度までの3か年にわたる中期経営計画を策定いたしました(計画の詳細は、2020年11月9日発表の「阪和興業 中期経営計画(2020年度-2022年度)に関するお知らせ」をご参照ください。)。

中期経営計画の概要は以下のとおりです。

《テーマ》

 『Run up to HANWA 2030 ~いまを超える未知への挑戦~ 』

《業績目標》

 最終年度(2023年3月期)

売上高

経常利益

連結鉄鋼取扱重量

連結新規取引先数

2兆1,000億円

300億円

1,500万t

(累計) 5,000社

 

 (注) 業績目標の算定にあたっては、「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)」を適用しておりま

   せん。

 

本中期経営計画では、「ESG, SDGsに根差した経営」を基礎に、「Ⅰ.経営基盤の強化」(1階)、「Ⅱ.事業戦略の発展」(2階)、「Ⅲ.投資の収益化」(3階)という3階建ての構造により、企業体力の強化と中・長期的な収益力の向上とをバランス良く舵取りし、2030年度も見据えた持続的な成長に向けた取り組みを進めてまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等の特記すべき事項はありません。