(1) 業績
当連結会計年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融政策により緩やかな景気回復基調にありましたが、年明け以降の株価下落や中国経済をはじめとした海外景気の下振れ懸念等により、先行きは引き続き楽観視できない状況で推移いたしました。個人消費については、実質賃金の伸び悩みや物価上昇への警戒感等から、消費者マインドに足踏みがみられるなど、力強さに欠ける状況が続きました。
食品流通業界においては、生活者の節約志向が長引くなか、円安や原材料価格の高騰を背景とした食品の相次ぐ値上げ等により生活防衛意識が依然として根強く、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループは、取引先との関係強化を図るとともに、物流費を中心としたコスト削減と採算管理強化に取り組むことにより、業績の向上に努めてまいりました。
また、拡大が見込まれる海外市場、EC市場、ウェルネス市場における戦略的な対応を強化するために、昨年4月に「戦略市場本部」を設置し、各分野への取り組みを積極的に推進したことに加え、流通構造の全体最適実現に向け、営業・物流面でのメーカーサポート機能、原料調達、製造過程を含めた商品開発におけるトータルコーディネート機能の強化を図ってまいりました。
当連結会計年度の業績は、一昨年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減からの回復や取引先との関係強化等により、売上高は2兆3,830億64百万円(前年同期比2.0%増加)、営業利益は168億88百万円(前年同期比10.7%増加)、経常利益は182億17百万円(前年同期比5.7%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は投資有価証券売却益などの特別利益計上等により124億92百万円(前年同期比28.1%増加)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 加工食品事業
売上高は、消費増税後の反動減からの回復やコンビニエンスストア、通販等との取引伸長に加え、飲料類や麺類の好調等もあり、増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加による売上総利益の増加や販管費削減等により、前年同期を上回りました。
以上の結果、売上高は7,570億18百万円(前年同期比2.6%増加)、営業利益は43億93百万円(前年同期比17.4%増加)となりました。
② 低温食品事業
売上高は、スーパーマーケット等を中心に取引が総じて堅調に推移したことにより、増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加に伴い販管費は増加したものの、売上総利益の増加により、前年同期を上回りました。
以上の結果、売上高は9,306億65百万円(前年同期比2.1%増加)、営業利益は97億45百万円(前年同期比17.7%増加)となりました。
③ 酒類事業
売上高は、消費増税後の反動減からの回復があったものの、子会社の異動(株式譲渡)の影響等により減少いたしました。利益面につきましては、販管費削減を進めたこと等により、前年同期を上回りました。
以上の結果、売上高は4,189億97百万円(前年同期比0.2%減少)、営業利益は12億92百万円(前年同期比30.7%増加)となりました。
④ 菓子事業
売上高は、各小売業態での取引が堅調に推移したことに加え、健康志向を背景にチョコレートやシリアル等が引き続き伸長したことやインバウンド消費効果等もあり、増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加による売上総利益の増加に加え、在庫管理精度の向上による改善効果等により、前年同期を上回りました。
以上の結果、売上高は2,745億61百万円(前年同期比3.2%増加)、営業利益は25億41百万円(前年同期比30.2%増加)となりました。
⑤ その他
その他には、物流関連事業等が含まれており、売上高は18億20百万円、営業利益は3億11百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
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前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
19,814 |
22,787 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△3,315 |
△3,137 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
(百万円) |
△4,522 |
△4,399 |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
(百万円) |
- |
△15 |
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現金及び現金同等物の増加額 |
(百万円) |
11,976 |
15,234 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
(百万円) |
77,003 |
92,238 |
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ152億34百万円増加し、当連結会計年度末には922億38百万円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、227億87百万円となりました。主たる要因は、税金等調整前当期純利益187億23百万円等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、31億37百万円となりました。主たる要因は、無形固定資産の取得による支出64億20百万円等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、43億99百万円となりました。主たる要因は、配当金の支払額23億99百万円、リース債務の返済による支出18億92百万円等によるものであります。
(1) 仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
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加工食品事業 |
715,050 |
4.1 |
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低温食品事業 |
842,734 |
1.3 |
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酒類事業 |
399,882 |
△1.1 |
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菓子事業 |
254,998 |
3.6 |
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その他の事業 |
1,706 |
△18.6 |
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合計 |
2,214,373 |
2.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の部門ごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
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加工食品事業 |
757,018 |
2.6 |
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低温食品事業 |
930,665 |
2.1 |
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酒類事業 |
418,997 |
△0.2 |
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菓子事業 |
274,561 |
3.2 |
|
その他の事業 |
1,820 |
△19.7 |
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合計 |
2,383,064 |
2.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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株式会社ローソン |
492,781 |
21.1 |
532,145 |
22.3 |
(経営方針2020)
当社グループは2016年度からの新しい指針として、2020年度を最終年度とする「経営方針2020」を策定いたしました。
(1)外部環境及び認識課題
人口減少、高齢化、世帯構造変化、外国人の増加に伴う食ニーズの多様化や人手不足の深刻化による物流費・人件費の上昇、物流テクノロジーの進展によるIT化・機械化投資の重要性の増大等、顧客である生活者や取引パートナーを取り巻く環境は目まぐるしく変化しており、テクノロジーの進展も含め、今後、更なる変化の加速が予想されます。
このような環境の中、常に変化を先取りし、その変化への対応力を高め、“日本の食を支える”ことが当社グループの役割であると認識しております。
(2)基本方針
当社グループは、三菱グループ共通の理念である「三綱領」の下、企業ミッションとして『「中間」から「中核」へ。食と暮らしの明日を創造する。』を掲げ、「経営方針2020」では「“より良い”を積み重ねて、日本の食を支える」企業となることを目指します。
(3)「経営方針2020」実現に向けた戦略
「経営方針2020」を実現させるための3つのアプローチは次のとおりとなります。
① 総合食品商社として
既存領域である卸売事業を軸として、「エリア」「業態」「機能」の面で自ら事業領域を拡大し、最適なポートフォリオを形成します。
② 三菱商事グループとして
原料から製造、小売に至る全ての領域に幅広く展開する三菱商事グループの総合力を活用し、機能を拡充することで、事業領域の拡大・深耕を目指します。
③「中核」を目指す企業として
日本の食を支える「中核を目指す企業」として、「自覚と誇り」「自由で風通しの良い社風」「革新・チャレンジする精神」「共創・共生」「真のプロフェッショナリズム」という5つの行動指針に基づいた取組を継続的に推進します。
当社グループの事業等のリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。
なお、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を十分認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
また、文中における将来に関する当該事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。
(1) 災害危機等について
当社グループは全国に多数の営業・物流拠点を設置し事業展開しているため、大規模な自然災害が発生した地域においては、物流やサービスの提供などに支障が生じる可能性が想定されます。当社グループといたしましては食の安全・安定供給を支える企業として、自然災害時においても事業の早期復旧及び継続を図るためのBCP(事業継続計画)を策定・整備し万全を期しておりますが、大規模かつ広域に亘る自然災害が発生し、道路の寸断や停電
等により復旧が長期化した場合には、営業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 食品の安全性について
当社グループは食の安全・安心を確保すべく、商品鮮度管理の徹底や、自社開発商品における製造工場の審査・指導等を実施し品質管理体制強化に取り組んでおりますが、外的要因により安全性・品質確保に問題が生じ、食品の生産・流通に支障を来した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 債権の貸倒れについて
当社グループは営業取引を通じて、取引先様に対し信用供与を行っております。当社グループといたしましては債権の回収遅延・不能による損失発生を予防すべく与信管理体制の充実を図っておりますが、不測の事態により取引先様の与信不安が生じ、債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
特に記載すべき事項はありません。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。
当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
(2) 財政状態の分析
① 資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ222億2百万円増加し5,993億94百万円となりました。流動資産については前連結会計年度末に比べ229億15百万円増加し4,797億21百万円(構成比80.0%)、固定資産については、前連結会計年度末に比べ7億12百万円減少し1,196億72百万円(構成比20.0%)となりました。
流動資産の増加の主な要因は、短期貸付金が増加したことによるものであります。固定資産の減少の主な要因は、戦略的経営資源配分の観点から不稼働資産の売却等を進めたことにより、土地、建物等が減少したことによるものであります。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ130億78百万円増加し4,512億49百万円(構成比75.3%)となりました。流動負債については前連結会計年度末に比べ147億8百万円増加し4,312億93百万円(構成比72.0%)、固定負債については、前連結会計年度末に比べ16億29百万円減少し199億55百万円(構成比3.3%)となりました。
流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ91億23百万円増加し1,481億45百万円(構成比24.7%)となりました。
増加の主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ175円97銭増加し2,591円98銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の23.9%から24.7%となりました。
(3) 経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ458億11百万円増加し2兆3,830億64百万円となりました。その主な要因は、一昨年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減からの回復や取引先との関係強化により、加工食品類や低温食品類を中心に増加したことによるものであります。
② 売上総利益、販売費及び一般管理費
売上総利益は、前連結会計年度に比べ40億6百万円増加し1,687億97百万円となりました。その主な要因は、売上高増加の影響等によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ23億80百万円増加し1,519億8百万円となりました。その主な要因は、運賃保管料等、販売費の増加によるものであります。
③ 営業利益
以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ16億25百万円増加し168億88百万円となりました。
④ 特別損益
特別損益は、特別利益が前連結会計年度に比べ11億62百万円増加し25億15百万円に、特別損失が8億20百万円減少し20億10百万円となりました。その主な要因は、投資有価証券の保有意義見直しや不稼働資産等の売却に伴い投資有価証券売却益や固定資産売却益が増加し、減損損失が減少したことによるものであります。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ27億40百万円増加の124億92百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の170円67銭に対し当連結会計年度は218円63銭となりました。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しにつきましては、「3 対処すべき課題」をご参照ください。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
詳細につきましては、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金需要及び財政政策
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資等の資金需要に対しましては、自己資金を充当することを基本としております。当連結会計年度末も前連結会計年度末に引き続き、金融機関等からの借入金はなく、三菱商事金融子会社との貸付運用等による短期貸付金を含めた手元資金を922億38百万円保有しておりますので、充分な流動性を確保していると考えております。
また、健全な財務状況を維持することにより、将来当社グループの成長のために多額な資金需要が生じた場合には、外部からの資金調達は可能であると考えております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「3 対処すべき課題」をご参照ください。