第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融政策により緩やかな景気回復基調にありましたが、新興国経済の減速や米国新大統領の政策等により世界経済に不透明感が広がる等、先行きは引き続き楽観視できない状況で推移いたしました。

 食品流通業界においては、雇用や所得環境の改善等により消費者マインドに持ち直し傾向が見られたものの、生活者の生活防衛意識は依然として根強く不透明な状況が続きました。

 このような状況下、当社グループは、取引先との関係強化を図るとともに、ローコストオペレーションを推進することで更なる収益力の向上に努めて参りました。

 また、次世代システムである「MILAI」の中核システムを本格稼働させた一方で、日々進化するテクノロジーの取込みや、長期化が見込まれる人手不足への対応の検討を進め、効率的な物流網の構築を通し、流通全体のムリ・ムダ・ムラの是正に向けた機能の強化を図って参りました。

 

 当連結会計年度の業績は、売上高は2兆4,114億74百万円(前年同期比1.2%増加)、営業利益は178億33百万円(前年同期比5.6%増加)、経常利益は188億77百万円(前年同期比3.6%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の固定資産売却益や投資有価証券売却益の反動減等により123億91百万円(前年同期比0.8%減少)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

① 加工食品事業

 売上高は、コンビニエンスストア、ドラッグストア等との取引が伸長したものの、スーパーマーケット等との取引が減少したこと等から、微減となりました。利益面につきましては、収益性の向上を進めた結果、前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は7,470億30百万円(前年同期比0.4%減少)、営業利益は45億5百万円(前年同期比2.1%増加)となりました。

 

② 低温食品事業

 売上高は、コンビニエンスストア等を中心に取引が総じて堅調に推移したことにより、増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加に伴い販管費は増加したものの、売上総利益の増加により前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は9,569億21百万円(前年同期比2.8%増加)、営業利益は103億42百万円(前年同期比7.6%増加)となりました。

 

③ 酒類事業

 売上高は、一昨年9月末の子会社の異動(株式譲渡)の影響及び市場環境の悪化等により減少いたしました。利益面につきましては、販管費の削減に努めたものの、売上高減少による売上総利益の減少をカバーするに至らず、前年同期を下回る結果となりました。

 以上の結果、売上高は4,158億52百万円(前年同期比2.4%減少)、営業利益は5億37百万円(前年同期比47.9%減少)となりました。

 

④ 菓子事業

 売上高は、コンビニエンスストア、ドラッグストア等を中心に取引が総じて堅調に推移したことや、品種別で健康志向を背景にチョコレート等が引き続き伸長したこと等により増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加による売上総利益の増加等により、前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は2,898億15百万円(前年同期比5.6%増加)、営業利益は33億56百万円(前年同期比36.7%増加)となりました。

 

⑤ その他

 その他には、物流関連事業等が含まれており、売上高は18億54百万円、営業利益は1億46百万円となりました。

 

 (2) キャッシュ・フローの状況

 

 

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

 (百万円)

22,787

23,044

投資活動によるキャッシュ・フロー

 (百万円)

△3,137

△5,607

財務活動によるキャッシュ・フロー

 (百万円)

△4,399

△4,488

現金及び現金同等物に係る換算差額

 (百万円)

△15

△12

現金及び現金同等物の増加額

 (百万円)

15,234

12,937

現金及び現金同等物の期末残高

 (百万円)

92,238

105,175

 

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ129億37百万円増加し、当連結会計年度末には1,051億75百万円となりました。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、230億44百万円となりました。主たる要因は、税金等調整前当期純利益183億6百万円等によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、56億7百万円となりました。主たる要因は、無形固定資産の取得による支出48億92百万円等によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、44億88百万円となりました。主たる要因は、配当金の支払額30億85百万円、リース債務の返済による支出17億51百万円等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

705,856

△0.3

低温食品事業

866,317

2.8

酒類事業

398,016

△2.2

菓子事業

270,644

6.1

その他の事業

1,645

△3.6

合計

2,242,479

1.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業の部門ごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

747,030

△0.4

低温食品事業

956,921

2.8

酒類事業

415,852

△2.4

菓子事業

289,815

5.6

その他の事業

1,854

1.8

合計

2,411,474

1.2

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社ローソン

532,145

22.3

583,007

24.2

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営方針

 当社グループは、三菱グループ共通の理念である「三綱領」の下、企業ミッションとして『「中間」から「中核」へ。食と暮らしの明日を創造する。』を掲げ、「経営方針2020」では「“より良い”を積み重ねて、日本の食を支える」企業となることを目指します。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、収益性を追求した企業価値の極大化の観点から、「経営方針2020」では「経常利益率1%の早期達成」を目指しております。

 

(3) 経営戦略等

 「経営方針2020」を実現させるための3つのアプローチは次のとおりとなります。

① 総合食品商社として

既存領域である卸売事業を軸として、「エリア」「業態」「機能」の面で自ら事業領域を拡大し、最適なポートフォリオを形成します

② 三菱商事グループとして

原料から製造、小売に至るすべての領域に幅広く展開する三菱商事グループの総合力を活用し、機能を拡充することで、事業領域の拡大・深耕を目指します

③ 「中核」を目指す企業として

日本の食を支える「中核を目指す企業」として、「自覚と誇り」「自由で風通しの良い社風」「革新・チャレンジする精神」「共創・共生」「真のプロフェッショナリズム」という5つの行動指針に基づいた取組みを継続的に推進します。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、国内において雇用・所得環境の改善が続く中で各種政策の効果もあり、景気は緩やかに回復していくことが期待されるものの、個人消費の先行きについては今後も不透明な状態が続くと思われます。

 このような状況下、当社グループは自らの事業領域を拡大し、最適な事業ポートフォリオを形成する総合食品商社としての取組みを強化して参ります。具体的には成長が見込まれる業務用市場や宅配事業における対応を強化するため、「デリカ本部」、「フードサービス本部」、「ライフネット本部」を設置し、全国横断での取組みを推進して参ります。

 また、メーカー様とマーケティング、戦略等を共有し、日本全国にブランドの価値と商品をお届けし、メーカー様とともに発展していく「ディストリビューター事業」に取組んで参ります。

 加えて、物流の省人化・省力化を中心とした効率化を進め、コスト削減策を継続的に実行していくことで、業績の向上を目指して参ります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業等のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあると認識しております。

 なお、文中における将来に関する当該事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 食品の安全性について

 当社グループは食の安全・安心を確保すべく、商品鮮度管理の徹底や、自社開発商品における製造工場の審査・指導等を実施し品質管理体制強化に取り組んでおりますが、外的要因により安全性・品質確保に問題が生じ、食品の生産・流通に支障を来した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) システムダウンについて

 当社グループは、基幹システムの安定的な稼働を維持するためのメンテナンス、コンピュータウィルス対策、バックアップシステムの確保等、システムの安全及び安定稼働の確保に努めております。しかしながら、想定外の自然災害の他、予想不能のウィルスの侵入やハッカー行為によりシステムダウンが一定期間以上に及び、業務処理が滞ることとなった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 災害危機等について

 当社グループは全国に多数の営業・物流拠点を設置し事業展開しており、大規模な自然災害やインフルエンザ等の感染症が広がった場合等に、物流やサービスの提供などに支障が生じる可能性が想定されます。当社グループといたしましては食の安全・安定供給を支える企業として、事業の早期復旧及び継続を図るためのBCP(事業継続計画)を策定・整備し万全を期しておりますが、大規模かつ広域に亘る自然災害等が発生し、復旧が長期化した場合には、営業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 債権の貸倒れについて

 当社グループは営業取引を通じて、取引先に対し信用供与を行っております。当社グループといたしましては債権の回収遅延・不能による損失発生を予防すべく与信管理体制の充実を図っておりますが、不測の事態により取引先の与信不安が生じ、債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 上記に挙げるリスクにとどまらず、事業環境の変化に応じて当社グループが負担するリスクの把握とその対応策の見直しを定期的に行うとともに、リスク発生の可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 特に記載すべき事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。

 当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ211億37百万円増加し6,205億31百万円となりました。流動資産については前連結会計年度末に比べ192億91百万円増加し4,990億12百万円(構成比80.4%)、固定資産については、前連結会計年度末に比べ18億45百万円増加し1,215億18百万円(構成比19.6%)となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、短期貸付金が増加したことによるものであります。固定資産の増加の主な要因は、ソフトウェアが増加したことによるものであります。

② 負債

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ115億55百万円増加し4,628億4百万円(構成比74.6%)となりました。流動負債については前連結会計年度末に比べ116億75百万円増加し4,429億68百万円(構成比71.4%)、固定負債については、前連結会計年度末に比べ1億19百万円減少し198億36百万円(構成比3.2%)となりました。

 流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。

③ 純資産

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ95億81百万円増加し1,577億26百万円(構成比25.4%)となりました。

 増加の主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ167円35銭増加し2,759円33銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の24.7%から25.4%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ284億10百万円増加し2兆4,114億74百万円となりました。その主な要因は、コンビニエンスストア等を中心に取引が総じて堅調に推移したことによるものであります。

② 売上総利益、販売費及び一般管理費

 売上総利益は、前連結会計年度に比べ22億90百万円増加し1,710億88百万円となりました。その主な要因は、売上高増加の影響等によるものであります。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ13億45百万円増加し1,532億54百万円となりました。その主な要因は、運賃保管料等、販売費の増加によるものであります。

③ 営業利益

 以上の結果、営業利益は、前連結会計年度に比べ9億44百万円増加し178億33百万円となりました。

④ 特別損益

 特別損益は、特別利益が前連結会計年度に比べ13億23百万円減少し11億92百万円に、特別損失が2億46百万円減少し17億63百万円となりました。その主な要因は、前連結会計年度に計上した投資有価証券売却益や固定資産売却益の反動減等によるものであります。

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前連結会計年度に比べ1億1百万円減少の123億91百万円となりました。1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の218円63銭に対し当連結会計年度は216円86銭となりました。

 

(4) 経営戦略の現状と見通し

 経営戦略の現状と見通しにつきましては、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

 詳細につきましては、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

② 資金需要及び財政政策

 当社グループは、現在、運転資金及び設備投資等の資金需要に対しましては、自己資金を充当することを基本としております。当連結会計年度末も前連結会計年度末に引き続き、金融機関等からの借入金はなく、三菱商事金融子会社との貸付運用等による短期貸付金を含めた手元資金を1,051億75百万円保有しておりますので、充分な流動性を確保していると考えております。

 また、健全な財務状況を維持することにより、将来当社グループの成長のために多額な資金需要が生じた場合には、外部からの資金調達は可能であると考えております。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。