文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、三菱グループ共通の理念である「三綱領」の下、企業ミッションとして『「中間」から「中核」へ。食と暮らしの明日を創造する。』を掲げ、「経営方針2020」では「“より良い”を積み重ねて、日本の食を支える」企業となることを目指します。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性を追求した企業価値の極大化の観点から、「経営方針2020」では「経常利益率1%の早期達成」を目指しております。
(3) 経営戦略等
「経営方針2020」を実現させるための3つのアプローチは次のとおりとなります。
① 総合食品商社として
既存領域である卸売事業を軸として、「エリア」「業態」「機能」の面で自ら事業領域を拡大し、最適なポートフォリオを形成します。
② 三菱商事グループとして
原料から製造、小売に至るすべての領域に幅広く展開する三菱商事グループの総合力を活用し、機能を拡充することで、事業領域の拡大・深耕を目指します。
③ 「中核」を目指す企業として
日本の食を支える「中核を目指す企業」として、「自覚と誇り」「自由で風通しの良い社風」「革新・チャレンジする精神」「共創・共生」「真のプロフェッショナリズム」という5つの行動指針に基づいた取組みを継続的に推進します。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、国内において雇用・所得環境の改善が続く中で各種政策の効果もあり、景気は緩やかに回復していくことが期待されるものの、個人消費の先行きについては今後も不透明な状態が続くと思われます。
このような状況下、当社グループは総合食品商社として、これまで進めてきた機能強化や新たな事業領域の拡大に向けた施策を定着させ発展させることで、卸事業を核としながらも、最適な事業ポートフォリオを形成し、収益の拡大を図ります。
具体的には、基盤である卸事業を強固にするため、当社の100%子会社6社を統合し、一層のスピード感と一体感を持った顧客対応を実現します。
また、新たな事業領域を深耕するため「ブランド戦略本部」、「トレーディング本部」を新設し、メーカー様とマーケティング・戦略等を共有したディストリビューター事業、フルライン機能を活用した自社開発商品の更なる拡販、及びトレーディング事業を強化して参ります。
加えて、物流費の上昇に対応するため、拠点再編や省人化等による効率化を継続するとともに、製配販での取組みによる物流費の削減に努めることで、業績の向上を目指して参ります。
当社グループの事業等のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあると認識しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 食品の安全性について
当社グループは食の安全・安心を確保すべく、商品鮮度管理の徹底や、自社開発商品における製造工場の審査・指導等を実施し品質管理体制強化に取り組んでおりますが、外的要因により安全性・品質確保に問題が生じ、食品の生産・流通に支障を来した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) システムダウンについて
当社グループは、基幹システムの安定的な稼働を維持するためのメンテナンス、コンピュータウィルス対策、バックアップシステムの確保等、システムの安全及び安定稼働の確保に努めております。しかしながら、想定外の自然災害の他、予想不能のウィルスの侵入やハッカー行為によりシステムダウンが一定期間以上に及び、業務処理が滞ることとなった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 災害危機等について
当社グループは全国に多数の営業・物流拠点を設置し事業展開しており、大規模な自然災害やインフルエンザ等の感染症が広がった場合等に、物流やサービスの提供などに支障が生じる可能性が想定されます。当社グループといたしましては食の安全・安定供給を支える企業として、事業の早期復旧及び継続を図るためのBCP(事業継続計画)を策定・整備し万全を期しておりますが、大規模かつ広域に亘る自然災害等が発生し、復旧が長期化した場合には、営業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 債権の貸倒れについて
当社グループは営業取引を通じて、取引先に対し信用供与を行っております。当社グループといたしましては債権の回収遅延・不能による損失発生を予防すべく与信管理体制の充実を図っておりますが、不測の事態により取引先の与信不安が生じ、債権の回収が困難となった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
上記に挙げるリスクにとどまらず、事業環境の変化に応じて当社グループが負担するリスクの把握とその対応策の見直しを定期的に行うとともに、リスク発生の可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況、分析、検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日本銀行の金融政策により緩やかな景気回復基調にありましたが、欧米における政策の不確実性や金融資本市場の変動に注意が必要である等、先行きは引き続き楽観視できない状況で推移いたしました。
食品流通業界においては、雇用や所得環境の改善等により消費者マインドに持ち直し傾向が見られたものの、将来への不安から生活者の生活防衛意識は依然として根強く不透明な状況が続きました。
このような状況下、当社グループは、人手不足を背景とした物流費の上昇等が続く中、取引先との関係強化を図るとともに、効率的な物流網の構築等によるローコストオペレーションの推進に努めて参りました。
また、従来の食品卸の枠を超え、エリア・業態・機能の面で多様性を有する「総合食品商社」を目指し、機能強化と事業領域の拡大に向けた施策を着実に進めて参りました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高については取引先との取組強化等により2兆5,134億27百万円(前年同期比4.2%増加)となりました。利益面につきましては人手不足を背景とした物流コストが増加したことに加え、将来を見据えた物流センター等の投資も積極的に行った結果、営業利益は167億3百万円(前年同期比6.3%減少)、経常利益は180億16百万円(前年同期比4.6%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の計上等により107億99百万円(前年同期比12.8%減少)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 加工食品事業
売上高は、コンビニエンスストア、ドラッグストア等との取引が伸長したことや、調味料類、飲料類等が堅調に推移したこと等から、増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加により売上総利益は増加したものの、物流費を中心とした販管費の増加をカバーするに至らず、前年同期を下回る結果となりました。
以上の結果、売上高は7,702億82百万円(前年同期比3.1%増加)、営業利益は33億円(前年同期比26.0%減少)となりました。
② 低温食品事業
売上高は、コンビニエンスストア等を中心に取引が総じて堅調に推移したことや、市販用冷凍食品等が好調であったこと等から、増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加により売上総利益は増加したものの、物流費を中心とした販管費の増加をカバーするに至らず、前年同期を下回る結果となりました。
以上の結果、売上高は1兆25億59百万円(前年同期比4.4%増加)、営業利益は91億8百万円(前年同期比10.9%減少)となりました。
③ 酒類事業
売上高は、卸売、コンビニエンスストア等との取引が伸長したことにより増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加による売上総利益の増加等により、前年同期を上回りました。
以上の結果、売上高は4,413億34百万円(前年同期比7.0%増加)、営業利益は14億72百万円(前年同期比194.4%増加)となりました。
④ 菓子事業
売上高は、コンビニエンスストア等との取引が伸長したことや、健康志向を背景にチョコレート等が引き続き好調であったこと等により増加いたしました。利益面につきましては、売上高増加による売上総利益の増加等により、前年同期を上回りました。
以上の結果、売上高は2,973億35百万円(前年同期比2.6%増加)、営業利益は37億56百万円(前年同期比5.9%増加)となりました。
⑤ その他
その他には、物流事業等が含まれており、売上高は19億14百万円、営業利益は△9億33百万円となりました。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
加工食品事業 |
733,459 |
3.9 |
|
低温食品事業 |
911,378 |
4.7 |
|
酒類事業 |
423,862 |
7.5 |
|
菓子事業 |
277,217 |
2.4 |
|
その他の事業 |
1,656 |
0.7 |
|
合計 |
2,347,573 |
4.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の部門ごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
加工食品事業 |
770,282 |
3.1 |
|
低温食品事業 |
1,002,559 |
4.4 |
|
酒類事業 |
441,334 |
7.0 |
|
菓子事業 |
297,335 |
2.6 |
|
その他の事業 |
1,914 |
3.3 |
|
合計 |
2,513,427 |
4.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社ローソン |
583,007 |
24.2 |
656,235 |
26.1 |
(3) 財政状態及びキャッシュ・フロー
① 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。
当社は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態
イ.資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ727億87百万円増加し6,933億19百万円となりました。流動資産については前連結会計年度末に比べ614億53百万円増加し5,604億65百万円(構成比80.8%)、固定資産については、前連結会計年度末に比べ113億34百万円増加し1,328億53百万円(構成比19.2%)となりました。
流動資産の増加の主な要因は、受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。固定資産の増加の主な要因は、建物が増加したことによるものであります。
ロ.負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ628億22百万円増加し5,256億27百万円(構成比75.8%)となりました。流動負債については前連結会計年度末に比べ611億89百万円増加し5,041億58百万円(構成比72.7%)、固定負債については、前連結会計年度末に比べ16億32百万円増加し214億69百万円(構成比3.1%)となりました。
流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が増加したことによるものであります。
ハ.純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ99億65百万円増加し1,676億91百万円(構成比24.2%)となりました。
増加の主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ174円33銭増加し2,933円66銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の25.4%から24.2%となりました。
③ キャッシュ・フロー
|
|
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) (百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
23,044 |
18,333 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△5,607 |
△16,301 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△4,488 |
△5,616 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
△12 |
0 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
12,937 |
△3,582 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
105,175 |
101,592 |
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ35億82百万円減少し、当連結会計年度末には1,015億92百万円となりました。
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、183億33百万円となりました。主たる要因は、税金等調整前当期純利益161億60百万円等によるものであります。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、163億1百万円となりました。主たる要因は、有形固定資産の取得による支出106億15百万円等によるものであります。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、56億16百万円となりました。主たる要因は、配当金の支払額28億56百万円、リース債務の返済による支出16億82百万円等によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
|
|
平成27年度 |
平成28年度 |
平成29年度 |
|
自己資本比率(%) |
24.7 |
25.4 |
24.2 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
27.3 |
31.8 |
25.1 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
41.1 |
38.6 |
43.0 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
163.3 |
155.7 |
149.7 |
(注) 自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている営業キャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、現在、運転資金及び設備投資等の資金需要に対しましては、自己資金を充当することを基本としております。当連結会計年度末も前連結会計年度末に引き続き、金融機関等からの借入金はなく、三菱商事金融子会社との貸付運用等による短期貸付金を含めた手元資金を1,015億92百万円保有しておりますので、充分な流動性を確保していると考えております。
また、健全な財務状況を維持することにより、将来当社グループの成長のために多額な資金需要が生じた場合には、外部からの資金調達は可能であると考えております。
(4) 経営上の目標の達成状況について
当社グループは、「経営方針2020」において「経常利益率1%の早期達成」を目指しております。
2017年度の経常利益率は0.72%となりましたが、一方で、川上領域への事業領域拡大など将来の成長に資する施策は着実に進んだと考えており、引き続き当目標の達成に向けて取り組んで参ります。
なお、当目標の達成に向けた取組みにつきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題」をご参照ください。
該当事項はありません。
特に記載すべき事項はありません。