第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社グループは、2021年度からの新たな経営方針として、2023年度を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定いたしました。

 新たに当社グループの存在意義である「パーパス」を「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」と定めると共に、中期的に目指す在り姿である「ビジョン」を「次世代食品流通業への進化(サステナビリティ重点課題の解決)」と定め、新たな中期経営計画での取り組みにより、この実現に取り組んでまいります。

 

(2) 経営戦略等

 パーパス及びビジョンの実現に向けて、「中期経営計画2023」において以下の取り組みを進めてまいります。

機能向上の取り組み

リテールサポート・商品開発・メーカーサポート・SCMの4つの機能をデジタルも活用しながら向上を図ると共に、これらを支える経営基盤の変革に努めてまいります。

② 地域での取り組み

当社グループがこれまで食のビジネスで培ってきたネットワーク・インフラを活用し、更に機能の磨き込みを図ると共に、地域における多様なパートナーシップを構築することで、食を起点とした地域コミュニティの活性化を図ってまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 機能向上の取り組み、地域での取り組みを通じ、新たな収益基盤を構築すると共に、成長領域への積極投資を行うことで、収益の拡大及び収益性の向上を実現してまいります。具体的には、中期経営計画最終年度である2023年度には、220億円の経常利益、及び自己資本利益率(ROE)8%以上を目指しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症が引き続き国内外の経済環境に大きく影響を及ぼしております。ワクチン接種開始や普及による収束を期待するも、消費の動向については依然として不透明な状態が続くと思われます。

 このような状況下、当社グループは、感染拡大防止策を講じつつ、「アフターコロナ」における生活者のライフスタイルの変化に対応すると共に、機能向上への取り組みを通じて取引先様に対し、より付加価値の高い機能の持続的提供を図ってまいります。

 更なるデジタルトランスフォーメーションを推進し、「社内」の業務効率化と高度化を、「社外」では取引先様への新たな価値の提供を、「業界」では非競争領域について連携することで流通全体の効率化を図ってまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、事業領域拡大に伴う環境変化に対応するため、全社リスクマネジメント委員会を設置し、当社グループが負担するリスクを定期的に把握、識別、評価、コントロール、及びモニタリングする全社リスク管理体制の構築・整備を進めております。全社リスクマネジメント委員会においては、個々のリスク低減施策を討議するとともに、有効性に対する評価等を行い、その結果は取締役会に報告しております。

 

[リスク管理PDCAサイクルイメージ]

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 当社グループの事業等のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあると認識しております(主に上図「リスク評価結果」左上の領域)。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

 当社グループは食品卸売事業を主たる事業としており、国内の経済環境、景気動向、社会構造の変化、消費動向の変化、及び同業他社や異業種との競争状況の変化等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 食品の安全性について

 当社グループは食の安全・安心を確保すべく、商品鮮度管理の徹底や、自社開発商品における製造工場の審査・指導等を実施し品質管理体制強化に取り組んでおりますが、外的要因により安全性・品質確保に問題が生じ、食品の生産・流通に支障を来した場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 法的規制について

 当社グループは事業を遂行する上で、食品表示法、独占禁止法、下請法等各種の法的規制を受けております。当社グループといたしましては、法令遵守の徹底に努めておりますが、法令に違反する事由が生じた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性があります。また、これらの法的規制が強化された場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) システムダウンについて

 当社グループは基幹システムの安定的な稼働を維持するためのメンテナンス、コンピューターウイルス対策、バックアップシステムの確保等、システムの安全及び安定稼働の確保に努めておりますが、想定外の自然災害の他、予測不能のウイルスの侵入やハッカー行為によりシステムダウンが一定期間以上に及び、業務処理が滞ることとなった場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 災害危機等について

 当社グループは全国に多数の営業・物流拠点を設置し事業展開しており、大規模な災害や新型ウイルス等の感染症が拡大した場合等に、物流やサービスの提供等に支障が生じる可能性があります。当社グループといたしましては、食の安全・安心・安定供給を支える企業として、事業の早期復旧及び継続を図るためのBCP(事業継続計画)を策定・整備し万全を期しておりますが、大規模かつ広域に亘る災害等が発生し復旧が長期化した場合、又は新型ウイルス等の感染症が拡大し従業員の感染による操業停止やサプライチェーンが停滞した場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 販売先の変化について

 当社グループの販売先については業態を超えた競争が激化し、取引卸の集約や帳合変更の動きが活発化するとともに、再編等が行われることが予想されます。当社グループといたしましては、販売先との取組関係を強化し、取引の発展に努めておりますが、販売先の政策変更、再編等により、当該取引が縮小・解消された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 債権の貸倒れについて

 当社グループは営業取引を通じて、取引先に対し信用供与を行っております。当社グループといたしましては、債権の回収遅延・不能による損失発生を予防すべく与信管理体制の充実を図っておりますが、不測の事態により取引先の信用不安が生じ、債権の回収が困難となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 固定資産の投資、減損について

 当社グループは事業の成長や拡大、生産性向上等に向けた設備投資、システム投資を継続的に行っております。投資の決定に際しては、リスク・リターンについて十分な検討・審議を行っておりますが、事業環境の変化等により、将来に亘って期待した収益が得られない状況に至り、減損損失を計上する必要が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 上記に挙げるリスクにとどまらず、事業環境の変化に応じて当社グループが負担するリスクの把握とその対応策の見直しを定期的に行うとともに、リスク発生の可能性を十分認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況、分析、検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

  (1) 経営成績

 当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による企業収益や雇用環境の悪化に加え、世界的な感染拡大の影響により消費活動が停滞し、世界経済の更なる不透明感が広がる等、先行きは引き続き楽観視できない状況で推移いたしました。

 食品流通業界においては、「巣ごもり消費」等の影響により、総じて一定の需要が維持されているものの、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛や飲食店の時短営業等による業務用商材の落ち込みに加え、新型コロナウイルス感染状況の終息が見えない中、将来への不安から消費者の生活防衛意識は根強く不透明な状況が続きました。

 斯かる中、当社グループは、基盤である卸事業の生産性向上と、新たな事業領域の拡大に努めると共に、日常生活に欠かせない食品流通に携わる企業として、従業員の感染予防のための各種施策を徹底しながら、食の安定供給という使命を果たしてまいりました。

 また、「ウィズコロナ」の環境に適応し「アフターコロナ」の時代を見据えた事業構造への進化を進めるべく、在宅勤務・モバイルワークをはじめとした働き方の見直しと、デジタル技術を活用した効率化や新たな付加価値の提供を進めてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛や飲食店への時短要請の影響等により2兆5,776億25百万円(前年同期比2.9%減少)となりました。営業利益は、物流コストを含む販管費の削減等により、156億21百万円(前年同期比1.6%増加)、経常利益は169億12百万円(前年同期比1.4%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は110億77百万円(前年同期比2.9%減少)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

① 加工食品事業

 売上高は、スーパーマーケット、ディスカウントストア等との取引が伸長したことや、家庭内食品需要の高まりにより調味料、嗜好品等が好調であったことから増加いたしました。利益面につきましては、物流コストを含む販管費の改善等により前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は8,057億89百万円(前年同期比0.1%増加)、営業利益は36億80百万円(前年同期比33.4%増加)となりました。

 

② 低温食品事業

 売上高は、コンビニエンスストア、外食業態を中心としたチルドや業務用商材の落ち込みに加え、取引の見直し等により減少いたしました。利益面につきましては、売上高減少による売上総利益は減少したものの、物流コストの改善等により前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は9,563億円(前年同期比7.8%減少)、営業利益は72億32百万円(前年同期比6.4%増加)となりました。

 

③ 酒類事業

 売上高は、スーパーマーケット等との取引が伸長したものの、卸売等を中心とした業務用商材の落ち込み等により減少いたしました。利益面につきましては、家庭用商材が好調に推移したことに加え、販管費の削減等により前年同期を上回りました。

 以上の結果、売上高は4,858億81百万円(前年同期比1.5%減少)、営業利益は39億13百万円(前年同期比23.4%増加)となりました。

 

④ 菓子事業

 売上高は、コンビニエンスストアのオフィス需要やインバウンド需要の落ち込み等により減少いたしました。利益面につきましては、売上高減少による売上総利益の減少等により前年同期を下回りました。

 以上の結果、売上高は3,093億36百万円(前年同期比2.3%減少)、営業利益は25億53百万円(前年同期比29.9%減少)となりました。

 

⑤ その他

 その他には、物流事業等が含まれており、売上高は203億18百万円、営業利益は3億75百万円となりました。

 

  (2) 生産、受注及び販売の実績

① 仕入実績

 当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

760,107

0.18

低温食品事業

876,724

△7.09

酒類事業

464,709

△1.95

菓子事業

287,624

△2.55

その他の事業

19,652

861.75

合計

2,408,819

△2.62

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業の部門ごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

加工食品事業

805,789

0.10

低温食品事業

956,300

△7.78

酒類事業

485,881

△1.55

菓子事業

309,336

△2.33

その他の事業

20,318

733.42

合計

2,577,625

△2.90

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社ローソン

727,428

27.4

668,246

25.9

 

  (3) 財政状態及びキャッシュ・フロー

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。

 当社グループは、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行う必要があります。当社グループは、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の内、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」をご参照ください。

 

② 財政状態

イ.資産

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ33億61百万円増加し6,842億80百万円となりました。流動資産については、前連結会計年度末に比べ5億17百万円増加し5,323億96百万円(構成比77.8%)、固定資産については、前連結会計年度末に比べ28億44百万円増加し1,518億83百万円(構成比22.2%)となりました。

 固定資産の増加の主な要因は、投資有価証券が増加したことによるものであります。

ロ.負債

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ96億17百万円減少し4,872億73百万円(構成比71.2%)となりました。流動負債については、前連結会計年度末に比べ114億34百万円減少し4,588億70百万円(構成比67.1%)、固定負債については、前連結会計年度末に比べ18億16百万円増加し284億3百万円(構成比4.2%)となりました。

 流動負債の減少の主な要因は、支払手形及び買掛金が減少したことによるものであります。

純資産

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ129億78百万円増加し1,970億6百万円(構成比28.8%)となりました。

 増加の主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。

 この結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末に比べ226円75銭増加し3,445円70銭となりました。

また、自己資本比率は、前連結会計年度末の27.0%から28.8%となりました。

 

 ③ キャッシュ・フロー

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,279

23,828

投資活動によるキャッシュ・フロー

△10,961

△6,256

財務活動によるキャッシュ・フロー

△4,364

△5,198

現金及び現金同等物に係る換算差額

△8

1

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△13,055

12,373

現金及び現金同等物の期末残高

83,762

96,135

 

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ123億73百万円増加し、当連結会計年度末には961億35百万円となりました。

イ.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動の結果得られた資金は、238億28百万円となりました。主たる要因は、税金等調整前当期純利益166億62百万円等によるものであります。

ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動の結果使用した資金は、62億56百万円となりました。主たる要因は、有形固定資産の取得による支出52億99百万円等によるものであります。

ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動の結果使用した資金は、51億98百万円となりました。主たる要因は、配当金の支払額28億56百万円、リース債務の返済による支出14億84百万円等によるものであります。

 

 

  キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。

 

2018年度

2019年度

2020年度

自己資本比率(%)

24.8

27.0

28.8

時価ベースの自己資本比率(%)

23.3

23.3

25.8

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

43.6

440.4

40.2

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

154.4

18.9

127.1

(注) 自己資本比率           :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている営業キャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、現在、運転資金及び設備投資等の資金需要に対しましては、自己資金を充当することを基本としております。当連結会計年度末も前連結会計年度末に引き続き、金融機関等からの借入金は僅少であり、三菱商事金融子会社との貸付運用等による短期貸付金を含めた手元資金(現金及び現金同等物)を961億35百万円保有しておりますので、充分な流動性を確保していると考えております。

 また、健全な財務状況を維持することにより、将来当社グループの成長のために多額な資金需要が生じた場合には、外部からの資金調達は可能であると考えております。

 

  (4) 経営上の目標の達成状況について

 当社は、「経営方針2020」において「経常利益率1%の早期達成」を目標としてまいりましたが、「経営方針2020」(2016年4月~2021年3月)の最終年度である2020年度につきましては、総需要の量的縮小に伴う競争環境の激化に加え、現在も続く新型コロナウイルス感染症の影響などにより、経常利益率は0.66%となりました。

 2021年度以降の取り組みにつきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営戦略等」をご参照ください。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特に記載すべき事項はありません。