名称 三菱商事株式会社
所在地 東京都千代田区丸の内二丁目3番1号
普通株式
(1)本公開買付けに関する意見の内容
当社は、2025年5月8日開催の取締役会において、下記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の根拠及び理由に基づき、本公開買付けに関し、賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
なお、上記取締役会決議は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の方法により決議されております。
(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由
本公開買付けに関する意見の根拠及び理由のうち、公開買付者に関する記載については、公開買付者から受けた説明に基づいております。
① 本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している当社株式21,816,659株(所有割合(注1):50.11%)を所有し、当社を連結子会社としております。
(注1)「所有割合」とは、当社が2025年5月8日に公表した「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(以下「当社決算短信」といいます。)に記載された同年3月31日現在の発行済株式総数(43,537,200株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(ただし、同日現在において役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託(以下「BIP信託」といいます。)が保有する当社株式数(160,724株)を含みません。)(1,546株)を控除した株式数(43,535,654株)に占める割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について、他の取扱いを定めない限り同じです。)をいいます。
公開買付者は、2025年5月8日、当社の株主を公開買付者のみとして当社を完全子会社化することを目的とする一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得するため、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)を6,340円として、本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
公開買付者は、本公開買付けにおいて当社の株主を公開買付者のみとすることを目的としているため、買付予定数の下限を7,100,000株(所有割合:16.31%)(注2)としており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。他方、公開買付者は、本公開買付けにおいては、当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得することを企図しておりますので、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(7,100,000株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行うとのことです。
(注2)買付予定数の下限(7,100,000株)は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有することとなる当社の議決権数の合計が当社の議決権総数の3分の2以上となるように、当社決算短信に記載された2025年3月31日現在の発行済株式総数(43,537,200株)から、当社決算短信に記載された同日現在の当社が所有する自己株式数(ただし、同日現在においてBIP信託が保有する当社株式数(160,724株)を含みません。)(1,546株)、及び同日現在においてBIP信託が保有する当社株式数(160,724株)を控除した株式数(43,374,930株)に係る議決権の数(433,749個)に3分の2を乗じた数(289,166個)から、公開買付者が所有する当社株式(21,816,659株)に係る議決権の数(218,166個)を控除した議決権の数(71,000個)に、当社の単元株式数である100株を乗じた数としているとのことです。このような買付予定数の下限を設定した理由は、本取引は当社の株主を公開買付者のみとし、当社株式を非公開化することを目的としているところ、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより、当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できずに、本株式併合(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。)の手続を行う場合には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じとします。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされていることから、当該手続が確実に実行可能となるよう、本公開買付け後に公開買付者が特別決議に必要となる当社の総株主の議決権の数(ただし、BIP信託が保有する当社株式に係る議決権は除きます。)の3分の2以上を所有することになるようにしているとのことです。
また、当社が2022年5月26日に公表した「当社取締役等に対する業績連動型株式報酬制度の導入に関するお知らせ」、及び2024年5月9日に公表した「当社取締役等に対する業績連動型株式報酬制度に係る内容の一部改定に関するお知らせ」に記載のとおり、当社においては当社の取締役及び執行役員を対象に業績連動型株式報酬制度としてBIP信託を導入しておりますが、BIP信託が保有する当社株式は2025年8月を目途に開催される予定の本臨時株主総会(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」において定義します。以下同じです。)の基準日までに受益者に対する交付、本公開買付けへの応募その他の処分は予定されておらず、また、BIP信託が保有する当社株式に係る議決権は信託期間(当該信託期間は2028年8月までとしております。)中行使されないこととされており、本臨時株主総会においても当該議決権は行使される可能性がないことから、公開買付者は、買付予定数の下限の設定に際し、2025年3月31日現在においてBIP信託が保有する当社株式数(160,724株)を買付予定数の下限の設定の基礎となる当社株式数に加算していないとのことです。
公開買付者は、本公開買付けが成立したものの、本公開買付けにより当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付けの成立後、当社の株主を公開買付者のみとするための一連の手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の実施を予定しているとのことです。(下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」をご参照ください。)。
なお、当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、下記「(4)上場廃止となる見込み及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の各手続を実施することになった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。
② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
(ⅰ)本公開買付けの背景
公開買付者は、1954年に東京証券取引所市場第一部に株式を上場しているとのことです(1961年には株式会社名古屋証券取引所市場第一部に株式を上場いたしましたが、2020年に同取引所における上場を廃止しており、現在は東京証券取引所に限り株式を上場しているとのことです。)。また、2022年には東京証券取引所の市場区分見直しにより市場第一部からプライム市場へ移行しているとのことです。公開買付者は、世界中に広がる拠点や、公開買付者の子会社872社・持分法適用関連会社380社(2024年9月30日現在。以下「公開買付者グループ企業」といい、公開買付者と合わせ、以下「公開買付者グループ」と総称します。)と協業しながらビジネスを展開しており、トレーディングや事業経営を通して培った「産業知見・インサイト」、世界中の拠点・公開買付者グループ企業からタイムリーに集約される独自の「グローバルインテリジェンス」、環境変化に対応した「事業ポートフォリオ変革力」、規律から生まれる「財務健全性」、変革を実行する「多彩・多才な人材」を有機的に繋げることで総合力を発揮し、社会課題の解決を通じて継続的に共創価値を創出していると考えているとのことです。また、公開買付者は、2025年度から始まる3ヶ年の中期経営戦略として「経営戦略2027 総合力をエンジンに未来を創る」を策定し、「収益基盤強化」を重点施策の一つとして掲げているとのことです。
現在公開買付者は、S.L.C.グループ(Smart-Life Creationグループ)、食品産業グループ、地球環境エネルギーグループ、マテリアルソリューショングループ、金属資源グループ、社会インフラグループ、モビリティグループ、電力ソリューショングループの8つの営業グループ体制を構築しており、各グループが垣根を越えて繋がることで分野や業界を超えた規模感のある価値創出を実現していると考えているとのことです。中でもS.L.C.グループは、「生活者ニーズを起点に、よりよいくらしを提供するC2B(注1)事業を立ち上げ、金融・デジタル・物流などのB2B事業と有機的に繋げることで、各国・地域の社会課題解決とマネタイズを両立させ、生活者を包み込む公開買付者ならではのSmart-Lifeエコシステムを構築する」というミッションを掲げ、リテイル事業や食品流通・物流事業、アパレル・S.P.A.(注2)関連事業、金融事業、ヘルスケア関連事業、デジタルソリューション事業等、生活者との接点が多い事業を中心に展開しているとのことです。
(注1)「C2B」とは、Consumer to Business事業の略称であり、企業と生活者が取引するビジネスモデルを意味しているとのことです。公開買付者は、あらゆるモノやサービスがあふれる昨今の社会において、選択肢を持つのは生活者という考え方のもと、生活者ニーズを起点に成長戦略を策定しており、生活者ニーズへ向き合う「マーケットイン」の発想を重視するため、いわゆる「B2C(Business to Consumer)」事業ではなく、「C2B」事業と定義し、使用しているとのことです。
(注2)「S.P.A.」とは、Speciality store retailer of Private label Apparelの略称であり、自社商品の企画から生産、販売までの機能を一貫して行うビジネスモデルのことをいいます。
一方、当社は、公開買付者の前身である(旧)三菱商事株式会社が取扱う水産缶詰の国内販売会社として、1925年3月に株式会社北洋商会の商号のもとに設立されました。1969年10月に北洋商事株式会社に商号を変更し、1979年8月に当社、野田喜商事株式会社、新菱商事株式会社が合併し、商号を株式会社菱食といたしました。1995年7月に当社株式は東京証券取引所市場第二部に上場(1997年6月に東京証券取引所市場第一部銘柄に指定)し、業界に先駆けて上場することにより食品の卸売事業の世間的な知名度向上にも取り組んでまいりました。2011年7月に加工食品卸の当社、それぞれ当時公開買付者の子会社であった、加工食品・酒類に強みを持つ明治屋商事株式会社、菓子卸の株式会社サンエス、低温物流に強みを持つ株式会社フードサービスネットワークの4社が統合(2012年4月に統合完了、以下これを「4社統合」といいます。)し、現在の三菱食品株式会社が発足いたしました。2022年4月の東京証券取引所の市場区分見直しにより、当社株式の上場市場は東京証券取引所市場第一部からスタンダード市場に移行しております。
4社統合以来、当社、子会社14社及び関連会社6社(2025年3月31日現在)から成る企業グループ(以下「当社グループ」といいます。)は、全国に拠点を持つフルエリア化、すべての食品の商品群を取り扱うフルカテゴリー化を実現し、国内外の加工食品、低温食品、酒類及び菓子の卸売を主な事業内容とする総合食品卸として事業活動を展開しております。2025年3月には設立から100周年を迎え、今後も日本の食のインフラを支えるべく、更に100年続く持続可能な企業を目指しております。
昨今の当社を取り巻く事業環境においては、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化等による地政学リスクの高まりや気候変動等によるサステナビリティ課題の深刻化といったサプライチェーンの分断リスクを鑑み、持続的な食のサプライチェーンの確保が重要な課題となってきていると考えております。また、生成AIなどのテクノロジーの進化や技術革新を踏まえ、リアルとデジタルそれぞれの機能の磨き込みがビジネスの生命線となってきていると考えております。そして、国内の人口が本格的な減少期に入り市場全体の縮小が懸念される中、近年は食品価格の上昇が継続しており、節約志向の高まりや消費の二極化が進むなど、決して楽観視できず、時代に即した不断の進化が求められていると考えております。こうした状況の中で、当社グループは、2024年5月にパーパス(存在意義)である「食のビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献する」に、「サステナビリティ重点課題の同時解決」を新たに加え、当社が目指す在り姿として「MS Vision 2030」(以下「当社中期計画」といいます。)を策定し、以下の成長戦略に取り組んでおります。
a.デジタル活用
データ活用基盤の強化とAI技術の徹底活用を進め、①新たなビジネスモデル構築による需要創造、②業務効率化・生産性向上、③SCM(注3)機能の強化などを通じ、収益の拡大を図る。
(注3)「SCM(サプライチェーンマネジメント)」とは、原材料の調達から、生産、加工、流通を経て、販売により消費者に届くまでの一連のプロセスを管理する手法のことです。
b.新たな需要の獲得
・国内市場:ますます多様化する生活者ニーズに対応した商品開発力を強化する。
・海外市場:成長市場における日本食文化の需要の高まりに対応して海外事業を強化する。
c.人的資本強化(人財育成)
・事業戦略と連動した人財ポートフォリオを明確にして、人事戦略を実行する。
・成長戦略の実行に不可欠なデジタル人財・海外人財等、専門人財を確保・育成する。
・個性を尊重し、能力・適性を活かし、健康的に活躍できる、働きやすく、働きがいのある組織風土を醸成する。
公開買付者と当社の資本関係は、1925年3月に、(旧)三菱商事株式会社が100%出資により当社(当時の商号は株式会社北洋商会)を設立したことに始まりました。4社統合による三菱食品株式会社発足当時、公開買付者が所有する当社株式は35,196,459株(当時の発行済株式総数の60.55%)でしたが、2013年2月に市場外からの相対取得により220,000株を取得し、35,416,459株(当時の発行済株式総数の60.93%)まで増加しました。その後、公開買付者は2021年7月に当社による自己株式の公開買付けへ応募の上、13,599,800株を売却し、本書提出日現在においては21,816,659株(所有割合:50.11%)を所有しております。
公開買付者にとって、当社は商流・物流・情報流を通じて小売・外食業者とメーカーを繋ぎ、生活者によりよいくらしを提供するための重要なインフラであり、公開買付者のS.L.C.グループ事業間の有機的な連携において欠かせない役割を担うB2B事業者であると考えているとのことです。当社を中核とする食品流通事業を強化させることが、公開買付者のS.L.C.グループ全体の成長にも繋がり、公開買付者の企業価値向上を実現することができると考えているとのことです。
(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った目的及び意思決定の過程
上記のとおり、当社は公開買付者にとって重要な子会社の一つであり、公開買付者は、これまでも出向者派遣を通じて4社統合後のPMI(注4)に当社と一丸となって取り組み、運営体制構築と事業拡大をともに進めてきたとのことです。一例としては、食品流通分野において公開買付者が戦後築き上げてきた事業基盤やノウハウの譲渡・提供(缶詰類・ワイン輸入事業等のトレーディング事業の移管、果汁等のファブレス商品開発機能(注5)を有する株式会社エム・シー・フーズの移管、代理店取引事業の共同事業化を目的としたエムシーセールスサポート株式会社の設立等)や、デジタルマーケティング事業・海外事業の立ち上げ、物流事業分社化の支援(株式会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズの設立)等、現在に至るまで様々な形で提携を行っているとのことです。
(注4)「PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)」とは、M&A成立後の統合プロセスのことです。
(注5)「ファブレス商品開発機能」とは、自社において製造工場を持たずに商品開発を行う機能をいうとのことです。
公開買付者としては、食品卸売業を取り巻く環境について、少子高齢化に伴う慢性的な人手不足、2024年問題を契機とした物流コストの上昇、環境対応など複雑化する社会的要請、インフレ基調の反動による生活者の価格志向の高まり等といった課題が既に顕在化しつつあり、中長期的には人口減少に伴う国内市場の縮小による更なる競争激化が確実と考えているとのことです。これらの課題に対応するためには、当社が公開買付者とより一体となった経営体制をとり、両社の企業価値向上に取り組んでいくことが不可欠であるとの考えに至ったとのことです。
公開買付者は、上記の市場環境を考慮すると、両社が持ちうる経営資源のすべてを相互活用し、上記の企業価値向上策を着実に実行することで、当社とともに成長を実現していく必要があると考えているとのことです。しかしながら、現状は当社と公開買付者がそれぞれ上場会社として独立した経営を行っており、かつ、当社の資本構成上、当社が創出する価値・利益の半分近くが公開買付者以外の株主に帰属するため、公開買付者が今以上に当社の成長を支援することの妥当性を公開買付者の株主から指摘される可能性もあり、企業価値向上策を実行するために必要な経営資源の活用が困難な状況であると認識しているとのことです。
本取引実行により当社が公開買付者の完全子会社となり、当社の株主が公開買付者のみとなることで、上記の経営資源の活用が困難な状況を解消することができ、現状の資本関係においては限定的となっている公開買付者による当社への関与を高めることにより、両社の経営資源(人材、業界知見、顧客・事業基盤等)を最大限相互に活用することが可能となると考えているとのことです。
当社は2024年5月に当社中期計画を策定し、「デジタル活用」「新たな需要の獲得」「人的資本強化(人財育成)」を成長戦略として、経済価値及び社会・環境価値の具体的な目標値の実現を目指しておりますが、本取引の実行により両社の利害や戦略の更なる一致を図り、公開買付者の株主にとっても合理性を担保した状態で両社の経営資源を制約なく相互活用できるようになることで、当社中期計画の達成に向けた非連続的な成長を実現できるものと考えているとのことです。規模感のある施策の実施を通じて、当社の企業価値向上を実現できる本取引の実行は、公開買付者及び当社の両社にとって最適な選択肢であると考えているとのことです。
本取引後の具体的な企業価値向上策としては、(ア)食品卸事業の岩盤収益の更なる強靭化、(イ)成長事業の拡大、(ウ)人材育成・人材交流の促進を検討しているとのことです。
公開買付者は、国内外における大規模な事業投資や多様なポートフォリオにおける事業経営を通じ、豊富な実績とノウハウを有している他、世界各国における広範なグローバルネットワークを構築していると考えているとのことです。中でもS.L.C.グループにおいては、食品流通、物流、リテイル、ヘルスケア、デジタル等、生活者を取り巻く横断的な事業を展開しており、公開買付者グループ企業も含めて幅広い事業投資・経営実績を有していると考えているとのことです。本取引後は、このような公開買付者の有する経営資源を活用し、以下(ア)から(ウ)の企業価値向上策を実施することを検討しているとのことです。
(ア)食品卸事業の岩盤収益の更なる強靭化
当社は、祖業の食品卸事業において、国内における地域ごとの食の嗜好・文化の多様性等を背景に、多数のメーカーと小売・外食業者との間で、決済・受発注・物流・販売促進等多くの機能を市場環境の変化に応じて拡充しております。当社はフルカテゴリーの商品と全国をカバーする3温度帯(注6)の物流網を活用しながら、これらの機能をワンストップで提供しており、公開買付者にとって、当社は食のサプライチェーン全体を支える必要不可欠なインフラであると認識しているとのことです。
(注6)「3温度帯」とは、常温、冷蔵、冷凍の3つの温度帯区分を指します。
本取引後、食品卸事業においては、公開買付者グループが有するIT・デジタル知見等の提供により安定的にオペレーションを遂行できる体制の維持・強化を図る他、包材や食品原料供給等の機能を持つ公開買付者グループ企業(以下「食関連企業」といいます。)との協業により当社の取引先に対する提供機能の拡充を図ることで、岩盤収益の更なる強靭化を実現できると考えているとのことです。具体的には、以下のような取組を想定しているとのことです。
(a) 効率化・情報セキュリティ強化のためのIT・デジタル知見の活用
公開買付者グループが有する最新の技術動向に基づく知見やソリューションと、当社が有する小売・外食業者、メーカーとの取引関連データを掛け合わせることで、配車・倉庫運用最適化等のサプライチェーン効率化に寄与できるものと考えているとのことです。また、取り扱うデータの多様化や連携範囲の拡大によって高まる情報セキュリティの要求に対しても、公開買付者グループが幅広い事業経営経験で培ってきたセキュリティ・デジタルに関する知見やそれらを有する人材を活用することで、当社をサポートすることが可能と考えているとのことです。
(b) 食関連企業との協業
公開買付者グループの食関連企業との協業を推進することで、当社が小売・外食業者とメーカーに対して提供している機能を更に拡充し、当社の事業領域拡大を図ることができると考えているとのことです。また、各企業が有する食関連領域におけるリソース・ネットワーク・ノウハウ等の経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用することで、公開買付者グループ全体の収益拡大に繋げることができると考えているとのことです。
(イ)成長事業の拡大
(a) 物流事業
当社は、小売・外食事業者、メーカー向けの提供機能として、検品・仕分け等の庫内作業や配送等の物流オペレーションに加え、専用物流センターの運営や配送ルートの最適化を企画・実行しております。また、2024年11月には完全子会社として株式会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズを設立し、物流機能を当社の成長をけん引する事業として位置付けております。
公開買付者として、当社は食品流通分野において差別化要因となりうる高度な3PL(注7)機能を有しているものと考えているとのことです。
一方で当社が物流事業を成長させていく上で掲げている「食品卸の枠を超えた消費財デマンドチェーン(注8)」の創出を実現するためには、三菱商事ロジスティクス株式会社をはじめとする公開買付者グループが有する物流知見(フォワーディング機能(注9)など)や、公開買付者が幅広い業界で有するベースカーゴ(注10)を活用し、当社と公開買付者が一丸となって成長を推進していくことが肝要であると考えているとのことです。
また、公開買付者が海外において長年培ってきた事業知見及び海外大手パートナーとのネットワークと、当社が有する高度な3PL機能を掛け合わせ、冷凍・冷蔵食品市場の伸長により拡大が見込まれる海外物流事業への参入等を検討することも可能であると考えているとのことです。
また、公開買付者のS.L.C.グループでは、日本・アジア・米国において、社内外パートナーとの連携・協業を通じたアセットファイナンス事業に取り組む等、金融サービス事業や周辺領域に深い事業知見を有していると考えているとのことです。これらの知見を活用し、当社が保有している倉庫等の物件について金融資産として有効活用する方法を検討することが可能になるものと考えているとのことです。
(注7)「3PL(Third Party Logistics)」とは、物流業務を専門的な物流のノウハウを持つ第三者に委託する物流形態をいうとのことです。
(注8)「消費財デマンドチェーン」とは、消費者の需要に基づいて供給者の流通・販売体制、生産計画、調達計画などを統合的に管理する仕組みや考え方をいいます。
(注9)「フォワーディング機能」とは、国際輸送における物流全般について一気通貫でサービスを提供する機能をいうとのことです。
(注10)「ベースカーゴ」とは、定常的な取引にて輸送される主要な貨物のことです。
(b) 海外事業
当社は2025年3月期に英国Japan Food Express Ltd.への出資や、株式会社イートアンドホールディングスとの米国における合弁会社設立等、当社中期計画で掲げたとおり、成長市場における日本食文化の需要の高まりに対応すべく、海外における事業拡大・強化を目指しております。
しかしながら、地政学等の不透明なマクロ環境、業界を超えて大きく変化する事業環境において、当社が進める海外事業を更に規模感のある収益基盤とするためには、M&Aを含めた非連続的な事業拡大と、海外事業に特化したガバナンス体制構築(経営管理、リスクマネジメント、現地法対応等)を両輪で推進していく必要があると考えているとのことです。本取引実行後、公開買付者が有する豊富な海外ネットワークや既存事業基盤と、当社が食品卸事業を通じて得た食に関わる知見等の強みを掛け合わせることで、当社の海外事業における非連続的な成長の実現が可能となるものと考えているとのことです。また、公開買付者が長年培ってきた海外投資先のガバナンス構築手法や各国の商慣習・法規制に精通した人材を活用することで、当社の持続可能な海外事業推進を支援していくとのことです。
(c) デジタルマーケティング事業
公開買付者はこれまで長年にわたり、S.L.C.グループや食品産業グループにおいてコンビニエンスストア・スーパー等の小売業者やメーカーとの関係を構築してきたほか、約1,000万超の生活者接点(注11)を有しているとのことです。当社のデジタルマーケティング事業においては、当該事業の構想・立ち上げのみならず、上記ネットワークの活用による小売購買データの連携先拡大やメーカーに対する営業活動の側面支援、更には事業パートナーの招聘や広告商材の拡充支援を実施してきたとのことです。
(注11)「生活者接点」とは、公開買付者のS.L.C.グループに属する企業が展開する小売店舗への、1日の平均来店者人数を指します。
今後、事業の更なる成長を実現していくためには、①購買データ連携先の更なる拡大、②販路拡大に向けたパートナー戦略の立案・推進、③新規広告商材の開発の3点に注力していく必要があると認識しているとのことです。公開買付者としては、本取引後これら①~③の実現に資する構想力・実行力を持つ人材を派遣するとともに、公開買付者の各産業における幅広い接地面を活用した事業パートナーの更なる招聘等を通じ、当社の当該事業における非連続的な成長を後押しすることができると考えているとのことです。加えて、公開買付者が有する海外現地小売・メーカー等とのネットワークや既存事業基盤を活かし、デジタルマーケティング事業の海外展開についても検討していきたいと考えているとのことです。
(ウ)人材育成・人材交流の促進
公開買付者はこれまでも当社の情報システム・物流・マーケティング・海外・ブランド開発等の領域へ出向者を派遣しておりますが、本取引後は両社協議の上、当社の人的資源拡充に資する人材を更に重点的に派遣し、当社とともに成長事業の確固たる収益基盤確立に貢献していく予定とのことです。また、当社と公開買付者グループ間の更なる人材交流促進により、従業員に向けて本取引前では実現しえなかった新たな知見・経験獲得の機会を創出する等、当社の人材育成を支援することができると考えているとのことです。具体的には、公開買付者グループが有する拠点での海外経験や、コーポレート部署での事業経営・連結経営ノウハウ習得等の機会を更に提供できると想定しているとのことです。
上記の取組を通じ、両社人材間の知識・経験の相互共有を促進することで、円滑な人材循環を図っていくとのことです。
なお、本取引が成立した場合、当社株式の上場が廃止されることとなりますが、上場廃止に伴うデメリットとして、一般的には、資本市場から資金調達を行うことができなくなることや、取引先を含む外部からの社会的信用の獲得、知名度の維持といった上場会社であることによるメリットを享受できなくなることが挙げられます。しかしながら、資金調達において、公開買付者グループは多様な資金調達手法を通じた調達コスト・リスクの低減に努めていることに加え、グループファイナンスを利用した、公開買付者から子会社宛ての貸付も可能であることから資金調達に関する影響はないと考えているとのことです。また、既に当社は取引先と十分な信頼関係を構築しており、上場廃止を理由に既存の取引関係が剥落する可能性は極めて限定的と考えられ、当社においてこれまでの事業運営により積み重ねられてきた社会的信用や知名度は、上場廃止により失われるものではなく、むしろ当社が公開買付者の完全子会社となることで国内・海外ともに維持・向上し、更なる企業価値の向上が期待されると考えているとのことです。
上記の背景、目的、企業価値向上策により期待するシナジー効果を念頭に、公開買付者は2024年9月頃より、公開買付者及び当社グループのより一層の企業価値向上を実現するために、当社株式を非公開化し、完全子会社化することによって、当社と公開買付者の利害をこれまで以上に高い水準で一致させ、経営資源を迅速かつ柔軟に相互活用できる体制を整えることが最善であるとの見立てに基づき、当社株式の非公開化に関する初期的な検討を開始したとのことです。
2024年10月下旬、公開買付者は、公開買付者及び当社から独立した公開買付者の財務アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、法務アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任し、当社株式の非公開化に係る協議・交渉を行う体制を構築したとのことです。そして、2025年2月3日には、公開買付者から当社に対し、本取引の背景及び目的、想定される企業価値向上策、本取引の想定ストラクチャーとして、現金を対価とした公開買付けを実施した後、当社の少数株主へのスクイーズアウト手続等を経て当社を完全子会社化することを想定している旨を記載した、法的拘束力のない初期的提案書(以下「意向表明書」といいます。)を提出したとのことです。
2025年2月25日には、公開買付者は当社より、意向表明書に関し、同日の当社取締役会決議により特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。)を設置した旨、及び財務アドバイザー・第三者評価機関、法務アドバイザーの選任を含む当社の社内体制の整備を実施した旨が記載された連絡を、書面により受領したとのことです。その後、同年3月上旬から同年4月中旬まで、公開買付者は本取引の実現可能性の精査を目的として当社に対するデュー・ディリジェンスを実施するとともに、並行して、当社の事業、財務及び将来計画に関する多面的かつ総合的な分析を基に、当社及び本特別委員会との間で、本取引の意義・目的や、本取引によって創出が見込まれるシナジー効果、本取引後の経営体制・事業方針、業界の見通しについて複数回にわたり協議を実施したとのことです。具体的には、公開買付者は同年3月5日に、当社及び本特別委員会より意向表明書を踏まえ、本取引を実施する目的・理由、本取引後の経営方針・ガバナンス等に関して書面による質問を受領し、同月11日に当該質問事項について書面による回答を行うとともに、同月12日開催の本特別委員会において、当該質問事項に対する回答及び質疑応答、協議を行ったとのことです。更に公開買付者は、当社及び本特別委員会より、同月14日に、本取引を実施する目的・理由や本取引の手続・条件等に関する追加の質問を書面により受領し、また同月18日には、主に事業上のシナジー効果や、本取引後のガバナンス体制・人材登用等に関する追加の質問を書面により受領したため、当該質問事項について、それぞれ同月20日、24日に書面による回答を行うとともに、同月25日開催の本特別委員会において、当該質問事項に対する回答及び質疑応答、協議を行ったとのことです。
また、公開買付者は、2025年4月2日以降、当社及び本特別委員会との間で、本公開買付価格に関して複数回にわたる交渉を重ねてきたとのことです。具体的には、公開買付者は、公開買付者が当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、公開買付者の第三者算定機関である野村證券により実施された当社株式に関する株式価値分析、当社の市場株価の推移、本公開買付けへの応募見込み、公開買付者が実施した当社株式に関する株式価値分析等の結果を総合的に勘案し、2025年4月2日、本公開買付価格を5,200円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,010円に対して3.79%のプレミアム(小数点以下第三位を四捨五入。プレミアムの数値(%)について以下同じとします。)、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,006円(小数点以下を四捨五入。終値単純平均値の計算において以下同じとします。)に対して3.88%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,888円に対して6.38%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,920円に対して5.69%のプレミアム)とすることを含んだ本取引に関する提案(以下「第1回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月3日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第1回提案における本公開買付価格は、当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月10日、公開買付者は、本公開買付価格を5,400円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値4,735円に対して14.04%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,958円に対して8.91%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,880円に対して10.66%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,898円に対して10.25%のプレミアム)とする再提案(以下「第2回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月11日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第2回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月14日、公開買付者は、本公開買付価格を5,600円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値4,900円に対して14.29%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,954円に対して13.04%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,884円に対して14.66%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,894円に対して14.43%のプレミアム)とする再提案(以下「第3回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月15日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第3回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月18日、公開買付者は、本公開買付価格を5,800円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,110円に対して13.50%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,967円に対して16.77%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,903円に対して18.29%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,893円に対して18.54%のプレミアム)とする再提案(以下「第4回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月20日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第4回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月22日、公開買付者は、本公開買付価格を5,900円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,210円に対して13.24%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値4,977円に対して18.55%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,916円に対して20.02%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,896円に対して20.51%のプレミアム)とする再提案(以下「第5回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月24日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第5回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月25日、公開買付者は、本公開買付価格を6,020円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,250円に対して14.67%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,009円に対して20.18%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,936円に対して21.96%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,906円に対して22.71%のプレミアム)とする再提案(以下「第6回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月26日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第6回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月28日、公開買付者は、本公開買付価格を6,150円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,190円に対して18.50%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,015円に対して22.63%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,940円に対して24.49%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,909円に対して25.28%のプレミアム)とする再提案(以下「第7回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第7回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同年5月1日、公開買付者は、本公開買付価格を6,200円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,340円に対して16.10%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,034円に対して23.16%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,953円に対して25.18%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,917円に対して26.09%のプレミアム)とする再提案(以下「第8回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月2日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第8回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月4日、公開買付者は、本公開買付価格を6,240円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,350円に対して16.64%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,075円に対して22.96%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,965円に対して25.68%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,925円に対して26.70%のプレミアム)とする再提案(以下「第9回提案」といいます。)を行ったとのことです。これに対し、同月5日、公開買付者は当社及び本特別委員会より、第9回提案における本公開買付価格は、引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、本公開買付価格の再検討を要請されたとのことです。
これを受けて、同月6日、公開買付者は、本公開買付価格を6,250円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,350円に対して16.82%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,075円に対して23.15%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,965円に対して25.88%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,925円に対して26.90%のプレミアム)とする再提案(以下「第10回提案」といいます。)を行ったとのことです。その上で、公開買付者は、当社及び本特別委員会に要請し、同月7日、当社及び本特別委員会との間で対面による協議を行ったとのことです。当該協議において公開買付者は、当社及び本特別委員会より、本公開買付価格の更なる引上げを要請され、公開買付者は、本公開買付価格を6,270円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,350円に対して17.20%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,075円に対して23.55%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,965円に対して26.28%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,925円に対して27.31%のプレミアム)とする再提案(以下「第11回提案」といいます。)を行ったとのことですが、当社及び本特別委員会より、依然として応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、更なる引上げを要請されたとのことです。
これに対して、公開買付者は、本公開買付価格を6,340円(同日の前営業日時点の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の株価終値5,350円に対して18.50%のプレミアム、同日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値5,075円に対して24.93%、同日までの過去3ヶ月間の終値単純平均値4,965円に対して27.69%、同日までの過去6ヶ月間の終値単純平均値4,925円に対して28.73%のプレミアム)とする再提案(以下「第12回提案」といいます。)を行い、本特別委員会による検討の結果、本特別委員会より公開買付者に対して、本公開買付価格を6,340円とすることを応諾する旨の回答がなされ、合意に至ったとのことです。
これらの協議・交渉を重ねた上で、当社が2025年9月30日を基準日とする剰余金の配当及び2026年3月31日を基準日とする剰余金の配当を行わないことを前提として、公開買付者は、2025年5月8日、本取引の一環として、本公開買付価格を6,340円として本公開買付けを実施することを決定したとのことです。
③ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者は、上記「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の取組を実施してシナジー効果を着実に実現させ、公開買付者及び当社の企業価値向上に努めていくとのことです。公開買付者は、卸事業においては当業界の深い知見を有する当社の人材が引き続き活躍することを前提として、公開買付者グループの食関連企業との協業推進や、小売・外食事業者、メーカー向け提供機能の拡充、DX推進による業務効率化等の支援をしていくことを考えており、物流・海外・デジタルマーケティング等の成長事業においては、公開買付者の事業構想・M&A人材等のリソースやグローバルネットワークを今まで以上に当社が活用することで、事業の非連続成長・収益基盤確立に資することができると考えているとのことです。
公開買付者は、本公開買付け成立後の当社の経営方針については、当社の経営の自主性を維持・尊重することを基本としつつ、その詳細については、本公開買付け成立後、当社と協議の上で決定していくとのことです。なお、本取引後の当社の役員体制につきましては、本書提出日現在において未定でありますが、かかる方針に基づき、今後当社と協議の上、上記諸施策の実行や経営基盤の更なる強化、業務の適正性の維持・向上に向けた最適な体制の構築を検討していくとのことです。
また、本公開買付け成立後の当社の従業員に関しては、原則として、引き続き雇用を継続し、現状の雇用条件を従業員に不利益に変更しないこととしているとのことです。公開買付者は、当社の人事体制、人材育成計画、登用計画、採用方針を現時点で大きく変更することは想定しておらず、業界の深い知見を有する当社人材が中心となって活躍しつつ、当社において必要に応じて公開買付者の人材を活用することを検討しているとのことです。また、当社の従業員のモチベーションの維持・向上を図るべく、今後当社と協議の上、当社の従業員の更なる活躍につながる人事制度を検討していく予定とのことです。なお、本公開買付け成立後、現時点では当社の社名を変更することは想定していないとのことです。
④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
(ⅰ)検討体制の構築の経緯
当社は、公開買付者から2025年2月3日、当社の中長期的・持続的成長と企業価値及び株主価値の最大化を図るための重要な施策の一環として、同年5月上旬に本公開買付けを開始することを想定した本取引の意向表明書を受領いたしました。これに対して、当社は、本取引の検討並びに公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、公開買付者が当社の支配株主(親会社)であり、本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存在する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、直ちに、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始いたしました。
具体的には、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、2025年2月上旬から、特別委員会の設置に向けた準備を進めた上で、同月25日の取締役会決議により、当社のグループ取引管理委員会の委員である、吉川雅博氏(当社独立社外取締役)、柿﨑環氏(当社独立社外取締役、明治大学法学部教授、京浜急行電鉄株式会社社外取締役、株式会社秋田銀行社外取締役、日本空港ビルデング株式会社社外取締役(監査等委員))、國政貴美子氏(当社独立社外取締役、アルフレッサ ホールディングス株式会社社外取締役)、川﨑博子氏(当社独立社外取締役、厚生労働省労働政策審議会委員、ENEOSホールディングス株式会社社外取締役(取締役会議長)、THK株式会社社外取締役)及び小島吉晴氏(当社独立社外監査役、池田・染谷法律事務所弁護士)の5名から構成される本特別委員会を設置いたしました。本特別委員会の構成、付与された権限並びに検討の経緯及び判断内容等については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」をご参照ください。
また、当社は、2025年2月25日の取締役会決議により、公開買付者及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関としてSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、法務アドバイザーとして島田法律事務所をそれぞれ選任いたしました。下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、本特別委員会は、当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関であるSMBC日興証券並びに当社の法務アドバイザーである島田法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。
更に、当社は、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑥ 当社における独立した社内体制の整備」に記載のとおり、2025年2月25日の取締役会決議により、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を社内に整備し、かかる社内体制に独立性・公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けております。
(ⅱ)検討・交渉の経緯
上記「(ⅰ)検討体制の構築の経緯」のとおり検討体制を構築した上で、当社は、SMBC日興証券から当社株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を受けるとともに、島田法律事務所から本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言を受け、これらを踏まえ、本特別委員会の意見の内容を最大限尊重しながら、本取引の是非及び取引条件の妥当性について慎重に協議及び検討を行ってまいりました。
また、当社は、2025年2月25日の取締役会の決議により本特別委員会を設置して以降、公開買付者との間で、本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってまいりました。
具体的には、当社及び本特別委員会は2025年3月5日に公開買付者に対し本取引を実施する目的・理由、本取引によって見込まれるメリット・デメリット、本取引後の経営方針・ガバナンス、本取引のストラクチャー及び実施時期等の内容についての質問事項を書面により送付の上、本特別委員会の場における回答及び説明を要請いたしました。同月11日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受領し、同月12日開催の本特別委員会において、公開買付者から当該質問事項に対する回答及び説明を受けて、これに対する質疑応答、協議を行いました。その後、本特別委員会は公開買付者との協議を踏まえて、本取引の意義についての理解を深めるために同月13日、17日、21日に本取引について当社の立場での関与をしていない京谷裕氏(当社代表取締役社長)、榎本孝一氏(当社取締役)、田村幸士氏(当社取締役)及び細田博英氏(当社取締役)に対しインタビューを実施いたしました。更に、当社及び本特別委員会は、公開買付者との協議並びに京谷裕氏(当社代表取締役社長)、榎本孝一氏(当社取締役)、田村幸士氏(当社取締役)及び細田博英氏(当社取締役)に対するインタビューを踏まえて、同月14日に公開買付者に対し、本取引を実施する目的・理由や本取引の手続・条件等に関する追加の質問を書面により行い、また同月18日に公開買付者に対し、主に事業上のシナジー効果や、本取引後のガバナンス体制・人材登用等に関する追加の質問を書面により行ったところ、当該質問事項について、それぞれ同月20日、同月24日に書面による回答を受領し、同月25日開催の本特別委員会において、当該質問事項に対する回答を受けて、これに対する質疑応答、協議を行いました。
また、当社及び本特別委員会は、2025年4月2日以降、公開買付者との間で、本公開買付価格に関して複数回にわたる交渉を重ねてまいりました。具体的には、当社及び本特別委員会は2025年4月2日、公開買付者より、公開買付者が当社に対して実施したデュー・ディリジェンスにより得られた情報、公開買付者の第三者算定機関である野村證券により実施された当社株式に関する株式価値分析、当社の市場株価の推移、本公開買付けへの応募見込み、公開買付者が実施した当社株式に関する株式価値分析等の結果を総合的に勘案し、本公開買付価格を5,200円とする第1回提案を受領いたしました。これに対し、同月3日、当社及び本特別委員会は、公開買付者に対して、第1回提案における本公開買付価格は、当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないとして、本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月10日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を5,400円とする第2回提案を受領いたしましたが、同月11日、当社及び本特別委員会は、第2回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月14日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を5,600円とする第3回提案を受領いたしましたが、同月15日、当社及び本特別委員会は、第3回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月18日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を5,800円とする第4回提案を受領いたしましたが、同月20日、当社及び本特別委員会は、第4回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月22日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を5,900円とする第5回提案を受領いたしましたが、同月24日、当社及び本特別委員会は、第5回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月25日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を6,020円とする第6回提案を受領いたしましたが、同月26日、当社及び本特別委員会は、第6回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月28日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を6,150円とする第7回提案を受領いたしましたが、同日、当社及び本特別委員会は、第7回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同年5月1日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を6,200円とする第8回提案を受領いたしましたが、同月2日、当社及び本特別委員会は、第8回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月4日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を6,240円とする第9回提案を受領いたしましたが、同月5日、当社及び本特別委員会は、第9回提案における本公開買付価格は引き続き当社の本源的価値が十分に反映されたものではなく、当社の少数株主の利益に配慮したものとは到底いえないと考えており、当社及び本特別委員会としては応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して本公開買付価格の再検討を要請いたしました。
同月6日、当社及び本特別委員会は公開買付者より、本公開買付価格を6,250円とする第10回提案を受領いたしました。当社及び本特別委員会は、公開買付者からの要請を受け、同月7日、公開買付者との間で対面による協議を行いました。当該協議において、当社及び本特別委員会は公開買付者に対して、本公開買付価格の更なる引上げを要請し、公開買付者から本公開買付価格を6,270円とする第11回提案を受領いたしましたが、当社及び本特別委員会としては依然として応募推奨及び賛同意見表明いたしかねるとして、公開買付者に対して更なる引上げを要請いたしました。これに対して、公開買付者から本公開買付価格を6,340円とする第12回提案を受領し、本特別委員会は検討の結果、公開買付者に対して、本公開買付価格を6,340円とすることを応諾する旨の回答を行い合意に至りました。
(ⅲ)当社の取締役会決議の内容
以上の経緯の下で、当社は、2025年5月8日開催の当社取締役会において、島田法律事務所から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言並びに2025年5月7日付でSMBC日興証券から提出を受けた当社株式に係る株式価値算定書(以下「本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)」といいます。)の内容を踏まえつつ、2025年5月8日付で本特別委員会から提出を受けた答申書(以下「本答申書」といいます。)において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討を行いました。
当社としては、景気動向に左右されづらいと言われる食品を取り扱う業種でありながら、今後も流通業界で存在感を発揮し、食のビジネス通じて持続可能な社会を実現していくためには、公開買付者グループの経営資源を十分に活用し、スピード感をもって経営の進化・変革を行っていくことが重要であると考えております。
しかしながら、現状は公開買付者と当社がいずれも上場会社であり、両社の間に構造的な利益相反が存在することから、公開買付者から、今以上に当社の成長を支援することの妥当性を公開買付者の株主から指摘される可能性があるとの説明を受けております。加えて、当社としても、公開買付者と当社の少数株主との間で利益相反が生じる現在の資本関係の維持は、当社の少数株主の利益保護に向けた対応も容易でなくなる可能性もある中で、経営資源の相互活用を含む両社の取引関係を進めていく際に、意思決定や利害関係の調整に時間がかかるといった制約になりうると考えております。
これら当社を取り巻く事業環境を踏まえ、本取引を通じて当社を完全子会社化し、公開買付者と当社の少数株主との間の構造的な利益相反を解消、公開買付者による当社への更なる経営資源の投入を可能とすることは、当社中期計画で掲げる定量目標の早期達成、及び以下のようなシナジーの創出が期待できると考えております。
a.デジタル活用・協業による食品卸売事業の更なる収益拡大
当社は、基幹システム(MILAI)の刷新プロジェクトを開始し、食品卸売機能全般の強化を図るとともに、企業間の壁を越えたデータやアプリケーションの利活用を推進するエコシステムを構築し、①新たな価値創造を目指しております。当社が有する小売・外食事業者、メーカーとの取引から得られるデータに公開買付者グループの有する最新の技術知見を活用することで、サプライチェーンの一層の効率化や配送・倉庫運用最適化を実現できると考えております。また、データの多様化や連携範囲の拡張によって高まる情報セキュリティリスクに対しても、公開買付者グループの有するセキュリティ・デジタル知見を活用できると考えております。加えて、公開買付者グループのネットワークを活かした先端テクノロジー企業との戦略的パートナーシップを推進することで、当社の提供するマーケティング機能の高度化が実現でき、差別優位性に繋げることが可能と考えております。
加えて、公開買付者グループの食品メーカーや包装資材メーカー等、食関連企業との協業を通じて、小売業ストアPB(注1)の開発力・提案力拡大に繋がり、更には公開買付者の出資する小売業者と公開買付者グループ内企業同士ならではの取組として、商品提案や販促企画といったマーケティング分野での協業、配送時間・回数や拠点政策などの物流における効率化、更にはデータ連携によるバックオフィス業務の削減が可能であると考えております。
かかる取組により、小売業者との関係性が一段と強化され、シェアの拡大、及びそれに伴う食品卸売事業の更なる収益拡大が可能と考えております。
(注1)「小売業ストアPB」とは、小売業者が独自に企画・開発し、販売するプライベートブランド商品をいいます。
b.成長事業の着実な成果獲得や領域の拡大
イ.物流事業
当社は、2024年11月に株式会社ベスト・ロジスティクス・パートナーズを設立し、当社が長年培ってきた物流に関するオペレーションノウハウや現場管理力と近年導入に力を入れているデジタル技術を融合させ、更に食品以外の分野にも事業を展開することで、社会課題の解決に繋がる持続可能な「食品卸の枠を超えた消費財デマンドチェーン」の創出に挑戦し、当社の新たな事業の柱とすべく物流事業を推進しております。これに、公開買付者グループのネットワークを活かして、非食品企業との物流協業や上流物流の取り込みといった事業拡大がスピード感をもって実現可能と考えております。また、当社が有する高度な3PL機能や低温度帯管理技術と公開買付者グループのグローバルネットワークを活かし、冷凍・冷蔵食品の消費量増加に伴い市場が拡大している海外低温物流事業の展開が可能となると考えております。
ロ.機能開発事業(DDマーケティング、海外)
当社中期計画において、機能開発事業は重要な成長ドライバーとして捉えております。その1つであるDD(データ×デジタル)マーケティング事業において、公開買付者グループのネットワークを活かして、大手広告代理店やリテールメディア先進企業との協業の推進、販路の拡大が期待できるとともに、公開買付者より構想力・実行力のある人材の派遣を受けることにより、今後リテールテック企業のM&Aの推進も、スピード感をもって実現可能と考えております。
また、海外事業においては、当社は「日本の食文化を世界に輸出する」をコンセプトに米国・欧州・ASEAN地域を中心に、各国市場の特性や成長余力の観点から、製造・卸・小売・外食など事業領域を限定せず、食品サプライチェーン全般を対象として事業構築を推進しております。海外市場における地政学等の不透明なマクロ環境や、業界を超えて非連続的に変化する事業環境において、当社が有する食に関わる知見や専門人材等に加え、公開買付者グループが有する海外事業基盤やM&Aを含む海外での事業開発を通じて得た知見、グローバルネットワーク、海外事業投資先のガバナンス構築手法、各国の商慣習や法規制に精通した人材を活用することが、海外市場における円滑な需要獲得の推進に寄与すると考えております。
ハ.ブランド開発事業
公開買付者グループの食関連企業との連携を強化することにより、当社の展開する国内オリジナル商品の拡充や、公開買付者グループのグローバルネットワークをこれまで以上に活用し、海外輸入商品ブランドのラインアップを拡大し、これまで以上に利益率の高い商品の販売をしていくことが可能と考えております。
c.人的資本強化(人財育成)
当社中期計画における成長戦略の実行に際し、デジタルや海外ビジネスの知見、新規事業推進に対する法務・税務等の知見、更には事業経営・連結経営の知見をもつ人材の確保・育成は不可欠であると考えております。当社は、これまで公開買付者グループとの間で情報システム・物流・マーケティング・海外・ブランド開発等の領域において人材交流を行ってきましたが、当社及び公開買付者がいずれも上場会社であることから、当社の独立性の観点や少数株主の利益を考慮する必要性に照らして、限定的な範囲での運用となっております。本取引を通じて当社が公開買付者の完全子会社となることで、更なる人材交流が可能となり、当社社員の経験が不足している領域に公開買付者の人材の派遣を受けることや、当社社員が公開買付者グループの有する海外経験・事業経営・M&A・デジタル等の知見習得の機会を享受することで、当社従業員のスキルアップが図れ、成長戦略の実行に不可欠な専門人材の確保・育成が可能になることで、当社の総合力を向上させることができると考えております。
一方で、当社は、本取引を通じて非公開化されることにより、上場企業としてのブランド力低下に伴う取引先その他のステークホルダーに対する負の影響や従業員のモチベーション低下の可能性が懸念されるため、その対応について公開買付者に対し説明を求めたところ、公開買付者としては、既に当社は取引先と十分な信頼関係を構築しており、上場廃止を理由に既存の取引関係が剥落する可能性は極めて限定的と考えられ、当社においてこれまでの事業運営により積み重ねられてきた社会的信用や知名度は、上場廃止により失われるものではなく、むしろ当社が公開買付者の完全子会社となることで国内・海外ともに維持・向上し、更なる企業価値の向上が期待されると考えているとの説明を受けております。
また、当社は、本公開買付け後の経営方針として、公開買付者より、上記「③ 本公開買付け後の経営方針」に記載の内容の説明を受けております。
以上の内容を踏まえ、当社としては、公開買付者の説明に基づき本取引後に当社の事業運営が実施されることを前提とすれば、上場企業としてのブランド力低下に伴う取引先その他のステークホルダーに対する負の影響や従業員のモチベーション低下の可能性は限定的であり、本取引を通じて非公開化されることは、当社の取引先、従業員、その他のステークホルダーにおいて受け入れられると考えております。
本公開買付価格については、下記の理由により当社の一般株主が享受すべき利益が確保されたものであり、合理的な取引条件により当社株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
a.下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で真摯な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
b.下記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている、SMBC日興証券による当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限値を上回り、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果の範囲内にあること。
c.下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載されている、株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)による当社株式の株式価値算定結果のうち、市場株価法及び類似上場会社比較法による算定結果の上限値を上回り、DCF法による算定結果の範囲内にあること。また、下記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータスから、本公開買付価格である6,340円は、当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨のフェアネス・オピニオンを取得していること。
d.下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における独立した特別委員会の設置」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本公開買付価格は、本特別委員会から取得した本答申書においても、本公開買付価格を含む本取引の取引条件の妥当性は確保されていると判断されていること。
e.本公開買付価格である6,340円は、本公開買付けの実施についての公表日(2025年5月8日)の前営業日である2025年5月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値5,410円に対して17.19%、直近1ヶ月間の終値単純平均値5,139円に対して23.37%、直近3ヶ月間の終値単純平均値4,985円に対して27.18%、及び直近6ヶ月間の終値単純平均値4,932円に対して28.55%のプレミアムを加えた価格であること。
当該プレミアム水準は、経済産業省の「公正なM&Aの在り方に関する指針」が発表された2019年6月28日から2025年3月31日までに公表された親会社による国内の時価総額1,000億円以上かつPBRが1倍以上の上場子会社の完全子会社化を目的とした公開買付けの事例(以下「参照事例」といいます。)16件におけるプレミアム率の平均値は、公表前日終値では29.39%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値では32.41%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値では33.72%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値では33.60%であり、その中央値は、公表日前営業日の終値では28.10%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値では34.55%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値では35.73%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値では29.11%であることから、本公開買付けに付与されたプレミアムが参照事例に比して高いとは評価できないものの、他方で、参照事例のプレミアム率の分布を10%刻みで見ていくと、公表前1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム率20%台はそれぞれ最頻値(公表前1ヶ月間では5件、公表前3ヶ月間では5件、公表前6ヶ月間では6件)であり、公表前日終値に対するプレミアム率10%台の取引も存在している(2件)ことから、本公開買付けに付与されたプレミアムは、参照事例との比較において不合理な水準ではないこと。なお、本公開買付価格は2012年4月の4社統合による新体制発足以来の当社株式の株価の最高値(5,730円)を優に上回っていること。
以上より、当社は、本取引が当社の企業価値の向上に資するものであるともに本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2025年5月8日開催の当社取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
当該取締役会の意思決定過程の詳細については、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。
(3)算定に関する事項
① 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)第三者評価機関の名称並びに公開買付者及び当社との関係
当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関であるSMBC日興証券に対して、当社株式の価値の算定を依頼し、2025年5月7日付で本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得しております。なお、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置、利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置を実施していることから、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
SMBC日興証券は、公開買付者及び当社の関連当事者に該当せず、本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
また、SMBC日興証券は、公開買付者及び当社に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を行っている株式会社三井住友銀行と同じ株式会社三井住友フィナンシャルグループのグループ企業の一員ですが、弊害防止措置としてSMBC日興証券における当社株式の株式価値の算定を実施する部署とその他の部署及び株式会社三井住友銀行との間で社内の規定に定める情報遮断措置が講じられているとのことです。当社は、これに加えて、当社とSMBC日興証券とが一般取引先と同様の取引条件での取引を実施していること、SMBC日興証券の第三者評価機関としての実績等を踏まえて、SMBC日興証券を当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関として選任しております。なお、SMBC日興証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行も勘案すれば、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりSMBC日興証券を当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関として選任しております。また、本特別委員会において、SMBC日興証券の独立性に問題ないことが確認されております。
(ⅱ)算定の概要
SMBC日興証券は、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、2025年5月7日付でSMBC日興証券より本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得いたしました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :4,932円から5,139円
類似上場会社比較法 :5,500円から6,225円
DCF法 :5,571円から9,565円
市場株価法では、2025年5月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における直近1ヶ月間の終値単純平均株価5,139円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価4,985円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価4,932円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を4,932円~5,139円と算定しております。
類似上場会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として加藤産業株式会社及び伊藤忠食品株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算出を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を5,500円~6,225円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した事業計画(以下「本事業計画」といいます。)を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を5,571円~9,565円と分析しております。なお、割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、8.2%~10.0%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法と倍率法を採用し、永久成長率を▲0.25%~0.25%、倍率はEBITDA倍率を採用し、EBITDA倍率は2.8倍~3.5倍として算定しております。
また、SMBC日興証券がDCF法に用いた本事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれておりません。一方で、本事業計画期間においては複数企業への出資予定額が織り込まれており、2026年3月期及び2028年3月期に比べて、2027年3月期における出資予定額は減少する見込みです。それに伴い、2027年3月期のフリー・キャッシュ・フローについては、2026年3月期比約142%、2028年3月期比約167%の増加を見込んでおります。
SMBC日興証券がDCF法による分析に用いた本事業計画においては、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。
なお、DCF法で前提とした本事業計画の数値は以下のとおりです。本事業計画における業績予測(以下「本財務予測(当社)」といいます。)は、当社中期計画が策定から期間が経過していることから当社を取り巻く環境を考慮して一定の調整を行っているため、当社中期計画と異なる数値となっておりますが、この点も含め、当社の事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について、本特別委員会の確認を経て承認を受けております。
(単位:百万円)
|
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2026年3月期 |
2027年3月期 |
2028年3月期 |
|
売上高 |
2,150,224 |
2,200,897 |
2,254,585 |
|
営業利益 |
32,394 |
33,721 |
35,684 |
|
EBITDA |
46,154 |
48,497 |
50,820 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
17,369 |
24,672 |
14,749 |
(注)SMBC日興証券は、本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報が全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につき当社において一切認識されていないことを前提としております。また、当社及びその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。更に、当社及びその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)で使用している本事業計画等は、算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、当社により合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券が当社の依頼により、当社取締役会が本公開買付価格を検討するための参考に資することを唯一の目的として当社に提出したものであり、当該算定結果は、SMBC日興証券が本公開買付価格の公正性について意見を表明するものではありません。
② 特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
(ⅰ)第三者評価機関の名称並びに公開買付者及び当社との関係
本特別委員会は、公開買付者及び当社から独立した独自の財務アドバイザー及び第三者評価機関としてプルータスを選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言、並びに本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)の表明を依頼し、2025年5月7日付で当社株式に係る株式価値算定書(以下「本当社側株式価値算定書(プルータス)」といいます。)及びフェアネス・オピニオン(以下「本当社側フェアネス・オピニオン」といいます。)を取得いたしました。
なお、当社取締役会は、本特別委員会から本答申書の提出を受けた際、あわせて本当社側株式価値算定書(プルータス)及び本当社側フェアネス・オピニオンの提出を受けており、これらの内容も踏まえて、下記「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」に記載の決議を2025年5月8日実施しております。
プルータスは、公開買付者及び当社の関連当事者に該当せず、本取引に関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。本特別委員会は、複数の財務アドバイザー及び第三者評価機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、プルータスを独自の財務アドバイザー及び第三者評価機関として選任しております。なお、本取引に係るプルータスの報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
(ⅱ)算定の概要
プルータスは、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の算定を行い、当社は、2025年5月7日付でプルータスより本当社側株式価値算定書(プルータス)を取得いたしました。
上記各手法に基づいて算定された当社株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法 :4,932円から5,410円
類似上場会社比較法 :4,857円から6,132円
DCF法 :6,063円から8,719円
市場株価法では、2025年5月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における基準日の終値5,410円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価5,139円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価4,985円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価4,932円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を4,932円~5,410円と算定しております。
類似上場会社比較法では、当社と類似性があると判断される類似上場会社として加藤産業株式会社及び伊藤忠食品株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBIT及びEBITDAの倍率を用いて算出を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,857円~6,132円と算定しております。
DCF法では、当社が作成した事業計画を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を6,063円~8,719円と算定しております。なお、割引率は加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)とし、8.3%~9.4%を採用しております。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法と倍率法を採用し、永久成長率を0%、倍率はEBIT倍率及びEBITDA倍率を採用し、EBIT倍率は5.1倍~6.4倍、EBITDA倍率は4.1倍~4.8倍として算定しております。
プルータスがDCF法の算定の前提とした本事業計画に基づく財務予測は以下のとおりです。なお、プルータスがDCF法に用いた本事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれておりません。一方で、本事業計画期間においては複数企業への出資予定額が織り込まれており、2026年3月期及び2028年3月期に比べて、2027年3月期における出資予定額は減少する見込みです。それに伴い、2027年3月期のフリー・キャッシュ・フローについては、2026年3月期及び2028年3月期に比べて増加する見込みとなっております。
なお、プルータスがDCF法による算定に用いた本事業計画においては、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、上記算定には加味しておりません。
(百万円)
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2026年3月期 |
2027年3月期 |
2028年3月期 |
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売上高 |
2,150,224 |
2,200,897 |
2,254,585 |
|
営業利益 |
32,394 |
33,721 |
35,684 |
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EBITDA |
47,661 |
50,166 |
52,649 |
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フリー・キャッシュ・フロー |
17,020 |
24,038 |
14,484 |
(ⅲ)本当社側フェアネス・オピニオンの概要
本特別委員会は、2025年5月7日付で、プルータスから、本公開買付価格である1株当たり6,340円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の本当社側フェアネス・オピニオンを取得しております。本当社側フェアネス・オピニオンは、本事業計画に基づく株式価値算定の結果等に照らして、本公開買付価格である1株当たり6,340円が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正であることを意見表明するものです。なお、本当社側フェアネス・オピニオンは、プルータスが、当社から、当社の事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社の株式価値算定の結果に加えて、本公開買付けの概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されております。
(注)プルータスは、本当社側フェアネス・オピニオンを作成するにあたって当社から提供を受けた基礎資料及び一般に公開されている資料、並びに当社から聴取した情報が正確かつ完全であることを前提としております。プルータスはその正確性、完全性について、独自の調査、検証を実施しておらず、その義務を負うものではありません。したがって、プルータスはこれらの資料の不備や重要事実の不開示に起因する責任を負いません。
プルータスは、本当社側フェアネス・オピニオンの基礎資料として用いた事業計画その他の資料は、当該資料の作成時点における最善の予測と判断に基づき合理的に作成されていることを前提としております。なお、上記の事業計画は、公開買付者から独立した当社関係者による主導の下で作成されており、作成過程において公開買付者が関与した事実はございません。本特別委員会は、当社が本取引のために当該事業計画を作成するにあたり、事業計画案の内容及び重要な前提条件等について説明を受けると共に、最終的な当該事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認しております。プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明するものではありません。
プルータスは、法律、会計又は税務の専門機関ではありません。したがってプルータスは本公開買付けに関する法律、会計又は税務上の問題に関して何らかの見解を述べるものでもなければ、その義務を負うものでもありません。
プルータスは、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、当社及びその関係会社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)に関して独自の評価又は鑑定を行っておらず、これらに関していかなる評価書や鑑定書の提出も受けておりません。したがって、プルータスは当社及びその関係会社の支払能力についての評価も行っておりません。
本当社側フェアネス・オピニオンは、当社が本公開買付けに関する意見を表明するに際しての検討に供する目的で、本公開買付価格の公正性に関する意見を財務的見地から表明したものです。したがって、本当社側フェアネス・オピニオンは、本公開買付けの代替的な選択肢となり得る取引との優劣、本公開買付けの実施によりもたらされる便益、及び本公開買付け実行の是非について、何らの意見を述べるものではありません。
本当社側フェアネス・オピニオンは、当社の発行する有価証券の保有者、債権者、その他の関係者に対し、いかなる意見も述べるものではありません。したがって、プルータスは本当社側フェアネス・オピニオンに依拠した株主及び第三者の皆様に対して何らの責任も負いません。
プルータスは、当社への投資等を勧誘するものではなく、その権限も有しておりません。したがって、本当社側フェアネス・オピニオンは株主の皆様に対して本公開買付けに関する応募その他のいかなる行動も推奨するものではありません。
本当社側フェアネス・オピニオンは、本公開買付価格が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正か否かについて、本当社側フェアネス・オピニオンの提出日現在の金融及び資本市場、経済状況並びにその他の情勢を前提に、また、同日までにプルータスに供され又はプルータスが入手した情報に基づいて、同日時点における意見を述べたものです。今後の状況の変化によりこれらの前提が変化しても、プルータスはその意見を修正、変更又は補足する義務を負いません。
本当社側フェアネス・オピニオンは、本当社側フェアネス・オピニオンに明示的に記載された事項以外、又は本当社側フェアネス・オピニオンの提出日以降に関して、何らの意見を推論させ、示唆するものではありません。
③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び当社から独立した第三者算定機関として、公開買付者の財務アドバイザーである野村證券に対して、当社の株式価値の算定を依頼したとのことです。
野村證券は、当社の財務状況、当社株式の市場株価の動向等について検討を行った上で、多面的に評価することが適切であると考え、複数の株式価値算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、市場株価が存在することから市場株価平均法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の株式価値の算定を行い、公開買付者は、野村證券から2025年5月8日付で株式価値算定書(以下「本買付者側株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、野村證券は公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載の諸要素を総合的に考慮し、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えていることから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
野村證券により上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりとのことです。
市場株価平均法 :4,932円から5,410円
類似会社比較法 :4,721円から7,539円
DCF法 :4,232円から9,318円
市場株価平均法では、2025年5月7日を基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の基準日終値5,410円、直近5営業日の終値単純平均値5,348円、直近1ヶ月の終値単純平均値5,139円、直近3ヶ月の終値単純平均値4,985円、直近6ヶ月の終値単純平均値4,932円を基に、当社株式1株当たり株式価値の範囲を4,932円から5,410円までと算定しているとのことです。
類似会社比較法では、当社と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性等を示す財務指標との比較を通じて当社の株式価値を算定し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を4,721円から7,539円までと算定しているとのことです。
DCF法では、当社より受領(当社から受領した事業計画にフリー・キャッシュ・フローは含まれておりません。)し、公開買付者による確認の上、野村證券に提供された2025年3月期から2028年3月期までの4期分の財務予測における収益や投資計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮した2025年3月期第4四半期以降の当社の将来の収益予想に基づき、当社が将来生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析評価し、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を4,232円から9,318円までと算定しているとのことです。なお、DCF法の前提とした当社の財務予測について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれておりませんが、フリー・キャッシュ・フローの大幅な増減を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2025年3月期においては、運転資本の増加によりフリー・キャッシュ・フローの大幅な減少を見込んでおり、2026年3月期においては、運転資本の増加が小さくなることからフリー・キャッシュ・フローの大幅な増加を見込んでいるとのことです。また、当該財務予測は、本取引の実行を前提としたものではなく、本取引の実行により実現することが期待されるシナジーについては、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、当該財務予測には加味されていないとのことです。
公開買付者は、野村證券から取得した本買付者側株式価値算定書における当社の株式価値の算定結果に加え、2025年3月上旬から同年4月中旬まで実施した当社に対するデュー・ディリジェンスの結果、当社の取締役会による本公開買付けへの賛同の可否及び本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、当社との協議・交渉の結果等を踏まえ、最終的に2025年5月8日、本公開買付価格を6,340円とすることを決定したとのことです。
なお、本公開買付価格である6,340円は、本公開買付けの実施についての公表日(2025年5月8日)の前営業日である2025年5月7日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値5,410円に対して17.19%のプレミアムを加えた価格、直近1ヶ月間の終値単純平均値5,139円に対して23.37%のプレミアムを加えた価格、直近3ヶ月間の終値単純平均値4,985円に対して27.18%のプレミアムを加えた価格、直近6ヶ月間の終値単純平均値4,932円に対して28.55%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
また、本公開買付価格である6,340円は、本書提出日の前営業日である2025年5月8日の東京証券取引所スタンダード市場における当社株式の終値6,220円に対して1.93%のプレミアムを加えた価格となるとのことです。
(注)野村證券は、当社の株式価値の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。当社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。当社の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については公開買付者の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2025年5月7日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものであるとのことです。なお、野村證券の算定は、公開買付者の取締役会が当社の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。
(4)上場廃止となる見込み及びその事由
当社株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付け等を行う株券等の数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従って、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、下記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続を実施することが予定されておりますので、かかる手続が実行された場合には、東京証券取引所の定める上場廃止基準に従い、当社株式は、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、当社株式を東京証券取引所において取引することができなくなります。
(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、本公開買付けにより当社株式のすべて(ただし、公開買付者が所有する当社株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の本スクイーズアウト手続を実施することを予定しているとのことです。
① 株式売渡請求
本公開買付けの成立により、公開買付者が、当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至り、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、公開買付者は、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、当社の株主(公開買付者及び当社を除きます。)の全員(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社株式のすべてを売り渡すことを請求(以下「本株式売渡請求」といいます。)する予定とのことです。本株式売渡請求においては、当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を本売渡株主に対して交付することを定める予定とのことです。この場合、公開買付者は、その旨を当社に通知し、当社に対して本株式売渡請求の承認を求めるとのことです。当社がその取締役会の決議により本株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、本売渡株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、本株式売渡請求において定めた取得日をもって、本売渡株主が所有する当社株式のすべてを取得するとのことです。公開買付者は、本売渡株主に対し、本売渡株主の所有していた当社株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定とのことです。
なお、当社は、公開買付者より本株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、当社取締役会において公開買付者による本株式売渡請求を承認する予定です。上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の手続として、本株式売渡請求がなされた場合には、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、本売渡株主は、裁判所に対して、その所有する当社株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。なお、かかる申立てがなされた場合の当社株式の売買価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
② 株式併合
本公開買付けの成立後、公開買付者が、当社の総株主の議決権の90%以上を所有するに至らなかった場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第180条に基づき、当社株式の併合を行うこと(以下「本株式併合」といいます。)及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を2025年8月頃を目途に開催することを当社に要請する予定とのことです。なお、当社は、公開買付者からこれらの要請を受けた場合には、これらの要請に応じる予定です。また、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定とのことです。
本臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、本株式併合がその効力を生ずる日において、当社の株主の皆様は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の当社株式を所有することとなるとのことです。本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた当社の株主の皆様に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する当社株式を当社又は公開買付者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになるとのことです。公開買付者は、当該端数の合計数に相当する当社株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを、当社に要請する予定とのことです。当社は、公開買付者からこの要請を受けた場合には、この要請に応じる予定です。
なお、本株式併合の割合は、本書提出日現在において未定とのことですが、公開買付者は、当社に対して、公開買付者のみが当社株式のすべて(当社が所有する自己株式を除きます。)を所有することを企図し、本公開買付けに応募しなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)の所有する当社株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう要請する予定とのことです。当社は本公開買付けが成立した場合には、公開買付者によるこれらの要請に応じる予定です。
また、本株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした規定として、本株式併合がなされた場合であって、本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)は、当社に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるもののすべてを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して当社株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が会社法上定められております。当該申立てがなされた場合の当社株式の買取価格は、最終的には裁判所が判断することになります。
上記①及び②の各手続については、関係法令の改正、施行及び当局の解釈等の状況によっては、実施の方法及び時期に変更が生じる可能性があります。ただし、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募されなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定とのことであり、その場合に当該各株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該各株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定とのことです。この場合における具体的な手続及びその実施時期等については、当社と協議の上、決定次第、当社が速やかに公表する予定とのことです。以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、公開買付者と協議の上、決定次第、当社において速やかに公表いたします。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における当社の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ないとのことです。また、本公開買付けへの応募又は上記の手続における税務上の取扱いについては、当社の株主の皆様において自らの責任にて税理士等の専門家にご確認いただきますようお願いいたします。
(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び当社は、公開買付者が当社株式の所有割合が50.11%に達する当社の支配株主(親会社)であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、本取引が構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正さを担保するため、以下の措置を講じております。
なお、公開買付者は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「①本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、当社株式21,816,659株(所有割合:50.11%)を所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(majority of minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(majority of minority)の買付予定数の下限は設定していないとのことです。もっとも、公開買付者及び当社において、本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を講じていることから、公開買付者及び当社としては、当社の一般株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えております。また、本特別委員会は、本答申書において、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件は設定されていないものの、他の充実した公正性担保措置が取られ、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると評価しております。
また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。
①当社における独立した特別委員会の設置
(ⅰ)設置等の経緯
上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2025年2月25日開催の取締役会において、特別委員会の委員の候補となる当社の社外取締役及び社外監査役について、公開買付者及び当社との間で利害関係を有しておらず、また本取引の成否に関して少数株主とは異なる重要な利害関係を有していないことに加え、委員としての適格性を有することを確認した上で、吉川雅博氏(当社独立社外取締役)、柿﨑環氏(当社独立社外取締役)、國政貴美子氏(当社独立社外取締役)、川﨑博子氏(当社独立社外取締役)及び小島吉晴氏(当社独立社外監査役)の5名から構成される本特別委員会を設置いたしました(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更しておりません。)。また、本特別委員会は、互選により、本特別委員会の委員長として、吉川雅博氏を選定しております。なお、本特別委員会の委員の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬は含まれておりません。
当社取締役会は、2025年2月25日開催の取締役会において、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の目的の正当性・合理性(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本取引の取引条件(本取引における本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性、(ⅲ)本取引の手続の公正性、(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)その他の事項を前提に、本取引が当社の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、(ⅴ)上記(ⅰ)から(ⅳ)を踏まえて当社取締役会が本公開買付けに対して賛同する意見を表明すること及び当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することの是非(以下これらを総称して「本諮問事項」といいます。)を諮問いたしました。また、当社は、上記の取締役会において、(ⅰ)当社取締役会は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して本取引に係る意思決定を行うこと、(ⅱ)本特別委員会が本取引の取引条件が妥当でないと判断した場合には、当該取引条件による本取引に賛同しないことを決議するとともに、本特別委員会に対し、(ⅰ)特別委員会の財務アドバイザー・第三者評価機関や法務アドバイザー(以下「アドバイザー等」といいます。)を選任し、又は当社のアドバイザー等を指名しもしくは承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅱ)当社の社内体制を承認することができる権限(事後承認を含む。)、(ⅲ)本取引に関係する当社の役員もしくは従業員又は本取引に係る当社のアドバイザー等に対して、本特別委員会への出席を要求し、必要な事項について説明又は情報提供を求める権限、(ⅳ)本取引の取引条件等に関する当社による交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、重要な局面で意見を述べ、指示や要請を行うことなどにより、本取引の取引条件等に関する交渉過程に実質的に関与するとともに、必要に応じて自ら直接交渉を行う権限を付与することを決議しております。
(ⅱ)検討の経緯
本特別委員会は、2025年3月3日より同年5月7日までの間に合計18回開催されたほか、各会日間においても頻繁に電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定等を行うなどして、本諮問事項に係る職務を遂行いたしました。
具体的には、本特別委員会は、まず、2025年3月3日、公開買付者及び当社から独立した独自の法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所外国法共同事業(以下「森・濱田松本法律事務所」といいます。)を選任する旨の決定をいたしました。また、本特別委員会は、同月12日、複数の財務アドバイザー及び第三者評価機関の候補者の独立性及び専門性・実績等を検討の上、公開買付者及び当社から独立した独自の財務アドバイザー及び第三者評価機関としてプルータスを選任する旨の決定をいたしました。本特別委員会は、森・濱田松本法律事務所及びプルータスは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性に問題がないことを確認しております。
また、本特別委員会は、当社の財務アドバイザー及び第三者評価機関であるSMBC日興証券並びに当社の法務アドバイザーである島田法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認しております。
更に、本特別委員会は、当社が社内に構築した、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしております。
その上で、本特別委員会は、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言及び島田法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っております。
本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引を実施する目的・理由、本取引によって見込まれるメリット・デメリット、本取引後の経営方針・ガバナンス、本取引のストラクチャー及び実施時期、本取引の手続・条件等について、書面による質問を送付し、これらの事項について、本特別委員会において公開買付者から直接回答及び説明を受けて、これに対する質疑応答、協議を行っております。
また、本特別委員会は、京谷裕氏(当社代表取締役社長)、榎本孝一氏(当社取締役)、田村幸士氏(当社取締役)及び細田博英氏(当社取締役)に対して本特別委員会への出席を求め、本取引の意義等、本取引の実施時期・方法、本取引後の当社の経営方針・ガバナンス等、当社の株式価値の考え方、その他の事項等について当社経営陣としての見解及び関連する情報を聴取するとともに、これらの事項について質疑応答を行っております。
加えて、本特別委員会は、プルータスから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、当社が本取引のために作成した本財務予測(当社)の内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認し、承認をしております。その上で、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」及び「② 特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、プルータス及びSMBC日興証券は、本財務予測(当社)を前提として当社株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、プルータス及びSMBC日興証券から、それぞれが実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件(DCF法における割引率の計算根拠及び類似上場会社比較法における類似上場会社の選定理由を含みます。)について説明を受け、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。また、上記「(3)算定に関する事項」の「② 特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」に記載のとおり、本特別委員会は、2025年5月7日付で、プルータスから本当社側フェアネス・オピニオンの提出を受けておりますが、その際、プルータスから、本当社側フェアネス・オピニオンの内容及び重要な前提条件について説明を受け、これを確認しております。
また、本特別委員会は、公開買付者との交渉方針について、プルータス及び森・濱田松本法律事務所から受けた助言並びにSMBC日興証券及び島田法律事務所から聴取した意見も踏まえて審議・検討を行い、交渉方針を決定いたしました。また、本特別委員会は、2025年4月2日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり5,200円とすることを含む第1回提案を受領して以降、当社が公開買付者から価格提案を受領する都度、直ちにその内容について報告を受け、プルータス及び森・濱田松本法律事務所から受けた助言並びにSMBC日興証券及び島田法律事務所から聴取した意見も踏まえて審議・検討を行いました。具体的には、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅱ)検討・交渉の経緯」に記載のとおり、本特別委員会は、公開買付者より、同月10日に本公開買付価格を1株当たり5,400円とする旨の提案を、同月14日に本公開買付価格を1株当たり5,600円とする旨の提案を、同月18日に本公開買付価格を1株当たり5,800円とする旨の提案を、同月22日に本公開買付価格を1株当たり5,900円とする旨の提案を、同月25日に本公開買付価格を1株当たり6,020円とする旨の提案を、同月28日に本公開買付価格を1株当たり6,150円とする旨の提案を、2025年5月1日には本公開買付価格を1株当たり6,200円とする旨の提案を、同月4日に本公開買付価格を1株当たり6,240円とする旨の提案を、同月6日に本公開買付価格を1株当たり6,250円とする旨の提案を、同月7日に本公開買付価格を1株当たり6,270円とする旨の提案を順次受領いたしました。このいずれに対しても、本特別委員会においてプルータス及び森・濱田松本法律事務所から受けた助言並びにSMBC日興証券及び島田法律事務所から聴取した意見を踏まえて検討を行った上で、本特別委員会は、適正な価格に達していないとして、公開買付者に対し本公開買付価格の再検討を要請する等、当社と公開買付者との間の本公開買付価格に関する協議・交渉過程において中心的な位置付けで関与いたしました。その結果、当社は、同年5月7日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり6,340円とすることを含む提案を受け、結果として、計12回、第1回提案から22%の価格の引上げを受けるに至っております。
更に、本特別委員会は、島田法律事務所から、複数回、当社が公表又は提出予定の本公開買付けに係るプレスリリース及び意見表明報告書の各ドラフト、並びに公開買付者が提出予定の本公開買付けに係る公開買付届出書のドラフトの内容について説明を受け、森・濱田松本法律事務所から助言を受けつつ、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しております。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、森・濱田松本法律事務所から受けた法的助言、及びプルータスから受けた財務的見地からの助言並びに2025年5月7日付で提出を受けた本当社側株式価値算定書(プルータス)及び本当社側フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の同月8日付本答申書を提出しております。
(a)答申内容
ⅰ. 本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的に正当性及び合理性があると認められる。
ⅱ. 本取引の取引条件(本取引における公開買付価格を含む。)は公正性及び妥当性があると認められる。
ⅲ. 本取引においては、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。
ⅳ. 当社の取締役会が本取引(本スクイーズアウト手続を含む。)の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではないと認められる。
ⅴ. 当社取締役会は、本公開買付けに対して賛同の意見を表明することを決議すべきである。また、当社取締役会は、本公開買付けに応募するか否かについては、当社の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきである。
(b)答申理由
ⅰ. 本取引が当社の企業価値の向上に資するか否かの検討
・上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅰ)本公開買付けの背景」に記載の当社が考える当社の経営環境、経営課題等について本特別委員会として異存はなく、「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った目的及び意思決定の過程」に記載の公開買付者の提案する「食品卸事業の岩盤収益の更なる強靭化」、「成長事業の拡大」及び「人材育成・人材交流の促進」という本取引後の企業価値向上策及び本取引によるシナジーについても、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)当社の取締役会決議の内容」に記載の当社の考える本取引によるシナジーとの間に重要な見解の相違は認められず、合理的であると認める。
・上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③本公開買付け後の経営方針」に記載のとおり、公開買付者は、当社の経営の自主を維持・尊重することを基本としつつ、当社と協議の上で当社の経営方針について決定するとのことであり、協議を通じて、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」「④当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)当社の取締役会決議の内容」に記載のとおり、生じ得るディスシナジーを低減させ、それを上回るシナジーの創出を期待することができる。特に、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「③本公開買付け後の経営方針」のとおり、公開買付者は、本公開買付け成立後の当社の経営方針について、当社の自主性・自律性を尊重するとしており、当社として、祖業である食品卸事業を含めて、公開買付者グループからの各支援や公開買付者グループからのリソース及びグローバルネットワークの活用を踏まえた自律的な経営を行うことにより、更なる企業価値の向上を期待することができる。また、公開買付者は、当社の従業員のモチベーションの維持・向上を図るべく、今後当社と協議の上、当社の従業員の更なる活躍につながる人事制度を検討していく予定とのことであり、本取引後も当社の従業員の活躍の拡大が期待される。
・以上より、本特別委員会は、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的に正当性及び合理性があると認める。
ⅱ. 本取引の取引条件の公正性及び妥当性の検討
A.本公開買付価格の妥当性
a.事業計画の策定手続及び内容
・当社は、公開買付者及び当社から独立した当社の第三者評価機関であるSMBC日興証券から本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得し、また、本特別委員会は、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自の第三者評価機関であるプルータスから本当社側株式価値算定書(プルータス)を取得しているところ、本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本当社側株式価値算定書(プルータス)においては、本事業計画を算定の前提としている(なお、本事業計画について、大幅な増減益を見込んでいる事業年度は含まれていない。また、本事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではない。)。なお、SMBC日興証券及びプルータスがDCF法に用いた本事業計画においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれていない。一方で、本事業計画期間においては複数企業への出資予定額が織り込まれており、2026年3月期及び2028年3月期に比べて、2027年3月期における出資予定額は減少する見込みである。それに伴い、2027年3月期のフリー・キャッシュ・フローについては、2026年3月期比約142%及び2028年3月期比約167%の増加を見込んでいる。
・当社中期計画で掲げる2030年度経常利益500億円という目標は、過去の成長率も踏まえると、大型のM&A等を前提とした不確実性の高い目標値であるため、本事業計画では、当社が合理的に予測できる期間として、2027年度までの期間を採用している。また、本事業計画における業績予測の数値は、当社の当社中期計画の計画数値と一定の差異があるものの、当該差異は、社内配賦基準の変更や外部環境の変化、足元で生じた事象等を踏まえた合理的なものである。
・また、本事業計画は、本取引の検討前である2024年5月に策定された当社中期計画を踏まえて当社独立チームにて策定されたものであり、現に又は過去に公開買付者の役職員を兼務する者は本事業計画の策定には関与していない。なお、本事業計画は、2025年4月11日に修正されているが、2024年度の実績が上振れする見通しであることを確認したことから、2025年度以降の計画値を上方修正する形で精緻化したものであり、合理的である。
・本事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、本事業計画の内容に不合理な点は見受けられない。
b.SMBC日興証券の算定結果の検討
・SMBC日興証券は、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の分析を行っている。SMBC日興証券が採用したこれらの手法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定手法であり、かつ、SMBC日興証券による各算定手法の採用理由に不合理な点は認められない。
・SMBC日興証券は、2025年5月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における直近1ヶ月間の終値単純平均株価5,139円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価4,985円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価4,932円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を4,932円~5,139円と算定しているところ、市場株価分析においてこれらの値を基に算定することは一般的であり、市場株価分析による算定の内容に不合理な点は認められない。
・SMBC日興証券は、当社と類似性があると判断される類似上場会社として加藤産業株式会社及び伊藤忠食品株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算出を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を5,500円~6,225円と算定しているが、特に不合理な点は認められない。
・SMBC日興証券は、本事業計画を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を5,571円~9,565円と分析している。SMBC日興証券は、割引率については、株式価値算定実務において一般的に用いられているCAPM理論に基づき算出した株主資本コストと負債コストを加重平均した加重平均資本コスト(WACC:Weighted Average Cost of Capital)を採用し、その範囲として8.2%~10.0%を用いており、SMBC日興証券による数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法及び倍率法を採用し、永久成長率は▲0.25%~0.25%、倍率はEBITDA倍率を採用し、2.8倍~3.5倍として算定しており、SMBC日興証券による数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。
c.プルータスの算定結果の検討
・プルータスは、複数の算定手法の中から当社株式の価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価法を、当社と比較可能な上場会社が複数存在し、類似上場会社比較による当社株式の株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて当社の1株当たりの株式価値の算定を行っている。プルータスが採用したこれらの手法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定手法であり、かつ、プルータスによる各算定手法の採用理由に不合理な点は認められない。
・プルータスは、2025年5月7日を算定基準日として、当社株式の東京証券取引所スタンダード市場における基準日の終値5,410円、直近1ヶ月間の終値単純平均株価5,139円、直近3ヶ月間の終値単純平均株価4,985円及び直近6ヶ月間の終値単純平均株価4,932円を基に、当社株式の1株当たりの価値の範囲を4,932円~5,410円と算定しているところ、市場株価分析においてこれらの値を基に算定することは一般的であり、市場株価分析による算定の内容に不合理な点は認められない。
・プルータスは、当社と類似性があると判断される類似上場会社として加藤産業株式会社及び伊藤忠食品株式会社を選定した上で、企業価値に対するEBIT及びEBITDAの倍率を用いて算出を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を4,857円~6,132円と算定しているが、特に不合理な点は認められない。
・プルータスは、本事業計画を基に、2026年3月期から2028年3月期までの3期分の事業計画における収益や投資計画等の諸要素を前提として、当社が2026年3月期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を6,063円~8,719円と算定している。プルータスは、割引率については、株式価値算定実務において一般的に用いられているCAPM理論に基づき算出した株主資本コストと負債コストを加重平均した加重平均資本コスト(WACC)を採用し、その範囲として8.3%~9.4%を用いており、プルータスによる数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。また、継続価値の算定にあたっては、永久成長率法と倍率法を採用し、永久成長率は0%、倍率はEBIT倍率及びEBITDA倍率を採用し、EBIT倍率は5.1倍~6.4倍、EBITDA倍率は4.1倍~4.8倍として算定しており、プルータスによる数値の算出根拠及び算出方法等に関する説明に特に不合理な点は認められない。
d.本当社側フェアネス・オピニオンの概要
・本特別委員会は、本当社側フェアネス・オピニオンを取得しており、プルータスは、本公開買付価格が、当社の少数株主にとって財務的な観点から公正である旨の意見を述べている。
・本当社側フェアネス・オピニオンは、財務に関する高度の専門性を有するプルータスが、公開買付者及び当社から独立した立場において、当社から、事業の現状、将来の事業計画等の開示を受けるとともに、それらに関する説明を受けた上で実施した当社株式の株式価値算定の算定結果に加えて、本公開買付の概要、背景及び目的に係る当社との質疑応答、プルータスが必要と認めた範囲内での当社の事業環境、経済、市場及び金融情勢等についての検討並びにプルータスにおけるエンゲージメントチームとは独立した審査会におけるレビュー手続を経て発行されたものであり、不合理な点は見当たらない。また、上記のとおり、本当社側フェアネス・オピニオンの提出にあたって参考とされたプルータスによる株式価値算定の方法及び内容についても不合理な点は認められない。
・したがって、本特別委員会は本当社側フェアネス・オピニオンの発行手続及び内容についても不合理な点は認められないものと考える。
e.プレミアムの分析
・本公開買付価格は、公表日の前営業日である2025年5月7日の当社株式の終値に対して17.19%、2025年5月7日から直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して23.37%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して27.18%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して28.55%のプレミアムが付されたものである。
・参照事例全16件におけるプレミアム率の平均値は、公表前日終値では29.39%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値では32.41%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値では33.72%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値では33.60%であり、その中央値は、公表日前営業日の終値では28.10%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値では34.55%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値では35.73%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値では29.11%であることから、本公開買付けに付与されたプレミアムが参照事例に比して高いとは評価できない。他方で、参照事例のプレミアム率の分布を10%刻みで見ていくと、公表前1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム率20%台はそれぞれ最頻値(公表前1ヶ月間では5件、公表前3ヶ月間では5件、公表前6ヶ月間では6件)であり、公表前日終値に対するプレミアム率10%台の取引も存在している(2件)ことから、本公開買付けに付与されたプレミアムは、参照事例との比較において不合理な水準ではない。なお、本公開買付価格は2012年4月の4社統合による新体制発足以来の当社株式の株価の最高値(5,730円)を優に上回っている。
f.小括
・上記のとおり、本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本当社側株式価値算定書(プルータス)において算定の前提とされている本事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、本事業計画の内容に不合理な点は見受けられない。
・SMBC日興証券及びプルータスが採用した算定手法は本取引と同種の取引における株式価値算定においても一般的に利用されている算定手法であり、かつ、SMBC日興証券及びプルータスによる各算定手法の採用理由に不合理な点は認められない。また、SMBC日興証券及びプルータスによる市場株価分析、類似企業(会社)比較分析及びDCF分析による算定内容について特に不合理な点は認められない。
・本公開買付価格は、本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)及び本当社側株式価値算定書(プルータス)の市場株価分析及び類似会社比較分析における評価レンジの上限を超えており、DCF分析における評価レンジの範囲にも入っていること、本当社側フェアネス・オピニオンにおいて、プルータスは、本公開買付価格が、当社の少数株主にとって財務的見地から公正である旨の意見を述べていること、本公開買付けに付与されたプレミアムは、参照事例との比較において不合理な水準ではないこと、本公開買付価格は公開買付者及び当社の間において独立当事者間取引と実質的に同視し得る状況が確保された上で真摯な交渉が実施された結果合意されたものであることからすれば、妥当であると考えられる。
・そして、本公開買付価格が妥当であると考えられることからすれば、それと同額とされる本スクイーズアウト手続において当社株主に交付される対価も妥当であると認められる。
B.その他の取引条件の妥当性
・本取引は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」のとおり、公開買付け及びその後の本スクイーズアウト手続(株式売渡請求又は株式併合)の実施による二段階買収という方法により実施されることが想定されている。一段階目として公開買付けを行い、二段階目として株式売渡請求又は株式併合を行うという方法は、完全子会社化の取引においては一般的に採用されている方法であり、かつ、裁判所に対する価格決定の申立てが可能である。また、下記ⅲに記載のとおり、強圧性にも配慮がされている。
・よって、本取引の方法に不合理な点は認められず、妥当であると考えられる。
以上より、本特別委員会は、本取引の取引条件(本取引における公開買付価格を含む。)は公正性及び妥当性があると認める。
ⅲ. 本取引の手続の公正性の検討
・上記「(ⅰ)設置等の経緯」のとおり、本特別委員会は、公開買付者及び当社から独立した独立社外取締役5名により構成される委員会であり、いずれの委員も当社の社外役員として当社の事業内容等について相当程度の知見を有していることを踏まえ、いずれの委員も本諮問事項を検討・判断する適格性を有するものと考えられる。また、本特別委員会は、SMBC日興証券及び島田法律事務所について、公開買付者及び当社からの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、それぞれを当社の財務アドバイザー及び法務アドバイザーとして選任することについて承認している。また、本特別委員会は、当社が社内に構築した本取引の検討体制に独立性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしている。加えて、本特別委員会は、プルータス及び森・濱田松本法律事務所について、公開買付者及び当社からの独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、それぞれを本特別委員会独自の財務アドバイザー及び法務アドバイザーとして選任しており、森・濱田松本法律事務所からの助言に基づき、本取引における公正性担保措置の内容等について検討し、本取引においては適切な公正性担保措置が講じられ、有効に機能していることを確認している。そして、本特別委員会は、(i)公開買付者及び当社より提出された各資料及び書類の検討、(ii)本特別委員会による公開買付者及び当社に対する書面質問及び質疑応答の結果の検討を行っている。また、本特別委員会は、当社及びそのアドバイザーから、公開買付者と当社との間における本取引に係る協議及び交渉の経緯及び内容等につき適時に報告を受けた上で、本特別委員会を開催して協議及び交渉の方針等を協議し、複数回にわたり意見を述べるなどして、公開買付者との交渉過程全般にわたって実質的に関与している。また、本特別委員会は、本特別委員会が必要と判断した範囲で直接に、公開買付者との間で公開買付価格に関する協議を行った。したがって、当社取締役会が本特別委員会の判断内容を最大限尊重して意思決定を行う仕組みが担保され、かつ、本特別委員会が有効に機能するために必要な権限等が付与されていると評価でき、本特別委員会は有効に機能したものと考えられる。
・下記「② 特別委員会における独立した法務アドバイザーからの助言の取得」のとおり、本特別委員会は、独自の法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本特別委員会における本諮問事項に関する検討及び審議等に関する助言を含む法的助言を受けている。
・下記「③ 特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」のとおり、本特別委員会は、公開買付者及び当社から独立した本特別委員会独自の財務アドバイザー兼第三者評価機関であるプルータスから本当社側株式価値算定書(プルータス)を取得している。また、本特別委員会は、本当社側フェアネス・オピニオンをプルータスから2025年5月7日付で取得している。
・下記「④ 当社における独立した法務アドバイザーからの助言の取得」のとおり、当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定過程における公正性及び適正性についての専門的助言を得るため、公開買付者及び当社から独立した法務アドバイザーとして島田法律事務所を選任し、同事務所から、本公開買付けに関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について法的助言を受けている。
・下記「⑤ 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」のとおり、当社は、本取引に係る交渉等に関する専門的助言を得るため、公開買付者及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関としてSMBC日興証券を選任し、SMBC日興証券から、本取引に係る交渉方針等について助言を受けており、本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得している。
・当社は、構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題を排除する観点から、下記「⑥ 当社における独立した社内体制の整備」のとおり、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を当社の社内に整備しており、当社は、利害関係を有する役職員等を本取引の検討・交渉過程から除外し、公開買付者から独立した立場で検討・交渉等を行うことができる体制が構築されているものと認められる。
・下記「⑨ 取引保護条項の不存在」のとおり、公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないため、他の潜在的な買収者が対抗提案を行うことが可能な環境が確保されており、いわゆる間接的なマーケット・チェックが行われているものと認められ、これによって本公開買付価格の妥当性は担保されている。
・下記「⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置」のとおり、公開買付者は、本スクイーズアウト手続において、公開買付けに応募しなかった当社の株主(公開買付者及び当社を除く。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法を採用する予定であり、その場合に当該当社の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定であることから、当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことである。また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を30営業日としているとのことであり、公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行うための機会を確保しているとのことである。したがって、本取引においては、「公正なM&Aの在り方に関する指針」において望ましいとされる実務上の対応がなされており、強圧性が排除されているものと認められる。
・公開買付者は、本公開買付けにおいてマジョリティ・オブ・マイノリティの買付予定数の下限は設定していないとのことである。本件では、公開買付者の所有割合は50.11%であるため、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件に相当する下限は議決権割合24.95%に相当する株式数となる。そうすると、本件で仮にマジョリティ・オブ・マイノリティの考え方を採用したとすれば設定されたであろう下限数は所有割合にして75.06%以上になることが想定される。かかる高水準の下限数の設定は、当社グループの企業価値の向上に資すると考えられる本取引の成立に対する阻害効果が懸念され、かえって少数株主の利益に資さないとも考え得るところであり、公開買付者の同趣旨の説明にも一応の合理性があると認められる。加えて、本件では充実した公正性担保措置が取られ、公正な手続を通じた当社の株主の利益への十分な配慮がなされていると評価できることも踏まえれば、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、株主の適切な判断機会の確保が欠缺しているとまで解する必要はないと考えられる。
・本特別委員会に関する情報として、(a)本特別委員会における検討経緯や、(b)本取引の是非、取引条件の妥当性や手続の公正性についての本特別委員会の判断の根拠・理由に関して、充実した情報開示が予定されている。また、(c)本取引を実施するに至ったプロセス等、(d)当社の取締役等が本取引に関して有する利害関係の具体的な内容や、当該取締役等の取引条件の形成過程への関与の有無・態様、(e)当社の取締役会や本特別委員会が取得した株式価値算定書やフェアネス・オピニオンに関しても充実した情報開示が予定されている。したがって、本取引においては、少数株主の判断に資する充実した情報開示がされる予定であると認められる。
・以上より、本取引においては、十分な公正性担保措置が講じられていることからすれば、本特別委員会は、本取引においては、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認める。
ⅳ. 上記ⅰのとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものと考えられ、本取引の目的に正当性及び合理性があり、上記ⅱのとおり、本取引の取引条件は公正性及び妥当性があり、上記ⅲのとおり、本取引においては、公正な手続を通じて、当社の少数株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。したがって、当社の取締役会が本取引(本スクイーズアウト手続を含む。)の実施を決定することは当社の少数株主にとって不利益ではないと認められる。
ⅴ. よって、当社取締役会は、本公開買付けに対して賛同の意見を表明することを決議すべきである。また、当社取締役会は、本公開買付けに応募するか否かについては、当社の株主に対しては、本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきである。
② 特別委員会における独立した法務アドバイザーからの助言の取得
本特別委員会は、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、公開買付者及び当社から独立した独自の法務アドバイザーとして森・濱田松本法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、並びに本取引に係る本特別委員会の審議の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、森・濱田松本法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。その他、森・濱田松本法律事務所の独立性については、上記「①当社における独立した特別委員会の設置」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。なお、森・濱田松本法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
③ 特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得
本特別委員会は、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、公開買付者及び当社から独立した独自の財務アドバイザー及び第三者評価機関としてプルータスを選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言を受けるとともに、2025年5月7日付で本当社側株式価値算定書(プルータス)を取得しております。また、本特別委員会は、プルータスから、本公開買付価格である1株当たり6,340円が当社株式の株主(公開買付者及びその関係会社を除きます。)にとって財務的見地から公正である旨の本当社側フェアネス・オピニオンも取得しております。本当社側株式価値算定書(プルータス)及び本当社側フェアネス・オピニオンの概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「②特別委員会における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書及びフェアネス・オピニオンの取得」をご参照ください。
なお、プルータスは、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。その他、プルータスの独立性については、上記「①当社における独立した特別委員会の設置」の「(ⅱ)検討の経緯」をご参照ください。
④ 当社における独立した法務アドバイザーからの助言の取得
当社は、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、公開買付者及び当社から独立した法務アドバイザーとして島田法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。
なお、島田法律事務所は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。島田法律事務所に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
⑤ 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得
当社は、上記「① 当社における独立した特別委員会の設置」に記載のとおり、公開買付者及び当社から独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関としてSMBC日興証券を選任し、当社株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2025年5月7日付で本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)を取得しております。本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)の概要については、上記「(3)算定に関する事項」の「① 当社における独立した財務アドバイザー及び第三者評価機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。また、当社は、本公開買付価格の公正性を担保するための措置、利益相反を回避するための措置及び本公開買付けの公正性を担保するための措置を実施していることから、SMBC日興証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
なお、SMBC日興証券は、公開買付者及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。
⑥ 当社における独立した社内体制の整備
当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、当社の企業価値の向上及び当社の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制を当社の社内に整備いたしました。具体的には、当社は、公開買付者との本公開買付価格の交渉、事業計画の策定など、構造的な利益相反の問題による影響を排除する必要性が高い事項については、公開買付者から独立した役職員のみにより構成される独立チームが担当するものとし、公開買付者によるデュー・ディリジェンスへの対応など、構造的な利益相反の問題による影響を排除する必要性が高いとまでは認められない事項については、上記以外の役職員(役員としては、榎本孝一取締役)も含まれるディールチームにおいて対応するものといたしました。これにより、公開買付者との本公開買付価格の交渉、事業計画の策定など、構造的な利益相反の問題による影響を排除する必要性が高い事項については、現に公開買付者グループ各社の役職員を兼務している当社の役職員(役員としては、川本洋史取締役兼常務執行役員、伊藤和男取締役及び吉川栄二監査役)のみならず、過去に公開買付者グループ各社の役職員としての地位を有していた当社の役職員(役員としては、京谷裕代表取締役社長、田村幸士取締役兼常務執行役員及び海上英治監査役)も関与しないこととし、現在に至るまでかかる取扱いを継続しております。なお、当社の社内に整備した本取引の社内体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する当社の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性・公正性の観点から問題がないことについては、本特別委員会の承認を得ております。
⑦ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見
当社取締役会は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、島田法律事務所から受けた法的助言、SMBC日興証券から受けた財務的見地からの助言並びに本当社側株式価値算定書(SMBC日興証券)の内容、並びに本特別委員会を通じて提出を受けた本当社側株式価値算定書(プルータス)及び本当社側フェアネス・オピニオンの内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討いたしました。
その結果、当社は、上記「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「④ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するものであるとともに、(ⅱ)本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当なものであり、本公開買付けは当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年5月8日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議いたしました。
上記の当社取締役会には、当社の取締役10名のうち、京谷裕代表取締役社長、田村幸士取締役兼常務執行役員、川本洋史取締役兼常務執行役員及び伊藤和男取締役を除く6名の取締役が出席し、榎本孝一取締役を除く5名の取締役により審議の上、その全員一致により上記の決議を行っております。
また、上記の取締役会には、当社の監査役4名のうち、海上英治監査役及び吉川栄二監査役を除く2名の監査役(うち社外監査役1名)が出席し、その出席監査役全員は上記決議につき異議はない旨の意見を述べております。
なお、京谷裕代表取締役社長、田村幸士取締役兼常務執行役員及び海上英治監査役は過去に公開買付者に在籍していたこと、川本洋史取締役兼常務執行役員、伊藤和男取締役及び吉川栄二監査役は現に公開買付者に在籍していることに鑑み、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記の取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議(監査役は審議)には参加しておらず、かつ、当社の立場において、本取引に係る検討並びに公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。榎本孝一取締役は、過去に公開買付者に在籍していたものの、転籍から3年以上経過し、転籍後に公開買付者から指示を受ける立場になく、かつ、本取引について公開買付者の検討過程に一切の関与をしておらず、それができる立場にもないことから、取締役会決議の定足数充足の観点から形式的に上記の取締役会に出席しています。もっとも、公正性をより確保する観点から、上記の取締役会を含む本取引に係る当社取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、当社の立場において、公開買付者との協議及び交渉に参加しておりません。
⑧ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
公開買付者は、2025年5月8日付で野村證券から、本買付者側株式価値算定書を取得しているとのことです。詳細については、上記「(3)算定に関する事項」の「③ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。
⑨ 取引保護条項の不存在
公開買付者及び当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が当社との間で接触することを制限するような内容の合意は一切行っておらず、対抗的な買付け等の機会を妨げないこととすることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
⑩ 当社の株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保するための措置
公開買付者は、上記「(5)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本スクイーズアウト手続において、公開買付けに応募しなかった当社の株主の皆様(公開買付者及び当社を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法を採用する予定であり、その場合に当該当社の株主の皆様に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該当社の株主の皆様が所有していた当社株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定であることから、当社の株主の皆様が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮しているとのことです。また、公開買付者は、法令に定められた公開買付けに係る買付け等の最短期間は20営業日であるところ、公開買付期間を30営業日としているとのことです。公開買付期間を法定の最短期間より長期に設定することにより、当社の株主の皆様が本取引の是非や本公開買付価格の妥当性について熟慮し、本公開買付けに応募するか否かについて適切な判断を行うための機会を確保しているとのことです。
(7)公開買付者と当社の株主・取締役等との間における公開買付けへの応募に係る重要な合意に関する事項
該当事項はありません。
(8)その他
①「2025年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」の公表
当社は2025年5月8日付で、当社決算短信を公表しております。詳細につきましては、当該公表内容をご参照ください。
②「剰余金の配当(無配)に関するお知らせ」の公表
当社は、2025年5月8日付で公表した「剰余金の配当(無配)に関するお知らせ」に記載のとおり、同日開催の当社取締役会において、同年9月30日(第2四半期末)を基準日とする剰余金の配当及び2026年3月31日(期末)を基準日とする剰余金の配当を行わないことを決議しております。詳細については、当該公表内容をご参照ください。
|
氏名 |
役職名 |
所有株式数(株) |
議決権の数(個) |
|
京谷 裕 |
代表取締役社長兼CSO |
14,992 |
149 |
|
榎本 孝一 |
取締役 |
6,380 |
63 |
|
田村 幸士 |
取締役兼常務執行役員 SCM統括兼CLO |
37 |
0 |
|
細田 博英 |
取締役兼常務執行役員 商品統括 |
4,011 |
40 |
|
川本 洋史 |
取締役兼常務執行役員 コーポレート担当役員(CFO) |
0 |
0 |
|
伊藤 和男 |
取締役 |
0 |
0 |
|
柿﨑 環 |
取締役 |
5,462 |
54 |
|
吉川 雅博 |
取締役 |
1,644 |
16 |
|
國政 貴美子 |
取締役 |
230 |
2 |
|
川﨑 博子 |
取締役 |
278 |
2 |
|
山川 幸樹 |
監査役(常勤) |
226 |
2 |
|
海上 英治 |
監査役 |
217 |
2 |
|
小島 吉晴 |
監査役 |
138 |
1 |
|
吉川 栄二 |
監査役 |
0 |
0 |
|
計 |
33,615 |
331 |
|
(注1)役職名、所有株式数及び議決権の数は、本書提出日現在のものです。
(注2)取締役柿﨑環、吉川雅博、國政貴美子及び川﨑博子は、会社法第2条第15号に定める社外取締役です。
(注3)監査役海上英治及び小島吉晴は、会社法第2条第16号に定める社外監査役です。
(注4)所有株式数及び議決権の数は、それぞれ当社の持株会を通じた所有株式数(小数点以下切捨て)及びそれらに係る議決権の数を含めております。
(注5)取締役榎本孝一は、2025年6月23日付で取締役を退任することが、監査役山川幸樹及び海上英治は、同日付で監査役を退任することがそれぞれ予定されております。詳細については、当社が同年1月27日に公表した「組織改編及び役員人事等に関するお知らせ」をご参照ください。