第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 今後の当社を取り巻く経済環境については、自動車、建築をはじめとした生産活動はここ数年続いてきた堅調さを概ね持続すると予想される一方で、日本国内では人手不足、輸送コストの上昇や原材料アップなど諸経費は構造的に上昇するものと思われます。また米国、中国、欧州を中心とする貿易摩擦、保護主義の強まりは直接、間接的にその影響が下振れ要素として懸念されます。

 かかる環境下で、当社グループは経営理念である「お客様に第一に求められる企業」を念頭にそれぞれの事業場所において地域経済への貢献を明確なミッションと位置付け、加工機能を強化してより付加価値のあるサービスの向上に取り組んで参ります。

 当社グループは当期をもって第8次中期経営計画を定量目標である売上高1,150億円、経常利益18億円をクリアーして終了しました。前中計では働き方改革に積極的に取り組むと同時に、グループ会社の社名統一によるブランドを意識した戦略をスタートし、最終年度では長年行ってこなかった新規事業投資に踏み出し、需要家様への機能強化、取引分野の深耕、幅出しを可能とする施策にも着手することができました。

 次に迎える年度は、2019年度から2021年度までの3ヶ年の第9次中期経営計画の初年度となります。新中期経営計画のテーマは「新たなる成長に向けて事業基盤の構築」であります。前中計において総額36億円の新規事業投資を決定し、従来のトレードによる収益に加え、当社自らが加工機能を持った自立型収益モデルに舵を切りました。新中計では東北、東海、九州地区での投資事業の着実な立ち上げと、物流や統一システムへの取り組みを通じた新たな付加価値を市場に提供して参ります。既存優良顧客への提案型営業の一層なる強化が当社グループとして取り組むべく課題であります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)鋼材価格変動による業績への影響について

 当社グループは、鋼板、鋼管、ステンレス及びその他の一般鋼材を素材のまま、あるいは子会社、関連会社及び一般外注先で剪断加工もしくは切断加工して各得意先へ販売しております。当社グループの業績は、鋼材価格の変動に影響を受ける側面を有しており、急激かつ大幅に鋼材価格が変動した場合には経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、これらの流通過程で発生し得る品切れ、調達難、在庫過多等のリスクについても、販売先の使用量及び仕入メーカーの生産量等の情報を迅速に分析し、合理的に対応するよう努めております。

(2)取引先について

 当社グループの取引先は、自動車業界に属する割合が約6割となっており、国内での取引が大半を占めております。そのため国内需要の減少や自動車業界の海外シフトにより国内生産が落ち込み、鋼材需要の低迷により、当社グループを取り巻く環境が悪化した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)与信リスクについて

 当社グループが行う取引から生じる国内及び海外の取引先に対する売掛債権等については信用リスクが存在します。「取引限度枠管理規程」に基づき慎重に与信管理を行っておりますが、取引先の信用状態が悪化し、当社グループに対する債務の履行に問題が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に影響を与える可能性があります。

(4)株価変動リスクについて

 当社グループは、取引先を中心として株式を保有しており、これらは株価変動リスクを有しております。今後の株価動向によっては、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)金利変動リスクについて

 当社グループは、変動金利及び固定金利を組み合わせることによって、金利変動によるリスク軽減に努めておりますが、急激な金利変動は、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)主要取引先との関係について

 当社グループは、取引先と共通の利益を図るために、良好な関係を維持しつつ、更に取引を増加させるよう努めますが、今後、何らかの要因によりそれらの取引先との取引が出来なくなった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)オペレーショナルリスクについて

 当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス及びリスク管理を経営上の重要課題と位置づけており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務運営においては役員・社員の不正及び不法行為の防止に万全を期しておりますが、万一、かかる不正行為が発生した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)自然災害その他リスクについて

 地震・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、テロや戦争、その他要因により社会的混乱等が発生した場合、事業活動の停止や機会損失、復旧のための多額の費用負担等により、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、年央に相次ぐ自然災害の発生で生産・物流などに支障はあったものの、高水準の企業収益や雇用・所得環境の改善などを背景に、設備投資の拡大や個人消費の持ち直しの傾向が見られるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外においては、米中貿易摩擦、中国経済の減速、英国のEU離脱問題などの影響により、今後の世界経済の下振れリスクが懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く環境では、わが国の粗鋼生産量は1億289万トンと前年同期比で1.9%減となりましたが、鋼材市況においては、引き続き上昇基調を維持して推移しました。

 このような状況下、当連結会計年度の業績につきましては、販売面では、数量の増加、単価の上昇により、売上高は1,241億80百万円と前年同期比3.9%増となりました。利益面におきましては、輸送コストを中心とした販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は18億2百万円(同0.8%増)、経常利益は19億29百万円(同2.2%増)となりました。また、固定資産売却益による特別利益92百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は14億75百万円(同7.6%増)の結果となりました。

 

 当社グループのセグメントの業績については、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 注記事項」のとおり鉄鋼販売事業の単一セグメントであるため、記載を省略しております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加、たな卸資産の増加、有形固定資産の取得、自己株式の取得による支出等の資金減少要因が、税金等調整前当期純利益の計上等の資金増加要因を上回り、当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ38億22百万円減少し、44億87百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益20億21百万円(前年同期比17百万円増加)の計上はありましたが、売上債権の増加14億21百万円、たな卸資産の増加21億63百万円、法人税等の納付6億87百万円等による資金減少要因が上回ったため、19億89百万円の資金減少(前連結会計年度は3億31百万円の資金増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入2億39百万円等による資金増加はありましたが、有形固定資産の取得による支出10億98百万円等により、8億94百万円の資金減少(前連結会計年度は13百万円の資金減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、主に自己株式の取得による支出5億38百万円、配当金の支払による支出3億95百万円により、9億38百万円の資金減少(前連結会計年度は4億50百万円の資金減少)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

セグメントの名称

受注高

受注残高

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

鉄鋼販売事業

125,150,827

101.4

27,977,986

103.6

(注)1.当社グループは、鉄鋼販売事業の単一セグメントとなっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

(単位:千円)

 

セグメントの名称

金額

 

品種

 

前年同期比(%)

鉄鋼販売事業

鋼板

70,041,962

102.8

鋼管

23,056,220

107.0

条鋼

3,420,204

130.1

ステンレス等

27,020,107

101.2

その他

641,577

125.5

合計

124,180,070

103.9

(注)1.当社グループは、鉄鋼販売事業の単一セグメントとなっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

 

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

フタバ産業㈱

15,820,726

13.2

15,162,791

12.2

㈱三五

11,298,577

9.5

11,689,837

9.4

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態の分析

(資産の部)

 当連結会計年度末における流動資産は513億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億4百万円減少しました。これは主に現金及び預金の減少38億22百万円、売上債権(受取手形及び売掛金、電子記録債権)の増加14億21百万円、商品の増加21億63百万円であります。固定資産は101億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億64百万円増加しました。これは主に有形固定資産の増加8億73百万円、投資有価証券の時価の下落4億95百万円によるものであります。

 この結果、総資産は615億26百万円となり、前前連結会計年度末に比べ1億47百万円減少しました。

 

(負債の部)

 当連結会計年度末における流動負債は329億46百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億5百万円減少しました。また、固定負債は61億14百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億80百万円増加しました。これらは主に長期借入金の借換え10億円によるものであります。

 

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産は224億65百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上14億75百万円、配当金の支払3億95百万円、自己株式の取得5億38百万円、その他有価証券評価差額金の減少3億77百万円によるものであります。

 

 当連結会計年度末においては、自己資本比率が36.5%となり、前連結会計年度と比較して0.2ポイント上昇しました。また、1株当たり純資産額においては、前連結会計年度末に比べ137円45銭の増加となりました。

 自己資本の充実、資産回転率の改善を図ることにより、更なる財務体質の強化を築くことが、当社グループにおける課題であります。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

②経営成績の分析

 当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して46億66百万円増加し、1,241億80百万円となりました。これは売上数量の増加とともに、平均販売単価が上昇したことによるものであります。売上総利益は、売上高の増加が寄与し、1億79百万円増加の63億13百万円となりました。

 販売費及び一般管理費は、輸送コスト増を主因として前連結会計年度と比較し1億64百万円増加しております。これを控除した営業利益は14百万円増加し、18億2百万円となりました。

 営業外損益は、1億26百万円の収益(純額)となりました。この結果、経常利益は41百万円増加の19億29百万円となりました。

 特別損益は、固定資産売却益が発生したため、親会社株主に帰属する当期純利益は14億75百万円と前連結会計年度と比較して1億3百万円増加しました。

 当連結会計年度においては、鋼材需要や価格市況を適切に捉え、増収増益に繋げることができました。「新たなる成長に向けて事業基盤の構築」という方針のもと、従来のトレードによる収益に加え、当社自らが加工機能を持った自立型収益モデル構築を目指していきます。これを着実に作り上げ、市場に更なる付加価値の提供へ向けた対応が当社グループにおける課題であります。

 

③キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの増減分析は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。