当連結会計年度における世界経済は、米国においては緩やかに景気の拡大が続き、ユーロ圏においても緩やかに景気の回復基調が続きました。また、中国においては依然として景気の減速が続いており、新興国や資源国においては概して景気の低迷が続きました。一方、わが国経済においては、設備投資は堅調に推移したものの輸出や個人消費等が低迷しており景気は横ばいで推移しました。
当社グループを取り巻く経営環境は、重点戦略国である中国が景気減速の影響により市場が低迷しており、また、わが国においても総じて需要の回復が遅れております。中国景気の下振れや米国の追加利上げに伴う懸念も高まっているとともに、資源価格の低迷等の影響もあり、わが国を含めた世界景気の先行きに不透明感が高まっております。
このような状況の下、当社グループは中期経営計画に基づき、潤滑油、電池関連部材、環境関連商材等の市場拡大に努め、アジア経済圏での商圏拡大に取り組んでまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、化学品・石油製品関連事業は、中国国内の需要低迷や輸出減少等の影響により低調に推移しましたが、機能材料関連事業は、輸入取引の増加等により好調に推移しました。また、合成樹脂・建材関連事業は、国内需要の回復遅れ等の影響があり、前年度を若干下回りました。その結果、売上高は、1,349億8千5百万円(前年度比6.7%減)と減収になりました。
また、利益面については、営業利益は、売上総利益率の改善等により21億1千3百万円(同4.7%増)となりましたが、経常利益は、石油製品関連の投資先からの受取配当金減少等により26億7千5百万円(同27.0%減)となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、20億5千7百万円(同18.6%減)と減益になりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①化学品・石油製品関連事業
石油化学品は、写真プリント関連の顔料等の輸入取引は堅調に推移したものの、塗料原料の国内取引が減少したこと等により低調に推移しました。また、炭素製品は堅調に推移しましたが、塗料樹脂等は低調に推移しました。一方、石油製品は、国内取引は前年度並みに推移しましたが、貿易取引は中国経済の減速の影響を受け低調に推移しました。また、中国国内取引は建設機械向けの需要減少により低調に推移しました。
その結果、売上高は646億円(前年度比15.6%減)となりました。また、セグメント利益につきましては、11億4千万円(同14.5%減)となりました。
②機能材料関連事業
レアアースは、需要が持ち直し輸入取引が増加したことにより堅調に推移しました。難燃剤は、国内取引が好調に推移しましたが市況が低下した影響を受け前年度並みとなりました。電池関連部材は、自動車向けの電池材料等が好調に推移しました。
その結果、売上高は165億4千5百万円(前年度比25.2%増)となりました。また、セグメント利益につきましては、2億5千5百万円(前年度は2千万円の損失)となりました。
③合成樹脂・建材関連事業
合成樹脂は、フィルム関連及びアミューズメント関連の国内取引が好調に推移しました。建材は、断熱材は順調に推移したものの、防水資材及び木質建材は需要の停滞により低調に推移したため、前年度並みとなりました。一方、金属製品は、タービンローターの輸出取引等が回復しました。
その結果、売上高は515億6千2百万円(前年度比1.9%減)となりました。また、セグメント利益につきましては、合成樹脂関連取引の増加と販売管理費の減少により5億6千3百万円(同35.4%増)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は11億5千1百万円と前期末と比べ4億9千1百万円の減少となりました。
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、8億8千6百万円(前連結会計年度比3億4千5百万円減)となっております。
これは、税金等調整前当期純利益27億円のうち、非現金収支等を調整した後の資金の増加21億7百万円及びた
な卸資産の減少等による6億8千7百万円の資金増に対し、売上債権の増加及び仕入債務の減少、並びに法人税
等の支払により19億8百万円の資金減が生じたことによるものであります。
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、7千8百万円(前連結会計年度比4億5千9百万円減)となっております。
これは、定期預金の払戻しや短期貸付金の回収による4億9千7百万円の資金増と、固定資産及び投資有価証
券の取得等による5億7千6百万円の資金減が生じたことによるものであります。
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、16億3千1百万円(前連結会計年度比8億9千4百万円増)となっております。
これは、主に借入金の返済や配当金の支払等による17億3千6百万円の資金減が生じたことによるものであり
ます。
当連結会計年度における成約残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 成約残高(百万円) | 前年同期比(%) |
化学品・石油製品関連事業 | 1,710 | △16.4 |
機能材料関連事業 | 1,333 | +62.8 |
合成樹脂・建材関連事業 | 687 | △87.0 |
その他 | 689 | +15.2 |
合計 | 4,420 | △49.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における商品販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 商品販売実績(百万円) | 前年同期比(%) |
化学品・石油製品関連事業 | 64,600 | △15.6 |
機能材料関連事業 | 16,545 | +25.2 |
合成樹脂・建材関連事業 | 51,562 | △1.9 |
その他 | 2,277 | △5.3 |
合計 | 134,985 | △6.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
平成26年4月からスタートした3ヶ年の中期経営計画における中長期ビジョン「自らの機能の強化と、成長への挑戦によって顧客により高い価値を提供する」に基づき、事業の拡大と経営管理基盤の強化を目指し、7つの重点戦略に取り組んでおります。
中国全土に保有しております拠点網を活用し物流・販売体制を強化するとともに、中国国内で出資を行っている潤滑油製品生産企業との関係維持・強化により、中国における潤滑油ビジネスの拡大に取り組んでまいります。
電池関連市場は、環境保護の観点から用途の拡大等により成長が見込まれます。成長市場として有望である中国においては、製品確保のために負極材中間製品製造業への出資を行っており、原料黒鉛から負極材・電解液などのバリューチェーンの各段階に係り取引の拡大を図り、複合的価値の提供に取り組んでまいります。
中国や東南アジア各国においては、環境関連商材の需要が高まっており、中国・ベトナムにおいて水処理商材の取引強化を図るとともに、調達力の高い活性炭取引の用途拡大による取引拡大に取り組んでまいります。
アジア経済圏は今後も高い成長を見込める市場であり、当期はタイとインドネシアに新たに現地法人を設立いたしました。中国および東南アジアの拠点を活用し、さらにアジア経済圏への取り組みを強化してまいります。
国内市場において商材によっては、より付加価値の高い取引が必要となってきております。そのため、当社グループのネットワークを活かし、川上から川下までのバリューチェーンにおいて、事業投資やOEM等により関与する領域の拡大を図ってまいります。
海外事業展開の拡大を進めるため、成長の実現に必要な人材の採用・育成・活用を強化するとともに、海外拠点におけるナショナルスタッフの育成と登用を推進してまいります。
事業投資先等のプロジェクト運営体制を強化し、海外取引拡大に向けた海外拠点体制の整備を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のとおりです。
①商品価格変動リスク
当社グループは、化学品、自動車、情報・通信機器、建築・建材等の業界動向や海外の経済動向が悪化した場合、及び原料や原油等の商品価格が下落した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②為替変動リスク
当社グループは、外貨建てによる輸出入を行っており、先物為替予約により為替変動によるリスクのヘッジを行っておりますが、著しい為替の変動があった場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、海外に現地法人および子会社を有しており、これらの会社は外貨建ての財務諸表を作成しております。そのため、連結財務諸表を作成する際の為替レートにより、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③カントリーリスク
当社グループは、中国を始めとするアジア諸国との取引強化に努めております。
取引に当たっては、各国の政治・経済の動向を把握し適切に対応しておりますが、予測不能な法規制の変更や政治要因等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④与信リスク
当社グループは、取引先に対し信用を供与することにより販売を行っております。与信リスクを回避するために様々な施策を講じておりますが、取引先の信用状況の悪化や経営破綻等が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤リーガルリスク
当社グループは、多種類の商品を取り扱っており、国内外の各種法令・規制の適用を受けております。そのため、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、関連する法令・規制の義務を実行できなかった場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの国内外の事業活動が、これに関連して重要な訴訟等の対象となった場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報管理リスク
当社グループは、情報の取扱に関する行動規範を定め、全社的情報管理体制の整備を図っておりますが、情報漏洩や流出が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦株価変動リスク
当社グループは、取引先を中心に株式を保有しており、保有株式の見直し、整理等、リスク軽減を図っておりますが、株価が下落した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、年金資産の一部を株式で運用しているため、株価が下落した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧自然災害リスク
当社グループは、国内外の広範囲な地域にわたって事業活動を行っており、大規模な自然災害や感染症等が発生した場合、営業活動の停滞や機会損失等により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。
特記すべき事項はありません。
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末比37億7千5百万円減少の592億2千4百万円となりました。
流動資産は、主に取引減少に伴い売上債権が減少したことにより、前連結会計年度末比22億2千6百万円減少の443億3千9百万円となりました。
固定資産は、主に保有する株式等の期末時価評価による投資有価証券の減少により、前連結会計年度末比15億4千9百万円減少の148億8千4百万円となりました。
流動負債は、主に取引減少に伴う仕入債務の減少及び短期借入金の返済による減少により、前連結会計年度末比26億2千8百万円減少の281億2千9百万円となりました。
固定負債は、主に長期借入金の減少により、前連結会計年度末比11億3千5百万円減少の48億2千2百万円となりました。
また、純資産の部は前連結会計年度末比1千2百万円減少の262億7千3百万円となりました。
この結果、自己資本比率は44.0%となりました。
当連結会計年度は、売上高1,349億8千5百万円(前年度比6.7%減)、営業利益21億1千3百万円(同4.7%増)、経常利益26億7千5百万円(同27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益20億5千7百万円(同18.6%減)となりました。
また、1株当たり当期純利益は49.27円、自己資本当期純利益率は7.9%となりました。
なお、経営成績の概況及びセグメント別の業績については、「1 業績等の概要」に記載しております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は11億5千1百万円と前期末と比べ4億9千1百万円の減少となりました。
各活動によるキャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要」に記載しております。