(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境に改善が見られましたが、個人消費には停滞感があり、為替相場の変動や原油安などにより先行きの不透明感が次第に強まる状況となりました。また、中国をはじめとした新興国の成長鈍化も引き続き不安要素となっております。
当社グループが主力事業を展開する水産物卸売市場業界は、天然水産資源の減少や気候変動等による漁場や漁期の変化により取扱数量が減少しており、節約志向等による高価格商品の買い控えなどにより、依然として厳しい経営環境となっております。
このような状況のもと、当社グループは、市川流通センター・物流センターの事業が順調に推移したことやリテールサポート事業における新規顧客対策もあり、売上高は198,951百万円(前年同期比0.3%増)となり、集荷販売経費は増加したものの、人件費等の減少により営業利益1,048百万円(前年同期比37.5%増)、経常利益1,290百万円(前年同期比15.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は948百万円(前年同期比76.8%増)となりました。
なお、本年3月に判明した当社連結対象会社の元経理課長による不正行為と不適切な会計処理につきましては過年度(平成26年3月期、平成27年3月期)の決算を修正いたしました。当社といたしましては、今回の事態はグループ会社に対する管理が十分に行われていなかった結果であると真摯に反省し、今後は全グループ会社に対する管理体制を確立し再発防止に努めてまいります。
なお、セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
水産物卸売事業におきましては、輸入鮭鱒や養殖タイ・ハマチは順調な動きとなったものの、マグロ類は売れ行きが鈍化し、冷凍品は銀鮭やエビ、銀鱈が伸び悩み、鮮魚類のアジやカツオ、サンマの漁獲が不振となるなど厳しい集荷販売を余儀なくされました。このような状況の中、当社グループ会社それぞれが持つ機能を連携させて水産物の集荷販売に注力いたしました。その結果、水産物卸売事業における売上高は193,319百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりましたが、当社の貸倒引当金の戻し等による経費の減少もあり営業利益は244百万円(同237.9%増)となりました。
冷蔵倉庫事業におきましては、物流センターの稼働率上昇により売上高は4,858百万円(前連結会計年度比1.3%増)となり、営業利益は370百万円(同12.1%増)となりました。
不動産賃貸事業におきましては、各賃貸物件の稼働率が高水準で推移したことにより、売上高は449百万円(前連結会計年度比18.6%増)となり、営業利益は401百万円(同26.9%増)となり、荷役事業におきましては、売上高は323百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりましたが、営業利益は45百万円(同8.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動、財務活動において増加したものの、投資活動において減少し、前連結会計年度末に比べ478百万円減少し、6,491百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、3,639百万円(前年同期1,038百万円の獲得)となりました。これは、主に、荷主前渡金等の増加はあったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上、たな卸資産等の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、6,313百万円(前年同期1,028百万円の獲得)となりました。これは、主に貸付金の回収はあったものの、有形固定資産の取得、預け金の増加による支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、2,195百万円(前年同期1,008百万円の使用)となりました。これは、主に借入金の純増によるものです。
(1)当連結会計年度の生産実績
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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水産物卸売事業 |
1,051 |
△2.6 |
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計 |
1,051 |
△2.6 |
(注) 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
(2)当連結会計年度の仕入実績
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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水産物卸売事業 |
|
|
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受託品 |
29,728 |
92.1 |
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買付品 |
150,955 |
100.8 |
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計 |
180,683 |
99.2 |
(注)1 本表における仕入高は、受託品については販売高から卸売手数料を控除した金
額を、買付品については仕入金額を記載しております。
2 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(3)当連結会計年度の売上実績
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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水産物卸売事業 |
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|
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受託品 |
31,458 |
92.1 |
|
買付品 |
161,861 |
102.0 |
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計 |
193,319 |
100.3 |
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冷蔵倉庫事業 |
4,858 |
101.3 |
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不動産賃貸事業 |
449 |
118.6 |
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荷役事業 |
323 |
93.4 |
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合計 |
198,951 |
100.3 |
(注)1 本表における水産物卸売事業の売上高は、せり、入札または定価売等の方法に
よる販売の売上金額を記載しております。
2 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
水産物卸売市場業界は、世界的な水産資源の減少と資源保全のための漁獲規制の強化に加え、気候変動による海水温の上昇など海洋環境の変化に伴い、漁場や漁期が大きく変化し水揚げが不安定になっています。これを補うため、近年養殖事業が活発化し、養殖水産物の生産量が天然水産物を上回る状況となっています。また、従来の健康志向に加え、食の簡便性、和食のグローバル化が進み、欧米を中心として国際的に水産物の需要が高まっており、これにより、輸入水産物の調達コストが上昇し、国産水産物も不安定な水揚げの影響を受けて単価の上昇が続いています。
さらに、国内では産地直送やネット販売の増加などにより水産物の市場経由率が低下し、いわゆる市場外流通がますます増加しており、市場内だけに止まらず市場外との販売競争が激しさを増しております。また、少子高齢化に加え近年は単身生活者の増加により消費構造が急速に変化。これに対応するため量販店、外食産業とも流通、加工、販売の各段階で改革、改善を急いでおり、当社グループを取り巻く経営環境は厳しさを増しております。
当社グループが事業拠点にしている築地市場は、平成28年11月2日をもって市場業務を終了し、7日に移転先の江東区豊洲市場が開場し、業務を開始します。移転には設備の新設、引っ越し作業等に多額の費用が見込まれるほか、閉鎖型、高床式、多層階になる新市場では物流費のコストアップが予想されており、システム化や効率化などを強化してまいります。当社グループの(株)ホウスイも豊洲市場において新たな冷蔵庫を建設し、同年10月に竣工の予定であり、当社グループは豊洲市場の開場に向けた準備に万全を期し、市場内同業各社との協力を強化してまいる所存であります。
このような状況の中、当社グループは主力の水産物卸売事業を中心にグループ各社が持つ冷蔵保管、リテールサポート、物流・在庫管理等の各機能を有機的に結び付け、当社グループの得意分野である生鮮水産物の集荷販売をさらに拡充させるとともに、卸売市場における公共的使命を担う企業として食の安全・安心の重要性を従来にも増して強く認識し、消費者が安心して食することのできる安全な商品の取り扱いに最大限の注力をしてまいる所存です。さらに、品質管理委員による一層の品質管理の向上、債権管理強化等による健全な財務体質の構築、商品の適正在庫量の管理強化、物流費等のコスト削減、顧客ニーズに対応した新商品開発、グループ内人員配置の適正化、グループ会社間の連携による拡販などに意を用いてまいります。
また、当社は豊洲市場に近接している中央区豊海地区において、効率的に水産物を配送できる機能を備えた「豊海流通配送センター(仮称)」の建設を計画し、平成30年5月完成を目指しており、これに向けて当社グループ横断のプロジェクトチームを編成し、運営体制の確立の準備を進めております。
冷蔵倉庫事業におきましては、平成26年1月に千葉県市川市に完成した物流センター及び同年2月に中国大連市に完成した冷蔵倉庫の確実な運営体制と集荷体制を構築し、また、グループ会社との連携による保管から末端までのトータル物流サービスを担って着実な事業の拡充を図ってまいります。
不動産賃貸事業におきましては、現有賃貸物件のサービス向上やメンテナンス強化等によって高稼働率を維持してまいります。荷役事業におきましては、豊洲市場での荷役事業の共同化に向けて設立された豊洲物流(株)との協業体制を進めるとともに、当社の荷役業務の効率化に向けて合理的な人員配置と経費の節減に取り組む所存であります。
当社グループは、関連事業も含めて水産物卸売市場業界の中核として取引先各位に信頼され、社会から必要とされる企業グループとして努力してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると考えられる重要なリスクは以下のとおりです。
① 市況変動等について
当社グループの主たる事業である水産物卸売事業においては、天候・海流等自然条件による漁獲量の変動、漁業資源に対する漁獲制限・輸出入制限、需給動向、為替相場などの要因により、水産物の市場入荷量や価格等に大幅な変動が生じる可能性があります。また、鳥インフルエンザ問題等により鶏卵自体の安全性の問題等が発生した場合には売上等に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制について
当社グループの主たる事業である水産物卸売事業は、市場流通面からは卸売市場法の規制を受け、食品取扱面からは食品衛生法及びJAS法等の規制を受けております。したがって、これらの法改正やこれらの法規制にかかる事故等が生じた場合は、市場業務や業績等に少なからぬ影響を与える可能性があります。
特に、改正卸売市場法では買付集荷が自由化され、また、同法に基づく東京都中央卸売市場条例により平成21年度からは受託販売にかかる定率手数料の弾力化がされております。これにより、市場取引における収益構造に変化が生じて当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
③ 売掛債権等の貸倒れについて
当社グループでは、売掛債権等の貸倒れリスクについては与信管理の強化、貸倒引当金積増しなどの対応策をとっておりますが、魚価下落と市場外流通の増加などの影響により、各市場における一部販売先にあっては企業体力が弱まり、売掛債権について貸倒れリスクが高まる可能性があります。一方、出荷者に対する前渡金債権についても、漁獲量の変動や魚価下落などの影響により、一部出荷者にあっては同様のリスクが高まる可能性があります。
④ コンピューターシステム障害について
当社グループ会社間は当社をセンターとしたオンラインシステムで結ばれており、保守管理やセキュリティには最大限の力を注いでおりますが、外部要因を含めてこれらのシステムに何らかの障害が生じた場合は、当社グループ全体の事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害について
当社グループの事業活動は首都圏に集中しているため、この地域において地震等大規模自然災害が生じた場合は、卸売市場設備、冷蔵倉庫設備、不動産設備等が毀損して、人的被害も含めて甚大な損失が生じる可能性があり、また、当社グループにおけるすべての事業又は一部の事業が一時的又は中長期的に中断される可能性があります。
なお、上記事項は本書提出日現在における判断であり、不確実要素が含まれております。また、当社グループにおける将来の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると考えられる要因は上記事項に限定されるものではありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成に当っては、経営者による会計方針の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の金額や開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りや判断と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産合計は、商品等の減少はありましたが、建設仮勘定等の増加により前連結会計年度末に比べ3,215百万円増の59,900百万円となりました。負債合計につきましては、長短借入金等の増加により前連結会計年度末に比べ2,842百万円増の36,519百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ372百万円増加し23,381百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境に改善が見られましたが、個人消費には停滞感があり、為替相場の変動や原油安などにより先行きの不透明感が次第に強まる状況となりました。また、中国をはじめとした新興国の成長鈍化も引き続き不安要素となっております。
当社グループが主力事業を展開する水産物卸売市場業界は、天然水産資源の減少や気候変動等による漁場や漁期の変化により取扱数量が減少しており、節約志向等による高価格商品の買い控えなどにより、依然として厳しい経営環境となっております。
このような状況のもと、当社グループは、市川流通センター・物流センターの事業が順調に推移したことやリテールサポート事業における新規顧客対策もあり、売上高は198,951百万円(前年同期比0.3%増)となり、集荷販売経費は増加したものの、人件費等の減少により営業利益1,048百万円(前年同期比37.5%増)、経常利益1,290百万円(前年同期比15.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は948百万円(前年同期比76.8%増)となりました。
なお、本年3月に判明した当社連結対象会社の元経理課長による不正行為と不適切な会計処理につきましては過年度(平成26年3月期、平成27年3月期)の決算を修正いたしました。当社といたしましては、今回の事態はグループ会社に対する管理が十分に行われていなかった結果であると真摯に反省し、今後は全グループ会社に対する管理体制を確立し再発防止に努めてまいります。
なお、セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
水産物卸売事業におきましては、輸入鮭鱒や養殖タイ・ハマチは順調な動きとなったものの、マグロ類は売れ行きが鈍化し、冷凍品は銀鮭やエビ、銀鱈が伸び悩み、鮮魚類のアジやカツオ、サンマの漁獲が不振となるなど厳しい集荷販売を余儀なくされました。このような状況の中、当社グループ会社それぞれが持つ機能を連携させて水産物の集荷販売に注力いたしました。その結果、水産物卸売事業における売上高は193,319百万円(前連結会計年度比0.3%増)となりましたが、親会社の貸倒引当金の戻し等による経費の減少により営業利益は244百万円(同237.9%増)となりました。
冷蔵倉庫事業におきましては、市川物流センターの稼働により売上高は4,858百万円(前連結会計年度比1.3%増)となり、営業利益は370百万円(同12.1%増)となりました。
不動産賃貸事業におきましては、各賃貸物件の稼働率が高水準で推移したことにより、売上高は449百万円(前連結会計年度比18.6%増)となり、営業利益は401百万円(同26.9%増)となり、荷役事業におきましては、売上高は323百万円(前連結会計年度比6.6%減)となりましたが、営業利益は45百万円(同8.6%増)となりました。
今後の見通しにつきましては、売上高201,000百万円、営業利益760百万円、経常利益950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益560百万円を見込んでおります。
(4)キャッシュ・フローの分析
「1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。