(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善により緩やかな回復基調が見られましたが、個人消費には停滞感があり、また、米国のトランプ政権の保護主義的な経済運営や中国など新興国の成長鈍化により先行き不透明な状況となっております。
当社グループが主力事業を展開する水産物卸売市場業界は、天然水産資源の減少や気候の変動による漁場や漁期の変化により取扱数量の減少傾向が続いており、消費マインドの足踏みもあって厳しい経営環境となっております。なお、平成28年11月7日に予定されていた豊洲新市場の開場が延期されたため、当連結会計年度中は引き続き築地市場で営業することとなりました。
このような状況のもと、当社グループは、新設した市川流通センター・物流センターの順調な稼働や新規顧客対策もあり、売上高は201,056百万円(前年同期比1.1%増)となり、集荷販売経費、人件費等の増加により、営業利益は982百万円(前年同期比6.3%減)、経常利益1,255百万円(前年同期比2.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は471百万円(前年同期比50.3%減)となりました。
なお、セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
水産物卸売事業におきましては、大衆魚のサンマ、スルメイカなどの水揚げが不振となり、円安等の影響により輸入冷凍品を中心に単価が上昇しましたが、冷凍インドマグロやサケ・マス、ギンダラなどが牽引して当連結会計年度は全体として売上高が増加いたしました。
このような状況の中、当社グループは、グループ会社それぞれが持つ機能を連携させて水産物の集荷販売に邁進し収益確保に注力いたしました。
その結果、水産物卸売事業における売上高は195,384百万円(前年同期比1.1%増)となり、集荷販売費、人件費等が増加したため営業利益は109百万円(前年同期比55.2%減)となりました。
冷蔵倉庫事業におきましては、市川物流センターや厚木物流センターの順調な稼働や保管料の増加により売上高は4,933百万円(前年同期比1.5%増)となり、経費節減に取り組んだ結果、営業利益は419百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
不動産賃貸事業におきましては、各賃貸物件の稼働率が高水準で推移した結果、売上高は464百万円(前年同期比3.4%増)となり、営業利益は407百万円(前年同期比1.5%増)となりました。荷役事業におきましては、売上高は273百万円(前年同期比15.2%減)となり、営業利益は50百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動、財務活動において増加したものの、投資活動において減少し、6,490百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、672百万円(前年同期3,639百万円の獲得)となりました。これは、主に、売上債権、前渡金、たな卸資産等の増加はあったものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、4,739百万円(前年同期6,313百万円の使用)となりました。これは、主に補助金の受取による収入はあったものの、有形固定資産の取得、預け金の増加による支出等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、4,066百万円(前年同期2,195百万円の獲得)となりました。これは、主に長期借入金の純増によるものです。
(1)当連結会計年度の生産実績
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
水産物卸売事業 |
996 |
94.8 |
|
計 |
996 |
94.8 |
(注) 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
(2)当連結会計年度の仕入実績
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
水産物卸売事業 |
|
|
|
受託品 |
26,787 |
90.1 |
|
買付品 |
157,625 |
104.4 |
|
計 |
184,413 |
102.1 |
(注)1 本表における仕入高は、受託品については販売高から卸売手数料を控除した金
額を、買付品については仕入金額を記載しております。
2 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(3)当連結会計年度の売上実績
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
水産物卸売事業 |
|
|
|
受託品 |
28,346 |
90.1 |
|
買付品 |
167,037 |
103.2 |
|
計 |
195,384 |
101.1 |
|
冷蔵倉庫事業 |
4,933 |
101.5 |
|
不動産賃貸事業 |
464 |
103.4 |
|
荷役事業 |
273 |
84.8 |
|
合計 |
201,056 |
101.1 |
(注)1 本表における水産物卸売事業の売上高は、せり、入札または定価売等の方法に
よる販売の売上金額を記載しております。
2 上記金額には消費税と地方消費税が含まれておりません。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、東京都中央卸売市場の公認された水産物卸売業者として、全国各地や海外から集荷した大量の生鮮・冷凍・塩干加工の各水産物の卸売を営む会社を中核とするグループを形成しております。
経営の基本理念として、堅実と信用を旨とし、株主、取引先、従業員そして地域社会に信頼され且つ貢献していくことを心掛けております。
水産物卸売事業におきましては、水産物の生産・加工両面での世界各地における変化や国内消費ニーズの変化を背景に、常に新しい商品や商材の開発を心掛け、種類と量との豊富な品揃えに注力し、各市場の中核を担う卸売会社として責任を果たしてまいります。
冷蔵倉庫事業におきましては、首都圏における物流基幹各地に9工場を配置し、各種冷凍・冷蔵品の保管配送の拠点として食品物流の効率化に努めます。
不動産賃貸事業は保有する資産の有効活用を図りグループ企業の財務の健全化の一翼を担い、荷役事業は水産物卸売事業の市場内での物流を担ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、経営目標として連結経常利益12億円以上を目指しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
国内外における生産需給事情の変化に即応しつつ取引先との連携を深め、広汎な情報収集と新商品開発への前向きな取組みによって集荷販売力を強化するとともに、信用力の根幹である財務体質とコンプライアンス体制の強化に努めてまいります。
また、グループ各社がもつそれぞれの機能を融合し相互に協働する仕組みを構築して、市場内外における水産物流通機能を強固なものとし、激しさ増す競争に勝ち残り続ける企業となることを目指します。
(4)会社の経営環境
水産物卸売市場業界は、世界的な水産資源の減少と資源保全のための漁獲規制の強化に加え、気候変動による海水温の上昇など海洋環境の変化に伴い、漁場や漁期が大きく変化し水揚げが不安定になっております。これを補うため、近年養殖事業が活発化し、生産量が増加しております。また、従来の健康志向に加え、食の簡便性、和食のグローバル化が進み、欧米を中心として国際的に水産物の需要が高まった影響を受け、輸入水産物の調達コストが上昇し、単価が高騰しております。
一方、国内では産地直送やネット販売の増加などにより水産物の市場経由率が低下し、いわゆる市場外流通がますます増加しており、市場内だけでなく、市場外との販売競争が激しさを増しております。さらに、高齢化に加え近年は単身生活者の増加により消費構造が急速に変化し、これに対応するため量販店、外食産業とも流通、加工、販売の各段階で改善、改革を急いでおります。
また、政府は平成28年11月に、「経済社会情勢の変化を踏まえて卸売市場法を抜本的に見直し、合理的理由のなくなっている規制は廃止」を内容とする「農業競争力強化プログラム」をまとめるなど、卸売市場法の見直しを進めております。卸売市場法の改正が行われれば新たな規制のもとで業務を行うことになります。
(5)会社の対処すべき課題
当社グループが事業拠点にしている築地市場は平成28年11月の江東区豊洲市場への移転が延期され、築地市場での営業を余儀なくされております。平成29年6月時点で、新たな移転日は決定されておりませんが、水産物の集荷販売に影響を及ぼさないよう注力してまいりますとともに、引き続き社内業務のシステム化や効率化などを強化してまいります。
当社グループの(株)ホウスイも豊洲市場において新たな冷蔵庫を建設いたしましたが営業出来ない状況となり、築地冷蔵庫を引き続き営業いたしております。当社グループは豊洲市場の開場に向けた準備に万全を期してまいります。
このような状況の中、当社グループは主力の水産物卸売事業を中心にグループ各社が持つ冷蔵保管、リテールサポート、物流・在庫管理等の各機能を有機的に結び付け、当社グループの主力事業である生鮮水産物の集荷販売をさらに拡充させるとともに、卸売市場における公共的使命を担う企業として食の安全・安心の重要性を従来にも増して強く認識し、消費者が安心して食することのできる安全な商品の取り扱いに最大限の注力をしてまいる所存です。さらに、コンプライアンスの向上、社会規範の順守、品質管理の徹底、債権管理強化等による健全な財務体質の構築、商品の適正在庫量の管理強化、物流費等のコスト削減、顧客ニーズに対応した新商品開発、グループ内人員配置の適正化、グループ会社間の連携による拡販などに意を用いてまいります。
当社は豊洲市場に近接している中央区豊海地区において、効率的に水産物を配送できる機能を備えた「豊海流通配送センター(仮称)」の建設を計画しておりますが、豊洲市場の開場が延期されたため、着工できておりません。同センターについても豊洲市場開場に合わせて、速やかに運営体制の確立の準備を再開いたします。
冷蔵倉庫事業におきましては、平成26年1月に千葉県市川市に完成した物流センターを中心に首都圏9ヶ所にある冷凍・冷蔵保管スペース(約14万トン)を有効に利用しグループ会社との連携による保管から末端までのトータル物流サービスを担って着実な事業の拡充を図ってまいります。また、中国・大連の冷凍加工場は設立後3年を経過しましたが、現地の物流事情に合わせ経営に取り組んでまいります。
不動産賃貸事業におきましては、現有賃貸物件のサービス向上やメンテナンス強化等によって高稼働率を維持してまいります。荷役事業におきましては、業務の効率化に向けて合理的な人員配置と経費の節減に取り組む所存であります。当社グループは、関連事業も含めて水産物卸売市場業界の中核として取引先各位に信頼され、社会から必要とされる企業グループとして努力してまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると考えられる重要なリスクは以下のとおりです。
① 市況変動等について
当社グループの主たる事業である水産物卸売事業においては、天候・海流等自然条件による漁獲量の変動、漁業資源に対する漁獲制限・輸出入制限、需給動向、為替相場などの要因により、水産物の市場入荷量や価格等に大幅な変動が生じる可能性があります。また、鳥インフルエンザ問題等により鶏卵自体の安全性の問題等が発生した場合には売上等に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制について
当社グループの主たる事業である水産物卸売事業は、市場流通面からは卸売市場法の規制を受け、食品取扱面からは食品衛生法及びJAS法等の規制を受けております。したがって、これらの法改正やこれらの法規制にかかる事故等が生じた場合は、市場業務や業績等に少なからぬ影響を与える可能性があります。
特に、改正卸売市場法では買付集荷が自由化され、また、同法に基づく東京都中央卸売市場条例により平成21年度からは受託販売にかかる定率手数料の弾力化がされております。これにより、市場取引における収益構造に変化が生じて当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
③ 売掛債権等の貸倒れについて
当社グループでは、売掛債権等の貸倒れリスクについては与信管理の強化、貸倒引当金積増しなどの対応策をとっておりますが、魚価下落と市場外流通の増加などの影響により、各市場における一部販売先にあっては企業体力が弱まり、売掛債権について貸倒れリスクが高まる可能性があります。一方、出荷者に対する前渡金債権についても、漁獲量の変動や魚価下落などの影響により、一部出荷者にあっては同様のリスクが高まる可能性があります。
④ コンピューターシステム障害について
当社グループ会社間は当社をセンターとしたオンラインシステムで結ばれており、保守管理やセキュリティには最大限の力を注いでおりますが、外部要因を含めてこれらのシステムに何らかの障害が生じた場合は、当社グループ全体の事業運営に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害について
当社グループの事業活動は首都圏に集中しているため、この地域において地震等大規模自然災害が生じた場合は、卸売市場設備、冷蔵倉庫設備、不動産設備等が毀損して、人的被害も含めて甚大な損失が生じる可能性があり、また、当社グループにおけるすべての事業又は一部の事業が一時的又は中長期的に中断される可能性があります。
⑥豊洲新市場への移転延期について
東京都は平成28年8月31日、同年11月7日に予定していた築地市場から豊洲新市場への移転を延期すると発表しました。移転の延期に伴い発生する具体的な費用については、東京都から補償される見通しでありますので、平成29年3月期の業績に影響が及ばないと想定しております。
なお、上記事項は本書提出日現在における判断であり、不確実要素が含まれております。また、当社グループにおける将来の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があると考えられる要因は上記事項に限定されるものではありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成に当っては、経営者による会計方針の選択及び適用、資産及び負債並びに収益及び費用の金額や開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りや判断と異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産合計は、時価評価による投資有価証券、また、冷蔵倉庫事業の設備投資による有形固定資産の増加等により前連結会計年度末に比べ6,572百万円増の66,473百万円となりました。負債合計につきましては、支払手形及び買掛金、長期借入金の増加等により前連結会計年度末に比べ5,280百万円増の41,799百万円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,291百万円増加し24,673百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金の増加によるものです。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善により緩やかな回復基調が見られましたが、個人消費には停滞感があり、また、米国のトランプ政権の保護主義的な経済運営や中国など新興国の成長鈍化により先行き不透明な状況となっております。
当社グループが主力事業を展開する水産物卸売市場業界は、天然水産資源の減少や気候の変動による漁場や漁期の変化により取扱数量の減少傾向が続いており、消費マインドの足踏みもあって厳しい経営環境となっております。なお、平成28年11月7日に予定されていた豊洲新市場の開場が延期されたため、当連結会計年度中は引き続き築地市場で営業することとなりました。
このような状況のもと、当社グループは、新設した市川流通センター・物流センターの順調な稼働や新規顧客対策もあり、売上高は201,056百万円(前年同期比1.1%増)となり、集荷販売経費、人件費等の増加により、営業利益は982百万円(前年同期比6.3%減)、経常利益1,255百万円(前年同期比2.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は471百万円(前年同期比50.3%減)となりました。
なお、セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
水産物卸売事業におきましては、大衆魚のサンマ、スルメイカなどの水揚げが不振となり、円安等の影響により輸入冷凍品を中心に単価が上昇しましたが、冷凍インドマグロやサケ・マス、ギンダラなどが牽引して当連結会計年度は全体として売上高が増加いたしました。
このような状況の中、当社グループは、グループ会社それぞれが持つ機能を連携させて水産物の集荷販売に邁進し収益確保に注力いたしました。
その結果、水産物卸売事業における売上高は195,384百万円(前年同期比1.1%増)となり、集荷販売費、人件費等が増加したため営業利益は109百万円(前年同期比55.2%減)となりました。
冷蔵倉庫事業におきましては、市川物流センターや厚木物流センターの順調な稼働や保管料の増加により売上高は4,933百万円(前年同期比1.5%増)となり、経費節減に取り組んだ結果、営業利益は419百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
不動産賃貸事業におきましては、各賃貸物件の稼働率が高水準で推移した結果、売上高は464百万円(前年同期比3.4%増)となり、営業利益は407百万円(前年同期比1.5%増)となりました。荷役事業におきましては、売上高は273百万円(前年同期比15.2%減)となり、営業利益は50百万円(前年同期比11.7%増)となりました。
今後の見通しにつきましては、売上高201,300百万円、営業利益920百万円、経常利益1,260百万円、親会社株主に帰属する当期純利益540百万円を見込んでおります。
(4)キャッシュ・フローの分析
「1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。