当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社を取り巻く市場環境は、高水準な公共投資や民間設備・建設投資の継続、大型再開発案件やリニューアル案件の具体化等のプラス要因により総じて順調に推移すると想定していますが、国内外の社会・経済情勢が目まぐるしく変化し先行き不透明感が一層強まる中、資機材・労務費価格の上昇や時間外労働上限規制の影響等のリスクが引き続き内包されています。
このような環境下、当社は2024年1月31日に公表いたしました中期経営計画において「カーボンニュートラル」「安心・安全・快適な社会作り」の2つを重点的に取り組むべき社会課題領域と位置付け、全社総合力(電気設備・商品販売)結集と他社協業推進により高付加価値ソリューションを提案・提供し持続的な成長を通じて企業価値向上を図っております。
■企業理念等
[企業理念]
当社は、高い倫理観と遵法精神のもと、企業理念である『創造する喜びを通して、豊かな社会の実現に貢献します。』を日々の事業活動のなかで実践しております。さらに2024年4月1日付にて自社のアイデンティティを示すコーポレートメッセージとして『Create the bright future』を定めるとともに、すべての行動の原点となる基本姿勢・経営方針を新たに策定いたしました。
[基本姿勢]
・共に働く仲間たちをはじめ、すべてのステークホルダーを大切にし、信頼される会社であり続けます。
・社員1人1人が切磋琢磨し技術力の向上を図るとともに、更なる技術革新に挑戦し続けます。
・最先端の知見と技術力により、常に最高の品質を提供します。
・すべての人の健康と安全に配慮するとともに、多様性を尊重します。
・地球環境の保護に取り組むとともに、地域社会との協調・共存を図ります。
・法令・社会規範の変化に対応しながら、高い倫理観を持って行動します。
■経営方針
当社は企業としての持続的成長実現による経済的価値向上に加え、環境・社会の持続性への貢献による社会的価値創造を通じてサステナビリティ経営を追求し、すべてのステークホルダーを意識した企業価値向上を図ってまいります。
2027年度目標の「ありたい姿」
(イ) 優良顧客との信頼関係維持・強化を基盤に、先行的な成長投資により事業領域・顧客層の拡大と事業構造の最適化を実現し、高水準かつ安定的な収益体制を構築する。
(ロ) 「カーボンニュートラル」「安心・安全・快適な社会作り」の2つを重点的に取り組むべき社会課題領域と位置付け、全社総合力(電気設備、商品販売)結集と、他社協業推進により、高付加価値ソリューションを提案・提供する。
(ハ) ガバナンス・コンプライアンスの確保を大前提とした上で、「誰もが健康で働き易く、働き甲斐のある会社・職場」を実現するとともに、全てのステークホルダーを対象に満足度向上に努める。
■中期的な経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループでは、かねてより持続的成長の実現を目指して経営基盤強化・事業基盤強化に取り組んでまいりましたが、電気設備工事を取り巻く市場環境の変化が一層加速する中、東証スタンダード市場への上場企業として求められる社会的責任への対応強化の一環として、中期経営計画に基づき、2027年度以降の「ありたい姿」を実現するために、安定的に利益を創出しつつ成長投資並びに株主還元を推進してまいります。なお、同中期経営計画の重点施策である「施工力強化」の一環として、2024年12月16日付にて、東新電気工業株式会社の全株式を取得し、また、株主還元策として増配並びに中間配当を実施いたしました。
■経営実績の評価
当連結会計年度は、当社が中期経営計画において「3年間(2024~2026年度)で30億円以上の営業利益を創出し、企業価値向上に向けた成長投資と株主還元を実施」と位置付けた「フェーズ1」の初年度に当たりますが、M&AやDXを始めとした成長投資を実施しつつ前述の業績を上げ、同計画において「フェーズ2(2027年度以降)」の継続目標として掲げた「営業利益20億円以上、営業利益率5%以上、当期純利益15億円以上、ROE8%以上」を実現いたしました。
[中期経営計画(2027年度目標)数値目標]

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2024年1月31日に公表した「2027年度目標 中期経営計画」において、新たな経営方針として「サステナビリティ経営の追求により、全てのステークホルダーを意識した企業価値向上を図る」を打ち出しております。サステナビリティ経営は「企業としての持続的成長実現による経済的価値向上」と「環境・社会の持続性への貢献による社会的価値創出」を両輪としており、当社グループは以下4点をマテリアリティ(重要課題)として中期経営計画を推進してまいります。
◆安心・安全・快適な社会作り
◆カーボンニュートラルへの貢献
◆従業員の幸福度追求
◆ガバナンス・コンプライアンスの拡充
マテリアリティのうち、「ガバナンス・コンプライアンスの拡充」以外の3点につきPDCAフォローを実施し、中期経営計画(=サステナビリティ経営)を推進することを目的としてサステナビリティ担当役員を委員長とするサステナビリティ委員会を2024年4月1日付で組成いたしました。
・2027年度目標中期経営計画にて公表した新たな経営方針(「サステナビリティ経営の追求により、全てのステークホルダーを意識した企業価値向上を図る」)を実現すべく、サステナビリティ経営の推進母体としてサステナビリティ委員会を新設
・中期経営計画の「マテリアリティ」につき、「企業としての持続的成長実現」「環境・社会の持続性への貢献」の観点からKPIを設定しPDCAフォロー(取締役会・経営戦略会議への報告、社内関係部門・関係会社への展開等)を実施
a.企業としての持続的成長実現:経営指標、キャッシュアロケーション、従業員エンゲージメント&多様性への対応
b.環境・社会の持続性への貢献:カーボンニュートラルへの取り組み(事業、自社)、安全・安心・快適な社会作り(事業、自社)

サステナビリティ委員会の活動は、年2回、取締役会に報告し、特に重要な事項については随時、取締役会に上程または報告して適宜必要な指示・助言を受けることによりモニタリングを図っております。
また、サステナビリティ委員会での確認・検討結果は、中間決算、年度決算内容を反映した上で、年2回、「中期経営計画進捗状況」として公表しております。当連結会計年度のサステナビリティ委員会は、2024年7月30日、2024年11月25日に開催いたしました。
当社グループは、「環境方針」「環境目標」に基づき自社の活動を通じて継続的に環境課題への取り組みを推進するとともに、事業活動を通じて環境・社会の持続性への貢献を図っております。また、「誰もが健康で働き易く働き甲斐のある会社」を目指し、企業としての持続的成長実現の手段として、従業員エンゲージメントの向上や多様性への対応に取り組んでおります。
こうした活動に対するリスク要素として気候変動、自然資源の枯渇、炭素税等の法規制強化、ベテラン社員の退職による技術継承リスク等が顕在化しており、当社グループに対して財務的な損失や競争力低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。
一方で、高水準な再エネ/省エネ需要の継続、補助金等の国策支援、環境配慮型設備等を切り口とした保守・更新提案、IoTやDX技術の進展に伴う生産性向上等、事業拡大や競争力強化の機会も増大しております。
このような状況を踏まえ、当社は中期経営計画において「安全・安心・快適な社会作り」と「カーボンニュートラルへの貢献」、「従業員の幸福度追求」をマテリアリティ(重要課題)と定め、各部門において市場・顧客動向、技術動向、法規制、当社保有リソース(人的リソース、技術・開発力等)等を勘案した上で具体的な戦略立案・実行を進めております(個別戦略は(3) 戦略に記載)。
なお、個別戦略のPDCA(リスク・機会の確認、施策の追加・見直し等を含みます)については、年2回(9月、3月)の「事業審議会」、並びに月次の「経営戦略会議」にて推進状況を確認するとともに、必要に応じて取締役会への報告・審議を行っております。
また前述の「サステナビリティ委員会」で半期、或いは通期の最終確認を行い、経営戦略会議並びに取締役会への報告・審議を実施した上で、「中期経営計画推進状況」として社外に公表しております。
具体的な取り組みとして以下を実施中です。
・自社内の取り組み
a.当社グループは環境マネジメントシステム(ISO14001)を運用し、その中で「環境方針」を策定し環境に対する取り組みの具体的な目標を事業部門ごとに定めております。環境マネジメントシステムでは、環境パフォーマンスを評価し改善する仕組みを構築しており、事業活動に伴う環境リスクを評価し予防措置や緊急対応策等を策定して環境影響評価やリスクアセスメントを展開、事故や環境汚染の予防対策に取り組んでおります。また、当社グループの環境保護活動への取り組みを「環境保護活動報告」としてHPに開示しております。
b.また、本社屋上キュービクルダウンサイジング更新に加え、本社建物における電力使用については東京電力との非化石証書契約を導入しております。これによりScope1のGHG(温室効果ガス)排出量の削減を積極的に推進しています(GHG排出量削減の定量値はP.12「(4) 指標及び目標 ① サステナビリティ指標」に記載)。
c.さらに、2025年度内に小規模拠点への太陽光発電設備/蓄電設備設置(電力自家消費)に着手予定です。
・事業活動を通じた取り組み
a.超高圧変電所の施工技術を活かし、再エネ事業案件(蓄電施設、水力発電、太陽光発電等)への取り組みを実施しており、当連結会計年度(2024年度)は受注高約15億円、完成高約10億円の実績を上げました。
b.需要家(顧客)の電力データ分析を通じ、「電力運用効率化」「受変電方式・設備構成 最適化」「設備健全化」を提案する「電力運用改善提案」を2021年度から実施しております。需要家の恒久的な省エネ・BCPを実現し、併せて改修・リニューアル工事受注を維持・拡大することを目的としており、当連結会計年度は既存顧客に3件の提案を実施いたしました。また、顧客への環境負荷低減(省エネ・脱炭素など)提案推進の一環として「電気設備劣化診断」に取り組んでおり、当連結会計年度は3件の診断を行いました。
c.ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)推進を梃子とした「人と環境に優しい建物創り」に取り組んでおり、当連結会計年度は、重要顧客の都内本社建替新築工事(ZEB Ready案件)において「ZEBプランナー業務+工事施工」を 受注いたしました。また設計段階で太陽光発電、ZEB、環境配慮機器等の環境負荷低減仕様を積極的に提案しております。
具体的な重点取り組み事項は以下のとおりです。
a.事業継承型M&Aや事業パートナー連携の模索、新卒に加えリファラル採用・アルムナイ採用等
の経験者採用実施
b.人事処遇制度の改訂や健康経営の実現、福利厚生・社内環境の充実等の施策を通じた従業員エン
ゲージメントの向上
c.女性管理職比率の向上や男女間賃金差是正への取り組みを通じたダイバーシティ経営の実現
当社は気候変動への対応として、三菱電機がグループ全体のサステナビリティ指標として策定した以下の中長期Co2排出量目標を、具体的な行動計画に落とし込み取り組みを進めております。
なお、当社の2024年度実績は、基準となる2013年度対比で
a.Scope1:リース車におけるハイブリッド車の導入等で△24%
b.Scope2:これまでに実施した本社ビル照明器具のLED化や全社における毎年度の省エネルギー活動により△42%
c.Scope3:実施検討中
トータルで△34%のCo2排出量削減を実現いたしました。
GHG排出量実績(単位:t-CO2)
Scope1:直接排出(自社での燃料の使用等による直接的な排出)
Scope2:間接排出(自社が購入した電気等による間接的な排出)
当社グループは、2030年度並びに2050年度に向けた三菱電機グループのサステナビリティ指標を達成すべく、これまでの取り組みを継続するとともに、更なる省エネルギー活動の検討を進めてまいります。
企業の社会的責任(CSR)を果たし、企業価値の向上と従業員の満足度向上を図るとともに、「誰もが健康で働き易く働き甲斐のある会社」を目指してまいります。
a.人的資源の確保
【M&Aや事業パートナー連携の模索】
2024年12月に東新電気工業株式会社(福島県)をM&Aにて完全子会社化し、東北エリアにおける施工力強化を図りました。今後も、M&A、事業パートナー連携の実現に向け、引き続き調査、情報収集に努めてまいります。
【採用状況】
次代を担う優秀な人材確保のため、大学・高等学校、各種専門学校への訪問数を拡大(延べ100校)、採用パンフレットの刷新等に取り組んだ他、海外人材に目を向け、海外合同説明会(年2回)に参加し人材の確保に努めてまいりました。また、残業時間の上限規制への対応、並びに現場作業員負担軽減のため、リファラル採用、アルムナイ採用等の施策により、経験者採用の強化にも取り組んでまいりました。
(新卒採用)
(経験者採用)
b.従業員エンゲージメントの向上
【人事処遇制度改定】
従業員が仕事に対する満足度(モチベーション)を上げ、当社の経営方針である「誰もが健康で働きやすく働き甲斐のある会社」を実現するために人事処遇制度の改定を行いました。主な改定内容は「スペシャリストの育成」、「管理職の賃金体系見直し」、「昇格・昇給のスピードアップ」であり、2025年4月1日より改定、運用を開始しております。
【健康経営の実現】
当社は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する健康経営の取り組みが優良であると認められ、日本健康会議より「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)」の認定を5年連続で受けております。その他の活動として、従業員の健康維持、促進を図り心身共に健康で仕事に従事できるようにするために定期健康診断の受診率100%達成を目標とした取り組みを行い、2024年度は受診率100%を達成いたしました。
メンタルヘルスに関しては年1回ストレスチェックを実施し、高ストレス者の早期発見に努めており、2024年度の調査では高ストレス者率は11.5%となりました。また、高ストレス者と判定された従業員のうち、希望者には医師によるカウンセリングを実施しております。さらにセルフケア研修を年4回、ラインケア研修を年1回開催し、心の健康を健全に保つ教育を推進しております。
【福利厚生・社内環境の拡充】
当社は少子化を深刻な社会問題として捉え、従業員処遇改善の取り組みを進めております。子育て支援などに関する制度をより手厚いものにし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(新たな制度制定)2025年4月1日付
(制度の改定)2025年4月1日付
【賃金・初任給の改定】
優秀な人材確保、従業員エンゲージメント向上、物価上昇への対応等の観点から賃金、初任給の改定を行いました。
(組合員平均、定期昇給含まず)
(初任給)
c.ダイバーシティ経営の実現
【女性管理職比率の向上、男女賃金格差の是正】
当社の女性管理職比率は2024年度実績で3.4%(5人)に留まっておりますが、女性活躍推進法等に基づき2026年度までに1.2倍の4%にすることを目標に底上げを図ってまいります。また、同一資格における男女間の賃金格差はありませんが、資格別の男女分布(男性の方が高資格者が多い)を主因として男女間の平均賃金にも差異が生じています(男性を100とすると女性71.1)。当社は女性社員の絶対数、並びに女性管理職比率の増加に向けた諸施策展開を通じ、引き続き男女間賃金差の是正に取り組んでまいります。
【男性社員の育児休暇取得推進】
男性社員の育児休暇取得推進策として「男性従業員向け産休・育休の手引き」を作成し、社内周知を図りました。このような活動の効果もあり、2024年度の男性社員の育児休暇取得率は75%となりました。当社は男性社員が育児に積極的に参加できる社内環境の整備を行い、仕事と家庭の両立を支援する会社を目指してまいります。
これらの(3) 戦略、(4) 指標及び目標について、当社グループにおいては、関連する指標のデータ管理と具体的な取り組みを行っておりますが、連結グループに属する一部の会社では指標のデータ管理等が行われていないため、連結グループとしての記載が困難であります。このため、(3) 戦略、(4) 指標及び目標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、中華人民共和国北京市に設立した100%子会社1社により、設備工事事業等を展開しております。しかしながら、為替変動や人件費の高騰、日系企業の投資抑制等、建設需要が冷え込む可能性があります。また、法的規制や変更、商習慣、慣習の違い、雇用問題等不測の事態が発生した場合、経営状態が変動する可能性がある等、カントリーリスクが存在しています。当社グループでは、海外子会社との連携による情報収集を通して早期に問題を認識し、具体的かつ適切な対処をするよう取り組むことで、その予防・回避に努めておりますが、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、民間設備投資や公共投資の増減による建設市場規模の変化や、受注競争激化による粗利率の低下等により、業績に影響を与える可能性があります。当社グループにおいて公共投資及び民間設備投資等の現状把握・状況分析に努めておりますが、建設業における景気動向等に大きな変化が生じ受注競争が激化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループでは今後の活動方針として「持続的な成長に向けた基盤強化施策の展開・実現」を経営目標と位置付け、社内における設計・技術連携による提案力の強化、三菱電機グループ各社を含めた他社との連携推進により、営業基盤の強化、事業領域の拡大に努めてまいります。当該事業展開を通して当社を取り巻く事業環境を的確に捉え、更なる高い指標の実現に向け、取り組みを継続してまいります。
当社の親会社は三菱電機株式会社であり、当連結会計年度末において、当社議決権の51.4%を所有しております。
当社グループは、親会社より当連結会計年度において126億3百万円の工事を受注しており、当社グループの全受注工事高の29.6%を占めています。親会社の経営成績の状態及び設備投資状況は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合、又は事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは保有資産については経営状態及び時価の調査、営業上の保有意義の確認を定期的に実施し、事業用不動産につきましても資産価値の確認を行っておりますが、著しい下落等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、相手先の財務状態に応じた与信管理を実施しており、また定期的に取引先の経営状況を把握するため、調査を実施して不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の急激な経営状況の悪化等により、予期せぬ債権の回収不能状況が発生し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
当社グループは、主要な事業である電気設備工事事業において、建設業法、電気工事業法、電気工事士法等、各種法令による規制を受けており、コンプライアンス委員会の設置、社内教育の徹底を通じ、継続的なコンプライアンスの実践に努めております。しかし、これらの法令が変更される又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入される等の理由による法令違反、社会規範に反した行動等により、処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受けた場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
当社グループは、現在想定されている首都直下型地震や東南海地震等の大規模地震、台風による風水害等により、予期せぬ自然災害を被り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、電気設備工事事業を遂行するにあたり、多くの建設資材を調達しておりますが、建設資材価格が急激に高騰した場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは、国内外の原材料相場価格、建材価格動向や受注生産品の納期動向を絶えず注視し、また資材部門による集中購買により効果的な価格安定策を図る事でリスクの低減に努めております。
当社グループは、電気設備工事事業を遂行するにあたり、多くの外注工事を発注しておりますが、人材不足等により工賃単価が上昇した場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは外注工事各社の施工体制の把握・管理を逐次行い関係の強化を図る事で、安定的な施工体制の構築に努めております。
当社グループは、電気設備工事事業を遂行するにあたり、人的・物的事故が発生した場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは常時、施工方法及び現場管理方法につき研究を行っております。また、安全管理部門による定期的な巡回を実施し、安全かつ効率的な施工が行えるよう努めております。
当社グループでは、経営基盤強化策として人財/施工力の強化を重要項目として掲げております。事業規模拡大の前提となる技術員の確保/拡充に向け、毎年の新入社員登用及び積極的な中途採用活動を実施しておりますが、少子化による新卒採用人材の慢性的な不足・同業他社との採用競争激化により人材不足となった場合、施工及び営業活動が低下し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。
当社グループとして、採用から退職に至るまでのライフサイクル全般の福祉充実を図り、「誰もが健康で働き易く、働きがいのある職場づくり」を推進することにより、「弘電社ブランド」としての企業価値向上を促進し、人財/施工力の強化に努めます。
当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、民間企業をはじめとした高水準な設備投資・建設投資の継続、電材・管材市場の堅調維持等を背景に、順調に推移いたしました。このような状況の中、当期の経営成績は手持工事の着実な遂行に加え、物価上昇による人件費や資機材価格の高騰に伴い増加したコストの価格への適正反映並びに従来から実施してきた原価低減策の継続による粗利率の更なる改善等を主因として、売上高392億64百万円、営業利益30億81百万円、経常利益31億69百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は海外子会社の清算益等があったため、27億37百万円となりました。
セグメント別売上実績の内訳
当期における電気設備工事の受注実績は、高水準な設備投資・建設投資に伴う大規模改修案件並びに大型新築案件の受注を主因として好調に推移し、425億42百万円と前年を上回る結果となりました。
また、商品販売の受注実績は89億45百万円と前年比横ばいとなりました。
セグメント別受注実績の内訳
(注) 商品販売については受注から販売までの期間が短期であることから、受注実績と売上実績を同額としております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6億86百万円となり、前連結会計年度末より2億30百万円減少となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動による資金の増加は11億16百万円となりました(前連結会計年度は1億90百万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益37億79百万円、未払消費税等の減少額9億85百万円、法人税等の支払額6億44百万円、その他の流動資産の増加額3億46百万円及び未収消費税等の増加額3億21百万円等によるものです。
投資活動による資金の減少は2億49百万円となりました(前連結会計年度は13百万円の増加)。これは主に、長期貸付金の回収による収入30億円、長期貸付けによる支出23億円及び短期貸付金の増加額12億80百万円等によるものです。
財務活動による資金の減少は10億76百万円となりました(前連結会計年度は4億18百万円の減少)。これは主に、配当金の支払額7億70百万円及び自己株式の増加額2億36百万円等によるものです。
(注) 電気設備工事には仕入実績はありません。
(注) 商品販売については受注から販売までの期間が短期であることから、受注実績は売上実績により表示しております。
(注) 主な相手先の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
d.電気設備工事における受注工事高及び完成工事高の状況
1) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
3.その他工事は、送電線工事、発変電工事、通信工事、空調工事であります。
2) 受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
3) 完成工事高
(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度請負金額3億円以上の主なもの
当事業年度請負金額3億円以上の主なもの
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
4) 次期繰越工事高 (2025年3月31日現在)
(注) 次期繰越工事のうち請負金額3億円以上の主なものは、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、9億51百万円の増加となりました。これは主に、売上債権の減少35億23百万円がある一方で、契約資産の増加32億39百万円及びその他に含まれている未収消費税の増加3億21百万円等によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、5億7百万円の減少となりました。これは主に、工事に係る材料・外注等の支払による仕入債務の増加4億27百万円及び未払法人税等の増加3億20百万円がある一方で、未払消費税の減少9億85百万円及び工事損失引当金の減少2億83百万円等によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、14億58百万円の増加となりました。これは主に、配当金の支払7億70百万円及び自己株式取得による影響額2億36百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上27億37百万円によるものです。
2) 経営成績
(売上高)
完成工事高は、高水準な設備投資・建設投資に伴う大口案件並びにリニューアル案件等の手持工事の着実な遂行により、前連結会計年度に比べ17.8%増の303億18百万円となりました。また、商品売上高は、前連結会計年度に比べ1.9%減の89億45百万円と横ばいとなりました。
(経常利益)
売上高が増加したことにより経常利益は、前連結会計年度に比べ145.3%増の31億69百万円となりました。
(法人税等)
法人税等は、前連結会計年度より増加し10億37百万円となりました。これは主に、課税所得の増加により、法人税、住民税及び事業税が増加したためであります。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
連結子会社弘電工事株式会社の非支配株主に帰属する損益からなっております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益27億37百万円となり、1株当たり当期純利益金額は309.66円となりました。
3) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローについては、前掲「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
1) 資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、工事に係る材料費・外注費・経費、商品販売に係る製品の購入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは従業員の人件費であります。
2) 資金調達
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金のみであり、期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が調達しております。当連結会計年度末において、短期借入金の残高は5億円で、全て銀行借入金からなっております。
当社グループは、現在健全な財政状態を維持しており、また、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力もあるため、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2024年4月から2028年3月までの中期的な経営戦略において、連結売上高400億円以上の達成、連結営業利益率5%以上、ROE8%以上を持続的に達成すべき経営指標としております。
2024年度~2026年度のフェーズ1においては、3年間で30億円以上の営業利益創出、適正利潤を確保しつつ「ありたい姿」の実現に向けた先行投資と株主還元に取り組んでまいります。
以上の結果を踏まえ、翌連結会計年度以降は従来以上に社内事業部門間及び専門技術を有する他社との事業連携をより一層強化し、持続的に達成すべき経営指標の実現に向け、取り組みを継続してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値等に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。このため、完成工事高及び工事損失引当金の見積りに係る仮定設定の判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、継続して評価を行っております。当社グループでは、当連結会計年度における工事収益、工事原価総額及び工事損失引当金の見積りについて、事象の変化等により必要に応じて見直しを行い、会計上の見積りを行っておりますが、人手不足による労務単価の上昇や銅価格上昇による資機材価格の高騰等と併せて、上記見積りの前提に齟齬が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。
a.履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法による完成工事高の計上及び工事損失引当金の計上
当社グループの完成工事高の計上については、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法では、見積工事原価総額に対する発生原価の割合をもって工事の進捗率を見積り、工事収益総額に進捗率を乗じて完成工事高を計上しております。
また、工事損失引当金については当連結会計年度末における手持工事のうち、将来に損失の発生が見込まれ、かつ、工事収益総額及び工事原価総額を合理的に見積ることができる工事について、見積工事原価総額が工事収益総額を超過する金額から既に計上された損失の額を差し引き、その残額を将来の損失見込額として計上しております。
工事原価総額の見積りにおいては、図面・施工状況等を勘案し、資機材及び電工人数の必要量を算定しております。また、資機材や電工費の金額については業者の見積回答を基礎とし、見積回答が入手できない場合については市場価格や過去の類似の案件を参考にしております。しかしながら、この見積りには工事仕様・施工方法の変更及び建設資材価格や外注工賃の変動、自然災害等の発生による工事の中断等の様々な要因により完成工事高及び完成工事原価の実績金額に変動が生じ、当連結会計年度に見積もられた工事損失引当金と乖離が生じる可能性があります。
(提出会社)
主な代理店契約等は次のとおりであります。
当連結会計年度における研究開発活動の金額は軽微であるため、記載を省略しております。なお、当社は工事現場における実施設計業務の効率化や情報共有の円滑化を通じた業務改革(DX)の実現により現場負荷の軽減と競争力維持・向上を図るべく、2025年度以降、既存ソフトウェアのカスタマイズ開発、既存ソフトウェア連携および生成AIの活用を目的とした当社独自開発等の研究開発活動を進めてまいります。