第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

当社を取り巻く市場環境は、高水準な公共投資や民間設備・建設投資の継続、大型再開発案件やリニューアル案件の具体化等のプラス要因により総じて順調に推移すると想定しています。一方で、物価上昇や米国の通商政策動向等の景気下押しリスク、中東情勢の悪化による原油価格の高騰等、国内外の社会・経済情勢は目まぐるしく変化し、先行き不透明感が一層強まっており、当社関連市場においても、物価上昇による設備投資意欲の減退等のリスクが内包されています。

このような環境下、当社は2024年1月31日に公表いたしました中期経営計画において「カーボンニュートラル」「安心・安全・快適な社会作り」の2つを重点的に取り組むべき社会課題領域と位置付け、全社総合力(電気設備・商品販売)の結集と他社との協業推進により、高付加価値ソリューションを提案・提供し持続的な成長を通じて企業価値向上を図っております。

 

■企業理念等

[企業理念]

当社は、高い倫理観と遵法精神のもと、企業理念である『創造する喜びを通して、豊かな社会の実現に貢献します。』を日々の事業活動の中で実践しております。また、自社のアイデンティティを示すコーポレートメッセージ『Create the bright future』のもと、すべての行動の原点となる基本姿勢を次のとおりに定めております。

 

[基本姿勢]

・共に働く仲間たちをはじめ、すべてのステークホルダーを大切にし、信頼される会社であり続けます。

・社員1人1人が切磋琢磨し技術力の向上を図るとともに、更なる技術革新に挑戦し続けます。

・最先端の知見と技術力により、常に最高の品質を提供します。

・すべての人の健康と安全に配慮するとともに、多様性を尊重します。

・地球環境の保護に取り組むとともに、地域社会との協調・共存を図ります。

・法令・社会規範の変化に対応しながら、高い倫理観を持って行動します。

 

■経営方針

当社は企業としての持続的成長実現による経済的価値向上に加え、環境・社会の持続性への貢献による社会的価値創造を通じてサステナビリティ経営を追求し、すべてのステークホルダーを意識した企業価値向上を図ってまいります。

 

2027年度目標の「ありたい姿」

・優良顧客との信頼関係維持・強化を基盤に、先行的な成長投資により事業領域・顧客層の拡大と事業構造の最適化を実現し、高水準かつ安定的な収益体制を構築する。

・「カーボンニュートラル」「安心・安全・快適な社会作り」の2つを重点的に取り組むべき社会課題領域と位置付け、全社総合力(電気設備、商品販売)結集と、他社協業推進により、高付加価値ソリューションを提案・提供する。

・ガバナンス・コンプライアンスの確保を大前提とした上で、「誰もが健康で働き易く、働き甲斐のある会社・職場」を実現するとともに、全てのステークホルダーを対象に満足度向上に努める。

 

 

■中期的な経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループでは、かねてより持続的成長の実現を目指して経営基盤強化・事業基盤強化に取り組んでまいりましたが、電気設備工事を取り巻く市場環境の変化が一層加速する中、東証スタンダード市場への上場企業として求められる社会的責任への対応強化の一環として、中期経営計画に基づき、2027年度以降の「ありたい姿」を実現するために、安定的に利益を創出しつつ成長投資並びに株主還元を推進してまいります。

 

■経営実績の評価

当連結会計年度は、当社が中期経営計画(2026年1月改訂)において「30億円/年レベルの営業利益を創出し、企業価値向上に向けた成長投資と株主還元を実施」と位置付けた「フェーズ1(2024~2026年度)」の2年目に当たり、2027年度以降の「ありたい姿」の実現に向け、現場業務支援・現場業務の効率化を目的としたDX投資(BIM、生成AI等)や、人的投資「従業員の処遇制度改善」等の施策を実施してまいりました。当期の経営成績は、2026年1月9日に公表いたしました「中期経営計画進捗状況」にて2027年度以降の継続して達成すべき目標として掲げた「営業利益30億円以上、当期純利益20億円以上、ROE10%以上」をいずれも上回る結果となりました。

 

  [中期経営計画(2027年度目標)数値目標]


 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当社グループは、2024年1月31日に公表した「2027年度目標 中期経営計画」において、新たな経営方針として「サステナビリティ経営の追求により、全てのステークホルダーを意識した企業価値向上を図る」を打ち出しております。サステナビリティ経営は「企業としての持続的成長実現による経済的価値向上」と「環境・社会の持続性への貢献による社会的価値創出」を両輪としており、当社グループは以下4点をマテリアリティ(重要課題)として中期経営計画を推進しております。

◆安心・安全・快適な社会作り

◆カーボンニュートラルへの貢献

◆従業員の幸福度追求

◆ガバナンス・コンプライアンスの拡充

マテリアリティのうち、「ガバナンス・コンプライアンスの拡充」以外の3点につきPDCAフォローを実施し、中期経営計画(=サステナビリティ経営)を推進することを目的としてサステナビリティ担当役員を委員長とするサステナビリティ委員会を2024年4月1日付で組成しております。

① サステナビリティ推進体制(サステナビリティ委員会)

・2027年度目標中期経営計画にて公表した新たな経営方針(「サステナビリティ経営の追求により、全てのステークホルダーを意識した企業価値向上を図る」)を実現すべく、サステナビリティ経営の推進母体としてサステナビリティ委員会を設置

・中期経営計画の「マテリアリティ」につき、「企業としての持続的成長実現」「環境・社会の持続性への貢献」の観点からKPIを設定しPDCAフォロー(取締役会・経営戦略会議への報告、社内関係部門・関係会社への展開等)を実施

a.企業としての持続的成長実現:経営指標、キャッシュアロケーション、従業員エンゲージメント&多様性への対応

b.環境・社会の持続性への貢献:カーボンニュートラルへの取り組み(事業、自社)、安全・安心・快適な社会作り(事業、自社)


サステナビリティ委員会は、年2回(2025年5月28日、2025年11月21日)開催し、結果を取締役会に報告しております。特に重要な事項については随時、取締役会に上程または報告して適宜必要な指示・助言を受けることによりモニタリングを図っております。

また、サステナビリティ委員会での確認・検討結果は、中間決算、年度決算内容を反映した上で、年2回(2025年6月3日、2026年1月9日)、「中期経営計画進捗状況」として公表しております。

 

(2) リスク管理・機会

① サステナビリティに関するリスク管理・機会

当社グループは、「環境方針」「環境目標」に基づき事業活動を通じた継続的な環境負荷低減と環境課題への取り組みを推進しております。あわせて、省エネルギー活動、脱炭素化推進、資源循環・3R活動の定着などを通じて、環境・社会の持続可能性向上に貢献しております。また、「誰もが健康で働き易く、働き甲斐のある会社」の実現を目指し、従業員エンゲージメント向上、多様な人財が活躍できる職場環境整備、人財育成及びコミュニケーション活性化に取り組んでおります。今後も、環境・社会課題への対応と企業価値向上を両立し、持続的な成長を目指します。

こうした活動に対するリスク要素として気候変動、自然資源の枯渇、炭素税等の法規制強化、ベテラン社員の退職による技術継承リスク等が顕在化しており、当社グループに対して財務的な損失や競争力低下等の悪影響を及ぼす可能性があります。

一方で、高水準な再エネ/省エネ需要の継続、補助金等の国策支援、環境配慮型設備等を切り口とした保守・更新提案、IoTやDX技術の進展に伴う生産性向上等、事業拡大や競争力強化の機会も増大しております。

このような状況を踏まえ、当社は中期経営計画において「安心・安全・快適な社会作り」と「カーボンニュートラルへの貢献」、「従業員の幸福度追求」をマテリアリティ(重要課題)と定め、各部門において市場・顧客動向、技術動向、法規制、当社保有リソース(人的リソース、技術・開発力等)等を勘案した上で具体的な戦略立案・実行を進めております(個別戦略は(3) 戦略に記載)。

なお、個別戦略のPDCA(リスク・機会の確認、施策の追加・見直し等を含みます)については、年2回(9月、3月)の「事業審議会」、並びに月次の「経営戦略会議」にて推進状況を確認するとともに、必要に応じて取締役会への報告・審議を行っております。

また前述の「サステナビリティ委員会」で半期、或いは通期の最終確認を行い、経営戦略会議並びに取締役会への報告・審議を実施した上で、「中期経営計画推進状況」として社外に公表しております。

 

② 人的資本経営に関するリスク管理・機会

当社は中期事業計画に基づき人員計画を立て人財確保、育成に取り組んでいます。現場作業員を中心とした体制強化は最大の経営課題と位置づけていますが、建設業界の慢性的な人手不足、熟練技術者の退職による技術力の低下、時間外労働上限規制への対応等がリスクとして挙げられます。そのような中で新卒・キャリア採用活動を継続強化し人財確保に努めるとともに、教育面では階層別研修、技術研修を実施し、人財育成、技術力強化を行っております。また、熟練技術者の退職を防ぐための方策の一つとして人事処遇制度と定年退職者再雇用規程を改定しております。事業活動の面では施工体制確保を前提とした受注可否判断をすることで無理のない人員配置を行い、受注後には組織的な対応としてフロントローディング推進部、並びにバックオフィス部門による現場業務支援体制を構築し、現場作業員の負担軽減を図っております。人的資源の確保、人員計画については年2回(9月、3月)の「事業審議会」、並びに月次の「経営戦略会議」にて進捗状況を確認するとともに必要に応じて取締役会で報告・審議を行っております。

 

(3) 戦略

① カーボンニュートラルへの貢献によるサステナビリティ実現に向けた取組

具体的な取り組みとして以下を実施中です。

・自社内の取り組み

a.当社グループは環境マネジメントシステム(ISO14001)を運用し、その中で「環境方針」を策定し環境に対する取り組みの具体的な目標を事業部門ごとに定めております。環境マネジメントシステムでは、環境パフォーマンスを評価し改善する仕組みを構築しており、事業活動に伴う環境リスクを評価し予防措置や緊急対応策等を策定して環境影響評価やリスクアセスメントを展開、事故や環境汚染の予防対策に取り組んでおります。また、当社グループの環境保護活動への取り組みを「環境保護活動報告」としてHPに開示しております。

環境保護活動報告書 https://www.kk-kodensha.co.jp/company/effort.html

 

b.また、本社屋上キュービクルダウンサイジング更新に加え、本社建物における電力使用については東京電力との非化石証書契約を導入しております。これによりScope1のGHG(温室効果ガス)排出量の削減を積極的に推進しております(GHG排出量削減の定量値はP.12「(4) 指標及び目標 ① サステナビリティ指標」に記載)。

c.鹿島営業所敷地においてソーラーカーポートを2026年4月から運用開始(CO2削減効果▲1.7t/年)、さらに、茨城支店敷地における太陽光パネル設置を計画しており(CO2削減効果▲5.6t/年)、2026年度早期に着工を目指します。

d.当社では、脱炭素経営の推進及び環境負荷低減の実現に向け、アスエネ株式会社の提供するクラウドサービスを活用し、GHG(温室効果ガス)排出量の見える化及びマネジメントを実施しております。

  具体的には、Scope1・Scope2の排出量を中心にエネルギー使用量データを集約・可視化するとともに、将来的にはScope3を含めたサプライチェーン全体での排出量把握を目指しています。また、排出量の定量的把握により、削減目標の設定、施策の効果検証、継続的な改善活動(PDCA)の実行を可能としています。

  さらに、アスエネ株式会社の支援により、CDP回答や環境情報開示への対応力を強化し、社外に対する透明性の高い環境経営を推進しています。

  本取り組みを通じ、当社はGHG排出量の管理高度化とともに、カーボンニュートラル達成に向けた実効性のある環境マネジメント体制の構築を進めてまいります。

 

・事業活動を通じた取り組み

a.超高圧変電所の施工技術を活かし、再エネ事業案件(蓄電施設、水力発電、太陽光発電等)への取り組みを実施しており、当連結会計年度(2025年度)は受注高約16億円、完成高約25億円の実績を上げました。

b.需要家(顧客)の電力データ分析を通じ、「電力運用効率化」「受変電方式・設備構成 最適化」「設備健全化」を提案する「電力運用改善提案」を2021年度から実施しております。需要家の恒久的な省エネ・BCPを実現し、併せて改修・リニューアル工事受注を維持・拡大することを目的としており、当連結会計年度は既存顧客に1件の提案を実施いたしました。また、顧客への環境負荷低減(省エネ・脱炭素など)提案推進の一環として「電気設備劣化診断」に取り組んでおり、当連結会計年度は3件の診断を行いました。

c.ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)推進を梃子とした「人と環境に優しい建物創り」に取り組んでおり、当連結会計年度は、重要顧客の都内本社建替新築工事(ZEB Ready案件)において「ZEBプランナー業務+工事施工」を完工いたしました。また設計段階で太陽光発電、ZEB、環境配慮機器等の環境負荷低減仕様を積極的に提案しております。

 

② 人的資本経営に関する取り組み

具体的な重点取り組み事項は以下のとおりです。

a. 人的資本の確保と育成

・新卒採用及びリファラル・アルムナイ採用等の経験者採用実施

・階層別教育の実施と幹部候補社員の早期育成

・M&Aや事業パートナー連携の模索

b. 従業員エンゲージメントの向上

・人事処遇制度の改定

・健康経営の実現

・福利厚生・社内環境の拡充

・賃金・初任給の改定

c. ダイバーシティ経営の実現

・女性管理職比率の向上、男女賃金格差の是正

・男性社員の育児休暇取得推進

・障がい者雇用の促進

 

(4) 指標及び目標

① サステナビリティ指標

当社は気候変動への対応として、三菱電機がグループ全体のサステナビリティ指標として策定した以下の中長期CO2排出量目標を、具体的な行動計画に落とし込み取り組みを進めております。

 

[三菱電機グループのサステナビリティ指標]〔参考〕

・2030年目標:温室効果ガス排出量(Scope1・2)実質ゼロ

・2050年目標:温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量実質ゼロ

 

 

なお、当社の2025年度実績は、基準となる2013年度対比で

a.Scope1:リース車におけるハイブリッド車の導入等で△35%

b.Scope2:これまでに実施した本社ビル照明器具のLED化や全社における毎年度の省エネルギー活動により△56%

c.Scope3:2023年、2024年度のカテゴリ1(購入した製品・サービス)、カテゴリ3(Scope1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連)を集計し2025年度も集計中

トータルで△46%のCO2排出量削減を実現いたしました。

 

GHG排出量実績(単位:t-CO2)

 

2023年度

実績

2024年度

実績

2025年度

実績

自社の活動によるGHG排出量

(Scope1+Scope2)

498

497

410

内訳

Scope1

212

236

201

Scope2

286

261

209

 

Scope1:直接排出(自社での燃料の使用等による直接的な排出)

Scope2:間接排出(自社が購入した電気等による間接的な排出)

 

当社グループは、2030年度並びに2050年度の三菱電機グループのサステナビリティ指標を達成すべく、これまでの取り組みを継続するとともに、更なる省エネルギー活動の検討を進めてまいります。

 

 

② 人的資本経営に関する指標

企業の社会的責任(CSR)を果たし、企業価値の向上と従業員の満足度向上を図るとともに、「誰もが健康で働き易く、働き甲斐のある会社」を目指してまいります。

a.人的資源の確保

[採用状況]

将来の事業成長を支える優秀な人財確保のために、新卒採用及び経験者採用を継続的に実施しております。新卒採用においては、大学・高等学校・各種専門学校への訪問活動の拡充や、採用向けパンフレットの制作、採用サイトの刷新を通じて、応募者層の拡大に取り組んでまいりました。また、海外合同説明会への参加等による海外人財の採用に加え、時間外労働の上限規制への対応や現場作業員の負担軽減を目的として、リファラル採用やアルムナイ採用等を活用し、経験者採用の強化を図っております。

(新卒採用)

2024年度実績

2025年度実績

2026年度実績

2027年度目標

19人

25人

42人

35人

 

 

(経験者採用)

2023年度実績

2024年度実績

2025年度実績

23人

13人

20人

 

 

[人財育成]

(a)基本方針

当社は、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、人財を最も重要な経営資源と位置づけております。長期ビジョンに基づいた体系的な人財育成・技術力強化を推進し、社員1人1人が目指す姿に向かって継続的に成長できるよう、新入社員から経営幹部層までの教育制度を整備し、技術力とマネジメント力の両面から人財の育成に取り組んでおります。

 

(b)階層別研修

当社は新入社員研修から始まり、3年目、7年目、主事、主事特級、課長職、部長職と段階を経た階層別教育を行っており、技術力や専門知識の習得とは別に、円滑な業務遂行に必要なビジネススキルやマネジメント力の強化を図っております。

 

(c)技術力研修

「高度な技術者・専門家集団」として、入社10年を目安に大型プロジェクトを監督できる現場代理人や設計技術者の育成を目指し、特に若手社員の技術力強化に向けた技術研修体系を整備しております。OJTと並行して関連法規や技術力を計画的に習得することで技術者としての専門性を段階的に高め、高品質な施工管理能力、設計監理能力を有する技術者の育成を目指しております。

 

(d)ミドルマネージャー、経営幹部育成研修

サステナビリティ経営の実現に向けた次世代経営幹部育成プラン「サクセッションプラン」を2022年度からスタートし、計画的に次世代経営幹部候補を選抜・育成し、企業の継続性と競争力の強化、及びキャリアプランの明確化を図っております。

 

(e)女性活躍支援研修

サステナビリティ経営を推進する中で、ダイバーシティへの取り組みを経営の柱の一つと捉えております。その中でも特に女性の活躍は重要視すべき課題と位置づけ、女性管理職の育成プログラムや女性社員座談会の開催など、積極的な取り組みを行っております。

 

b.従業員エンゲージメントの向上

[人事処遇制度改定]

従業員の仕事に対する満足度(モチベーション)を上げ、当社の経営方針である「誰もが健康で働き易く働き甲斐のある会社」を実現するために人事処遇制度の改定を行いました。主な改定内容は「スペシャリストの育成」、「管理職の賃金体系見直し」、「昇格・昇給のスピードアップ」であり、2025年4月1日より改定、運用を開始しております。

またシニア層の有効活用、モチベーション向上のために定年退職者再雇用規程の改定を行い、2026年4月1日より改定、運用を開始しております。

[健康経営の実現]

当社は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践する健康経営の取り組みが優良であると認められ、日本健康会議より「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定を6年連続で受けております。その他の活動として、従業員の健康維持、促進を図り心身共に健康で仕事に従事できるようにするために定期健康診断の受診率100%達成を目標とした取り組みを行い、2025年度も受診率100%を達成いたしました。

メンタルヘルスに関しては年1回ストレスチェックを実施し、高ストレス者の早期発見に努めており、2025年度の調査では高ストレス者率は12.0%となりました。また、高ストレス者と判定された従業員のうち、希望者には医師によるカウンセリングを実施しております。さらにセルフケア研修を年4回、ラインケア研修を年2回開催し、心の健康を健全に保つ教育を推進しております。

[福利厚生・社内環境の拡充]

当社は少子化を深刻な社会問題として捉え、従業員処遇改善の取り組みを進めております。子育て支援などに関する制度をより手厚いものにし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

(新たな制度制定)2025年4月1日付

施策

内容

1.子ども手当の新設

満22歳までの子を対象に、子一人につき毎月5千円を支給。なお、組合員に対しては現行の家族手当に加算して支給する。

2.不妊治療に対する支援

社内福利厚生ポイントを活用し、最大24万円相当(年間)の支援を行う。

 

(制度の改定)2025年4月1日付

施策

内容

1.奨学金返済に対する支援

社内福利厚生ポイントによる支援額を見直す。10万円×10年間支援を最大20万円×10年間支援に増額する。

2.結婚祝金の増額

現行3万円の結婚祝金を最大30万円に増額する。

3.出産祝金の増額

現行の祝い金1万円を、1人目:20万円、2人目:30万円、3人目:40万円、4人目以降:50万円に増額する。

4.家族手当の改定

組合員対象の家族手当の「子の対象年齢」を、現行の満18歳から満22歳まで引き上げる。

 

近年の家賃相場上昇に対応すべく住宅手当を改定しました。

(制度の改定)2026年4月1日付

1.住宅手当の改定

世帯主で扶養家族を有する者(家賃月額相当額:基準額以上)
 東京圏・大阪圏:24,000円 その他:18,000円

世帯主で扶養家族を有する者(家賃月額相当額:基準額未満)
 東京圏・大阪圏:16,000円 その他:14,000円

世帯主で独身者(家賃月額相当額:基準額以上)
 東京圏・大阪圏:20,000円 その他:15,000円

世帯主で独身者(家賃月額相当額:基準額未満)
 東京圏・大阪圏:13,000円 その他:9,000円

 

 

 

[賃金・初任給の改定]

優秀な人財確保、従業員エンゲージメント向上、物価上昇への対応等を踏まえ、労働組合と協議を行い賃金、初任給の改定を行いました。

(組合員平均、定期昇給含まず)

年度

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度

賃金改定率

2.4%

5.0%

5.5%

5.5%

 

(初任給)

年度

2023年度

2024年度

2025年度

2026年度

初任給

237,000円

250,000円

270,000円

288,000円

 

 

c.ダイバーシティ経営の実現

[女性管理職比率の向上、男女賃金格差の是正]

当社は、女性活躍推進法等に基づき2026年度までに2024年度比の1.2倍(4%)にすることを目標に底上げを図っており、2025年度実績では4.7%(7人)となっております。また、同一資格における男女間の賃金格差はありませんが、資格別の男女分布(男性の方が高資格者が多い)を主因として男女間の平均賃金にも差異が生じています(男性を100とすると女性71.4)。当社は女性社員の絶対数、並びに女性管理職比率の増加に向けた諸施策展開を通じ、引き続き男女間賃金差の是正に取り組んでまいります。

 

[男性社員の育児休暇取得推進]

男性社員の育児休暇取得推進策として「男性従業員向け産休・育休の手引き」を作成し、社内周知を図りました。このような活動の効果もあり、2025年度の男性社員の育児休暇取得率は53.8%となりました。当社は男性社員が育児に積極的に参加できる社内環境の整備を行い、仕事と家庭の両立を支援する会社を目指してまいります。

 

[障がい者雇用の促進]

多様な人財活躍を目指し、障がい者の雇用拡大とノーマライゼーションへの理解促進を目的とした屋内型農園の運営を2026年1月より開始いたしました。

 

これらの(3) 戦略、(4) 指標及び目標について、当社グループにおいては、関連する指標のデータ管理と具体的な取り組みを行っておりますが、連結グループに属する一部の会社では指標のデータ管理等が行われていないため、連結グループとしての記載が困難であります。このため、(3) 戦略、(4) 指標及び目標は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 海外投資について

当社グループは、中華人民共和国北京市の完全子会社1社により、設備工事事業等を展開しております。しかしながら、為替変動や人件費の高騰、日系企業の投資抑制等、建設需要が冷え込む可能性があります。また、法的規制や変更、商習慣、慣習の違い、雇用問題等不測の事態が発生した場合、経営状態が変動する可能性がある等、カントリーリスクが存在しています。当社グループでは、海外子会社との連携による情報収集を通して早期に問題を認識し、具体的かつ適切な対処をするよう取り組むことで、その予防・回避に努めておりますが、不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2) 景気変動について

当社グループは、民間設備投資や公共投資の増減による建設市場規模の変化や、受注競争激化による粗利率の低下等により、業績に影響を与える可能性があります。当社グループにおいて公共投資及び民間設備投資等の現状把握・状況分析に努めておりますが、建設業における景気動向等に大きな変化が生じ受注競争が激化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループでは今後の活動方針として「持続的な成長に向けた基盤強化施策の展開・実現」を経営目標と位置付け、社内における設計・技術連携による提案力の強化、三菱電機グループ各社を含めた他社との連携推進により、営業基盤の強化、事業領域の拡大に努めてまいります。当該事業展開を通して当社を取り巻く事業環境を的確に捉え、更なる高い指標の実現に向け、取り組みを継続してまいります。

 

(3) 親会社の業績変動について

当社の親会社は三菱電機株式会社であり、当連結会計年度末において、当社議決権の51.5%を所有しております。

当社グループは、親会社より当連結会計年度において132億22百万円の工事を受注しており、当社グループの全受注工事高の32.8%を占めています。親会社の経営成績の状態及び設備投資状況は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 保有資産について

営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合、又は事業用不動産の収益性が著しく低下した場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは保有資産については経営状態及び時価の調査、営業上の保有意義の確認を定期的に実施し、事業用不動産につきましても資産価値の確認を行っておりますが、著しい下落等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 債権管理について

当社グループは、相手先の財務状態に応じた与信管理を実施しており、また定期的に取引先の経営状況を把握するため、調査を実施して不良債権の発生防止に努めておりますが、取引先の急激な経営状況の悪化等により、予期せぬ債権の回収不能状況が発生し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(6) 法的規制等について

当社グループは、主要な事業である電気設備工事事業において、建設業法、電気工事業法、電気工事士法等、各種法令による規制を受けており、コンプライアンス委員会の設置、社内教育の徹底を通じ、継続的なコンプライアンスの実践に努めております。しかし、これらの法令が変更される又は予期し得ない法律、規制等が新たに導入される等の理由による法令違反、社会規範に反した行動等により、処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受けた場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

 

(7) 大規模自然災害について

当社グループは、現在想定されている首都直下型地震や東南海地震等の大規模地震、台風による風水害等により、予期せぬ自然災害を被り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8) 建設資材価格の変動について

当社グループは、電気設備工事事業を遂行するにあたり、多くの建設資材を調達しておりますが、建設資材価格が急激に高騰した場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは、国内外の原材料相場価格、建材価格動向や受注生産品の納期動向を絶えず注視し、また資材部門による集中購買により効果的な価格安定策を図る事でリスクの低減に努めております。

 

(9) 外注工賃の変動について

当社グループは、電気設備工事事業を遂行するにあたり、多くの外注工事を発注しておりますが、人材不足等により工賃単価が上昇した場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは外注工事各社の施工体制の把握・管理を逐次行い関係の強化を図る事で、安定的な施工体制の構築に努めております。

 

(10) 工事施工について

当社グループは、電気設備工事事業を遂行するにあたり、人的・物的事故が発生した場合、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。当社グループでは常時、施工方法及び現場管理方法につき研究を行っております。また、安全管理部門による定期的な巡回を実施し、安全かつ効率的な施工が行えるよう努めております。

 

(11) 人財の確保について

当社グループでは、経営基盤強化策として人財/施工力の強化を重要項目として掲げております。事業規模拡大の前提となる技術員の確保/拡充に向け、毎年の新入社員採用及び積極的な中途採用活動を実施しておりますが、少子化による新卒採用人財の慢性的な不足・同業他社との採用競争激化により人財不足となった場合、施工及び営業活動が低下し、当社グループの業績に影響が生じる可能性があります。

当社グループとして、採用から退職に至るまでのライフサイクル全般の福祉充実を図り、「誰もが健康で働き易く、働き甲斐のある職場づくり」を推進することにより、「弘電社ブランド」としての企業価値向上を促進し、人財/施工力の強化に努めます。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、民間企業をはじめとした高水準な設備投資・建設投資の継続等を背景に、順調に推移いたしました。このような状況の中、当社の当期の経営成績は手持工事の着実な遂行等に加え、売上規模の増加や、従来から継続してきた原価低減策による粗利益の増加を主因として売上高442億34百万円営業利益38億93百万円経常利益40億15百万円親会社株主に帰属する当期純利益28億32百万円となり、前年比で増収増益となりました。

セグメント別売上実績の内訳

 

2025年3月

2026年3月

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

増減率

(%)

電気設備工事

30,318

77.2

35,474

80.2

5,156

17.0

商品販売

8,945

22.8

8,759

19.8

△186

△2.1

合    計

39,264

100.0

44,234

100.0

4,970

12.7

 

② 受注状況

当期における電気設備工事の受注実績は、高水準な設備投資・建設投資を背景に堅調に推移し、402億76百万円となりましたが、前第4四半期連結会計期間において大型新築案件の受注があったため、前年実績を下回る結果となりました。また、商品販売の受注実績は87億59百万円と前年並となりました。

セグメント別受注実績の内訳

 

2025年3月

2026年3月

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

増減率

(%)

電気設備工事

42,542

82.6

40,276

82.1

△2,266

△5.3

商品販売

8,945

17.4

8,759

17.9

△186

△2.1

合    計

51,488

100.0

49,035

100.0

△2,452

△4.8

 

(注) 商品販売については受注から販売までの期間が短期であることから、受注実績と売上実績を同額としております。

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8億92百万円となり、前連結会計年度末より2億6百万円増加となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動による資金の増加は33億50百万円となりました(前連結会計年度は11億16百万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益40億49百万円、売上債権及び契約資産の増加額22億73百万円、契約負債の増加額16億30百万円、法人税等の支払額9億22百万円、未払消費税等の増加額5億19百万円及びその他の流動資産の減少額4億9百万円等によるものです。

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動による資金の減少は22億51百万円となりました(前連結会計年度は2億49百万円の減少)。これは主に、長期貸付けによる支出30億円、長期貸付金の回収による収入23億円及び短期貸付金の増加額16億13百万円等によるものです。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動による資金の減少は8億91百万円となりました(前連結会計年度は10億76百万円の減少)。これは主に、配当金の支払額8億38百万円及び短期借入金の減少額40百万円等によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

商品販売

7,908

7,478

△5.4

合計

7,908

7,478

△5.4

 

(注) 電気設備工事には仕入実績はありません。

 

b.受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

電気設備工事

42,542

40,276

△5.3

商品販売

8,945

8,759

△2.1

合計

51,488

49,035

△4.8

 

(注) 商品販売については受注から販売までの期間が短期であることから、受注実績は売上実績により表示しております。

 

c.売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%)

電気設備工事

30,318

35,474

17.0

商品販売

8,945

8,759

△2.1

合計

39,264

44,234

12.7

 

(注) 主な相手先の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三菱電機㈱

7,848

19.9

13,427

30.3

 

 

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

d.電気設備工事における受注工事高及び完成工事高の状況

(a) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越

工事高

(百万円)

前事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

屋内線工事

27,264

34,413

61,677

25,524

36,152

その他工事

5,665

7,950

13,615

4,529

9,086

32,929

42,363

75,293

30,053

45,239

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

屋内線工事

36,152

30,743

66,896

27,001

39,894

その他工事

9,086

8,241

17,328

7,813

9,515

45,239

38,985

84,224

34,814

49,409

 

(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。

3.その他工事は、送電線工事、発変電工事、通信工事、空調工事であります。

 

(b) 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別されます。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

合計(%)

前事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

屋内線工事

52.1

47.9

100

その他工事

71.0

29.0

100

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

屋内線工事

56.3

43.7

100

その他工事

75.2

24.8

100

 

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

(c) 完成工事高

期別

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

前事業年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

屋内線工事

1,497

24,027

25,524

その他工事

1,030

3,498

4,529

2,527

27,526

30,053

当事業年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

屋内線工事

2,229

24,772

27,001

その他工事

3,689

4,123

7,813

5,918

28,896

34,814

 

(注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度請負金額3億円以上の主なもの

㈱大林組

・三菱電機㈱名古屋製作所 尾張旭地区新拠点新生産棟(仮称)

三菱地所㈱

・ビックカメラ藤沢店 受変電設備更新工事

東京電力パワーグリッド㈱

・大針蓮田線系統変更工事ならびに関連除却工事

㈱竹中工務店

・成蹊大学吉祥寺校舎理工学部棟建設事業

㈱大林組

・唐木田局舎建設計画

 

当事業年度請負金額3億円以上の主なもの

三菱電機㈱

・泗水工場SA棟建屋付帯電気設備据付工事

清水建設㈱

・田町中央日土地春日ビル

三菱電機㈱ プラント建設統括部

・料金所ETC設備改修工事2021-2-1

三菱電機㈱

・三菱電機熊本SICパワー半導体新工場特高変電所設備工事

三菱地所㈱

・新大手町ビル 特高受変電設備更新工事

 

 

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。

前事業年度

三菱電機㈱

7,847百万円

26.1

当事業年度

三菱電機㈱

13,427百万円

38.5

 

 

(d) 次期繰越工事高 (2026年3月31日現在)

区分

官公庁(百万円)

民間(百万円)

合計(百万円)

屋内線工事

1,870

38,024

39,894

その他工事

1,272

8,242

9,515

3,142

46,267

49,409

 

(注) 次期繰越工事のうち請負金額3億円以上の主なものは、次のとおりであります。

大成建設㈱

・新宿駅西口地区開発計画(建築)

2030年3月完成予定

㈱大林組

・(仮称)M計画(MUFG本館計画)の内、新築工事

2030年10月完成予定

三菱総研DCS㈱

・三菱総研DCS千葉情報センター 特高受変電・電気系中央監視設備等更新工事

2027年9月完成予定

㈱大林組

・日本電子株式会社昭島製作所A1棟他建設工事

2027年11月完成予定

東急建設㈱

・(仮称)ロジクロス三郷計画

2026年8月完成予定

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等

(a) 財政状態

(資産合計)

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、58億26百万円の増加となりました。これは主に、契約資産の減少13億26百万円、その他流動資産に含まれている未収消費税の減少3億21百万円がある一方で、売上債権の増加35億99百万円、短期貸付金の増加23億22百万円、退職給付に係る資産の増加17億83百万円等によるものです。

 

(負債合計)

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、25億58百万円の増加となりました。これは主に、工事に係る材料・外注等の支払による仕入債務の減少2億12百万円、工事損失引当金の減少1億77百万円がある一方で、契約負債の増加16億30百万円、未払消費税等の増加5億19百万円及び未払法人税等の増加1億52百万円等によるものです。

 

(純資産合計)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、32億68百万円の増加となりました。これは主に、配当金の支払8億38百万円がある一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上28億32百万円による利益剰余金の増加19億93百万円、退職給付に係る調整額の増加9億90百万円、投資有価証券の時価評価によるその他有価証券評価差額金の増加2億19百万円によるものです。

 

(b) 経営成績

(売上高)

完成工事高は、手持工事の着実な遂行等に加え、売上規模の増加により、前連結会計年度に比べ17.0%増354億74百万円となりました。また、商品売上高は、前連結会計年度に比べ2.1%減87億59百万円と前年並となりました。

 

(経常利益)

売上高が増加したことにより経常利益は、前連結会計年度に比べ26.7%増40億15百万円となりました。

 

(法人税等)

法人税等は、前連結会計年度より増加し11億54百万円となりました。これは主に、課税所得の増加により、法人税、住民税及び事業税が増加したためであります。

 

(非支配株主に帰属する当期純利益)

連結子会社弘電工事株式会社の非支配株主に帰属する損益からなっております。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益28億32百万円となり、1株当たり当期純利益金額は324.28円となりました。

 

(c) キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローについては、前掲「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.流動性及び資金の状況

(a) 資金需要

当社グループの運転資金需要の主なものは、工事に係る材料費・外注費・経費、商品販売に係る製品の購入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは従業員の人件費であります。

 

(b) 資金調達

当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金のみであり、期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が調達しております。当連結会計年度末において、短期借入金の残高は460百万円で、全て銀行借入金からなっております。

当社グループは、現在健全な財政状態を維持しており、また、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力もあるため、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2024年4月から2028年3月までの中期的な経営戦略において、連結売上高450億円以上の達成、営業利益30億円以上、ROE10%以上を経営指標としております。

なお、事業環境の変化及び足元の業績進捗を踏まえ、前連結会計年度に公表した経営指標を見直し、成長目標の引き上げを行っております。これらの指標は、2027年度以降において持続的に達成すべき水準として位置付けております。

2024年度~2026年度のフェーズ1においては、営業利益30億円/年レベルの創出を通じて、適正利潤を確保しつつ「ありたい姿」の実現に向けた先行投資と株主還元に取り組んでまいります。

以上の結果を踏まえ、翌連結会計年度以降は従来以上に社内事業部門間及び専門技術を有する他社との事業連携をより一層強化し、持続的に達成すべき経営指標の実現に向け、取り組みを継続してまいります。

 

 

② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値等に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。このため、完成工事高及び工事損失引当金の見積りに係る仮定設定の判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、継続して評価を行っております。当社グループでは、当連結会計年度における工事収益、工事原価総額及び工事損失引当金の見積りについて、事象の変化等により必要に応じて見直しを行い、会計上の見積りを行っておりますが、人手不足による労務単価の上昇や銅価格上昇による資機材価格の高騰等と併せて、上記見積りの前提に齟齬が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

a.履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法による完成工事高の計上及び工事損失引当金の計上

当社グループの完成工事高の計上については、履行義務を充足するにつれて、一定の期間にわたり収益を認識する方法では、見積工事原価総額に対する発生原価の割合をもって工事の進捗率を見積り、工事収益総額に進捗率を乗じて完成工事高を計上しております。

また、工事損失引当金については当連結会計年度末における手持工事のうち、将来に損失の発生が見込まれ、かつ、工事収益総額及び工事原価総額を合理的に見積ることができる工事について、見積工事原価総額が工事収益総額を超過する金額から既に計上された損失の額を差し引き、その残額を将来の損失見込額として計上しております。

工事原価総額の見積りにおいては、図面・施工状況等を勘案し、資機材及び電工人数の必要量を算定しております。また、資機材や電工費の金額については業者の見積回答を基礎とし、見積回答が入手できない場合については市場価格や過去の類似の案件を参考にしております。しかしながら、この見積りには工事仕様・施工方法の変更及び建設資材価格や外注工賃の変動、自然災害等の発生による工事の中断等の様々な要因により完成工事高及び完成工事原価の実績金額に変動が生じ、当連結会計年度に見積もられた工事損失引当金と乖離が生じる可能性があります。

 

5 【重要な契約等】

(提出会社)

主な代理店契約等は次のとおりであります。

 

相手先

契約の種類

主要取扱商品

契約期間

備考

三菱電機㈱

販売代理店契約

誘導電動機、インバーター、

シーケンサー

1984年4月1日から

1ヶ年

自動更新

無停電電源装置

1992年11月1日から

1ヶ年

三菱電機住環境

システムズ㈱

販売代理店契約

空調機器、冷熱機器、冷凍機

2005年4月1日から

1ヶ年

 

 

 

6 【研究開発活動】

[研究開発活動の基本方針]

当連結会計年度の研究開発活動は、電気設備工事を中心とする建設事業において、技術者不足や熟練技能者の高齢化が進むなか、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)技術及び生成AIを活用した業務の効率化・高度化を重要な取り組みと位置付け、推進いたしました。

設計・施工・現場管理の各フェーズにわたる複数の開発テーマを推進しており、これらはいずれも社内の業務効率化・品質向上を主眼としつつ、将来的な外部展開・製品化も視野に入れた取り組みであります。研究開発体制は、各担当部門が連携し、現場ニーズを踏まえた実用性の高い開発を効果的かつ迅速に推進する体制としております。

当連結会計年度における当社の研究開発費の総額は100百万円であり、主な内容は次のとおりであります。

 

 (1) 電気設備工事業

電気設備工事業における研究開発活動は、主としてBIM及びAI技術の活用による業務の高度化及び効率化を目的としております。

 

①点群データのBIMモデル作成自動化開発

三次元レーザースキャナー等で取得した点群データを活用し、現況図作成の自動化及びBIMモデル作成に向けた基盤技術の確立を目的とする開発であります。新旧点群データの差分を自動検出・分析する機能、並びにバスダクト・ケーブルラック等の自動出力機能の構築を推進しております。本開発により、BIMモデル作成の精度・速度の向上及び対応案件数の拡大が期待されております。

 

②BIM連携2D電力系統図作成自動化開発

BIMモデルとCADデータを連携させ、電力系統図の作成プロセスを自動化することを目的とする開発であります。BIMモデル作成のケーブルラック・配線の情報に基づく系統図の自動作成連携機能、及び計算書・配線リストの自動生成連携機能の実装を推進しております。BIMモデルの更新と同時に2D系統図、計算書、配線リストが即時作成・生成されることで、図面間の不整合が解消され、品質向上及び業務効率化につながることが期待されております。

 

③生成AI「光/Hikari」×direct 現場困りごと解決ボット

建設特化型生成AI「光/Hikari」とビジネスチャット「direct」を連携させるAPIを構築し、現場作業員がスマートフォン・タブレットから内線規程・電気設備技術基準・安全法令等に関する疑問を即時に解決できる環境を提供する開発であります。建設データベースからの提供を可能とし、製品化を目指しております。将来的には社内ナレッジや図面データとの統合による高度な情報検索基盤の実現を計画しております。

 

④ケーブルスケジュール自動作成の開発

画像認識AIとOCRを使って、メーカー作成の盤結線図からケーブルスケジュール表を作成するために必要な情報を自動で読み取り、ケーブルスケジュール表に自動転記する開発であります。課題の抽出・AIでの検証、プロトタイプAIソフトの開発・検証、実装版AIソフトの構築が完了し、業務にて使用を開始しております。AIを利用することで、拾い出し・ケーブルスケジュール表作成の精度、速度向上が可能となり、案件対応数拡大や所属員のより高度な業務へのシフトに繋がっております。プロトタイプAIソフト利用時には、実働時間が手作業時のおおよそ半分の時間に短縮でき、他業務の隙間時間での対応が可能になったという結果が出ております。