第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針、経営戦略等

当企業グループは、社是に加え、経営理念・経営戦略として事業活動の効率化、財務体質の強化及びキャッシュ・フロー重視の事業活動を推進しております。一方でこれらの事業活動の持続的な成長を維持するために、中長期的な課題である気候変動を含むサステナビリティ課題について、優先順位を上げて対応しております。具体的には、企業価値の最大化を目指すために、また、広く社会的使命を果たすために社是に加え、社是に基づいたミッション・ステートメントを策定し、これらを行動計画の基礎としながら日々実践しております。

 

社是

「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」

「吾々はその繁栄を、常に怠りなき商品の開発と、たゆみなき販路の開拓によって達成させる。」

 

(ミッション・ステートメント)

Our Mission(社会に果たすべき使命)」

私達は、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供します。

 

Our Vision(実現したい内容)」

私達は、機械と技術の総合商社として、産業界の未来価値創造企業を目指します。

Advanced Technology for Optimum Machinery”「ATOM」

 

Our Concept(達成の為の基本的考え方)」

①私達は、社会に対する公正さを堅持し、地球環境の保全等社会の要請への積極的な対応により、企業の社会的責任を全うします。

②私達は、顧客への最適商品の供給を通じて、産業界の発展に寄与し、社会に貢献します。

③私達は、常に世界のトレンドと市場のニーズに目を向けて、先端技術商品を取り込み、新市場の開拓を行い、顧客とメーカーの信頼に応えます。

④私達は、情報力、技術力、提案力を常に錬磨し、結集して、価値を創造し、企業価値を高めて株主の負託に応えます。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当企業グループは、経営指標として、受注高・売上高の前期比成長率、各利益の前期比成長率、総資産経常利益率、売上高経常利益率、自己資本利益率(ROE)などを採用しております。これらの指標は業績拡大の目安であり、基本的に前期に比べ増加しているかどうかをもって会社成長の目安としております。特に利益額については、簡単にかつ正確に計測でき、株主をはじめとしたステークホルダーへの還元や社会貢献の原資でもある重要なものと考えております。また、連結ROEの目標は10%を継続的に維持することとしており、これにより、株主資本コスト以上の水準が確保できると考え、毎期達成努力しております。これらを重要な指標として認識し、今後も事業の効率化や販売促進策等の推進により目標の達成に努めてまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

受注高

114,837

124,773

108.7

売上高

107,963

113,503

105.1

営業利益

5,102

5,233

102.6

経常利益

5,434

5,577

102.6

親会社株主に帰属する当期純利益

3,667

4,000

109.1

 

 

自己資本利益率(ROE)(%)

11.4

10.8

 

売上高経常利益率(%)

5.0

4.9

 

総資産経常利益率(%)

6.7

6.2

 

 

 

(3)中期経営計画方針

当企業グループは、業績の向上や企業体質の強化に加え、持続可能な社会の実現へ寄与することを目指し、2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする新たな中期経営計画『ATOM2025』を策定しております。

 

①基本方針

新中期経営計画『ATOM2025』では、経営指標の一つとしてROEを重要視し、加えて配当性向を意識した経営を行うこと、持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決と積極的な情報開示を推進することを基本方針としております。スローガンのATOMとは、『Advanced Technology for Optimum Machinery』の頭文字であり、最先端の技術で最適な機械をお客様に提供することを意味しており、今後2030年度に向けて経常利益のさらなる増加を目指します。

 

②重点施策

1.重点業界の深耕

 物流、環境、自動車、健康、食品、交通インフラ、先端技術・素材関連への攻略を見据え、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。

 

2.新たな分野へのアプローチ強化

 先端半導体生産設備、ロボット(ロボティクス分野)、二次電池(EV分野)、ヘルスケア分野、物流(EC分野)、SDGs関連(環境保全・気候変動)など、新分野・新領域へのアプローチを強化いたします。

 

3.高付加価値商品の販売拡大

・モノづくり商社として、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します。

・国内外の販売ネットワークを拡充すべく地域戦略を推進いたします。また、開発商品の販売拡大を目指し、国内外子会社及び仕入先メーカーとの連携を強化いたします。

 

4.脱炭素社会における事業機会の探索

 脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の需要増加を見込んだ事業機会の探索(再生可能エネルギー・環境保全・EV・水素関連など)を実施いたします。

 

5.人的資本への投資 …人材採用・育成と社内環境整備

・一人当たりの生産性向上を図り、人的付加価値(労働生産性)の向上を目指します。

・多様な人材を採用するため、新卒の複数回採用及び経験者・有能人材採用等の採用手法の多角化を進めます。

・女性管理職候補となる対象者を増やすため、女性総合職の新卒及び経験者採用に注力するとともに、一般職からの職種転換を推進します。

・従業員の健康を向上させるための投資を行うことで、将来的に生産性と収益性の向上を目指すべく健康経営を推進いたします。

・知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。

・設備装置事業拡大のため、施工管理人員として計画的に有資格者数の拡大を図ります。

 

6.DXの推進

 DXに対する投資により、デジタル技術を活用した業務効率向上と生産性向上の実現を目指します。

 

7.サステナビリティ経営の推進

・サステナビリティ基本方針に則った各種方針(環境、品質・製品安全、労働安全、人的資本、人権、調達方針)を新たに策定し、各種方針に基づく事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。

・サステナビリティ推進委員会では、全社的なリスクや機会を抽出し、重要課題(マテリアリティ)を見直すとともに、全社方針や重要業績評価指標(KPI)の決定、取組状況のモニタリングを行います。

・事業部門と本社部門の連動により、環境・品質・人権・働き方改革など各分野におけるSDGsへの取組を加速させます。

 

 

③定量目標

指 標

2025年度目標

(財務目標)

 

経常利益 (注1)

53億円

ROE (注1)

10%

(非財務目標)

 

人的付加価値率 (注3、4)

108

女性総合職比率 (注2)

8%

男性育休取得率 (注2)

100%

特定資格保有者数 (注2、3、5)

115

 

(注)1 一時的な大口案件等を除く、ベースとなる通常営業活動によるものであります。

2 提出会社のみの数値であります。

3 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

4 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

5 各種の特定資格のうち、当社の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。

 

(4)対処すべき課題

当企業グループは、2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする新中期経営計画「ATOM2025」を実施しております。初年度に当たる2023年度は、地域の状況を踏まえた顧客・商品戦略を推進した結果、連結売上高は過去最高となりました。

一方で、需要に対する人材の不足感がさらに高まり、持続的な成長のために必要な財産ともいえる「人財」の充実を目的とした人事戦略の見直しが急務となっております。

また、脱炭素社会への対応及び環境保全、少子高齢化による需要拡大等、産業構造の変化が予測されています。このような外部環境の変化を背景として、社会課題解決に向けた取り組みが、これまで以上に重要な課題となっております。

 

①人的資本への投資 …「人財」の充実(人材の確保・育成)

当企業グループの競争力を強化し、人的付加価値を向上するためには、多様で有能な人材を採用するとともに、社員一人ひとりが能力を高め、その能力を最大限発揮することが重要となります。そのためには、女性の総合職をはじめとする多様な人材を採用するため、新卒の通年採用や経験者採用に注力し、採用手法の多角化を進めます。また、DXの推進に対応した人材育成をはじめ、デジタル技術活用に向けたDX投資を行うことで、業務の改善と効率化をはかり、将来的に生産性と収益性の向上を目指してまいります。さらには、従業員の健康を増進させるための健康経営への投資、知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。

②取扱商品・高付加価値商品の拡大

成長分野としての物流、ヘルスケア、環境、食品、交通インフラ、EV関連に注力し、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。加えて、脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の増加を見込んだ事業機会の探索を実施します。また、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します

③エリア制の進化と事業領域の拡大

当企業グループの事業領域拡大のため、営業拠点の基盤強化をはかってまいります。地域密着営業の強化による顧客数の増加を目指し、子会社の機動力をより発揮するため、地域特性に合わせた地域戦略を推進いたします。加えて、国内外子会社および仕入先メーカーと連携を強化し、販売ネットワークのさらなる拡充を図ります。

④サステナビリティ経営の推進

サステナビリティ基本方針に基づき、事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取り組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築および積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。さらには、事業部門と本社部門の連動により、様々な分野におけるSDGsへの取り組みを加速させます。

 

以上を重要課題と再認識し、その解決に向けて事業戦略と経営基盤強化の側面から重点施策に磨きをかけてまいります。さらには、変化する経営環境において、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

また、サステナビリティに関しては、当社のホームページにも記載しております。ホームページアドレスは、次の通りであります。(https://tsubaki.co.jp/ja/ir/sustainability/)

 

(1)サステナビリティに対する考え方及び当企業グループのマテリアリティ

当社の社是のひとつとして、「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」と掲げており、古くからの経営理念として「持続可能な社会の実現に貢献する」ことを連綿と受け継いでまいりました。また、その精神は当企業グループの「サステナビリティ基本方針」にも組み込まれ、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取組み、持続可能な社会の実現に向けて日々事業活動に反映させてまいりました。

しかし、一方では、地球温暖化、人権の侵害、貧困・格差の拡大等社会課題は拡大・深刻化の一途を辿っております。社会の健全な発展が無くては、当企業グループの事業の持続的発展もありません。

以上の状況から、社会の健全な発展に資するために当企業グループでは、2023年度に開始した新中期経営計画『ATOM2025』において、「サステナビリティ経営の推進」を重点施策の一つと定め、各種方針(環境、品質・製品安全、労働安全、人的資本、人権、調達方針)を策定し、それに基づく事業活動を開始しております。

また、当企業グループでは、サステナビリティの重要課題(マテリアリティ)として、「脱炭素社会への対応」、「人的資本施策の強化」、「自動化社会への対応」、「DX投資による生産性向上」を定め、下記のように重要業績評価指標(KPI)を共有し、進捗管理をしております。

 

(サステナビリティ基本方針)

当企業グループは、「吾々は社業を通じて、社会に貢献することをモットーとする。」という社是に基づき、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。加えて、持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築及び積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。

 

(重要課題(マテリアリティ))

ESG

外部環境の変化

重要課題
(マテリアリティ)

環境
Environment

脱炭素社会への移行加速

・EV化の加速による産業構造の変化

・脱炭素関連製品の需要増加

脱炭素社会への対応

・新分野へのアプローチ強化

・事業機会の探索

社会
Social

少子高齢化・人材確保難

デジタル社会の進展

人的資本施策の強化

 (健康・ダイバーシティ経営含む)

自動化社会への対応

高付加価値化戦略

海外事業強化

デジタル関連分野の強化

DX投資による生産性向上

ガバナンス
Governance

ESG投資の拡大

サステナビリティ経営推進の要請

サステナビリティ経営を重視した健全な事業活動の推進

・事業活動を通じた社会価値の創造

・環境・人権など各分野におけるSDGsの取り組み加速

 

 

(重要業績評価指標(KPI))

重要課題
(マテリアリティ)

重要業績評価指標
(KPI)

基準数値
(2022年度)

2025年度目標

脱炭素社会への対応

GHG排出量 *1
(Scope1・2)

1,293 t-CO2
(2013年度 *3)

30%削減

人的資本施策の強化

女性総合職比率

5%

8%

男性育休取得率

82%

100%

人的付加価値率 *2
(売上総利益/総人件費)

100

108

自動化社会への対応

特定資格保有者数 *2
(監理技術者数)

100

115

DX投資による生産性向上

年間残業時間 *2

100

90

 

*1 GHG排出量は当企業グループの国内全拠点を対象としており、その他KPIは、提出会社のみを対象としております。

*2 指数表示

*3 GHG排出量のみ基準年2013年度

 

 

(2)ガバナンス

① 取締役会の監督体制

当社の取締役会は、サステナビリティ課題対応を経営上の重要課題と認識し、中長期の経営戦略の中核に据えております。そして、この課題に対応するためサステナビリティ推進委員会を設置しております。同委員会は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の諮問機関として設置しており、管理部門を総括する取締役を委員長とし、他に取締役1名及び経営戦略担当、財務担当、人事担当の執行役員を委員とする5名体制であります。同委員会は、当企業グループのサステナビリティ課題に関する重要方針やその施策について取締役会、経営会議、執行役員会に適宜報告・連携することで、経営トップ層間の意思統一と周知徹底を図っております。

取締役会は同委員会での結論を、経営会議を経て報告を受け、必要に応じ「リスク」及び「機会」を検討し審議を行い、審議の結果を同委員会へ承認・指示する体制となっております。

同委員会は、毎年少なくとも1回は開催され、取締役会に対し開催内容についての報告を定期的に実施しており、取締役会から指示を受けた経営戦略上や事業運営上の課題への対応策について、該当部門に確実に実施させるべく適宜にサポート・進捗管理することで改善策実施の確実性を図っております。

 

(サステナビリティ推進体制図)

 


 

② 経営陣の役割

当社は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の意思決定の諮問機関であるサステナビリティ推進委員会を設置しております。

同委員会は、管理部門を総括する取締役を委員長とし、他に取締役1名及び経営戦略担当、財務担当、人事担当の執行役員を委員とする5名体制で、経営戦略上や事業運営上の課題に対処することにしております。

同委員会は下部組織として、分野別に実務担当者を中心とした複数のサステナビリティ推進実行チームがあり、同実行チームから経営戦略上や事業運営上における気候変動課題や人的資本・多様性課題を含む、当企業グループに関するサステナビリティ課題全般への対応策を検討する報告を適時に受け、それに対し具体的な対応策の検討を行っており、この対応策を代表取締役社長が議長である経営会議を経て取締役会へ報告いたします。

取締役会は、これらのサステナビリティ経営重点テーマやKPI(重要業績評価指標)をグループ全体で共有させ、目標達成に向けた進捗管理を行い、グループ全社員が一丸となって事業を通じた社会課題の解決に取組めるように、企業として非財務情報の充実及び積極的な情報開示が可能になるように、サステナビリティ推進委員会を主導いたします。

 

(3)リスク管理

① サステナビリティ関連リスク及び機会に係る戦略の策定及びリスク管理

当企業グループでは、サステナビリティ推進実行チームを中心にサステナビリティ関連リスクの特定・評価及び機会の分析を実施しております。サステナビリティ関連リスク及び機会のうち、気候変動に関連するリスク及び機会については、シナリオ分析を基本として識別し、分析・評価しております。また、人的資本・多様性に関するリスク及び機会については、当企業グループの人材育成方針や社内環境整備方針に基づいて人材育成や登用等の進捗状況を踏まえ、分析・評価しております。

特定・評価された重要なリスク及び機会は適宜、サステナビリティ推進委員会から取締役会・経営会議に報告する体制であり、リスク及び機会の共有をすると同時に、リスクについては適切な対応策の検討が行われており、機会については必要に応じて経営戦略及び対処すべき課題に反映することとしております。具体的には、サステナビリティに関するリスクのうち、経営戦略上・事業運営上のリスクについては必要に応じて経営会議や取締役会において審議しており、適宜リスクマネジメント委員会と連携しつつ、当該リスク事象の発生の回避及び発生した場合の対応策を検討しております。また、機会についてもサスティナビリティ推進委員会が主導し、事業部門の取組をサポートしております。気候変動に関する機会については、お客様ニーズに即した脱炭素関連などの新しい商品開発による販売機会の拡大に努めております。

 

② 上記プロセスとリスク管理全体との統合状況

当企業グループでは、リスクマネジメント規定を制定しており、取締役会の下に置いたリスクマネジメント委員会がグループ全体のリスク全般の監視及び対応について主導しております。

リスクマネジメント委員会は、年2回定期的に行うことと規定に定めており、サステナビリティ推進委員会と適宜連携しつつ、気候関連リスク及び人的資本・多様性に関するリスクに関するリスクを含め、事業等のリスクに記載している主要なリスクを含む全社的なリスクの特定及び評価を行っております。また、特定された重要なリスクについては、対応策の検討を行うために必要に応じて臨時に委員会を招集することにもなっております。

 

(4)戦略

① 気候変動に関する当社の取組

当企業グループでは、社是に準じるミッション・ステートメントの中にもある通り、従来から省エネ・環境関連機器(バイオマス機器、低炭素排出焼却炉、EV関連部品、水素関連装置、インフラ関連機器、風力発電関連部品等)を幅広く販売することで、地球環境の保全等社会の要請に対応してまいりました。今後は、中長期的に社会全体が脱炭素に移行する中で、顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の取扱いが更に増加すると考えております。営業部門においては、これらの省エネ・環境関連機器の販売が客先や社会全体へ役立つものとの信念を持ち続け、販売増加に努めております。また、ホームページや社外広報活動を通じて、当企業グループの取扱商品を広く周知する活動も実施しております。

一方で、TCFDの考え方に基づき、当企業グループにおいて気候変動リスク・機会が事業の戦略・財務計画に及ぼすインパクトを評価しております。この中で、シナリオ分析においては、2度シナリオ、4度シナリオを採用しております。2度シナリオにおいては、リスクの顕在化が想定される移行リスクの検討を行っており、4度シナリオにおいては、物理リスクの検討を実施しております。

なお、2度シナリオ、4度シナリオにおいても、当企業グループの事業における気候変動リスクに対するレジリエンスは確保されていると考えております。今後も引き続き、シナリオ分析及び財務インパクトの影響の精緻化、リスク・機会及び対応策の経営計画への具体的な反映を通じて、気候変動対応を進めていきたいと考えております。

 

② 人的資本・多様性に関する当社の取組

当企業グループは、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供することを企業ミッションとしております。そうしたミッション実現のためには、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるための、人材育成や社内環境整備が重要であるとの認識に基づき、具体的に以下の通り方針を定め、人材への投資を積極的に行っております。

 

(人材の多様性の確保を含む人材の育成方針)

機械と技術の総合商社として産業界の顧客に新たな価値を提供するために、異なるバックグラウンド、知識、スキルを持った社員一人ひとりが相互啓発し合うことで自律的な成長を促し、その能力を最大限発揮できる人材配置を行っていくことを人材育成の基本方針としております。

 

(社内環境整備方針)

当企業グループは、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるよう、自由闊達で健全なる社内環境の整備を進め、多様で柔軟な働き方の実現に向けて取組むことを方針としております。

 

具体的な取り組みとして、多様な人材を採用するためのダイレクトリクルーティングやリファラル採用による経験者採用、女性総合職採用、監理技術者等のシニア採用等を推進しています。また社員の成長のための施策として、カフェテリア方式のラーニングを全社員に導入するとともに、若手社員に向けた技術基礎のラーニングを導入しています。

社内環境については東京、大阪本社にて事務所内のフリーアドレス化を行い、より働きやすい、社員の共創を生むオフィス空間の構築に取り組んでいます。

 

 

また、当企業グループは、機械と技術のプロフェッショナル集団として様々な業界の多岐に亘るサプライチェーンに長年関わってきた経験から、サプライヤーと共にサプライチェーン上の人権リスクの低減に取り組んでおります。これに対応していくことは重要な課題のひとつであり、当企業グループが果たす社会的責任であると認識しております。当企業グループは、サステナビリティ基本方針に則った「人権方針」を新たに制定し、その方針に基づく事業活動を通じた社会的価値の創造を目指してまいります。

 

(人権方針)

当企業グループは、「吾々は社業を通じて、社会に貢献することをモットーとする。」という社是に基づき、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。持続可能な社会の実現に向けて、当社グループは、以下の通り「人権方針」を制定し、人権尊重の取り組みを推進し、その責任を果たすよう努めます。

 

1.当企業グループは、「国際人権章典(国際連合)」や「労働における基本的原則および権利に関するILO宣言(国際労働機関(ILO))」、「ビジネスと人権に関する指導原則(国際連合)」などの人権に関する国際規範を遵守・尊重し、人権への取り組みを行います。

2.当企業グループは、ビジネスパートナーと連携して、他者の人権を侵害しないこと、事業活動を通じて起こり得る人権への負の影響を最小化すること、そして事業活動を通じて積極的に人権尊重の実践を広げていくことに取り組んでいきます。

3.当企業グループは、人権デュー・デリジェンスの仕組みを通じて、事業活動における直接的、間接的な人権への負の影響を特定し、その予防または軽減を図るよう努めます。また、当社グループの事業活動によって、人権に対する負の影響を引き起こした、または負の影響を助長したことが明らかになった場合は、必要に応じて、ビジネスパートナーと連携しつつ、適切な手段を通じて、その是正、救済に取り組みます。

4.当企業グループは、本方針が事業活動全体に定着するよう、必要な手続きの中に反映するとともに、本方針が理解され効果的に実施されるよう、役職員に対して適切な教育・研修を継続的に行っていきます。

 

(5)指標及び目標

① 気候関連リスクの指標及び目標

当企業グループでは、気候変動に関連するリスクと機会を評価する指標として、当企業グループのGHG排出量(グループの国内全拠点におけるScope1、Scope2排出量)を採用しております。当企業グループのGHG排出量の推移は下記の通りであり、2023年度においては、コロナ後の各拠点の活動増加に伴い前年比で増加したものの、2013年度比で27.4%の削減となっております。再生可能エネルギーの活用などの脱炭素に向けた各種取組等により2030年度には2013年度比50%削減、2050年にはカーボンニュートラルの達成を目指します。

2023年度は、自社の排出量(Scope1、Scope2)に加えて、サプライチェーンにおける排出量(Scope3)の算定・把握を行いました。今後はScope3の算出精度の向上に努め、Scope3の削減目標についても検討を進めてまいります。

 

 

(GHG排出量 Scope1、2の削減目標と実績の推移)

 

排出量(t-CO2)

割合(%)

 

 

うちScope1(注1)

うちScope2(注2)

 

2013年度実績

1,293

710

583

100.0

2020年度実績

983

515

468

76.0

2021年度実績

968

513

456

74.9

2022年度実績

928

533

395

71.8

2023年度実績

939

537

402

72.6

 

(注)1 Scope1とは、自ら排出した温室効果ガスの直接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の燃料使用量(ガソリン、軽油、重油、都市ガス、LPG)から算出しております。

2 Scope2とは、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の電気使用量から算出しております。

 

 

 

(GHG排出量 Scope3の実績の推移)

 

カテゴリ

2023年度

排出量(t-CO2)

Scope3

(注3)

カテゴリ1 :購入した製品・サービス

531,315

カテゴリ2 :資本財

1,953

カテゴリ3 :Scope1,2に含まれない燃料およびエネルギー活動

200

カテゴリ4 :輸送、配送

637

カテゴリ5 :事業者から出る廃棄物

265

カテゴリ6 :出張

1,811

カテゴリ7 :雇用者の通勤

251

カテゴリ11:販売した製品の使用

217,220

合 計

753,651

 

(注)3 Scope3とは、サプライチェーンにおけるScope1,Scope2以外の他社の排出量と定義されております。従って、当企業グループ(海外含む)の活動に伴う他社の排出量を、カテゴリ別に算出しております。

 

② 人的資本・多様性関連リスクの指標及び目標

当社では、人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標として、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」欄における女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」「男性の育児休暇取得率」「男女間賃金格差」の3つの指標に加え、人材育成・社内環境整備方針に関する指標として、下記の通りの指標を採用しております。

 

(人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標)

項目

2022年度実績

2023年度実績

2025年度目標

人的付加価値率(注2、3)

100

106

108

女性総合職比率(注1)

5%

6

8

男性育休取得率(注1)

82%

70

100

特定資格保有者数(注1、2、4)

100

101

115

 

(注)1 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(1991年法律第76号)の規定に基づき公表している提出会社のみを対象としております。

2 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

3 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

4 各種の特定資格のうち、当社の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当企業グループはこれらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。特に、経営戦略上のリスクについては、必要に応じて経営会議や取締役会において審議を行っており、事業運営上のリスクについては、必要に応じて執行役員会において議論し、対応策を検討しております。また、それらを組織的かつ体系的に管理する必要があるため、リスクマネジメント規定を制定し、グループ全体のリスク全般の監視及び対応を当社のリスクマネジメント委員会が主導しております。

一方、サステナビリティの課題に関しては、当社にサステナビリティ推進委員会を設置した上、当企業グループの各部門から実務担当者を中心に選抜し、気候変動リスク及び人的資本・多様性リスクを中心にその回避策を策定し、グループの持続的成長を阻害する中長期的なリスク要因を特定・評価しております。特定・評価されたリスクが重大である場合は連携したリスクマネジメント委員会とともに取締役会等に報告し、適切な対応策の検討をすることとしております。なお、以下の記載は当企業グループに関するリスクをすべて網羅するものではありません。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づいて当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境にかかるリスク

リスク項目

リスク概要

基本的対応方針

発生可能性

影響度

設備投資需要の変動

当企業グループの主力事業である動伝事業及び設備装置事業の売上は、各産業界における設備投資の動向や、メーカーの製品に組み込まれる部品供給量に大きく依存する傾向にあります。従って、景気の低迷等により設備投資や部品供給量が抑制される場合には、当企業グループ全体の業績に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、グローバルでの経済状況の変化を注意深く見守り、各業界の設備投資需要やメーカーの生産計画の予測情報を入手するなどして、状況に応じた対応を迅速に取れるように対策を行っております。これらについては、定期的に取締役会や執行役員会で報告、検討をしております。

競合の激化

当企業グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、価格競争や品質競争の結果、売上高や利益が減額するという事態になり、業績に悪影響が出る可能性があります。

当企業グループでは、各事業分野において、顧客価値を高める新商品の開発を継続的に実施しており、また、従来商品については、得意とするエンジニアリング力を生かしたトータルな設備導入提案を実施すること、顧客ニーズを徹底的にくみ取った商品提案を実施することなどにより、付加価値を高めた商品販売に尽力しています。これらについては、定期的に取締役会や執行役員会で報告・検討をしております。

人材の確保

当企業グループの中長期的な成長は、従業員個々の力量に大きく依存しております。当企業グループで最も重要な資産は人材であるという認識のもと、人材の配置・育成を推進しておりますが、適切な時期に優秀な人材を計画通りに確保できない場合や人材の成長が滞る場合などは、当企業グループの中長期の成長が阻害される恐れがあります。

当企業グループでは、左記をサステナビリティ関連リスクと認識し、人的資本・多様性リスクに対処するためにサステナビリティ推進委員会での中心テーマに据えております。この中で、人材採用と育成が現在の対処すべき課題に加え、将来のリスクでもあるものと認識しており、当社独自のきめ細かい人事制度の検討やOJTをはじめとした社員教育、待遇の改善や働きやすい環境整備や制度構築などを継続的に実施しております。

海外事業の拡大と為替レートの変動

当企業グループでは、東南アジアを中心とした海外市場において事業の拡大を図っております。このため、海外子会社の進出地域を中心にそれぞれの国や地域において、テロや政情悪化、商習慣の違い等が発生した場合には、当該子会社の業績悪化に加え、当企業グループの海外における業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

海外の事業環境の全般についての情報については、海外子会社や駐在員事務所を通じ、必要に応じ収集することにしております。特にアジア各国企業・業界の設備投資動向、環境関連規制、輸出入関連規制等が当企業グループの業績へ与える影響を中心に情報収集しております。

在外連結子会社の売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成において円換算するため、換算時の為替レートが大幅に変動した場合には、円換算後の価値も大幅に変動し、当企業グループの経営成績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

当企業グループでは、為替相場の変動による影響を受ける外国通貨建ての取引については、外貨預金口座を通じての決済や為替予約取引等を原則とすることとしており、為替変動リスクをヘッジしております。

 

 

 

(2) 事業運営にかかるリスク

リスク項目

リスク概要

基本的対応方針

発生可能性

影響度

長期大型工事案件の想定外の採算悪化や工期の遅延

工事の進捗度に基づく売上を計上する物件などの長期大型工事案件については、仕様変更や追加工事、下請業者や協力工場の経営悪化、納期遅延の要因等により追加原価の発生や工期遅延が発生する可能性があります。また、案件によっては将来の工事損失計上に備えるため、工事損失引当金の計上をする場合があり、それらにより収益性が低下する恐れがあります。

当企業グループでは、工事ごとの管理体制を整備し、受注時における見積及び受注後の進捗管理を厳正に管理しております。採算性に変化があった場合は、速やかに見積原価の変更を行うなど、売上計上時に相応の精度を確保するように徹底しております。

売上時期の変動

設備物件の顧客納期は年度末である3月期末時に集中する傾向にあります。従って、納品・稼動時期の遅れにより3月末予定の売上が翌期にずれ込む場合には、当企業グループの事前に予想していた期間の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、客先・仕入先との納品・稼働時期に関するスケジュール管理を厳格にするために、情報交換を緊密にすることを日頃から該当部門に指示することをはじめ、執行役員会では、各部門の当初の売上計画に対する進捗度を毎月報告するなどにより状況の推移を監視しており、可能な限り正確な3月末予定売上額の把握に努めております。

与信管理

当企業グループの販売先は1万数千社を超える社数となっており、それら販売先には中小の事業者が相当数存在し、設備投資の状況等国内景気の動向によっては、今後、貸倒引当金の積増しを要する事態や貸倒損失が生じる可能性があります。

当企業グループでは、法務・審査室を中心に、債権管理には各販売先別にその業容、資力に応じた与信設定を行うと共に、必要に応じ預り保証金の入手を行うほか、年1回必ずその見直しを実行し、信用状態の継続的な把握を行っており、不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。また、貸倒引当金の計上に関しては、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

情報セキュリティ

当企業グループでの情報セキュリティを構築する上で、コンピュータウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、社外に情報が漏洩した場合は、当企業グループの社会的な信用力の低下を招き、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループにおける情報セキュリティの確保については、サイバー攻撃に強いシステムの導入を行うとともに、個人情報や機密情報の保護のためグループ管理体制の下で徹底を図り、定期的に情報セキュリティ上の脆弱性の検証を行い、それに対する対策を行っております。

有価証券投資

当企業グループでは、グループ企業の株式を保有すると共に、事業上の関係緊密化及び投資採算性等に鑑み、客先・仕入先・金融機関等に対し有価証券投資を行っております。有価証券投資は主として当社が行っており、連結貸借対照表上に計上されている投資有価証券の大半は、当社が保有するものであります。これらの時価については、今後の経済環境や企業収益の動向によって大幅に下落する可能性があります。また、「その他有価証券」で市場価格のないものについては、移動平均法による原価法で評価しておりますが、今後、投資先企業の財政状態が著しく低下したこと等の事実がある場合には評価減を行う可能性があります。

政策保有株式については、保有先との業務提携や取引の維持・強化のために保有を継続しているものがありますが、その意義が薄れたと判断したものについては、計画的に売却しております。なお、当社では年度末において、継続保有が適当かどうかの判断を銘柄ごとに取締役会で審議しております。

 

 

 

(3) 環境・災害、その他にかかるリスク

リスク項目

リスク概要

基本的対応方針

発生可能性

影響度

災害の発生

大地震等の自然災害や突発的な事故等によりグループの事業活動が不能になる場合に加え、客先・仕入先において生産設備等に多大な損害を受けた場合やインフラに問題が発生した場合には、予定している機械設備等の販売・仕入に支障が生ずる可能性があります。また、感染症の発生等により当企業グループの活動全般が阻害された場合には、当企業グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、自然災害に対し当企業グループに被る災害・事故等の発生を防ぎ、災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるために、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しており、社員の安否確認システムも導入しております。また、BCP(事業継続計画)の考え方を導入しており、業務全般の地域分散対応(他地域にて業務を代替して継続すること)や、営業活動や商品納入指示活動が在宅でも一部実施可能な仕組みを導入しております。これにより被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。

気候変動による移行リスク、物理リスク

気候変動リスクに関しては、産業革命前からの気温上昇を+2℃未満に抑えるシナリオ(主として移行リスク)においては、社会の脱炭素化に向けた規制強化によるコストの増加(炭素税等)が業績に与える可能性があります。一方、産業革命前からの気温上昇が+4℃となるシナリオ(主として物理リスク)においては、自然災害の甚大化の影響を被り、上記のような具体的な支障が生ずる可能性があります。

サステナビリティ推進委員会を設置し、当企業グループ全体にわたる気候変動リスクや人的資源・多様性リスクを特定・評価しております。このうち、気候変動に関連する移行リスク及び物理リスクについては、シナリオ分析を踏まえたうえで、リスクと機会を特定し、財務的な影響を踏まえて重要性を評価し、対応策を合わせて検討することにしております。又、特定・評価されたリスクは適宜取締役会等に報告し、適切な対応策の検討をすることとしております。

訴訟の提起

当企業グループでは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、様々な訴訟を受ける可能性があります。訴訟が提起された場合に、その結果によっては、当企業グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループでは、事業に関わる各種法令を遵守するとともに、当事者との協議の実施に努めるなどにより紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。

特定の仕入先への依存

当企業グループにおいて、重要な仕入先として株式会社椿本チエイン及びそのグループ会社があります。

株式会社椿本チエイングループの製品は当企業グループの事業戦略展開上の重要なコアの一つであり、当企業グループ全体の仕入金額の約30%を占めております。同社製品の供給が万一滞る事態が発生する場合には、当社の商品販売について客先への商品納入義務や納期を遵守できない可能性があり、売上高も減少する可能性があります。

当企業グループでは、同社グループと緊密な情報交換等を実施し、同社グループの生産計画等の情報も入手しながら継続的な商品供給体制を構築しております。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における世界経済は、長期化するウクライナ紛争に加え、中東においては地政学リスクの発現により紛争が勃発、さらには中国の景気減速の継続など、各地域で不安定な状況が続きました。

国内においても、物価高や円安の継続により経済活動は盛り上がりを欠いており、先行き不透明な状況が継続しております。

このような状況下にあって、当企業グループでは、お客様のニーズを的確につかんだ営業を展開し目標に邁進してまいりました。特に、中国における大口の偏光板生産設備につきましては過去納入分が高評価を頂き、再度これらの設備を受注することができました。

これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、受注高については、上記の偏光板生産設備をはじめ、省力化設備等の設備装置関連を中心に、前年度に比べ大幅に増加いたしました。売上高につきましても、豊富な受注残高を概ね納期通りに売上計上することができたことから、前年度に比べ増加いたしました。なお、売上高は前年度に続き2期連続で1,000億円を超えることができました。以上の結果、受注高、受注残高、売上高は、過去最高額となりました。利益面では、受注活動増加に伴う経費増加や事務所改装費用の支出等があったものの、各利益は前年度を上回ることができました。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

受注高

114,837

124,773

108.7

売上高

107,963

113,503

105.1

営業利益

5,102

5,233

102.6

経常利益

5,434

5,577

102.6

親会社株主に帰属する当期純利益

3,667

4,000

109.1

 

 

自己資本利益率(ROE)(%)

11.4

10.8

 

売上高経常利益率(%)

5.0

4.9

 

総資産経常利益率(%)

6.7

6.2

 

 

 

受注高は、前連結会計年度に比べ8.7%増加し、1,247億73百万円となりました。

売上高は、前連結会計年度に比べ5.1%増収の1,135億3百万円となりました。営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ52億33百万円(前期比102.6%)、55億77百万円(前期比102.6%)、40億0百万円(前期比109.1%)となり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

 

②経営指標による連結経営成績の状況

経営指標による連結経営成績の状況は、上記の状況の結果、受注高の前期比成長率が8.7%、売上高の前期比成長率が5.1%、営業利益の前期比成長率が2.6%、経常利益の前期比成長率が2.6%、親会社株主に帰属する当期純利益の前期比成長率が9.1%となり、前連結会計年度に比べ増加いたしました。売上高経常利益率は4.9%、総資産経常利益率が6.2%となりました。また、かねてより10%維持を目標としているROEは10.8%となっており、収益力維持に努めている結果が反映していると考えております。

受注高・売上高の拡大並びに収益力を堅持し、客先をはじめとするステークホルダーへの貢献や、喫緊の課題である環境問題への対処などの社会的責任について事業を通じて果たしていきたいと考えております。

 

 

③報告セグメントの業績の状況

 報告セグメントの業績は次のとおりであります。

 なお、新潟・富山・石川を担当エリアとする子会社を2023年10月1日に新規設立し、管轄する本部を東日本本部としたことから、第3四半期連結会計期間より当該子会社を東日本本部の担当としております。

 

  (単位:百万円)

 

受注高 (外部顧客からの受注高)

売上高 (外部顧客への売上高)

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

東日本本部

40,140

40,843

101.8

36,280

39,866

109.9

西日本本部

39,001

48,012

123.1

39,969

36,847

92.2

中日本本部

15,717

15,695

99.9

13,270

16,091

121.3

開発戦略本部

19,976

20,222

101.2

18,442

20,696

112.2

合計

114,837

124,773

108.7

107,963

113,503

105.1

 

 

(東日本本部)

北海道・東北・甲信越・関東地区が担当エリアであり、全体の売上高の約35%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、398億66百万円(前期比109.9%)となりました。当年度は、動伝部品は半導体製造装置関連の売上高が弱含みに推移したものの、一般産業・鉄鋼業界等への売上高が増加し、部門全体では前年同期実績を上回りました。設備装置関連については、エンジニアリング設備や物流・自動車設備等を中心に、売上高が大幅に増加いたしました。この結果、営業利益は、22億13百万円(対前期5億8百万円増)となりました。受注高につきましては408億43百万円(前期比101.8%)と増額いたしました。

 

(西日本本部)

北陸・関西・中国・四国・九州地区が担当エリアであり、全体の売上高の約33%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、368億47百万円(前期比92.2%)となりました。当年度は、動伝部品は一般産業・重工業向け等の売上高が前年同期に比べ着実に増加いたしました。設備装置関連の売上高については、中国における大口案件の大半の売上が前年度に終了したため、設備装置関連の総額では前年同期に比べ減額したものの、その他の案件については、物流・食品業界向けを中心に前年同期実績を上回りました。営業利益は、28億18百万円(対前期3億71百万円減)となりました。受注高につきましては480億12百万円(前期比123.1%)と大幅に増額いたしました。

 

(中日本本部)

東海地区が担当エリアであり、全体の売上高の約14%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、160億91百万円(前期比121.3%)となりました。当年度は、コロナ後の営業活動を本格化したことにより、売上高が急回復しております。重工業向けや一般機械部品、自動車関連を中心とした動伝部品の売上高は、前年同期実績と比べ増額し、設備装置関連の売上高は、食品業界や自動車関連業界を中心に活発な受注活動が奏功し、前年同期実績を大きく上回る結果となりました。営業利益は、9億30百万円(対前期2億99百万円増)となりました。受注高につきましては156億95百万円(前期比99.9%)となりました。

 

(開発戦略本部)

当企業グループ全体の海外ビジネスやマテリアルビジネスを担当し、それらビジネスの拡大や、制御・センシングビジネスに向けた新商品の開発にも取組んでいる部門で、その売上高は全体の約18%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、206億96百万円(前期比112.2%)となりました。当年度は、海外子会社については、ASEAN各国の景況が中国の景気減速の影響を受け、全体に立ち上がりが遅く、総じて横ばいとなりました。一方で、中国子会社につきましては、日系企業の設備装置需要に対応したことにより売上高が増加いたしました。海外ビジネスにつきましては、海外の動伝部品等を日本に紹介・輸入するビジネスが徐々に拡大しております。マテリアルビジネスにつきましては、介護・衛生関連商品がコロナによる需要が一巡したことにより、売上高は総額で前期並みにとどまりました。新規事業であるセンシング・画像処理ビジネスは、子会社を通じた売上が拡大しております。営業利益は7億98百万円(対前期77百万円減)となりました。受注高につきましては202億22百万円(前期比101.2%)と増額いたしました。

 

 

(2)受注、販売及び仕入の状況

当連結会計年度における報告セグメントの業績を一覧表として示すと以下のとおりであります。

 

①受注実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

  東日本本部

40,461

41,086

101.5

  西日本本部

40,593

49,158

121.1

  中日本本部

16,040

16,231

101.2

  開発戦略本部

21,354

21,383

100.1

  調整額

△3,611

△3,085

合計

114,837

124,773

108.7

 

 

②受注残高実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度末

当連結会計年度末

前期比(%)

  東日本本部

24,568

25,444

103.6

  西日本本部

27,703

38,734

139.8

  中日本本部

8,138

7,944

97.6

  開発戦略本部

7,277

6,690

91.9

  調整額

△2,813

△2,667

合計

64,875

76,145

117.4

 

 

③販売実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

  東日本本部

36,436

40,210

110.4

  西日本本部

41,073

38,127

92.8

  中日本本部

13,766

16,424

119.3

  開発戦略本部

19,490

21,971

112.7

  調整額

△2,803

△3,230

合計

107,963

113,503

105.1

 

 

④仕入実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

  東日本本部

31,524

34,115

108.2

  西日本本部

35,328

31,620

89.5

  中日本本部

11,684

14,028

120.1

  開発戦略本部

16,743

18,932

113.1

  調整額

△2,803

△3,230

合計

92,477

95,466

103.2

 

 

 

(3) 財政状態の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減額

流動資産

71,049

76,279

5,229

固定資産

13,424

18,477

5,052

資産合計

84,474

94,756

10,282

 

 

流動負債

47,730

50,080

2,349

固定負債

2,704

4,298

1,594

負債合計

50,434

54,379

3,944

純資産合計

34,039

40,377

6,337

 

 

自己資本比率(%)

40.0

42.4

 

 

 

当連結会計年度末の資産合計は947億56百万円であり、前連結会計年度末の844億74百万円に比べ、102億82百万円増加いたしました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べ、52億29百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が39億27百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が22億円増加したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ、50億52百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券の時価が上昇したことにより前連結会計年度末に比べ48億8百万円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は543億79百万円であり、前連結会計年度末の504億34百万円に比べ、39億44百万円増加いたしました。このうち流動負債は、前連結会計年度末に比べ、23億49百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金が23億62百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ、15億94百万円増加いたしました。主な要因は、繰延税金負債が14億72百万円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は403億77百万円であり、前連結会計年度末の340億39百万円に比べ、63億37百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を40億0百万円計上した一方で、配当金の支払い10億13百万円を実施したこと、投資有価証券の時価が前連結会計年度末に比べ上昇したことにより、その他有価証券評価差額金が33億48百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、自己資本比率は42.4%となり、財務安全性指標として維持する目標の30%を大きく超え、前連結会計年度に引き続き財務安全性を確保することができました。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

6,716

5,015

△1,700

投資活動によるキャッシュ・フロー

△461

△69

391

財務活動によるキャッシュ・フロー

△971

△1,077

△105

現金及び現金同等物の期末残高

22,927

26,855

3,927

 

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金)は、268億55百万円となり、前連結会計年度末より39億27百万円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ17億0百万円少ない50億15百万円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益は57億61百万円、仕入債務の増加額10億28百万円等による資金の増加があった一方、法人税等の支払額19億76百万円等の資金の減少があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億91百万円少ない69百万円となりました。

これは主に、固定資産の取得による支出5億円等の資金の減少があった一方、投資有価証券の売却による収入4億61百万円等の資金の増加があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億5百万円多い10億77百万円となりました。

これは主に、配当金の支払額10億13百万円等の資金の減少によるものであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

①財務戦略の基本的な考え方

当企業グループは、強固な財務体質と資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。当連結会計年度末の自己資本比率は42.4%でありました。また、短期・長期借入金は必要最小限となるよう資金繰りを徹底し、増加運転資金には手元資金を効率的に運用することで対応しており、加えて、万一に備えての資金調達が行えるよう金融機関と貸出コミットメント契約を締結しております。一方、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストを低減できる様に努めております。

 

②経営資源の配分に関する考え方

当企業グループでは、適正な手元現預金の水準について目安を持っており、時期によっては、大口取引案件にかかる残高の上下があるものの、概ね年間売上高の1~2か月分が安定的な経営に必要な手元資金水準と考えております。この水準を大きく超えることが継続すると予想されるものについては、企業価値向上に資する経営資源として適正に配分できるように努めております。

 

③資金需要及び資金調達

資金需要につきましては、売上原価又は棚卸資産に該当する仕入高、並びに販売費及び一般管理費の営業費用が、当企業グループの運転資金として要する主なものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費、出張旅費を主体とする旅費交通費、及び事務所家賃を主体とする地代家賃であります。

また今後、当企業グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献していくとの判断から、新規事業や海外事業について子会社の新設やM&Aも含めた投資の検討を行ってまいります。

資金調達につきましては、手元資金を効率的に運用することで対応しており、加えて、万一に備えての資金調達が行えるよう金融機関と貸出コミットメント契約を締結しております。

 

(6)重要な会計方針及び見積り

当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の項目に記載の通りであります。重要な見積りについては、財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り・予測・判断が必要となり、当企業グループでは過去の実績値や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報に基づき、継続的に見積り・予測・判断を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

当企業グループにおける重要な見積りとして、以下の事項が考えられます。

(進捗度に基づく売上高の計上)

 進捗度に基づく売上高の計上は、工事ごとの管理体制を整備した上で、受注時に工事内容が特定され、その見積原価が反映していること、また受注後に工事内容に変化があった場合には、速やかに見積原価の変更を行うなど進捗管理を厳正に管理することで進捗率を合理的に見積り、それに見合った売上高を算定しております。

 これらの見積りに対し、将来発生する様々な要因に伴い追加原価及び工期遅延が発生する可能性があるため、実際に生じた金額が見積りと異なる可能性があります。

 なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」として記載しております。

 

 

(7)その他

①重要な取引先との関係

当企業グループにおいて、重要な取引先として株式会社椿本チエイン及びそのグループ会社があります。その取引内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」の事項に記載の通りでありますが、株式会社椿本チエイングループの製品は当企業グループの事業戦略展開上の重要なコアの一つであり、従来から販売面のみならず、商品開発面及び相互間の業務処理の効率化といった面から継続的な協力・協働を進めてきております。同グループ製品群に係る市場でのコスト面、品質面での競争は激化しており、製・販一体となった更なる販売力・商品力の強化が求められております。

このような状況を踏まえ、当企業グループは、株式会社椿本チエイングループと共に統一した営業戦略の下での協力・協働関係を更に強化することとし、ターゲットとした事業領域・商品領域については、両者によるワーキングチームの編成等、一歩進めた共同営業の展開により同グループ製品の販売拡大を図って行くと共に、IT化により、相互間の事業処理面でも効率化を更に進めていくこととしております。

 

②資本収益性や市場評価への対応

当連結会計年度につきましてはROEは10.8%となり、CAPMによる推定の株主資本コストを上回る資本収益性は達成できていると認識しております。しかしながら、以下の通り、PBR(株価純資産倍率)は1倍をやや超えている状況であり、十分な市場評価を得られておりません。このため、株主資本コストや資本収益性を十分に意識し、ROE10%を毎期継続して達成することを中期経営計画にて表明しております。更には、ROE向上のための資本政策や利益計画を策定し、投資家をはじめとするステークホルダーの期待に応えながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ってまいります。

 

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

ROE(自己資本利益率)(%)

11.4

10.8

連結会計年度末株価終値(円)

4,135

2,286

1株当たり純資産額(円)

5,396.74

2,135.89

PBR(株価純資産倍率)(倍)

0.77

1.07

 

(注)1 上記の連結会計年度末株価終値は、東京証券取引所におけるものであります。

2 PBRは、各年度末の株価終値を1株当たり純資産額で割って算出しております。

3 2024年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。当連結会計年度末における連結会計年度末株価終値は、株式分割による権利落後の株価を記載しており、1株当たり純資産額は、期首に当該株式分割が行われたと仮定し算定しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。