第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「食を通して人を幸せにするグローバルな生活関連企業を目指す」を経営ビジョンとして掲げており、人々の食生活の向上に資するべく、創業以来、食肉卸売業を中核として様々な機能を強化してまいりました。現時点で、新型コロナウイルス感染症の蔓延が続いておりますが、当該状況下においても生活に必要不可欠な食品を安定的に供給することが当社グループの果たすべき責務であると認識しております。

今後も感染防止策と安全対策に万全を期しながら、人々の豊かな食生活の実現に一層貢献するべく、グループ一丸となって食肉関連製品の安定供給と、多様化が加速する食への要望に的確に応えうる商品提供の実現に取り組んでまいります。

 

(2)経営環境及び経営戦略(対処すべき課題)

①経営環境

今後の食肉業界は、消費の伸び悩みによる販売競争の激化、人手不足による物流費、人件費の増加傾向の継続、家畜の疾病や世界的な食肉需要増加による食肉調達価格の高騰など、引き続き厳しい事業環境となることが予想されます。

新型コロナウイルス感染症の影響は、当該感染症の収束時期が見えず予測が非常に困難な状況ですが、景気の冷え込みによる消費者の低価格志向のさらなる高まり、家庭内での食肉調理の習慣化、海外の需給バランス変化による輸入商材の大幅な価格変動、取引先の信用不安の高まり等が想定されます。

既に現時点において、新型コロナウイルス感染症拡大は、外食需要の減少と内食需要の増加をもたらし、結果として食肉製品の消費動向にも影響を及ぼしております。食肉製品の供給面では海外の食肉処理加工工場の生産が制限されるなどの影響や、外食需要の高い和牛の相場急落から和牛の生産農家の経営への影響が懸念されるなど、今後の需給動向にも注視が必要な状況です。

 

②中期経営計画

このような経営環境下、当社グループは新たに作成した中期経営計画(2020年4月1日から2023年3月31日)を2020年度より開始しております。なお、本中期経営計画は、日本国内での新型コロナウイルス感染症蔓延前に策定したものであり、当該感染症の影響を織り込んではおりません。本中期経営計画の目標数値及び投資の実行時期等につきましては、当該感染症の収束までの期間や今後の事業環境に与える影響等が合理的に算定することが可能になった時点での見直しを検討しておりますが、基本戦略の内容につきましては新型コロナウイルス感染症禍においても普遍的なものが多く、現時点では大幅な変更はないものと考えております。

事業に関するSWOT分析を踏まえた本中期経営計画の基本戦略は次のとおりです。

 

◆事業に関するSWOT分析

 

プラス面

内部環境

 

強み

ⅰ. 生産者からお客様までのすべてに関わるトータルサプライチェーンを構築

ⅱ.国内外の広範な調達力(供給面)と全国に有する営業拠点(販売面)

ⅲ.業界トップクラスの加工・製造・品質レベル(製造面)

⇒機能を生かし中核事業強化と加工食品販売拡大

外部環境

 

機会

ⅰ.自由貿易協定の発効

ⅱ.世界的食肉需要増、富裕層の増加、健康志向、環境問題への意識高まり

ⅲ.デジタル技術の発展、ECの進展

⇒海外からの調達力・海外での販売力強化

⇒代替食肉への挑戦・EC市場へのアプローチ強化

 

 

 

マイナス面

内部環境

 

弱み

ⅰ.会社の規模が拡大する中、人手不足

ⅱ.企業活動実態の見える化が不十分

ⅲ.加工メーカーとしての機能整備が不十分

⇒業務プロセス改革、DXによる業務の見える化、実効性・効率性の追求

⇒食肉加工メーカーとしての基盤強化

外部環境

 

脅威

ⅰ.調達価格高騰、国内販売競争激化、消費者の低価格志向・ニーズの多様化

ⅱ.人手不足による人件費・物流費の高騰

ⅲ.環境問題・SDGs意識の高まり

⇒厳しい市場環境の中、投資効率・業務効率・

 人材育成・SDGsを意識した持続可能な経営を目指す

⇒国内外生産・製造拠点強化による供給体制構築

 

 

◆中期経営計画基本戦略(ⅰ~ⅵ)

 

 

 

 

 

 

収益基盤の強化

ⅰ中核事業(食肉生産・卸事業)の基盤維持・強化

・生産事業の確立・整備

・相場価格に影響されにくい食肉製品の開発

・輸出事業の強化

・食肉処理加工工場の人手不足、労務負担軽減対応(機械化・省人化)

収益力の根幹

(既存事業)

ⅱ食肉加工メーカーとしての基盤強化

・加工メーカーとしての機能強化

・プロセスセンターの整備

・加工食品事業の再構築

新たなる収益基盤

(既存事業)

ⅲグローバル企業への展開(海外事業)・代替食肉の取り組み

・物流加工機能を有する海外拠点の整備及び現地商売の強化

・輸入加工品の強化

・海外調達先の確保

・代替食肉への挑戦

次の成長領域

(新たなる取り組み)

 

 

 

 

 

持続的発展のための基盤構築

ⅳ業務プロセス改革・DX

・販売戦略、物流戦略に沿った各拠点の再整備

・効率的な製造・営業・物流体制の構築

・見える化の推進

実効性・効率性の追求

ⅴコーポレート機能強化

・投融資審査機能の強化

・戦略的資金調達による財務内容強化

・管理部門人材の強化

グループ競争力強化

ⅵサステナビリティへの取り組み強化

・SDGsを意識した経営

・将来を担う人材の育成

社会の一員としての

存在意義強化

 

 

 

③対処すべき課題

以上の中期経営計画基本戦略のうち、2020年度は『事業の再生と成長』をテーマに掲げ、以下の課題に優先的に取り組みます。

 

a.既存事業の一層の強化

当社グループの最大の強みは、「お客様のニーズ・課題に真摯に向き合い、グループ機能を最大限生かし全力で応えること」によって「お客様との信頼関係を構築する力」です。

消費者のニーズが多様化を見せる中、お客様のニーズ・課題もますます多様化の一歩をたどると予想しております。そのような状況下、お客様からご要望を頂ける体制を整えるだけでなく、当社グループ自らが、積極的にお客様のニーズ・課題を把握し、課題解決の助力となりうる提案をすることがお客様に信頼いただく上で重要になると考えております。

さらに多くのお客様から信頼していただき、当社グループがお客様とともにさらなる成長を遂げるため、次の機能の一層の強化を図ってまいります。

 

・お客様のニーズを的確に把握するためのマーケティング機能
・お客様のニーズに沿った商品を開発するための商品開発機能
・お客様に商品の価値をお伝えするための販売力
・消費者の低価格志向が顕著になる中、高品質かつお客様にとって価格競争力のある商品を生み出すた

 めの工程管理及び原価低減活動

 

 

また、当社グループは、ECサイト向け食肉関連製品の販売も強化しております。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、ECサイト経由で当社製品をご購入いただく方が急増しており、新型コロナウイルス感染症の収束後もこの傾向は続くものと予想しております。引き続きECサイト向け商品の販売も積極的に取り組んでまいります。

 

b.海外事業の強化

国内の食肉消費が落ち着きを見せる中、大きな成長が望める海外マーケットへの取り組みとして、中国、米国を取り組み強化地域とし、物流・加工機能を有する販売事業所モデルの横展開を図ってまいります。

この取り組みの一環として当社は、三井物産株式会社と中国現地パートナーの3社で中国広東省に食肉及び食品の加工・販売を行う合弁会社を設立、2019年10月に営業を開始いたしました。当該合弁会社を通じ、当社グループが有する食肉流通事業に関する知見・技術・品質管理ノウハウ及び長年築いた海外産地パートナーとの良好な関係性を生かし、輸入牛肉をはじめとした中国国内での販売を推進してまいります。当社の知見や技術を生かし、中国市場に新たな価値を提案することで食肉文化のさらなる普及に貢献できると考えております。また、新型コロナウイルス感染症禍の影響で不透明な状況ですが、中国への和牛輸出が可能になった暁には、富裕層を主なターゲットに当社グループ工場で加工した和牛を販売する取り組みも進めてまいります。

 

c.業務プロセス改革、DXの推進

販売競争の激化や物流費・人件費等の高騰、疾病問題によるマーケット変化等、激変する環境に対応しさらなる成長を図るために、当社グループ業務の組織横断的な抜本的見直しや事業の可視化を推進することが当社の喫緊の課題です。

このような課題に対し当社は、2019年4月にZeus(Zenith Engagement Ultimate System)プロジェクトを立ち上げ一年を通じ、事業環境を踏まえた経営課題の洗い出しと組織横断的な新たな業務の在り方・働き方を検討し、中長期的な改革構想をまとめてまいりました。2020年度からは一年かけてまとめた改革構想をどのように実現するかを検証する段階に入ります。

当社が「食を通して人を幸せにするグローバルな生活関連企業」を実現し続けるためには、Zeusプロジェクトの成功は避けては通れない過程であると考えております。本プロジェクトを不退転の決意をもって進めてまいります。

Zeusプロジェクトの改革の方向性は次のとおりです。

 

 

◆Zeusプロジェクト概要

領域

改革の方向性

組織横断

経営・事業管理

見える化の推進による各事業ごとの収益管理強化、価格競争力の追求

需給計画調整

市場の供給ニーズに合わせ生産・在庫・販売のバランスをコントロールする機能を強化する

ロジスティクス

価格競争力を維持するため、

全社横断での物流ネットワークを再編する

 

 

仕事の在り方

加工・製造

さらに安全・安心で価格競争力のある商品を生み出すため、工程管理及び原価低減活動の強化を行う。

販売

組織の力とテクノロジーを最大限活用した新しい営業スタイルを確立する

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

なお、当社グループでは、「リスク管理規程」に従い、「リスク管理委員会」においてグループ全社的なリスク管理・推進に関わる課題・対応策を協議するとともに、リスク管理部門を中心に事業を取り巻くさまざまなリスクに対する的確な管理と顕在化したリスクへの対応等を可能とする体制を整えております。

以下、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)食の安全について

当社グループは、人々の生活に必要不可欠な食品を取り扱っており、食品の安全性の確保が社会に対する責務であると認識しております。当社グループは、当該責務を果たすために食の安全性確保のための様々な取り組みを推進しておりますが、社会全般にわたる品質問題等、取り組みの範囲を超えた事象が発生するリスクがあります。また、食品衛生、安全衛生の両基準に従って、万全の注意をもって製品の製造をしておりますが、製品の欠陥が生ずるリスクを完全に回避できる保証はありません。

当該リスクが顕在化した場合、大規模な製品回収や製造物責任賠償の発生、社会的信用の失墜等により、多額の費用負担や販売量の減少等を招き、ひいては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、食品の「安全性」と「品質」を確保するために、現在56ヵ所の事業所が『SQF』(Safe Quality Food)を取得し、安全・安心な食品を提供する体制を構築しております。また、会社組織として品質保証本部を設け、グループ各所に当本部員を配置することで、当社グループの品質管理・保証を統括して管理する体制を整えております。なお当社グループは、食の安全・安心の確保について最重要取組課題の一つと認識しており、今後も品質管理・保証体制のさらなる強化を図ってまいります。

 

 

(2)食肉需給の変動について

当社グループの主要取扱商品である食肉につき、異常気象による家畜の生育遅れや家畜疾病発生により調達量が減少するリスクがございます。また、国内外の需給変化により食肉相場が大幅に変動するリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、食肉の調達量の減少や調達価格の上昇、あるいは販売価格の低下により売上総利益の減少を招く可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループでは、当社国内関連農場の地理的分散化、多数の国内協力生産者からの調達や複数国からの輸入により家畜疾病等による調達量減少リスクを分散化しております。また食肉相場の変動リスクに対しては、先の食肉需給の変動を見込んだ調達や、適正水準での在庫管理徹底、より付加価値の高い食肉製品の開発・販売の強化に取り組むことでリスク低減を図っております。

 

(3)新型コロナウイルス感染症等の拡大について

新型コロナウイルス感染症等が今後も発生し蔓延が長期化する場合には、景気の冷え込みによる消費者の低価格志向の高まり、外食需要の低迷、海外の需給バランス変化による輸入商材の大幅な価格変動、取引先の信用不安の高まり等のリスクが想定されます。また、当社グループ従業員に感染が確認された場合には、一部操業停止等により商品供給が停滞するリスクがございます。

当該リスクが顕在化した場合、相対的に高価な和牛や外食産業向け業務用製品の販売不振、商品調達コストの高騰、売上債権の貸し倒れ、操業停止に起因する販売機会の喪失等により、営業利益の減少を招く可能性がございます。

このようなリスクがある状況下においても、当社は生活に必要不可欠な食品を安定的に供給する責務があると認識しており、以下の対策を講じながら当該責務を果たしてまいります。

当社グループでは新型コロナウイルス感染症への対策として「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設け、次の対策を講じております。

 

・手洗い、うがいの徹底した啓蒙活動。必要に応じてマスクの配布。毎日の検温。
・在宅勤務、テレワークの推奨。出張の原則禁止、Web会議の環境構築及び促進
・感染者が発生した場合のBCP対策
・債権管理の徹底及び資金管理

 

 

また、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、外食需要が低迷する一方で内食需要は高まりを見せており、当該内食需要を取り込むため、家庭内調理の傾向に沿った商品提案に注力してまいります。加えて、外出自粛以降広がりを見せている、ECサイト向け商品の販売も積極的に取り組んでまいります。

 

(4)公的規制について

①アフリカ豚熱、豚熱、BSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫、鳥インフルエンザをはじめとする家畜疾病の発生に伴い、輸入や移動の規制を受けた場合、需給バランスに大幅に影響し、相場が急激に変動するリスクや商品調達が制限されるリスクがございます。

②関税に係るセーフガード等の規制が発動された場合、相場が急激に変動するリスクや商品調達が制限されるリスクがございます。

③当社商品は品質表示関連の法規制の適用を受けており、将来において新たな規制が設けられた場合には、当該規制への追加対応が必要となるリスクがございます。

当該リスクが顕在化した場合、調達コストの増加や販売機会の喪失、新たな規制へ対応するための費用発生等により営業利益の減少を招く可能性がございます。

このようなリスクに対し、当社グループは、多数の国内協力生産者からの調達や複数国からの輸入によりリスクの分散を図っております。また、当社グループは会社組織として品質保証本部を設けており、品質管理と品質表示について常に厳重なるチェックを行うとともに、新たな公的規制に対しても適切かつ迅速に対応できる体制を整えております。

 

 

(5)自然災害や気候変動について

大地震、火災などの自然災害やそれに伴う大規模停電、大型の台風、豪雪などをはじめとする異常気象が発生し、生産設備や保管設備、出荷に使用される道路、港などのインフラストラクチャーが甚大な被害を受けた場合、その復旧までに生産、出荷が長期間に亘り滞るリスクがあります。それに付随して国内需給バランスが乱れ食肉相場が大幅に変動するリスクがございます。また、自然災害により、従業員や事務所・設備に対する被害が発生し当社グループの事業運営が困難になるリスクがございます。

当該リスクが顕在化した場合、出荷の滞りによる売上高の減少や相場の変動による売上総利益の変動、保管在庫の品質低下や当社設備の破損により一時的な損失を計上する等の影響を受ける可能性がございます。

このようなリスクに対し、当社グループでは、全国各地に食肉製品の製造・保管・販売拠点を有しており、当該リスクが顕在化した場合でも一定程度相互補完できる体制を整えております。

 

(6)海外進出について

当社グループは、北米、欧州、オセアニア、アジアなどの日本国外でも事業活動を行っており、今後も海外事業のさらなる強化を図ってまいります。しかしながら、海外での事業活動を拡大していく上で、当社グループは以下を含む様々な要因による制約を受けるリスクがございます。

 

・契約条項などの商慣習の相違
・法律または規制の変更
・テロ、戦争、伝染病、自然災害などによる社会的混乱
・予期せぬ水準での市場・為替レートの変動
・不利な政治的及び社会的要因
・対日感情、地域住民感情
・知的財産、技術の流出

 

当該リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に様々な制限が生じ財政状態、経営成績の悪化を招く可能性がございます。

このようなリスクに対し当社グループは、新たに海外進出する際に、対象国に関する情報収集とメガトレンド分析等による情報整理に努め、リスクの程度を見極めながら意思決定を進めてまいります。また、万が一社会的混乱が発生した場合には、速やかに駐在社員及び家族の安全確認を行うとともに、現地政府及び日本国大使館の指示に従い、身の安全を図るよう指示・教育してまいります。

 

(7)コンプライアンスについて

役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合、当社グループの社会的信用を失うリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動の広範囲に制約を受け、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、コンプライアンス委員会の設置をはじめ、コンプライアンス体制の整備を行うとともに、グループ共通の行動規範と行動指針を全役職員に周知するなど、コンプライアンス意識の醸成と向上を図っております。

 

(8)情報セキュリティについて

当社グループは、事業活動を行う上で多種多様の情報を取り扱っております。このような状況下、予期できない水準の自然災害、長期間の停電、コンピュータ・ウイルスの感染や不正アクセスなどにより、情報の漏えい、情報の破壊・改ざん・消失、情報への長期間のアクセス制限等が発生するリスクがございます。

当該リスクが顕在化した場合、機密情報の漏えいなどにより社会的信用を失うことや、情報の完全性・可用性の喪失により事業活動の広範囲に制約を受けることで、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、主に次のような対策を講じております。

 

・「情報システム/セキュリティ規程」を設け、個人情報(特に顧客情報)や機密情報の安全管理と漏洩防止、適切なセキュリティ対策を実施

・当社グループ役職員に対して、定期的にITセキュリティ研修や教育啓発活動を実施

・仮想デスクトップ基盤を使用することで、情報端末にはデータを残さないように管理し端末の紛失や盗難の際にも被害を低減させる仕組みを構築。また、万が一ウイルスに感染した場合もネットワークから遮断し、感染の拡散を防ぐ仕組みを構築。

・情報システムのサーバを国内2箇所に設置し常時データを同期させることで、一方に災害等の被害が発生した場合でも他方のサーバによって、事業継続を担保できるようリスクを分散化

 

 

(9)環境保護について

当社グループは事業活動を行う上で、事故・過失等による環境汚染やそれに対する損害賠償責任の発生、あるいは社会的な環境保護に関する追加要請を受けるリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、環境の原状回復に係る費用負担や、損害賠償金の支払い、社会的追加要請に対する費用負担、もしくは社会的要請に応えられない場合の社会的信用の失墜等により、当社グループの利益減少を招く可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、環境関連規制を遵守するとともに、近年社会的に強く要請されている環境に配慮した経営につき、一例として次のような取り組みを推進しております。

 

・消費期限延長技術を用いた食品ロス低減への取り組み
・低排出ガス車への順次切り替え、ペーパーレス化を進め、エネルギー消費量を官公庁へ報告
・サステナビリティ推進室を新設、環境と事業活動の観点から持続可能性を高める経営を推進

 

 

(10)為替について

当社グループは、原材料及び商品の一部の輸出入取引を外貨建で行っており、また、海外関係会社の財務諸表は外貨建で作成されております。従いまして、当社グループは外国為替相場の変動に係るリスクを有しております。

外国為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る収益費用及び外貨建債権債務の円換算額に影響を与え、海外関係会社の財務諸表の円貨への換算において当社グループの財政状態、経営成績に影響を与えます。

当社グループは、外国為替相場の変動による輸出入取引に係る影響を軽減するため、為替予約を行っておりますが、想定した範囲を超えた為替変動が起こった場合、軽減の効果が十分に得られない可能性があります。

 

(11)固定資産の収益性の低下について

当社グループが保有する固定資産は、投資時に想定していなかった、世界的な需給変動による調達コストの上昇や、人手不足による製造コストの上昇、国内市場の縮小による競争激化等の環境変化に起因する収益性の低下により、投資額の回収が見込めなくなるリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、回収可能価額まで対象固定資産の帳簿価額を減額するとともに、減損損失を計上することとなります。

当該リスクに対し当社グループは、重要な投資を行う際に、関係各部門から集めた委員による投融資審査会を開催し、投資計画の前提条件を含めた妥当性を検証することでリスクを最小限に抑えるよう努めております。また投資後は、継続的な投資効果のモニタリングと計画実績の差異分析により、適切な改善策を講じてまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

  a. 経営成績

 当連結会計年度における食品業界を取り巻く環境は、所得環境の改善が続き、消費が緩やかに回復する傾向が続きました。他方、年明け来の新型コロナウイルス感染症の拡大は、訪日来客数の減少や外出自粛による外食需要の落ち込みを招く一方、内食需要を拡大させるなど、消費者の消費行動に大きな影響を及ぼしました。

食肉業界においては、販売競争の激化、人手不足による物流費、人件費等の増加が重なり、厳しい事業環境が続きました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大後は、食肉製品の需要動向に変化が起きるとともに、供給面で海外の食肉処理加工工場の生産が制限されるなどの影響が出始めており、先を見据えたより慎重な対応が求められております。

このような状況の中、当社グループはさらなる成長に向けた各種施策に取り組んでおります。具体的には、海外事業強化の一環として合弁による食品販売会社を中国に設立し、2019年10月に営業を開始いたしました。また、厳しい事業環境下において、競争力の向上、人手不足への対応等を図るため、全社的な業務プロセス改革に着手いたしました。

当連結会計年度における売上高は351,356百万円(前期比横ばい)となりました。利益面では、一部加工食品販売の苦戦や物流費・人件費等の増加等により営業利益は4,229百万円(前期比11.7%減)、経常利益は5,795百万円(前期比9.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,743百万円(前期比61.8%減)となりました

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、外食需要の高い国産牛肉、輸入鶏肉やハンバーグ、ハム・ソーセージ等の外食向け業務用商品の需要が著しく減少しており販売に苦戦しております。また、和牛輸出では欧米からの受注が鈍化するなどの影響が出ております。一方で、内食需要の高い国産豚肉や国産鶏肉の販売は堅調に推移しております。このような影響は主に3月以降に顕在化しているため、当連結会計年度における営業利益への影響は軽微です。ただし、親会社株主に帰属する当期純利益には、外食向け業務用商品の販売環境悪化も踏まえ計上した、ハンバーグ工場の減損損失並びに外食向け販売子会社に係る減損損失の影響が反映されております。

       事業部門別の営業概況は以下のとおりです。

       <食肉関連事業>

 食肉関連事業は輸入鶏肉、輸入牛肉が減収となったものの、輸入豚肉、国産豚肉、加工食品の販売が堅調だったことから売上高は348,551百万円(前期比横ばい)となりました。

 また、部門別の業績は次のとおりであります。

   (食肉)

 国内事業は、既存取引先との取り組み強化や販売部門と供給部門の連携を活かした商品提案など、営業力の強化に努めました。需要に合わせた調達を徹底することで主に輸入鶏肉、輸入牛肉を中心に調達量が減少いたしましたが、輸入豚肉、国産豚肉の販売が堅調だったことから取扱量は前期を上回りました。一方売上高は、相対的に高価な輸入牛肉の取扱量が減少した影響が大きく、前期を下回りました。利益面は、12月からの和牛相場下落による仕入環境の一時的改善や、輸入豚肉の販売が好調だったことなどから売上総利益で増益となりました。
  また、カテゴリー別の業績は次のとおりです。
 国産食肉は、国内の食肉需要が落ち着きを見せる一方で、3月以降の内食需要の高まりにより国産豚肉の販売が堅調に推移したこともあり取扱量は前期比で増加いたしました。売上高は相対的に高価な国産牛肉の取扱量が減少したことが影響し、前期比で横ばいとなりました。利益面は、販売競争が激化したものの、前述のとおり和牛相場下落により仕入環境が一時的に改善されたことから利益を確保でき、売上総利益で増益となりました。

 

輸入食肉は、前述のとおり輸入鶏肉、輸入牛肉の影響が大きく取扱量、売上高ともに前期を下回りました。利益面は、輸入鶏肉においては国産鶏肉の供給量増加などにより8月以降荷動きが低迷したのに加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり苦戦を強いられました。一方で、輸入豚肉においては「ケベックの恵み」、「小麦のブラン三元豚」等の当社カナダ産ブランドを中心に拡販を行った結果利益が伸長し、輸入食肉全体では売上総利益で増益となりました。
 輸出事業は、国産牛肉の輸出を中心に取扱量、売上高ともに前期を上回り、三井物産株式会社との協業による台湾向けの輸出も順調に推移いたしました。
 これらの結果、食肉部門の売上高は279,978百万円(前期比0.6%減)となりました。利益面は国産牛肉、輸入豚肉の貢献が大きく、売上総利益で増益となりました。

(加工食品)

加工食品は、スライス商品を中心に販売が順調に推移した結果、取扱量、売上高ともに前期を上回り、売上高は、53,705百万円(前期比5.1%増)となりました。利益面は、ハンバーグ、ローストビーフで当初計画に比べると取扱量が伸び悩んだ結果、ハンバーグ工場等の費用負担を十分に回収できず、苦戦を強いられました。
  (ハム・ソーセージ)

ハム・ソーセージは、販売競争が激化し取扱量、売上高ともに苦戦を強いられた結果、売上高は前期を下回り12,855百万円(前期比6.8%減)となりました。また、利益面は取扱量の減少が主な要因となり低迷いたしました。
   (その他)

     その他の取扱品の売上高は2,011百万円(前期比2.4%増)となりました。

<その他の事業>

     その他の事業の売上高は2,804百万円(前期比3.5%増)となりました。

 

   b. 財政状態

    イ. 資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,557百万円増加し80,232百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金や現金及び預金が減少したものの、商品及び製品や前渡金、原材料及び貯蔵品が増加したことによります。
 固定資産は、前連結会計年度末と比べて1,553百万円減少し45,687百万円となりました。これは、主として建設仮勘定が増加したものの、建物及び構築物、機械装置及び運搬具やのれん、リース資産が減少したことによります。
 この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べて、6百万円減少し125,932百万円となりました。

 

     ロ.負債

 流動負債は、前連結会計年度末と比べて、1,017百万円減少し44,695百万円となりました。これは、主として短期借入金や1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金が増加したものの、買掛金や1年内償還予定の転換社債型新株予約権付社債が減少したことによります。
 固定負債は、前連結会計年度末と比べて、946百万円増加し28,926百万円となりました。これは、主として社債が減少したものの、長期借入金が増加したことによります。
  この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べて、71百万円減少し73,621百万円となりました。

 

    ハ.純資産

     純資産合計は、前連結会計年度末と比べて、65百万円増加し52,310百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

     当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ1,072百万円減少し、8,896百万円となりました。

      (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上、たな卸資産の増加により1,459百万円の収入となりました。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得や定期預金の預入により3,412百万円の支出となりました。

    (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出や社債の償還による支出があるものの、長期借入れによる収入により890百万円の収入となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

  a. 生産実績

        当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

107,342

110.9

その他の事業

1,646

100.0

合計

108,989

110.7

 

 (注) 1.金額は生産価額によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

      b. 商品仕入実績

      当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

212,312

95.9

その他の事業

2,729

105.7

合計

215,042

96.0

 

 (注) 1.金額は仕入価額によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 3.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

      c.  受注実績

    当社グループは受注生産を行っておりません。

 

      d.  販売実績

    当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

 至 2020年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

348,551

100.0

その他の事業

2,804

103.5

合計

351,356

100.0

 

 (注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当社は生産肥育から食肉の処理加工、製造、販売に至るまでの事業を主に国内で行う「食肉関連事業」を中心に事業活動を展開しており、報告セグメントは「食肉関連事業」のみであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

   a. 概要及び売上高

 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

    b. 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は前連結会計年度と比べて550百万円減少し、320,089百万円となりました。これは主に、前連結会計年度と比べ、一部輸入肉の取扱重量減少や加工食品の製造コストが増加したことによります。
 販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べて1,253百万円増加し、27,037百万円となりました。これは主に、給料手当や運賃が増加したことによるものです。

 

     c. 営業利益

 営業利益は前連結会計年度と比べて559百万円減少し、4,229百万円となりました。これは主に、一部加工食品販売の苦戦や販売費及び一般管理費の増加によるものです。

 

   d. 営業外損益

 営業外損益は前連結会計年度と比べ、営業外収益が206百万円減少2,216百万円に、営業外費用が143百万円減少650百万円となりました。

これは主に、営業外収益については、持分法による投資利益が減少したことによるものです。営業外費用については、支払利息が減少したことによります。

 

   e. 特別損益

特別損益は前連結会計年度と比べ、特別利益が287百万円減少9百万円に、特別損失が1,717百万円増加1,848百万円となりました。

これは主に、特別利益については、補助金収入や投資有価証券売却益が減少したことによるものです。特別損失については、減損損失が増加したことによるものです。

 

   f. 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて2,822百万円減少し、1,743百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の472円02銭に対し、178円93銭となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

    a.  キャッシュ・フローの状況の分析

3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

   b.  資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備資金等であります。

 

   c.  有利子負債

2020年3月31日現在の有利子負債の状況は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

合計

1年以内

1年超2年以内

2年超3年以内

3年超4年以内

4年超

短期借入金

8,208

8,208

長期借入金

30,297

8,273

7,032

7,147

3,436

4,407

社  債

3,100

1,000

2,100

 

   d.  偶発債務

当社グループの第三者に対する保証は、関連会社等の借入金等に対する債務保証であります。
  保証した借入金の債務不履行が保証契約期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2020年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計は5,517百万円であります。

 

   e.  財務政策

当社グループは、運転資金及び設備投資資金等の資金需要について、内部資金または借入や社債による資金調達により対応することとしております。
 また、グループ全体の資金効率を高めるため、2003年3月以降、主要子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、資金集中及び配分を行い、余剰資金の発生を抑制しております。合わせて、2020年1月、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとして金額10,000百万円(期間3年)のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を10の金融機関と締結いたしました。これにより中長期的に手元流動性を補完し、より安定的かつ効率的な資金運用及び調達を可能にしております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高10,000百万円)。
 

③ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表作成において採用している重要な会計方針については、第5[経理の状況]1連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載されているとおりでありますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成における見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

   a.  固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
 固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失が発生する可能性があります。

 

   b.  繰延税金資産

当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

 

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、収束時期などを想定することは困難であるものの、外出自粛による経済停滞の影響が2021年3月期の一定期間にわたり継続すると仮定して当連結会計年度(2020年3月期)の会計上の見積りを行っております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2019年7月3日開催の取締役会において、2020年4月1日を効力発生日として当社の完全子会社であるスターゼン販売株式会社及び株式会社ゼンチク販売を吸収合併することを決議し、2019年8月6日付で合併契約を締結いたしました。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、経営ビジョン「食を通して人を幸せにするグローバルな生活関連企業を目指す」を基本に、繁殖・肥育事業に関する基礎研究から、ハム・ソーセージや加工食肉などの食肉関連商品に至るまで、精力的に研究開発活動を行っております。

 

(繁殖・肥育事業に関する基礎研究)

 近年日本の黒毛和種は、日本の特産品として海外への輸出増加を目指しており、農林水産省も生産拡大を掲げている一方、黒毛和種の繁殖戸数は、生産農家の高齢化と後継者不足により減少しております。

当社ではグループ会社のと畜場から黒毛和種由来の卵巣を採取活用し、未成熟卵を取り出し胚盤胞期まで発育させた受精卵の製造を、鹿児島の受精卵研究所において開始いたしました。この受精卵を酪農の搾乳牛に移植する事によって、黒毛和種の生産拡大及び国内酪農事業の再生産と畜産物のコスト低減に寄与することを目的として研究を継続しております。

また、牛における未成熟卵の発育から受精卵の発生に適した培地の比較と、その後における凍結融解後の生存性と孵化の向上を目的とし、移植可能な受精卵の透明帯を菲薄化し、孵化しやすいようにすることにより受胎率の向上を目指しております。

 

(食肉関連商品に関する研究開発)

国内のマーケットは、少子高齢化により縮小傾向である中、食料品に対する低価格志向が続き、消費者の節約志向は強まっております。一方、健康や調理時間短縮などの機能を訴求した商品に出費を惜しまない傾向にあり、より付加価値の付いた食品へのニーズが高まっております。
 このような市場の変化とニーズに対応し、お客様に安全な商品を安心して美味しく召し上がっていただくことを基本コンセプトとした商品の開発に取り組んでまいりました。
 その取り組みとして、スターゼン株式会社製造本部ではハンバーグを中心としたレンジアップ商品などの開発を継続しております。

ローマイヤ株式会社においては、ブランドイメージの向上を目指し自社ブランド製品のリニューアルによる品質向上に取り組む他、既存商品群の新商品開発を進めて参りました。

昨今では、欧米の肉代替市場同様に日本国内においても外食産業で大豆などを原料とした肉代替品を使用した加工食品が注目されていることに鑑み、素材にお肉を一切使用せず、大豆を使用することでお肉のような食感、味、香りを実現するための「ゼロミートシリーズ」の商品開発に取り組み、商品化を進めております。

 

当連結会計年度の当社グループ全体の研究開発費は117百万円であり、主として食肉関連事業の研究開発活動における支出であります。