第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、「食を通して人を幸せにするグローバルな生活関連企業を目指す」を経営ビジョンとして掲げており、人々の食生活の向上に資するべく、創業以来、食肉卸売業を中核として様々な機能を強化してまいりました。

人々の豊かな食生活の実現に一層貢献するべく、グループ一丸となって食肉関連製品の安定供給と、多様化が加速する食への要望に的確に応えうる商品提供の実現に取り組んでまいります。

また、人々の生活に欠かせない「食」を扱う企業として、環境・社会・経済を巡るさまざまな課題解決に「食」を通じて取り組み、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に努めてまいります。

 

(2)経営環境及び経営戦略(対処すべき課題)

①経営環境

新型コロナウイルス感染症について5月の感染症法上の分類引き下げに伴い、社会経済活動の正常化が期待されます。しかしながら、物価高による節約志向の高まりで個人消費の回復鈍化が懸念されており、先行きについては不透明な経済状況の継続が予想されます。食肉業界においても、人口減や高齢化による食肉需要の減少、原材料価格やエネルギー価格の高騰、国産牛肉相場の上昇、販売競争の激化など先行きについては厳しい事業環境が予想されます。

 

②中期経営計画

当社は、10年後の想定される市場規模やスターゼングループの将来あるべき姿などから実行施策、計画数値を策定するバックキャスティングを採用し、新たに3ヵ年の中期経営計画(2023年4月1日~2026年3月31日)を策定いたしました。

新たに策定した中期経営計画では、「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに掲げ、2024年3月期からの3年間を当社が長期的発展を果たし社会に貢献し続けるための礎の期間と位置付けております。国内のビジネスをより強いサプライチェーンに再構築するとともに、海外事業や国内成長市場への販売拡大等の新たな収益基盤を築いてまいります。併せて、環境・社会・経済をめぐるさまざまな課題解決に「食」を通じて取り組み、持続的な企業価値の向上と持続可能な社会の実現に努めてまいります。

 

a.基本戦略について

方針

基本戦略

新規事業への挑戦

(イ)海外事業の積極展開

・スターゼン営業モデルの海外展開や海外における食肉調達力強化など

(ロ)国内成長市場へのアプローチ強化

・DtoCチャネル強化や成長市場への当社の強みを生かした商品提案など

国内事業改革

(ハ)国内事業の効率化

・製造・販売・物流拠点の再整備など

(ニ)高付加価値商品の取り組み

・スターゼンNo.1商品、Only1商品の強化など

サステナビリティ経営と
経営基盤強化

(ホ)社会課題への対応

・GHG削減、アニマルウェルフェア研究、代替肉の取り組み強化など

(ヘ) DX、業務プロセス改革

・基幹システム刷新、業務・実績の見える化及び働き方の効率化など

 

 

b.計画数値について

DX、業務プロセス改革のための先行投資による償却負担が一時的な経常利益の押し下げ要因となるものの、海外事業、高付加価値商品の構成比増により中期経営計画最終年度は売上高4,400億円、経常利益100億円、EBITDA120億円を計画。

[ご参考:直近3年業績](下線は過去最高実績)

2021年3月期実績 : 売上高 3,492億円、経常利益  86億円、EBITDA  94億円

2022年3月期実績 : 売上高 3,814億円、経常利益  91億円、EBITDA  98億円

2023年3月期実績 : 売上高 4,251億円経常利益 102億円EBITDA 110億円

 

c.その他定量目標

ROICの維持・向上(5.5%以上)、ROEの維持・向上(8%以上)と自己資本比率の維持(40%以上)を骨子とした計画といたします。

(イ)投資計画

中期経営計画期間(3年)合計で約400億円の投資(新規340億円、維持更新60億円)

・海外事業の積極展開    約60~120億円

・国内事業の効率化       約110億円

・高付加価値商品の取り組み    約60億円

・DX、業務プロセス改革          約50億円

・維持更新投資                  約60億円

 

(ロ)財務基盤の安定化: DER(負債資本倍率)1.0以下

 

※ROIC=(税引後営業利益+持分法投資損益)÷(有利子負債+純資産)

なお、現状のスターゼングループのWACCは4%程度

 

③優先的に対処すべき課題

第85期は、「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」をテーマに据えた新中期経営計画の1年目となります。本テーマをもとにグループ社員が一丸となり以下の課題に取り組んでまいります。

 

a.新規事業への挑戦

国内においては、人口減少や高齢化による食肉需要の減少が見込まれております。一方、海外においては食肉需要の拡大が見込まれております。特に和牛に対する潜在ニーズは高く、今後の伸びが期待されます。そこで、海外において、当社が国内で確立したスターゼンの営業モデルを展開し、現地での販売を強化してまいります。加えて、海外パッカーとの連携強化も視野に、海外食肉調達力の強化に取り組んでまいります。国内市場においては、多様化する消費者ニーズの変化に対応し、成長市場へのアプローチを強化してまいります。具体的には、マーケティング機能を強化しつつ、DtoCチャネル向け商品開発、ドラッグストア・外食企業等へトータルサプライチェーンを活かした商品提案などの取り組みに努めてまいります。

 

b.国内事業改革

国内市場において販売環境の変化に対応するため、事業の効率化・基盤強化を図ってまいります。具体的には、食肉加工場の再整備、並びに関連会社等との連携による地方特性に合わせた販売拠点整備を進めてまいります。また、物流拠点の整備、外部保管冷蔵庫の集約、モーダルシフトの取り組みにより物流コストを抑制するとともに2024年問題への対応も進めてまいります。さらに、消費者嗜好の変化に合わせるために高付加価値商品の開発を強化してまいります。中でも、ローストビーフやハンバーグといった当社の強みを活かせる商品の拡充を図り、将来的には海外での販売も検討してまいります。

 

c.サステナビリティ経営と経営基盤の強化

新中期経営計画において成長戦略を支える基盤として「サステナビリティ経営」を掲げています。これは当社の事業を通じて社会課題の解決を目指していくもので、実践するにあたっては、5つのテーマを通じて10の重要課題に取り組んでまいります。具体的には、当社の高度な衛生管理体制や食肉のアウトパック機能を活かした賞味期限延長商品の開発により、食品ロス問題に取り組んでまいります。また、省エネや再生エネルギー及びリサイクル燃料の活用により温室効果ガスを削減することで気候変動対策も前進させます。さらに、代替肉へのアプローチについても、積極的に行い、多様なたんぱく質の確保を目指します。

また、当社システムの属人化、老朽化、複雑化という課題を解決しサプライチェーンを一気通貫した形で見える化するため、以前より取り組んでおります“Zeusプロジェクト”によるDX、業務プロセス改革を進めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは次のとおりです。文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般

①ガバナンス

当社グループ全体のサステナビリティ経営を推進するためにサステナビリティ委員会を取締役会の諮問機関として設置しております。当委員会はサステナビリティの管掌取締役を委員長とし、委員として関連部門の責任者と社外役員で構成され、原則として年に4回開催しております。また、グループ全体のサステナビリティの方針の検討や施策の進捗状況を、取締役会に都度報告をしております。

また、当委員会で識別したサステナビリティにおけるリスクについては、当社グループ全体のリスクの評価とモニタリングを行うリスク管理委員会に共有がされております。リスク管理委員会はそれを他のリスクと合わせて取締役会に報告をしております。

これらにより、グループ全体でサステナビリティに関する意識を共有し、施策の実効性を高めてまいります。気候変動への対応についても重要課題のひとつに位置づけ、サステナビリティ委員会で施策を検討し、モニタリングを行いながらPDCAを管理してまいります。

 

②戦略

当社は2023年度からスタートする中期経営計画のテーマとして「収益構造の再構築とサステナブルな事業運営」を掲げております。これには、気候変動や人権、食糧安全保障など、サプライチェーンを通じて様々なリスクが顕在化する中において、収益を追求しつつ社会的責任を果たすことで企業としての持続性を高めていきたいとの思いを込めております。

当社グループは、2022年2月に持続可能な社会の実現のために中長期的に取り組むべき「重要課題」を特定いたしました。「重要課題」は5つのテーマで構成されており、中期経営計画の中で取り組む戦略となっております。これらの解決に向けた取組みが当社の事業リスクを低減し事業機会につながることで、中期経営計画の達成を確かなものにしていくと考えております。

 

③リスク管理

サステナビリティ関連のリスクを含む、グループ全体のリスクに関しては「リスク管理規程」に則ってリスク管理委員会のもとで四半期に一度検討・評価をしております。

ここではあらゆるリスクについて発生頻度と損害規模の側面から評価・分析をしております。その上で、課題を洗い出し、本部単位で対策レベルを引き上げるための検討を行い、施策を講じております。そして特に重要なものは取締役会に報告しております。

サステナビリティ委員会で議論・識別された課題はリスク管理委員会に伝達し、その他のリスクとともに協議・評価され、取締役会に報告されております。

 

 

④指標と目標

当社グループが掲げる経営ビジョン「食を通して人を幸せにするグローバルな生活関連企業を目指す」の達成と社会課題の解決に向けて、重要課題に取り組んでまいります。各重要課題に対しては目標を掲げており、取組状況の管理指標を設定しております。気候変動については、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標を下記「(2)気候変動への対応④指標と目標」に記載の通りに設定しており、その他の課題についても同様に指標と目標を設定し、取組みの進捗状況を管理してまいります。

 

(2)気候変動への対応

当社グループは、2021年12月にこのTCFD提言への賛同を表明いたしました。

当社グループの事業は国内外における家畜の「いのち」を起点としており、その健康的な成育環境の確保には、気候変動との非常に強い関わりがあります。当社グループの安定的な供給基盤の確立には自然環境の保全が重要であるとの認識のもと、重要課題の一つに気候変動を特定いたしました。

 

今後は、重要課題への取組みを通じて気候変動が当社グループに与える影響を的確に把握するとともに、TCFD 提言に基づいて積極的な情報開示を進めてまいります。

 

①ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般の活動に関するガバナンスに組み込まれております。詳細については「(1)サステナビリティ全般①ガバナンス」を参照ください。

 

②戦略

当社グループでは、産業革命前に比べ2100年までに世界の平均気温が1.5/2℃上昇することを想定したシナリオと4℃上昇することを想定したシナリオで、2050年において当社グループを取り巻く世界観を整理し、そのシナリオのもとで当社グループの事業に影響を与える気候変動リスク・機会を特定し、特に大きな影響を与えうる重要リスク・機会を絞り込みました。その上で、当該リスク・機会が与える財務影響を試算し、当該影響に対する対応策を検討いたしました。今後この検討結果を戦略に反映し、取り組んでまいります。

 

 

[重要性が高いと評価したリスク・機会及び財務影響、当該影響に対する対応策]

タイプ

リスク/機会項目

事業への

インパクト

財務影響

影響 発生 時期

対応策

大項目

小項目

リスク/機会

1.5/2℃

4℃

移行

リスク

/

考えられる機会

政策

/

規制

炭素価格の上昇

炭素税負担、  または仕入先が炭素税を負担することによる  仕入コスト増

ND

短期

・再エネ導入、省エネ対応

・バリア性スキンバック

  装・真空包装等による賞味

  期限延長

・温室効果ガス削減施策

市場

消費者嗜好の 変化

[リスク]

環境負荷が高い製品の需要減少

[機会]

環境負荷が低い製品の開発、  代替たんぱく質ニーズの増加

ND

中期

・サステナブルビーフの認証

  等低炭素製品の開発

・需要増に備えた生産体制・

  販路の構築

・ゼロミートの販売

物理的

リスク

/

考えられる機会

慢性

平均気温の上昇

家畜への悪影響

ND

長期

・アニマルウェルフェア

・畜舎における冷房設備の

  導入

・仕入先への飼料生産環境

  整備に対する協力等

飼料や原料調達への悪影響

ND

長期

・仕入先への水災害対策支援

・調達手段の多様化

冷蔵・冷凍・  空調に係る電気代の上昇

ND

長期

・省エネ、高効率生産・業務 

 用設備の導入、切替え

 

※ 影響発生時期

短期:1~3年/中期:3~10年/長期:10年以上

 

③リスク管理

気候変動に関する主なリスクは、サステナビリティ全般に関連するリスクに含めて管理しております。詳細については「(1)サステナビリティ全般③リスク管理」を参照ください。

 

④指標と目標

当社グループでは温室効果ガス(GHG)排出量の削減を2021年3月期を基準として、2031年3月期末までに46%削減することとしております。

上記目標に対して、当社グループのGHG排出量の推移は以下のとおりです。今後も引き続きカーボンニュートラルに向けた排出量削減に取り組むことにより、気候変動影響の緩和と適応を推進してまいります。

 

スコープ1、2排出量

スコープ

項目

 2020年度
排出量(t-CO2)※1

 2021年度
排出量(t-CO2)※1

 2022年度
排出量(t-CO2)※2

スコープ1

直接排出

22,029

23,697

26,868

スコープ2

間接排出(マーケット基準)

34,090

34,314

32,261

 

※1 対象範囲はスターゼンに加え、連結子会社の一部

※2 対象範囲はスターゼンに加え、連結子会社全てを含む

 

スコープ3排出量

スコープ

カテゴリ

項目

2022年度排出量(t-CO2

スコープ3

1

購入した製品・サービス

5,548,889

2

資本財

4,932

3

Scope1,2に含まれない燃料及び
エネルギー関連活動

4,613

4

輸送、配送(上流)

248,467

5

事業から出る廃棄物

966

6

出張

223

7

雇用者の通勤

583

8

リース資産(上流)

9

輸送、配送(下流)

8,792

10

販売した製品の加工

59,758

11

販売した製品の使用

2,750

12

販売した製品の廃棄

1,176

13

リース資産(下流)

14

フランチャイズ

15

投資

合計

5,881,149

 

※対象範囲:スターゼン単体におけるスコープ3

 


 

(3)人的資本

①人材戦略

当社グループでは人的資本に関する基本的な考え方として経営理念に「スターゼンで働いてよかったと思える会社にしよう」「仕事を通じて自ら成長しよう」を定めております。

中期経営計画においても当社の持続的成長・企業価値の向上には人的資本への投資拡充が欠かせないものとして「人材の最適ポートフォリオ構築」をテーマに、①リスキリング・戦略的な要員計画、②成長事業への人材投資(社内公募制、異動の活性化)、③既存事業効率化(DX推進、知識習得)の三つを軸に制度・社内環境の整備に取り組んでおります。

 

②多様性と社内環境整備

当社では多様な人材がその意欲・能力に応じて活躍出来る環境が組織の強化に必要と考え、新卒採用・中途採用の区別無く積極的に適材適所の人材配置・登用を進めており、結果として管理職ポストにおける中途採用者の割合が41%に達しております。

また、女性活躍推進を最重要課題の一つと位置付け、2027年度末までに管理職における女性労働者の割合を10%に引き上げることを目標に、女性が活躍しやすい環境整備を進めております。

 

(主な環境整備に関する取組内容)

働きやすい環境整備

・転勤の有無や職務範囲など働き方が選べるコース別人事制度を導入。

・男性社員の育児参加推進のため、配偶者出産時休暇の日数を拡大。

・出生時育児休業(産後パパ育休)を特別有給休暇扱いとし取得奨励。

・育児短時間勤務の利用可能期間を小学校4学年の始期までに拡大。

・テレワーク制度の導入。

自律的なキャリア形成

自律的なキャリア形成実現のため、希望部署へ応募し、審査に合格した場合は異動が出来る「社内公募制度」の導入。

従業員の健康維持向上

保険制度の拡充

・人間ドックの費用補助年齢の拡大。

・健康診断二次健診の費用補助の拡大。

・団体長期障害所得補償保険(GLTD保険)の導入。

 

 

③研修制度

当社ではあらゆる物事を自分事にとらえ、自分の意志で考えて行動・判断が出来る「自律した社員の育成」が重要と考え、「学ぶ組織風土の醸成」をテーマに、各階層(職位・年次等)で必要なスキルやマインド、自身の役割への理解を進めるための「階層別研修」と、経営幹部育成や女性リーダー育成等目的別の「選抜研修」の二つを軸に研修を行っております。

主な選抜研修

主な階層別研修

経営幹部育成研修

次世代マネジャー育成研修

ビジネスリーダー研修

女性社員研修

新任管理職研修

新任チームリーダー研修

5年目研修

3年目研修

新入社員研修

中途採用研修

 

 

④当社における男女の賃金差異の状況について

当社の賃金体系には性別の違いによる差はありませんが、女性活躍推進法に基づき算出された男女の平均賃金には差異が生じております。その主な要因として、管理職層で女性社員の割合が少ないことと、平均勤続年数において男性より女性が短いことが挙げられます。

現在、女性管理職比率引き上げを目標として研修等の取り組みを進めていることと、仕事と育児の両立しやすい環境整備によって中長期的には男女の賃金差異は縮小していくと考えております。

管理職に占める
女性労働者の割合

労働者の男女の賃金の差異 ※

全労働者

正規雇用労働者

パート・有期労働者

5.9%

64.1%

72.3%

59.1%

 

※「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

 

 

男性

女性

平均勤続年数

15.5年

10.1年

 

 

⑤指標及び目標

指標

目標

2022年度実績

管理職に占める女性労働者の割合

2027年度末までに10

5.9

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点では予見出来ないまたは重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。

なお、当社グループでは、「リスク管理規程」に従い、「リスク管理委員会」においてグループ全社的なリスク管理・推進に関わる課題・対応策を協議するとともに、リスク管理部門を中心に事業を取り巻くさまざまなリスクに対する的確な管理と顕在化したリスクへの対応等を可能とする体制を整えております。

以下、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)食の安全について

当社グループは、人々の生活に必要不可欠な食品を取り扱っており、食品の安全性の確保が社会に対する責務であると認識しております。当社グループは、当該責務を果たすために食の安全性確保のための様々な取り組みを推進しておりますが、社会全般にわたる品質問題等、取り組みの範囲を超えた事象が発生するリスクがあります。また、食品衛生、安全衛生の両基準に従って、万全の注意をもって製品の製造をしておりますが、製品の欠陥が生ずるリスクを完全に回避できる保証はありません。

当該リスクが顕在化した場合、大規模な製品回収や製造物責任賠償の発生、社会的信用の失墜等により、多額の費用負担や販売量の減少等を招き、ひいては当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、食品の「安全性」と「品質」を確保するために、現在57ヵ所の事業所が『SQF』(Safe Quality Food)を取得し、安全・安心な食品を提供する体制を構築しております。また、会社組織として品質保証本部を設け、グループ各所に当本部員を配置することで、当社グループの品質管理・保証を統括して管理する体制を整えております。なお当社グループは、食の安全・安心の確保について最重要取組課題の一つと認識しており、今後も品質管理・保証体制のさらなる強化を図ってまいります。

 

(2)食肉需給の変動について

当社グループの主要取扱商品である食肉につき、異常気象による家畜の生育遅れや家畜疾病発生により調達量が減少するリスクがあります。また、国内外の需給変化により食肉相場が大幅に変動するリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、食肉の調達量の減少や調達価格の上昇、あるいは販売価格の低下により売上総利益の減少を招く可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループでは、当社国内関連農場の地理的分散化、多数の国内協力生産者からの調達や複数国からの輸入により家畜疾病等による調達量減少リスクを分散化しております。また食肉相場の変動リスクに対しては、先の食肉需給の変動を見込んだ調達や、適正水準での在庫管理徹底、より付加価値の高い食肉製品の開発・販売の強化に取り組むことでリスク低減を図っております。

 

(3)新型コロナウイルス感染症等の拡大について

新型コロナウイルス感染症等が今後も発生し蔓延が長期化する場合には、景気の冷え込みによる消費者の低価格志向の高まり、外食需要の低迷、海外の需給バランス変化による輸入商材の大幅な価格変動、取引先の信用不安の高まり等のリスクが想定されます。また、当社グループ従業員に感染が確認された場合には、一部操業停止等により商品供給が停滞するリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、相対的に高価な和牛や外食産業向け業務用製品の販売不振、商品調達コストの高騰、売上債権の貸し倒れ、操業停止に起因する販売機会の喪失等により、営業利益の減少を招く可能性があります。

このようなリスクがある状況下においても、当社は生活に必要不可欠な食品を安定的に供給する責務があると認識しており、以下の対策を講じながら当該責務を果たしてまいります。

当社グループでは新型コロナウイルス感染症への対策として「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設け、次の対策を講じております。

 

 ・手洗い、うがいの徹底した啓蒙活動。マスクの常時着用。毎日の検温。
 ・在宅勤務、テレワークの推奨。Web会議の環境構築及び促進
 ・感染者が発生した場合のBCP対策
 ・債権管理の徹底及び資金管理

 

 

また、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、外食需要が低迷する一方で内食需要は高まりを見せており、当該内食需要を取り込むため、家庭内調理の傾向に沿った商品提案に注力してまいります。加えて、外出自粛以降広がりを見せている、ECサイト向け商品の販売も積極的に取り組んでまいります。

 

(4)公的規制について

①アフリカ豚熱、豚熱、BSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫、鳥インフルエンザをはじめとする家畜疾病の発生に伴い、輸入や移動の規制を受けた場合、需給バランスに大幅に影響し、相場が急激に変動するリスクや商品調達が制限されるリスクがあります。

②関税に係るセーフガード等の規制が発動された場合、相場が急激に変動するリスクや商品調達が制限されるリスクがあります。

③当社商品は品質表示関連の法規制の適用を受けており、将来において新たな規制が設けられた場合には、当該規制への追加対応が必要となるリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、調達コストの増加や販売機会の喪失、新たな規制へ対応するための費用発生等により営業利益の減少を招く可能性があります。

このようなリスクに対し、当社グループは、多数の国内協力生産者からの調達や複数国からの輸入によりリスクの分散を図っております。また、当社グループは会社組織として品質保証本部を設けており、品質管理と品質表示について常に厳重なるチェックを行うとともに、新たな公的規制に対しても適切かつ迅速に対応できる体制を整えております。

 

(5)自然災害や気候変動について

大地震、火災などの自然災害やそれに伴う大規模停電、大型の台風、豪雪などをはじめとする異常気象が発生し、生産設備や保管設備、出荷に使用される道路、港などのインフラストラクチャーが甚大な被害を受けた場合、その復旧までに生産、出荷が長期間に亘り滞るリスクがあります。それに付随して国内需給バランスが乱れ食肉相場が大幅に変動するリスクがございます。また、自然災害により、従業員や事務所・設備に対する被害が発生し当社グループの事業運営が困難になるリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、出荷の滞りによる売上高の減少や相場の変動による売上総利益の変動、保管在庫の品質低下や当社設備の破損により一時的な損失を計上する等の影響を受ける可能性があります。

このようなリスクに対し、当社グループでは、全国各地に食肉製品の製造・保管・販売拠点を有しており、当該リスクが顕在化した場合でも一定程度相互補完できる体制を整えております。

 

(6)海外進出について

当社グループは、北米、欧州、オセアニア、アジアなどの日本国外でも事業活動を行っており、今後も海外事業のさらなる強化を図ってまいります。しかしながら、海外での事業活動を拡大していく上で、当社グループは以下を含む様々な要因による制約を受けるリスクがあります。

 

 ・契約条項などの商慣習の相違
 ・法律または規制の変更
 ・テロ、戦争、伝染病、自然災害などによる社会的混乱
 ・予期せぬ水準での市場・為替レートの変動
 ・不利な政治的及び社会的要因
 ・対日感情、地域住民感情
 ・知的財産、技術の流出

 

当該リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動に様々な制限が生じ財政状態、経営成績の悪化を招く可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、新たに海外進出する際に、対象国に関する情報収集とメガトレンド分析等による情報整理に努め、リスクの程度を見極めながら意思決定を進めてまいります。また、万が一社会的混乱が発生した場合には、速やかに駐在社員及び家族の安全確認を行うとともに、現地政府及び日本国大使館の指示に従い、身の安全を図るよう指示・教育してまいります。

 

(7)コンプライアンスについて

役職員個人による法令違反を含むコンプライアンス上の問題が発生した場合、当社グループの社会的信用を失うリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、当社グループの事業活動の広範囲に制約を受け、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、コンプライアンス委員会の設置をはじめ、コンプライアンス体制の整備を行うとともに、グループ共通のコンプライアンス規程、行動規範と行動指針を全役職員に周知するなど、コンプライアンス意識の醸成と向上を図っております。

 

(8)情報セキュリティについて

当社グループは、事業活動を行う上で多種多様の情報を取り扱っております。このような状況下、予期できない水準の自然災害、長期間の停電、コンピュータ・ウイルスの感染や不正アクセスなどにより、情報の漏えい、情報の破壊・改ざん・消失、情報への長期間のアクセス制限等が発生するリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、機密情報の漏えいなどにより社会的信用を失うことや、情報の完全性・可用性の喪失により事業活動の広範囲に制約を受けることで、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、主に次のような対策を講じております。

 

・「情報システム/セキュリティ規程」を設け、個人情報(特に顧客情報)や機密情報の安全管理と漏洩防止、適切なセキュリティ対策を実施

 ・当社グループ役職員に対して、定期的にITセキュリティ研修や教育啓発活動を実施

・仮想デスクトップ基盤を使用することで、情報端末にはデータを残さないように管理し、端末の紛失や盗難の際にも被害を低減させる仕組みを構築。また、万が一ウイルスに感染した場合もネットワークから遮断し、感染の拡散を防ぐ仕組みを構築。

・情報システムのサーバを国内2箇所に設置し常時データを同期させることで、一方に災害等の被害が発生した場合でも他方のサーバによって、事業継続を担保できるようリスクを分散化

 

 

(9)環境保護について

当社グループは事業活動を行う上で、事故・過失等による環境汚染やそれに対する損害賠償責任の発生、あるいは社会的な環境保護に関する追加要請を受けるリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、環境の原状回復に係る費用負担や、損害賠償金の支払い、社会的追加要請に対する費用負担、もしくは社会的要請に応えられない場合の社会的信用の失墜等により、当社グループの利益減少を招く可能性があります。

このようなリスクに対し当社グループは、環境関連規制を遵守するとともに、近年社会的に強く要請されている環境に配慮した経営につき、一例として次のような取り組みを推進しております。

 

 ・消費期限延長技術、食品循環飼料を用いた養豚事業による食品ロス低減への取り組み
 ・モーダルシフト、営業冷蔵庫集約、営業車両輸配送ルートの再構築、低排出ガス車への順次切り替え
 ・サステナビリティ委員会を設置、TCFD賛同、気候変動プロジェクトにおける温室効果ガス削減に向けた 

 KPI策定、施策立案、省エネ活動推進

 

 

(10)為替について

当社グループは、原材料及び商品の一部の輸出入取引を外貨建で行っており、また、海外関係会社の財務諸表は外貨建で作成されております。従いまして、当社グループは外国為替相場の変動に係るリスクを有しております。

外国為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る収益費用及び外貨建債権債務の円換算額に影響を与え、海外関係会社の財務諸表の円貨への換算において当社グループの財政状態、経営成績に影響を与えます。

当社グループは、外国為替相場の変動による輸出入取引に係る影響を軽減するため、為替予約を行っておりますが、想定した範囲を超えた為替変動が起こった場合、軽減の効果が十分に得られない可能性があります。

 

(11)固定資産の収益性の低下について

当社グループが保有する固定資産は、投資時に想定していなかった、世界的な需給変動による調達コストの上昇や、人手不足による製造コストの上昇、国内市場の縮小による競争激化等の環境変化に起因する収益性の低下により、投資額の回収が見込めなくなるリスクがあります。

当該リスクが顕在化した場合、回収可能価額まで対象固定資産の帳簿価額を減額するとともに、減損損失を計上することとなります。

当該リスクに対し当社グループは、重要な投資を行う際に、関係各部門から集めた委員による投融資審査会を開催し、投資計画の前提条件を含めた妥当性を検証することでリスクを最小限に抑えるよう努めております。また投資後は、継続的な投資効果のモニタリングと計画実績の差異分析により、適切な改善策を講じてまいります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a. 経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、まん延防止等重点措置の解除による外食・旅行などのサービス消費の回復やインバウンド需要の増加を背景に緩やかながら持ち直しの動きが見られました。しかしながら、先行きについては原材料価格やエネルギー価格の高騰による物価高や世界的な金融引き締めに伴う世界経済の成長率低下などの影響もあり、不透明な状況が続いております。

食肉業界は、食肉消費の伸びが落ち着きを見せ始めるとともに食肉輸入価格や飼料価格、エネルギーコストが高騰しつづけるなど、厳しい環境が継続しております。

このような状況の中、当社グループはコロナ禍においても品質管理及び衛生管理を徹底するとともに柔軟な勤務体制等の対策を講じ、社員の安全確保に配慮しつつお客様のご要望にお応えしてまいりました。

また、「"収益力強化"に向けた"体質改善"」のテーマのもと、さらなる成長を遂げるための施策に取り組んでまいりました。新たな取り組みとしては、株式会社大商金山牧場と資本業務提携契約を締結いたしました。本資本業務提携をきっかけに互いの商品をそれぞれのネットワークを通じて販売することや、商品の共同提案、将来的には両社の拠点・機能・人的資源の共同活用による事業効率化等を図り、ひいては両社の企業価値向上を目指します。加えて、日本屈指の輸出認定工場である株式会社阿久根食肉流通センター及びスターゼンミートプロセッサー株式会社阿久根工場ビーフセンターの拡張工事が完了し、今後、牛肉の輸出を拡大してまいります。

 

以上の結果、当連結会計年度における売上高は425,173百万円(前期比11.5%増)営業利益は8,162百万円(前期比18.2%増)、経常利益は10,284百万円(前期比12.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,483百万円(前期比25.1%増)となりました。

 

事業部門別の営業概況は、次のとおりです。

<食肉関連事業>

食肉関連事業の売上高は422,298百万円(前期比11.5%増)となりました。

また、部門別の業績は次のとおりであります。

(食肉)

国内事業は、国産食肉の販売が堅調に推移したことから取扱量は前期を上回りました。売上高は、輸入食肉の国内相場高値推移等により前期を大きく上回りました。売上総利益は、国産牛肉を中心に利益確保が進み前期を上回りました。

また、カテゴリー別の業績は次のとおりです。

国産食肉は、各畜種ともに販売が堅調に推移し、取扱量、売上高ともに前期を上回りました。売上総利益は行動制限の緩和による観光地・行楽地での外食需要の回復等により、相対的に利益率の高い国産牛肉で特に取扱量が増加したこと、国産牛肉相場が前期を下回る水準で推移したこと、加えて販売機会ロスの削減や早期販売を意識した在庫コントロールが功を奏したことなどから前期を大きく上回りました。

輸入食肉は、豚肉で取扱量を確保したものの、輸入価格高騰等の影響により鶏肉の取扱量が減少したことから、全体の取扱量は前期を下回りました。売上高は、国内相場が高値推移したことから前期を大きく上回りました。売上総利益は、鶏肉で取扱量の減少に伴い利益も減少したものの、需要に合わせた調達の徹底やコスト上昇分を可能な限り販売価格へ転嫁したことなどから牛・豚肉で利益を確保でき、全体では前期を上回りました。

輸出事業は、米国向け牛肉輸出が低関税輸入枠超過による関税引き上げの影響で低迷したものの、欧州や台湾、東南アジア向けを中心に好調に推移したことから、輸出重量は前期を上回りました。売上高は輸出重量の増加に加え輸出単価の高い欧州向けが好調だったことなどから前期を上回りました。

 

これらの結果、食肉部門の売上高は333,241百万円(前期比11.0%増)となり、売上総利益は前期を上回りました。

(加工食品)

加工食品は、一部取引先向けのハンバーグ商品群で取扱量が減少しましたが、食肉スライス商品、ローストビーフ関連商品等の販売が堅調に推移し、全体では取扱量、売上総利益ともに前期を上回りました。売上高は、原材料コストやエネルギーコストの上昇を踏まえた商品価格改定等により75,014百万円(前期比15.1%増)前期を大きく上回りました。

(ハム・ソーセージ)

ハム・ソーセージは、外食向け商品の販売が回復傾向で推移しましたが、小売業態向けの販売が落ち着きを見せ、取扱量は前期を下回りました。売上高は加工食品と同様に商品価格改定により11,998百万円(前期比5.8%増)前期を上回り、売上総利益も販売条件の変更等により前期を上回りました。

(その他)

その他の取扱品につきましては、売上高は2,044百万円(前期比3.8%増)となりました。

<その他の事業>

その他の事業につきましては、売上高は2,875百万円(前期比5.4%増)となりました。

 

b. 財政状態

イ. 資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて、1,910百万円増加し95,482百万円となりました。これは、主として売掛金が減少したものの、商品及び製品、前渡金が増加したことによります。不安定な物流状況(コンテナ不足や主要港湾の混雑等)が常態化し、ワーカー不足や伝染病の影響等による供給量の減少が懸念される環境下において、輸入食肉を中心に販売用在庫を確保したことによる増加であります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて2,190百万円増加し51,020百万円となりました。これは、主として投資有価証券が増加したことによります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べて、4,092百万円増加し146,520百万円となりました。

 

ロ.負債

流動負債は、前連結会計年度末と比べて、5,663百万円減少し49,456百万円となりました。これは、主として短期借入金、1年内償還予定の社債、1年内返済予定の長期借入金が減少したことによります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて、3,581百万円増加し26,887百万円となりました。これは、主として長期借入金が増加したことによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べて、2,082百万円減少し76,344百万円となりました。

 

ハ.純資産

純資産合計は、前連結会計年度末と比べて、6,174百万円増加し70,175百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ76百万円減少し、10,876百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加、前渡金の増加があるものの、税金等調整前当期純利益、売上債権の減少等により7,214百万円の収入となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出、関係会社株式の取得による支出等により4,192百万円の支出となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があるものの、長期借入金の返済による支出、短期借入金の減少、社債の償還による支出、配当金の支払等により3,169百万円の支出となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日
 至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

128,767

108.9

その他の事業

1,826

116.9

合計

130,594

109.0

 

(注) 金額は生産価額によっております。

 

b. 商品仕入実績

当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

257,647

111.2

その他の事業

2,578

95.0

合計

260,225

111.0

 

(注) 1.金額は仕入価額によっております。

 2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

c.  受注実績

    当社グループは受注生産を行っておりません。

 

d.  販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

422,298

111.5

その他の事業

2,875

105.4

合計

425,173

111.5

 

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当社は生産肥育から食肉の処理加工、製造、販売に至るまでの事業を主に国内で行う「食肉関連事業」を中心に事業活動を展開しており、報告セグメントは「食肉関連事業」のみであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 概要及び売上高

4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

b. 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は前連結会計年度と比べて40,622百万円増加し、386,603百万円となりました。これは主に、前連結会計年度と比べ、輸入食肉のコストの増加や国産食肉等の取扱重量が増加したことによります。

販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べて1,862百万円増加し、30,407百万円となりました。これは主に、人件費、運賃、保管料等が増加したことによるものです。

 

c. 営業利益

営業利益は前連結会計年度と比べて1,256百万円増加し、8,162百万円となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が増加したものの、外食需要の回復等により販売が堅調に推移したことによるものです。

 

d. 営業外損益

営業外損益は前連結会計年度と比べ、営業外収益が590百万円増加3,468百万円に、営業外費用が728百万円増加1,346百万円となりました。

これは主に、営業外収益については、受取配当金、持分法による投資利益が増加したことによるものです。営業外費用については、支払利息、債務保証損失引当金繰入額が増加したことによるものです。

 

e. 特別損益

特別損益は前連結会計年度と比べ、特別利益が34百万円減少20百万円に、特別損失が671百万円減少59百万円となりました。

これは主に、特別利益については、投資有価証券売却益が減少したことによるものです。特別損失については、減損損失、投資有価証券評価損が減少したことによるものです。

 

f. 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて1,499百万円増加し、7,483百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の307円37銭に対し、384円04銭となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.  キャッシュ・フローの状況の分析

4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

b.  資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備資金等であります。

 

c.  有利子負債

2023年3月31日現在の有利子負債の状況は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

合計

1年以内

1年超2年以内

2年超3年以内

3年超4年以内

4年超5年以内

5年超

短期借入金

8,739

8,739

長期借入金

25,793

8,536

7,500

4,116

3,056

1,706

879

社  債

5,000

5,000

 

 

d.  偶発債務

当社グループの第三者に対する保証は、関連会社等の借入金等に対する債務保証であります。

保証した借入金の債務不履行が保証契約期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2023年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計は5,160百万円であります。

 

e.  財務政策

当社グループは、運転資金及び設備資金等の資金需要について、内部資金または借入や社債による資金調達により対応することとしております。

また、グループ全体の資金効率を高めるため、2003年3月以降、主要子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、資金集中及び配分を行い、余剰資金の発生を抑制しております。合わせて、2023年1月、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとして金額10,000百万円(期間3年)のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を10の金融機関と締結いたしました。これにより中長期的に手元流動性を補完し、より安定的かつ効率的な資金運用及び調達を可能にしております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高10,000百万円)。
 

③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、経営ビジョン「食を通して人を幸せにするグローバルな生活関連企業を目指す」を基本に、繁殖・肥育事業に関する基礎研究から、ハム・ソーセージや加工食肉などの食肉関連商品に至るまで、精力的に研究開発活動を行っております。

 

(受精卵移植事業に関する基礎研究)

2019年末に発生した新型コロナウィルス感染症の影響やウクライナ紛争の長期化により、全世界の穀物生産・物流価格及び原油、天然ガスの高止まりに伴い、国内酪農家及び畜産農家の生産環境が大きく変化し、コストの上昇から経営を圧迫しております。

当社グループでは、鹿児島の受精卵研究所にて産学連携により生産される黒毛和種受精卵を活用し、酪農事業と肉用牛事業が融合した乳肉一貫生産の確立を図り、酪農家の収益拡大と肉用牛肥育農家の子牛確保を目的に持続可能な循環生産の構築を進めております。

また、南九州及び北海道受精卵移植酪農家の拡大に向け、受精卵の増産体制の構築、ならびに受胎率の向上に取り組みながら、引き続き酪農業との協業を推進してまいります。

 

(食肉関連商品に関する研究開発)

新型コロナウイルス感染症拡大やウクライナ紛争等に起因する不安定な国際情勢の中、原油をはじめ様々な原料価格の高騰が継続しており、当社グループの食肉関連商品についても、取引先ごとに製品価格の改定や原料の配合変更等を実施し対応してまいりました。単独世帯や女性の就労が増加し、中食産業の発展、コンビニエンスストアが充実していく中で、消費者意識も変化しており、ECサイト等のオンラインサービスを利用する動きも加速しております。変化の一因であったコロナウイルス感染症は、感染症法上の分類が引き下げられ規制が緩和されますが、調理食品については引き続きこのような『生活様式の変化』と『食の簡便化志向』に支えられ、安定した見通しであると考えております。

 その取り組みとして、当社製造本部ではハンバーグを中心とした開発を継続しております。開発部門において基礎研究の強化を図り、価格や供給が不安定な副原料に代わる代替副原料の研究を進めております。合わせて小型成型機といった新規設備も導入し、食感等による差別化やジューシー感等の品質向上により、他社と比較しても優位性のあるハンバーグの確立に取り組んでおります。

連結子会社であるローマイヤ株式会社においては、自社ブランド製品のブラッシュアップとともにアフターコロナに向け変化し続けるニーズに応えるべく、改良及び新商品開発を進めております。

近年、肉代替商品として注目されている素材にお肉を一切使用せず、大豆を使用することでお肉のような食感、味、香りを実現するための「ゼロミートシリーズ」のさらなる開発強化も継続して進めてまいります。

 

当連結会計年度の当社グループ全体の研究開発費は76百万円であり、主として食肉関連事業の研究開発活動における支出であります。