第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度(平成27年10月1日~平成28年9月30日)における我が国の経済は、企業収益・雇用環境の改善が進みゆるやかな回復基調で推移しましたが、個人消費に力強さが欠け、国内景気は足踏み状態が続いています。また、中国を始めとした新興国経済の減速懸念、英国のEU離脱問題や中東情勢といった海外経済の不確実性等、我が国の景気を下振れさせる要因が潜在し、先行きへの不透明感が払拭できない状況で推移しました。

 また、当社グループが係る食品関連業界では、原材料価格の高騰による価格転嫁の進展や、為替の円高傾向によって収益面の改善が見られましたが、一方で消費マインドは低価格指向が強まる傾向にあり、経営環境は厳しい状況が続いています。

 このような状況のもと当社グループは、平成26年10月にスタートさせました第五次中期経営計画「Flap The Wings 2017」(3ヵ年)に基づき、冷蔵倉庫事業では「“COOL”ネットワークのリーディングカンパニー」を目指し、食品販売事業では「安定的な利益追求を基本としながらも、強みのある商材を全社的に展開する」ことを命題として、事業運営方針の各施策に注力してきました。

 冷蔵倉庫事業は、期初より高水準の在庫状態で推移し、畜産品や冷凍食品を中心に好調な荷動きが続いたため、順調に計画目標を達成しました。食品販売事業は、連結子会社㈱アライアンスシーフーズの海外事業が順調に伸長して収益面に大きく貢献しましたが、一部の畜産品の市況悪化により取扱量を抑制したため計画目標には及びませんでした。

 その結果、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は、売上高148,609百万円(前期比4.0%減)、営業利益5,169百万円(前期比33.4%増)、経常利益5,342百万円(前期比32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,932百万円(前期比16.5%増)となりました。なお、営業利益と経常利益については過去最高益となりました。また、昭和44年竣工の子安物流センターは半世紀にわたり稼働してきましたが、この度、当社の低温物流の品質基準の維持が難しくなってきたため、取り壊すことを決定しました。これに伴い、特別損失616百万円を計上しております。

 セグメントごとの業績は次のとおりです。

 

①冷蔵倉庫事業

 平成26年9月期から平成27年9月期までに稼働した4ヵ所の物流センター(ワンノイ2号棟、石狩第二、夢洲、都城第二)の稼働率が向上したこと、中期経営計画に基づいた広域営業の伸長、及び提案型営業の展開などによって売上高を順調に増加させ、当期稼働の2ヵ所(バンパコン第2、十勝第三)の物流センターの臨時経費等を吸収し増収増益となりました。また、電力費などの経費削減による効果も増益に貢献しました。

 貨物取扱量の状況は、入庫取扱量は約47千トンの増加(前期比3.8%増)、出庫取扱量は約81千トンの増加(前期比6.5%増)、平均保管在庫量は約177千トンの増加(前期比5.5%増)となりました。

 タイ王国の連結子会社THAI YOKOREI CO.,LTD.におきましては、民政化移行のスケジュールの遅れから経済が停滞していること、及び為替換算においてタイバーツが大きく下落したことなどにより減収減益となりました。

 以上の結果、冷蔵倉庫事業の業績は、売上高は24,756百万円(前期比2.6%増)、営業利益は5,751百万円(前期比21.1%増)となりました。

 

②食品販売事業

 当社グループの海外事業を担う連結子会社㈱アライアンスシーフーズにおけるノルウェー王国のアトランティックサーモン事業や、バレンツ海のカニ事業が順調に進展し、当セグメントの売上・利益に大きく貢献しました。また国内事業も回転率重視の商売に徹した結果、在庫圧縮などによる経費削減効果も利益面に貢献しました。しかしながら一部の畜産品において市況の需給に対応した結果、取扱量を減少させた商材や、相場下落の影響を受けた商材があったため、当セグメントは前期比では減収増益となりました。品目別は以下のとおりです。

 水産品は、売上・利益ともに前年を僅かに上回りました。鮭鱒類はノルウェー王国のHofseth International ASとの共同事業により、大きくセグメント業績に貢献しました。エビ、ホッケは回転率重視の販売により利益率が改善しました。ホタテは生産量激減の影響を受けて売上・利益とも減少となりました。畜産品は、減収増益となりました。チキンは相場下落の影響を受けたため損失を計上、ポークは取扱量を大きく抑えた結果、減収ながら利益は改善しました。農産品は、減収増益となりました。主力商材の馬鈴薯は販売が好調でしたが、長芋の不作などの影響で減収となりました。

 以上の結果、食品販売事業の業績は、売上高は123,793百万円(前期比5.2%減)、営業利益は1,618百万円(前期比36.1%増)となりました。

 

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

 (2) キャッシュ・フロー

主要項目

前連結会計年度

(自 平成26年10月1日

 至 平成27年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成27年10月1日

 至 平成28年9月30日)

増減額

 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

4,189

6,138

1,949

 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△7,711

△25,004

△17,292

 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

2,788

20,265

17,476

 現金及び現金同等物の増減額(百万円)

△543

1,312

1,855

 現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

3,887

5,200

1,312

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物等は、前連結会計年度末に比べ1,312百万円増加5,200百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な内容は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、6,138百万円の資金の増加(前年同期は、4,189百万円の資金の増加)となり、その主な内容は税金等調整前当期純利益4,725百万円、減価償却費4,237百万円及び売上債権の減少額2,421百万円による資金増加と、前渡金の増加額3,203百万円、法人税等の支払額1,525百万円などの資金減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、25,004百万円の資金の減少(前年同期は、7,711百万円の資金の減少)となり、その主な内容は連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12,973百万円と、有形固定資産の取得による支出11,166百万円などによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、20,265百万円の資金の増加(前年同期は、2,788百万円の資金の増加)となり、その主な内容は借入金の純増額21,423百万円による資金の増加と、配当金の支払額1,042百万円による資金の減少によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年10月1日

   至  平成28年9月30日)

前年同期比(%)

    冷蔵倉庫事業(百万円)

      冷蔵・凍結

 

19,150

 

98.6

    食品販売事業(百万円)

      水  産  物

      水産加工品

      畜  産  物

      畜産加工品

      農  産  物

      そ  の  他

            小      計

 

67,399

15,279

31,786

107

1,465

550

116,588

 

110.0

73.1

82.3

240.0

93.5

79.5

94.7

    その他(百万円)

56

282.9

      合      計(百万円)

135,795

95.3

 (注)1.冷蔵倉庫事業生産実績は冷凍事業原価、食品販売事業生産実績は商品仕入高及び商品加工費用の合計額を示しております。

        2. セグメント間の取引については相殺消去しております。

        3. 食品販売事業の品目表示は日本冷蔵倉庫協会の品目分類に準じた区分であります。

4.表示金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

  当社は受注生産を行っておりません。

    (3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年10月1日

   至  平成28年9月30日)

前年同期比(%)

    冷蔵倉庫事業(百万円)

      冷蔵・凍結

 

24,756

 

102.6

    食品販売事業(百万円)

      水  産  物

      水産加工品

      畜  産  物

      畜産加工品

      農  産  物

      そ  の  他

      小   計

 

67,618

20,292

32,903

144

1,786

1,048

123,793

 

98.3

111.8

81.1

353.1

93.8

91.9

94.8

    その他(百万円)

58

183.3

      合      計(百万円)

148,609

96.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

        2. 食品販売事業の品目表示は日本冷蔵倉庫協会の品目分類に準じた区分であります。

    3.表示金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

 当社グループは、これまで築いてきた経営基盤と健全な財務体質を活かし、あらゆる経済・事業環境の変化にも対応できる経営体質を作り上げることで「持続的な企業価値向上」を目指します。

 今後につきましても、情報システムを整備し最新のIT基盤を維持していくことで、業務の標準化・効率化・集中化を促進し、コスト削減を実現していきます。また、厳格なリスク管理を実践し、コンプライアンスや内部統制の強化に継続的に取り組むとともに、コーポレートガバナンス・コードを遵守していきます。そして、グループの成長に不可欠な人材を育成するために、教育研修制度の充実を図り、盤石な組織を作り上げていきます。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況及び事業環境による影響

 当社グループは、水産品・畜産品・農産品及びそれらの加工食品の販売事業を営んでおります。産地偽装、農薬混入、鳥インフルエンザなど食品に係る問題の発生により、輸入量の減少、価格の高騰、消費の低迷などを引き起こし、売上高に影響を与える可能性があります。

 また、冷夏・猛暑などの天候、海流、海水温など自然環境の変化により漁獲量の減少、消費動向の変化などの影響を受ける可能性もあります。

 

(2)商品の価格変動に関するリスク

 当社グループが取扱う水産品・畜産品などは、国内外の需給バランスにより相場が形成され調達価格が変動します。また、国内の漁獲量、収穫量、輸入制限・禁止措置などの影響により市場価格が変動することもあります。これらの価格変動は当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(3)固定資産に関するリスク

 冷蔵倉庫事業において、多額な設備投資を要する冷蔵倉庫を多数保有しております。冷蔵倉庫の事業環境が道路網の変更、漁獲量の減少などにより荷主企業の事業環境、利便性を損なうような変化が生じた場合、収益の低下や固定資産の減損、固定資産の処分などにより、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(4)IT(システム)リスク

 当社グループの冷蔵倉庫事業及び食品販売事業は、全国オンラインシステムを通じて業務を実施しています。想定を超える大規模な災害が発生した場合、業務システムの停止やネットワークの寸断、及び長期にわたる大規模停電により、お取引先へのサービスの提供や業務運営が困難となり、当社グループの経営に重要な影響を与える可能性があります。

 なお、東日本大震災を踏まえ、耐震性に優れ、長時間電力供給のできる自家発電装置などを完備し、水害リスクの少ない立地にある大規模データセンターに重要なシステムを移設し、リスクの低減を図っています。

 

(5)法的規制等の変更によるリスク

 当社グループは、国内事業において倉庫業法、貨物利用運送事業法、通関業法、食品衛生法及び環境に関する法的規制等様々な法的規制の適用を受けております。そのため、当該法的規制等について、予期せぬ変更、新設及び法令違反等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)海外展開についてのリスク

 当社グループは海外戦略について、調達面における集中を回避するために調達ルートを拡張し、またコスト競争力の観点から委託加工の拡大を図り、需給ギャップに留意した販売を目指して積極的な展開を行っております。しかし、事業を行う各国においてテロの発生及びその国の政情の悪化、経済状況の変動、予期せぬ法律・規制の変更又は日本との法律・規制の違いによるトラブル等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)為替変動に関するリスク

 当社グループにおいて商品や原材料の輸出入取引は主要事業の一部であり、外貨建取引については為替変動リスクにさらされることになります。これらのリスクを軽減するために、為替予約取引を利用しておりますが、当該取引ではカバーできないほどの急激な為替変動があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成28年6月17日開催の取締役会において、連結子会社である㈱アライアンスシーフーズがノルウェー王国に設立したHIYR ASを完全親会社とし、Fjordlaks Aqua ASを完全子会社とする株式取得による買収を行うことを決議し、同年7月13日に株式を取得いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

(2)  財政状態の分析

①総資産

 総資産は、前連結会計年度末に比べ24,652百万円増加し、143,554百万円となりました。これは主に、子会社取得に伴うのれんが11,935百万円、物流センターの新設等に伴う有形固定資産が8,836百万円、現金及び預金が1,322百万円増加したこと等によるものです。

②負債総額

 負債総額は、前連結会計年度末に比べ23,990百万円増加し、80,570百万円となりました。これは主に、借入金が21,142百万円、未払法人税等が798百万円増加したこと等によるものです。

③純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べ661百万円増加し62,984百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローについての分析

 キャッシュ・フローの分析については、「1.業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フロー」の項目をご参照ください。

    (4) 経営成績の分析

 経営成績の分析及びセグメント別の分析については、「1.業績等の概要」の「(1)業績」の項目をご参照ください。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「4.事業等のリスク」の項目をご参照ください。

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、『会社は社会の公器であり、利益は奉仕の尺度である』を創業以来の経営理念としております。また、「『人』に『もの』に『地球』に優しい食品流通のエキスパート」として、企業価値を高め、株主利益の向上を図ります。

 

(2)目標とする経営指標と中期的な会社の経営戦略

 平成26年10月からスタートした第五次中期経営計画「Flap The Wings 2017」の計画期間は平成29年9月期までの3年間です。次期は当該経営計画の最終年度となり、目標達成に向けて各施策の着実な推進を図り、総力を結集して臨んでいきます。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 平成26年10月からスタートした第五次中期経営計画「Flap The Wings 2017」の全社方針は、当社が培ってきた強み・経営資源を最大限に活用し、当社ならではの質の高いサービスを提供することで、お客様とのWin-Winの関係構築・パートナーシップの強化を図ることを目指すことにあります。

 冷蔵倉庫事業は「保管・物流拠点化」「全国ネットワーク化」を推進することにより、顧客に最適物流を提供していくことで、クールネットワークのリーディングカンパニーを目指します。

 食品販売事業は、「安定的な収益確立のため取組商売に徹する」ことを事業運営方針とし、強みのある商材は全社的に展開を図り、海外取引も強化していきます。