第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度(平成28年10月1日~平成29年9月30日)における我が国の経済は、海外の政治や経済情勢に不確実性の懸念があるものの、企業収益・雇用環境の改善を背景に、ゆるやかな回復基調で推移し、出遅れていた個人消費もようやく底堅さを増してきました。しかし、人手不足による労働需給の逼迫は人件費の高騰を招き、景気回復の制約要因となっています。

 また、当社グループが係る食品関連業界では、メーカーや小売業の値上げにより収益改善が進みましたが、ドライバー不足等に起因する物流コストの上昇などにより、引き続き厳しい事業環境が続いています。

 このような状況のもと当社グループは、平成26年10月にスタートさせました第五次中期経営計画「Flap The Wings 2017」(3カ年)が最終年度を迎え、冷蔵倉庫事業では「“COOL”ネットワークのリーディングカンパニー」を目指し、食品販売事業では「安定的な利益追求を基本としながらも、強みのある商材を全社的に展開する」ことを命題として、事業運営方針の各施策に注力してまいりました。

 冷蔵倉庫事業は当期初の在庫水準が前期比で減少のスタートとなったため、上半期の段階では保管料収入が減収となっていましたが、春先以降の実需の取り込みにより挽回し、増収に転じました。食品販売事業は、畜産品の利益率が改善したこと、及び当連結会計年度から連結対象となりましたノルウェーの鮭鱒養殖事業が収益を底上げしました。

 その結果、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は、売上高159,045百万円(前期比7.0%増)、営業利益5,179百万円(前期比0.2%増)、経常利益5,433百万円(前期比1.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,360百万円(前期比14.6%増)となりました。なお、売上高、各利益とも過去最高となりました。

 セグメントごとの業績は次のとおりです。

 

①冷蔵倉庫事業

 当期初から荷動きは堅調に推移しました。特に、冷凍食品、農産品の入庫が前期比で大きく増加しました。平成29年6月に稼働した幸手物流センターをはじめ、近年稼働した物流センターも着実に稼働率を向上させており、また一時的に経済が停滞気味であったタイにおいても、連結子会社THAI YOKOREI CO.,LTD.の業績は回復基調になってまいりました。しかしながら、当期は物流センター新設による減価償却費の増加や立ち上がり時の一時経費の発生、及び子安物流センター並びに神戸物流センターの閉鎖に伴う売上、利益の一時的減少などの諸要因により、当期初の利益計画は上回るものの前期比では増収減益となりました。

 貨物取扱量の状況は、入庫取扱量は約51千トンの増加(前期比4.1%増)、出庫取扱量は約28千トンの増加(前期比2.1%増)、平均保管在庫量は約110千トンの減少(前期比3.2%減)となりました。

 以上の結果、冷蔵倉庫事業の業績は、売上高は25,331百万円(前期比2.3%増)、営業利益は5,695百万円(前期比1.0%減)となりました。

 

②食品販売事業

 当社グループの海外事業を担う連結子会社㈱アライアンスシーフーズにおけるノルウェーのアトランティックサーモン事業やトラウト養殖事業が順調に進展し、当セグメントの売上・利益に貢献しました。また国内事業も水産品の一部商材において収益性の低下があったものの、畜産品の利益率改善によりカバーしました。その結果、当期はノルウェーの養殖会社買収に伴う、のれん償却額の増加額541百万円を吸収して、当セグメントは増収増益となりました。品目別は以下のとおりです。

 水産品は、売上・利益とも前期を上回りました。鮭鱒類に加え、グループ全体での取組みにより取り扱いが大幅に増えたホッケが当セグメントの売上・利益に大きく貢献しました。ホタテ、カニは価格高騰の影響を受けて収益性が低下しました。畜産品は、減収増益となりました。ポークは銘柄豚を中心に取扱量を増やしたため増収増益、チキンは取扱量をコントロールした結果、減収ながら利益は大幅に改善いたしました。農産品は、主力商材の馬鈴薯が昨年不作で取扱量が伸びなかったため減収となりましたが、利益面では経費削減により増益となりました。

 以上の結果、食品販売事業の業績は、売上高は133,655百万円(前期比8.0%増)、営業利益は1,904百万円(前期比17.6%増)となりました。

 

 

 

 

 (2) キャッシュ・フロー

主要項目

前連結会計年度

(自 平成27年10月1日

 至 平成28年9月30日)

当連結会計年度

(自 平成28年10月1日

 至 平成29年9月30日)

増減額

 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

6,138

△6,930

△13,069

 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△25,004

△11,173

13,830

 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

20,265

19,124

△1,140

 現金及び現金同等物の増減額(百万円)

1,312

1,199

△113

 現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

5,200

6,399

1,199

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,199百万円増加6,399百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な内容は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、6,930百万円の資金の減少(前年同期は、6,138百万円の資金の増加)となり、その主な内容は税金等調整前当期純利益5,433百万円、減価償却費4,699百万円による資金増加と、たな卸資産の増加額7,784百万円、前渡金の増加額5,554百万円及び売上債権の増加額3,719百万円等の資金の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、11,173百万円の資金の減少(前年同期は、25,004百万円の資金の減少)となり、その主な内容は有形固定資産の取得による支出9,488百万円、貸付けによる支出2,195百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、19,124百万円の資金の増加(前年同期は、20,265百万円の資金の増加)となり、その主な内容は借入金の純増額20,301百万円による資金の増加と、配当金の支払額1,051百万円等による資金の減少によるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年10月1日

   至  平成29年9月30日)

前年同期比(%)

    冷蔵倉庫事業(百万円)

      冷蔵・凍結

 

19,771

 

103.2

    食品販売事業(百万円)

      水  産  物

      水産加工品

      畜  産  物

      畜産加工品

      農  産  物

      そ  の  他

            小      計

 

74,753

20,237

31,690

74

1,111

618

128,486

 

110.9

132.5

99.7

69.6

75.8

112.4

110.2

    その他(百万円)

33

58.3

      合      計(百万円)

148,290

109.2

 (注)1.冷蔵倉庫事業生産実績は冷凍事業原価、食品販売事業生産実績は商品仕入高及び商品加工費用の合計額を示しております。

        2. セグメント間の取引については相殺消去しております。

        3. 食品販売事業の品目表示は日本冷蔵倉庫協会の品目分類に準じた区分であります。

4.表示金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

  当社は受注生産を行っておりません。

    (3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成28年10月1日

   至  平成29年9月30日)

前年同期比(%)

    冷蔵倉庫事業(百万円)

      冷蔵・凍結

 

25,331

 

102.3

    食品販売事業(百万円)

      水  産  物

      水産加工品

      畜  産  物

      畜産加工品

      農  産  物

      そ  の  他

      小   計

 

74,818

24,258

32,047

115

1,372

1,043

133,655

 

110.6

119.5

97.4

80.0

76.8

99.6

108.0

    その他(百万円)

58

99.1

      合      計(百万円)

159,045

107.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

        2. 食品販売事業の品目表示は日本冷蔵倉庫協会の品目分類に準じた区分であります。

    3.表示金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営環境

 経営環境については、「1.業績等の概要」の「(1) 業績」の項目をご参照ください。

 

(2) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、『会社は社会の公器であり、利益は奉仕の尺度である』を創業以来の経営理念としております。また、「『人』に『もの』に『地球』に優しい食品流通のエキスパート」として、企業価値を高め、株主利益の向上を図ります。

 

(3) 中長期的な会社の基本戦略

 平成29年10月からスタートした第六次中期経営計画「Growing Value 2020」の計画期間は平成32年9月期までの3年間です。本中計の全社方針は「当社のファンダメンタルである事業所・拠点の力をもう一段成長させ、組織的、アメーバ的に事業機会を掴んで、お客様に貢献する『質と量の成長』」です。冷蔵倉庫事業は「マーケットインに応える革新と進化」を目指す姿とし、クールネットワークニーズへの対応力強化と低温物流効率化を主導的に推進してまいります。食品販売事業は「食料資源の開発と食プロデュースによる安定供給構造の構築」を目指す姿とし、安定的な利益追求を基本としながらも、強みのある商材を育成して全社的に展開するための各施策に取り組んでまいります。

 なお、以下の記載のうち、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

(4) 目標とする経営指標

当社グループの目標数値は以下のとおりです。

           (単位:億円)

 

連結

平成29年9月期

平成32年9月期(目標)

売上高

1,590

1,800

営業利益

51

85

経常利益

54

85

親会社株主に帰属する当期

純利益

33

53

自己資本利益率(ROE)

5.1%

6.0%

EBITDA

98

130

自己資本比率

39.4%

40%以上

  ※EBITDAは営業利益+減価償却費で算出しております。

 

(5) 対処すべき課題

 当社グループは、これまで築いてきた経営基盤と健全な財務体質を活かし、あらゆる経済・事業環境の変化にも対応できる経営体質を作り上げることで「持続的な企業価値向上」を目指します。

 今後につきましても、情報システムを整備し最新のIT基盤を維持していくことで、業務の標準化・効率化・集中化を促進し、コスト削減を実現していきます。また、厳格なリスク管理を実践し、コンプライアンスや内部統制の強化に継続的に取り組むとともに、コーポレートガバナンス・コードを遵守していきます。そして、グループの成長に不可欠な人材を育成するために、教育研修制度の充実を図り、盤石な組織を作り上げていきます。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況及び事業環境による影響

 当社グループは、水産品・畜産品・農産品及びそれらの加工食品の販売事業を営んでおります。産地偽装、農薬混入、鳥インフルエンザなど食品に係る問題の発生により、輸入量の減少、価格の高騰、消費の低迷などを引き起こし、売上高に影響を与える可能性があります。

 また、冷夏・猛暑などの天候、海流、海水温など自然環境の変化により漁獲量の減少、消費動向の変化などの影響を受ける可能性もあります。

 

(2)商品の価格変動に関するリスク

 当社グループが取扱う水産品・農畜産品などは、国内外の需給バランスにより相場が形成され調達価格が変動します。また、国内の漁獲量、収穫量、輸入制限・禁止措置などの影響により市場価格が変動することもあります。これらの価格変動は当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(3)固定資産に関するリスク

 冷蔵倉庫事業において、多額な設備投資を要する冷蔵倉庫を多数保有しております。冷蔵倉庫の事業環境が道路網の変更、漁獲量の減少などにより荷主企業の事業環境、利便性を損なうような変化が生じた場合、収益の低下や固定資産の減損、固定資産の処分などにより、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(4)IT(システム)リスク

 当社グループの冷蔵倉庫事業及び食品販売事業は、全国オンラインシステムを通じて業務を実施しています。想定を超える大規模な災害が発生した場合、業務システムの停止やネットワークの寸断、及び長期にわたる大規模停電により、お取引先へのサービスの提供や業務運営が困難となり、当社グループの経営に重要な影響を与える可能性があります。

 なお、東日本大震災を踏まえ、当社の重要なシステムについては耐震性に優れ、長時間電力供給のできる自家発電装置などを完備し、水害リスクの少ない立地にある大規模データセンターに移設し、リスクの低減を図っています。

 

(5)法的規制等の変更によるリスク

 当社グループは、国内事業において倉庫業法、貨物利用運送事業法、通関業法、食品衛生法及び環境に関する法的規制等様々な法的規制の適用を受けております。そのため、当該法的規制等について、予期せぬ変更、新設及び法令違反等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)海外展開についてのリスク

 当社グループは海外戦略について、集中リスクを回避するために調達・販売ルートを拡張し、またコスト競争力の観点から委託加工の拡大を図り、需給ギャップに留意した取引を目指して積極的な展開を行っております。しかし、事業を行う各国においてテロの発生及びその国の政情の悪化、経済状況の変動、予期せぬ法律・規制の変更又は日本との法律・規制の違いによるトラブル等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)為替変動に関するリスク

 当社グループにおいて商品や原材料の輸出入取引は主要事業の一部であり、外貨建取引については為替変動リスクにさらされることになります。これらのリスクを軽減するために、為替予約取引を利用しておりますが、当該取引ではカバーできないほどの急激な為替変動があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

(2)  財政状態の分析

①総資産

 総資産は、前連結会計年度末に比べ28,466百万円増加し、173,699百万円となりました。これは主に、商品が7,956百万円、物流センターの新設等に伴う有形固定資産が6,554百万円、前渡金が4,695百万円、受取手形及び売掛金が3,758百万円増加したこと等によるものです。

②負債総額

 負債総額は、前連結会計年度末に比べ21,805百万円増加し、104,010百万円となりました。これは主に、借入金が20,849百万円増加したこと等によるものです。

③純資産

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ6,661百万円増加し69,688百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローについての分析

 キャッシュ・フローの分析については、「1.業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フロー」の項目をご参照ください。

    (4) 経営成績の分析

 経営成績の分析及びセグメント別の分析については、「1.業績等の概要」の「(1)業績」の項目をご参照ください。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「4.事業等のリスク」の項目をご参照ください。