第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営環境

 経営環境については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1) 業績」の項目をご参照ください。

 

(2) 会社の経営の基本方針

 当社グループは、『会社は社会の公器であり、利益は奉仕の尺度である』を創業以来の経営理念としております。また、「『人』に『もの』に『地球』に優しい食品流通のエキスパート」として、企業価値を高め、株主利益の向上を図ります。

 

(3) 中長期的な会社の基本戦略

 2017年10月よりスタートいたしました第六次中期経営計画「Growing Value 2020」につきましては、2019年11月14日付公表の通り、目標数値を次項のとおり変更いたします。

 なお、以下の記載のうち、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(4) 目標とする経営指標

当社グループの目標数値は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

連結

2019年9月期実績

2020年9月期目標

(修正前)

2020年9月期目標

(修正後)

売上高

1,399

1,600

1,430

営業利益

47

70

54

経常利益

49

70

60

親会社株主に帰属する当期

純利益

33

45

39

自己資本利益率(ROE)

4.3%

5.7%

4.8%

EBITDA

104

120

110

自己資本比率

43.7%

40%以上

40%以上

  ※EBITDAは営業利益+減価償却費で算出しております。

 

 売上高の減少は、為替変動対策の一環として、ノルウェーから欧米への輸出事業の取引形態を変更したことに伴うものです。利益につきましては、国内の食品販売について、引き続き厳しい事業環境が継続する見通しのため、最終年度の目標数値を修正いたしました。経営目標数値につきましても利益の修正に伴い、自己資本利益率とEBITDAを修正するものであります。

 なお、第六次中期経営計画で掲げました方針・基本戦略等につきましては、変更はありません。引き続き各施策を進めながら財務体質の改善による堅実な利益確保を優先し、並行して養殖事業や海外への販売等への注力により収益力の強化を目指します。

 

(5) 対処すべき課題

 当社グループは、「人」「もの」「地球」に優しい食品流通のエキスパートとして、安全・安心な食品の供給に取り組んでまいりました。

 また、持続的な企業価値向上の実現を目指し、2017年10月から2020年9月までを対象とする第六次中期経営計画「Growing Value 2020」を策定しました。冷蔵倉庫事業は「マーケットインに応える革新と進化」を、食品販売事業は「食料資源の開発と食プロデュースによる安定供給構造の構築」を目指す姿として、各施策に取り組んでいます。

 食品業界を取り巻く環境に目を向けますと、一般家庭の核家族化、少子高齢化が進む中、冷凍食品の市場規模は今後も拡大していくと予測されています。冷蔵倉庫事業では、高品質化・多角化した冷凍食品に対し、より安全で高品質な保管環境が求められています。食品販売事業では、アフリカ豚コレラをはじめとする家畜疾病の発生や、新興国の経済成長、欧米諸国への魚食文化の浸透により、各国で資源調達価格の上昇、資源争奪が起こり、以前のように安定的な資源確保が難しい状況となっております。一方、国内では依然として調達価格の上昇を販売価格に転嫁しづらい状態が長期間続いています。

 事業別の対処すべき課題として、中長期で実施する主な取り組みは以下のとおりです。

 

①冷蔵倉庫事業

 求められる高い保管品質に、最新鋭の設備投入と営業冷蔵倉庫業界随一の社員オペレーションでお応えします。また、継続的な設備投資を行うことで、中長期的に高い収益性と成長性を実現します。近年問題となっている人手不足に関しては、自動化・半自動化システムの一層のレベルアップに向けて、システム部内に専任チームを設立し省人化・省力化を推進してまいります。これにより、社員オペレーションを高いレベルで安定化・均質化させるだけでなく、ドライバーの負担軽減等のサービス提供に繋げてまいります。

 

②食品販売事業

 良質な供給源を確保するため、相場に左右されにくく安定した利益が見込める養殖事業に参入しております。他国に比べ、地理的リスクが低く、水産物のブランド化が進んでいるノルウェーで生産することで、高品質な商品を調達することが可能となります。国内では、相場に左右されるリスクを考慮し、適切な在庫コントロールを図ってまいります。

 一方、国内で水揚げされた水産物は海外で需要があり、現在国を挙げて輸出に注力しています。当社のように前浜での買参権と冷凍工場を持つ企業は限られているため、当社だからこそ出来る安定した品質の水産物の調達及び輸出に力を入れていきます。

 2020年1月1日には、当社連結子会社である(株)アライアンスシーフーズ及び(株)クローバートレーディングを吸収合併いたします。この統合により、当社の調達力・開発力・販売力をさらに強固なものとするだけでなく、迅速な戦略・意思決定を図ります。

 

 また、SDGsの視点も取り入れ、冷凍機への自然冷媒導入や養殖のASC認証取得をはじめとする環境への取り組みや、ホワイト物流の推進、社員の働き方改革の実行等、社会からの課題、要請に応えていくため、包括的な取り組みを強化してまいります。

 食に携わる企業の責任として、企業活動を通じて持続可能な社会の実現に向け役割を果たすことを目指しています。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経済状況及び事業環境による影響

 当社グループは、水産品・畜産品・農産品及びそれらの加工食品の販売事業を営んでおります。産地偽装、農薬混入、鳥インフルエンザなど食品に係る問題の発生により、輸入量の減少、価格の高騰、消費の低迷などを引き起こし、売上高に影響を与える可能性があります。

 また、冷夏・猛暑などの天候、海流、海水温など自然環境の変化により漁獲量の減少、消費動向の変化などの影響を受ける可能性もあります。

 

(2)商品の価格変動に関するリスク

 当社グループが取扱う水産品・農畜産品などは、国内外の需給バランスにより相場が形成され調達価格が変動します。また、国内の漁獲量、収穫量、輸入制限・禁止措置などの影響により市場価格が変動することもあります。これらの価格変動は当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(3)固定資産に関するリスク

 冷蔵倉庫事業において、多額な設備投資を要する冷蔵倉庫を多数保有しております。冷蔵倉庫の事業環境が道路網の変更、漁獲量の減少などにより荷主企業の事業環境、利便性を損なうような変化が生じた場合、収益の低下や固定資産の減損、固定資産の処分などにより、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

(4)IT(システム)リスク

 当社グループの冷蔵倉庫事業及び食品販売事業は、全国オンラインシステムを通じて業務を実施しています。想定を超える大規模な災害が発生した場合、業務システムの停止やネットワークの寸断、及び長期にわたる大規模停電により、お取引先へのサービスの提供や業務運営が困難となり、当社グループの経営に重要な影響を与える可能性があります。

 なお、東日本大震災を踏まえ、当社の重要なシステムについては耐震性に優れ、長時間電力供給のできる自家発電装置などを完備し、水害リスクの少ない立地にある大規模データセンターに移設し、リスクの低減を図っています。

 

(5)法的規制等の変更によるリスク

 当社グループは、国内事業において倉庫業法、貨物利用運送事業法、通関業法、食品衛生法及び環境に関する法的規制等様々な法的規制の適用を受けております。そのため、当該法的規制等について、予期せぬ変更、新設及び法令違反等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)海外展開についてのリスク

 当社グループは海外戦略について、集中リスクを回避するために調達・販売ルートを拡張し、コスト競争力の観点から委託加工の拡大を図り、需給ギャップに留意した取引を目指して積極的な展開を行っております。また、海外取引相手との関係強化や資源の安定的な調達のため、顧客企業や協力会社等に対し、貸付金を含めた投融資を行っています。しかし、事業を行う各国においてテロの発生及びその国の政情の悪化、経済状況の変動、予期せぬ法律・規制の変更又は日本との法律・規制の違いによるトラブル等があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7)為替変動に関するリスク

 当社グループにおいて商品や原材料の輸出入取引は主要事業の一部であり、外貨建取引については為替変動リスクにさらされることになります。これらのリスクを軽減するために、為替予約取引を利用しておりますが、当該取引ではカバーできないほどの急激な為替変動があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

 当連結会計年度(2018年10月1日~2019年9月30日)における我が国の経済は雇用・所得環境の改善が続き、ゆるやかな回復基調にあるものの、海外においては米中貿易摩擦の激化や中東情勢の悪化、英国のEU離脱問題等、不確実な経済情勢の影響が懸念されております。

 また、当社グループが関わる食品関連業界では、仕入れコスト、人件費・物流コストの上昇に加え、2019年10月には消費税増税が実施され、個人の消費動向は依然として予断を許さない状態が続いております。

 このような状況のもと当社グループは、2017年10月にスタートさせました第六次中期経営計画「Growing Value 2020」(3ヵ年)に基づき、冷蔵倉庫事業では「マーケットインに応える革新と進化」を目指し、食品販売事業では「食料資源の開発と食プロデュースによる安定供給構造の構築」を目指して、事業運営方針の各施策に取り組んでまいりました。

 その結果、当社グループの当連結会計年度の連結経営成績は、売上高139,970百万円(前期比18.5%減)、営業利益4,774百万円(前期比1.1%減)、経常利益4,945百万円(前期比8.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,385百万円(前期比1.3%増)となりました。

 セグメントごとの業績は次のとおりです。

 

①冷蔵倉庫事業

 当連結会計年度、冷蔵倉庫事業は増収増益となりました。昨年新設した東京羽田物流センター、名港物流センターが共に順調に稼動したため保管料収入・荷役料収入の増加につながりました。また、既存の物流センターは、期初から続く高い在庫水準に加え、凍結や通関等、中計の主要施策である付加価値サービスの拡大に取り組み、増益に貢献しました。タイの連結子会社THAI YOKOREI CO.,LTD.は、同国内での畜産品を中心とした高い在庫水準が続いており、当セグメントの増益に寄与しました。

 以上の結果、冷蔵倉庫事業の業績は、売上高は28,296百万円(前期比7.4%増)、営業利益は6,349百万円(前期比4.6%増)となりました。

 

②食品販売事業

 当連結会計年度、食品販売事業は減収減益となりました。

 水産品は大幅な減収減益となりました。利益率の回復したエビ、輸出が好調なサバは増益となりましたが、売却損の発生したイカ・ホッケ・アカウオは、収益が回復傾向にあるものの、通期では大幅な減益となりました。ホタテは中国輸出向けが、現地経済の停滞から不調に終わり、減益となりました。なお、売上減少の主な要因は、ノルウェーから欧米への鮭鱒輸出事業の取引形態を見直したことによるものです。

 畜産品は、減収ながら増益となりました。ポークは荷動きの停滞から減益となりました。前年の相場悪化から回復したチキンは利益率が向上し、大幅な増益となり、畜産品の増益に寄与しました。

 農産品は、主力商材の馬鈴薯が不作だったため取扱い量を落としたものの、減収増益となりました。

 ノルウェー養殖事業は、現地天候不順により生育が遅れ、水揚げ時期に遅れが出たものの、国内在庫の消化が進み大幅な増収増益となりました。

 以上の結果、食品販売事業の業績は、売上高は111,617百万円(前期比23.2%減)、営業利益は1,023百万円(前期比14.8%減)となりました。

 

 

 (2) キャッシュ・フロー

主要項目

前連結会計年度

(自 2017年10月1日

 至 2018年9月30日)

当連結会計年度

(自 2018年10月1日

 至 2019年9月30日)

増減額

 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

11,990

27,424

15,434

 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△25,340

△15,643

9,696

 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

9,823

△11,282

△21,105

 現金及び現金同等物の増減額(百万円)

△3,491

469

3,961

 現金及び現金同等物の期末残高(百万円)

2,907

3,377

469

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ469百万円増加の3,377百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な内容は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、27,424百万円の資金の増加(前年同期は、11,990百万円の資金の増加)となり、その主な内容は税金等調整前当期純利益5,958百万円、減価償却費5,685百万円、売上債権の減少額3,656百万円、たな卸資産の減少額6,554百万円及び前渡金の減少額5,747百万円等の資金の増加によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、15,643百万円の資金の減少(前年同期は、25,340百万円の資金の減少)となり、その主な内容は有形固定資産の売却による収入4,408百万円、貸付金の回収による収入3,033百万円等の資金の増加と、有形固定資産の取得による支出12,339百万円、貸付けによる支出9,964百万円等の資金の減少によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、11,282百万円の資金の減少(前年同期は、9,823百万円の資金の増加)となり、その主な内容は社債の発行による収入10,000百万円等の資金の増加と、金融機関からの借入の純減額19,589百万円、配当金の支払額1,442百万円等による資金の減少によるものです。

生産、受注及び販売の実績

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年10月1日

   至  2019年9月30日)

前年同期比(%)

    冷蔵倉庫事業(百万円)

      冷蔵・凍結

 

22,159

 

107.9

    食品販売事業(百万円)

      水  産  物

      水産加工品

      畜  産  物

      畜産加工品

      農  産  物

      そ  の  他

            小      計

 

58,932

11,879

24,188

57

789

867

96,715

 

75.5

56.6

83.1

134.9

76.2

103.7

74.4

    その他(百万円)

30

94.8

      合      計(百万円)

118,905

78.9

 (注)1.冷蔵倉庫事業生産実績は冷凍事業原価、食品販売事業生産実績は商品仕入高及び商品加工費用の合計額を示しております。

        2. セグメント間の取引については相殺消去しております。

        3. 食品販売事業の品目表示は日本冷蔵倉庫協会の品目分類に準じた区分であります。

4.表示金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注実績

  当社は受注生産を行っておりません。

    (3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2018年10月1日

   至  2019年9月30日)

前年同期比(%)

    冷蔵倉庫事業(百万円)

      冷蔵・凍結

 

28,296

 

107.4

    食品販売事業(百万円)

      水  産  物

      水産加工品

      畜  産  物

      畜産加工品

      農  産  物

      そ  の  他

      小   計

 

64,732

17,803

25,933

105

1,049

1,993

111,617

 

76.2

64.3

86.1

100.6

84.9

153.4

76.8

    その他(百万円)

56

99.5

      合      計(百万円)

139,970

81.5

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

        2. 食品販売事業の品目表示は日本冷蔵倉庫協会の品目分類に準じた区分であります。

    3.表示金額には、消費税等は含まれておりません。

経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

(2)  財政状態の分析

①総資産

 総資産は、前連結会計年度末に比べ7,543百万円減少し、179,247百万円となりました。これは主に、貸付金が6,799百万円増加したこと、商品が6,720百万円、前渡金が5,734百万円減少したこと等によるものです。

②負債総額

 負債総額は、前連結会計年度末に比べ9,265百万円減少し、98,666百万円となりました。これは主に、社債が10,000百万円増加したこと、借入金が19,530百万円減少したこと等によるものです。

③純資産

 純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,721百万円増加し80,580百万円となりました。

(3) キャッシュ・フローについての分析

 キャッシュ・フローの分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(2)キャッシュ・フロー」の項目をご参照ください。

(4) 経営成績の分析

 経営成績の分析及びセグメント別の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」の「(1)業績」の項目をご参照ください。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」の項目をご参照ください。

(6) 資本の財源及び資金の流動性

①資金需要

 当社グループの事業活動における運転資金需要は、主として商品仕入の他、販売費及び一般管理費等にかかるものです。

 また、設備資金需要は、主として冷蔵倉庫の建設及び改修等にかかるものです。

 投資資金需要は、主として海外事業への投資にかかるものです。

財務政策

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,377百万円となっております。

 運転資金につきましては、主として営業収入及び短期借入でまかなうこととしておりますが、流動性及び機動性の補完を図るため、主要取引銀行との間で総額12,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。

 設備資金・投資資金は、主として内部資金及び長期借入金、社債等により調達しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、当社の完全子会社である(株)アライアンスシーフーズ及び(株)クローバートレーディングと2020年1月1日(予定)を効力発生日とする吸収合併契約を2019年10月25日に締結しております。詳細については、第5[経理の状況]の追加情報をご参照ください。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。