文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(会社の経営の基本方針)
当社グループは、「協力一致、堅実運営、積極活動」の社是三原則を掲げ、商事会社として経済社会の流通機構の一翼を担い、以て社会の繁栄に寄与することを目的として協力一致して積極的に活動し、堅実に運営して企業を安定成長せしめ、株主及び取引先をはじめステークホルダーすべての信頼と期待に応え、相互繁栄を図るとともに役職員の生活の向上、幸福の増進を図ることを基本方針としております。
(中長期的な会社の経営戦略)
当社グループは、2019年4月から2022年3月までの3年間にわたる中期経営計画「FACE2021」において、「困難にも向き合いながらさらなる成長を促進し、新たな価値を創造し、会社の『品質』を向上させる。」をビジョンとし、営業と技術サービスの一体化、事業間交流における新たな価値の創造等、時流に適合した事業軸体制の進化により、収益力のさらなる向上を図ってまいりました。また、これまで以上にリスク管理の徹底を行うとともに、M&A、企業アライアンスの手段を検討する等、事業企画力の強化と経営資源の有効活用により、ダイナミックな経営を目指してまいりました。
中期経営計画「FACE2021」は、新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う行動制限、半導体の供給不足、原材料価格の高騰、自動車の減産など厳しい状況下で推移いたしましたが、そのような環境において、最終年度における定量目標の計画値には未達ながらも、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高を更新いたしました。また、持続的成長に向けた経営基盤の強化を推進し、「次世代型エンジニアリング商社」につながる基礎固めをすることができました。
具体的には、営業活動においては次世代エネルギーに特化したエナジーソリューションズ事業本部、エンジニアリングセンターの新設、脱炭素や脱プラスチックス、医療などの社会課題をテーマとしたビジネスの推進、海外においては中国を中心に現地主導ビジネスの拡大に成果が出始めました。コーポレート領域においては、次世代を担う人材育成、働きがいの向上を目的とした新人事制度の導入、持続的な社会を実現するためのサステナビリティ基本方針の制定と当社におけるマテリアリティの特定などにも取り組みました。
一方、この中期経営計画「FACE2021」の振り返りの中で、社会・事業環境において大きな変革が続く昨今の状況を踏まえ、企業運営の抜本的な見直しと、より長期的視野に立った戦略立案の必要性をこれまで以上に認識いたしました。そこで、当社の存在価値や使命は何であるかをいま一度見直すこととし、社会から求められる考え方への対応も含め、新たな経営理念と2030年のあるべき姿を見据えた成長戦略「V2030」を策定いたしました。さらに、当社のあるべき姿「次世代型エンジニアリング商社」の実現に向け、「V2030」からのバックキャスティングにより、2022年度から2030年度までの各3年間を「創造」「成長」「飛躍」の期と位置づけ、新中期経営計画「MT2024」(創造期)を策定いたしました。
中期経営計画「FACE2021」
(単位:百万円)
注 表中の2022年3月期(計画)の数値は、2019年5月14日に開示しました中期経営計画の数値となります。
新中期経営計画「MT2024」
(単位:百万円)
注 表中の2023年3月期以降の数値は、2022年5月12日に開示しました新中期経営計画の数値となります。
成長戦略「V2030」
(単位:百万円)
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の我が国経済の見通しにつきましては、IT関連需要、脱炭素化の加速、SDGs達成に向けた需要といった具体的な動き、加えて設備投資や輸出の回復基調、景気回復への期待感が根底にありながらも、依然続く新型コロナウイルス感染症の影響、半導体の供給不足、原材料価格の高騰、自動車の減産、地政学的リスクの顕在化などによりそれらが押し下げられた形で当面は推移し、不透明な景況感、景気停滞・後退への強い警戒感が続くことが予想されます。
このような情勢において、当社では、前述の新経営理念に基づき策定した成長戦略「V2030」及び新中期経営計画「MT2024」の着実な遂行により、次世代をリードするような独自のエンジニアリングに重きを置いた商社を目指してまいります。
I.新経営理念と成長戦略「Ⅴ2030」(Ⅴ:Ⅴision)
新経営理念
Mission(果たすべき使命)
人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに
Ⅴision(あるべき姿)
<次世代型エンジニアリング商社>
時代の一歩先を行くモノづくりパートナーを目指し、当社のエンジニアリング機能を核として継続的な価値の提供によりグローバルにお客様事業の成長と持続可能な社会の実現に貢献します。
Ⅴalue(価値基準)
<信頼> 社内外の関係者と協調し、ステークホルダーからの期待や社会的責任と当社目標を一致させながら、
やりがいに溢れ、個人が尊重され、成長を実感できる会社を目指します。
<成長> 独自のエンジニアリング機能によるモノづくりへの貢献とともに、積極的な成長市場への投資・
事業領域の拡大により継続的な成長を目指します。
<貢献> 経営の透明性と会社の継続的な品質の向上を通じて、重要な社会課題に積極的に取り組むことで
持続可能な社会の実現に貢献します。
これら経営理念を実現させるため、6つの基本戦略と2030年度の目標を掲げました。
1.「Ⅴ2030」 基本戦略
① 積極的な投資
② PL経営+BS経営
③ マルチステークホルダーを意識した経営
④ モノ売りから「モノ×コト」売り
⑤ グローバルの成長を取り込む
⑥ DX推進
2.「Ⅴ2030」 定量目標(連結)
売上高:300,000百万円、営業利益:12,500百万円、ROE:10%
Ⅱ.新中期経営計画「MT2024」(MT:Medium-Term Business Plan)
定性目標
1.成長に向けた事業戦略 2.経営基盤の強化
① エンジニアリング機能の強化 ① ガバナンスの深化
② 戦略的事業投資 ② リスクマネジメントの強化
③ グローバル企業とのビジネス拡大 ③ 財務戦略の強化
④ DX強化 ④ 人材戦略の強化
⑤ サステナビリティ経営の推進
今後とも、役職員が法令はもとより社会的規範を遵守するため「第一実業株式会社行動規範」に則り行動し、企業としての社会的責任を果たすとともに社会に貢献していくことにも注力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが数年以内に顕在化する可能性があると判断したリスクでありますが、ここに掲げられている項目に限定されるものではなく、予見が困難なリスクも存在します。そのため、記載内容と実際の結果が異なる場合があります。
(マクロ経済環境の変化によるリスク)
当社の主な事業は各種機械・器具・部品の販売及び各種機械·器具の賃貸等であり、国内販売並びに輸出入を行っております。海外においては、2019年4月から2022年3月までの3年間にわたる中期経営計画「FACE2021」において、世界4軸体制による海外事業展開を加速させてまいりましたが、2022年4月から2025年3月までの3年間にわたる新たな中期経営計画においても引き続き海外事業展開を加速させていくとともに、グローバル企業とのビジネス拡大を図ってまいります。従いまして、国内はもとより世界的な景気動向によっては、当社グループの業績が変動する可能性があります。中国、アジア地域、北中南米、欧州の政治動向又は経済動向は、当社グループの事業機会を拡大させる可能性がある一方で、各国に広がりつつある保護主義、中国や新興国経済の成長鈍化、米中対立の影響による世界経済の減速懸念や世界的な地政学的リスクの発現に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響など、これらの地域における経済活動の停滞は当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。とりわけ中国に偏りつつあったサプライチェーンの再編や米国の政治動向、地域を問わない政治的・経済的紛争により投資が左右されることは当社グループの業績に関わる重要度の高いリスクと認識しております。
当社では、世界4軸体制による海外事業展開に伴い連携を強化した海外各国の当社グループ会社との密なコミュニケーションにより、迅速な情報の入手と展開を行う体制を構築しております。また、事業ポートフォリオの機動性を活かして速やかに事業シフトを行うとともに、政治的不安定地域、経済減速地域の取引先を最大限にサポートすることにより、業績悪化のリスクを最小限にとどめる体制となっております。
(海外売上高比率増大に伴うリスク)
我が国企業は海外市場への進出や生産拠点の海外移転を依然進めております。これに対応し、当社グループも海外拠点の拡充等によりグローバル化を推進し、ビジネスチャンスの拡大を図っております。それに向けて、商社としてのコーディネート力を活かし、国内外の取引先へ日本又は海外の商品及びサービスの提供をサポートするべく、クロスボーダー取引の展開にも注力しております。当連結会計年度における連結売上高に占める海外売上高の割合は前期の46.8%から53.4%へと増加しており、今後も新たな中期経営計画の着実な実行により海外売上高比率は高まっていく傾向にあるものと予想されます。このため、国際的な金融環境、税制、為替レート動向、原油や原材料価格・輸送費用の動向、顧客企業の生産拠点への設備投資動向などが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外での事業活動には予期できない政治体制・経済環境の変動、法律・規制の変更等による社会的混乱等のリスクが存在いたします。
このことに対し当社では、当社グループのグローバルネットワークや幅広い取引先との関係を活かして迅速に情報・動向を把握し、最適な取引形態を選択することにより収益減少のリスクを最小限にとどめるように努めております。
(金利・資金調達に関わるリスク)
当社グループは、取引銀行5行と貸出コミットメント契約を締結し、必要に応じて資金を調達しております。当連結会計年度における当社グループの有利子負債は76億31百万円となっており、今後も運転資金の機動的かつ安定的な調達と金利コストの削減を目指してまいります。しかし、金融市場が不安定な場合や、当社グループの信用力の悪化により格付機関から当社に付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの営業活動の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の売上高及び金利動向によっては金融収支が悪化し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。加えて、国内外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合には、資金調達コストが増大する可能性もあります。
このことに対して当社グループでは、金融機関との良好な関係の継続や、適時の対話による機関投資家との関係の構築と深化に努めるとともに、資金調達先の多様化を図ってまいります。また、不測の事態に備えた資金政策や、良好な財政状態の維持による格付けの維持や向上により、運転資金の機動的かつ安定的な調達、資金調達コストや金利コストの削減に努めてまいります。
(IT・システムリスク)
当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークヘの依存度は年々拡大しており、セキュリティの高度化、コンピュータシステムデータのバックアップ等によりシステムやデータの保護に努めておりますが、自然災害、コンピュータ・ウイルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりシステムや通信ネットワークに甚大な障害が発生した場合、取引先との受発注業務をはじめ、事業活動に支障をきたすほか、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業継続対策の一つとして十分な安全性を備えたデータセンター又はクラウドサービスを利用しシステムやデータの保護を図っており、また従業員が使用するコンピュータ等の末端機器への監視システムを導入することでコンピュータ・ウイルスや不正アクセスへの対応を行っております。電力・通信インフラの不具合による事業活動への影響に対しては、当社グループが定める緊急時対応プランにおいて、速やかに安全な地域に移動し事業停止期間を最短に抑える等の対策を講じております。
(事業の展開に関わるリスク)
当社グループのビジネスモデルは機械メーカーの代理店業に特化したものから、技術革新に伴う取引先工場の生産支援、技術サポート等へとサービスの幅を広げております。それに伴い、モノ(商品)のみの取引からコト(役務)としての取引へと事業範囲が拡大しており、同時に個々の案件の取引規模も拡大しております。とりわけ、リチウムイオン・バッテリー(LIB)に関わる事業においては、その製造における材料工程、製造工程、検査工程などあらゆる装置・役務を取り扱っております。LIB市場については、内燃機関エンジン車の販売禁止が協議されている自動車業界やバッテリー機能の向上・効率化を志向する電子デバイス業界を中心に需要が増加しており、欧州・米州をはじめ世界各国で設備投資が行われております。市場・事業に対するリスクとして、大型工事案件の増加による事故の発生、それに伴う法的責任や費用の発生、技術の陳腐化に伴う市場価値の下落などが想定されます。それらに対し、当社では十分な技量を備えたエンジニアの採用とその人事評価制度の整備、ドイツにおける合弁会社の営業活動推進による欧州EV市場の攻略、経営企画本部内に設置したグローバル戦略推進部門や契約締結に関わる法務・経営管理部門の強化など、リスク回避とビジネスチャンス獲得に向けた市場への対応力、競争力を高める取り組みを行っております。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により増大した、納入設備のリモート立上げ・試運転・検収立会い等に関して、検収後に不具合、要調整項目や未確認項目が発覚し、設備の不具合解消や調整のみならず契約上の責任、費用が発生することが想定されます。そのことに対しては、これまでに積みあがったノウハウのさらなる蓄積、成功事例の迅速な検証とともに、法務・経営管理部門の機能強化を通じて、リスクの回避を図ってまいります。しかしながら、上記を含めリスクを完全に排除することはできず、リスクが発生した場合には当社グループの業績及び財政状態へ影響を及ぼす可能性があります。
(与信リスク)
当連結会計年度末における当社グループの売上債権の合計額は446億70百万円と、総資産の33.8%を占めており、取引先の信用悪化や経営破綻等により損失が発生する信用リスクを負っております。また、得意先からの商品及びサービスの受注に伴い、各種機械・器具等の製造を各仕入先に対して発注しております。これらのことに対し当社グループでは、取引権限やリスク管理に関する規程に則り、与信限度額・成約限度額について必要な承認手続きを行うこと、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証等の取り付けをすること、債権の流動化等のリスクヘッジを講じております。しかしながら、経済環境の悪化等による取引先の流動性危機、連鎖倒産、もしくは特定の大口与信先の経営不安等が発生し債権等が回収不能になった場合など、発生しうるリスクを完全に排除することはできず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(長期戦略や中期経営計画におけるリスク)
当社グループは、長期の成長戦略、また2022年度からの新たな中期経営計画を策定いたしました。これらの戦略や計画は中長期に及ぶことから、従来の事業においてここに記載しているリスクが潜在する期間も中長期にわたることに加え、積極的に推進を図っていく事業関連投資やその他投資においても、十分な効果が現れなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、先般より機能を強化している経営企画部門を中心として投資検討能力の向上によるリスクの最小化を図っており、投資実行後は、定期的検証に基づく進捗分析、変更是非の検討と判断、速やかな開示を行ってまいります。
(災害リスク)
地震、台風、火災、感染症の流行等の災害発生により、当社グループの事務所、工場、役職員などに対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。当社グループでは事業継続計画基本書を策定しており、加えてこれらの災害に対するリスク管理マニュアルの作成、安否確認システムの導入、防災訓錬などの対策を講じてきております。しかしながら、これらによって災害による被害を完全に回避できる保証はなく、重大な被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影轡を及ぼす可能性があります。また、災害により当社グループの主要な取引先に重大な被害が発生した場合には、取引先の営業・生産活動の停滞が当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。
(気候変動リスク)
昨今大きな影響が懸念されている気候変動に関して、当社グループでは、TCFDの提言にある種々のリスクが、当社グループのみならずサプライチェーンにおいても重要な影響を及ぼすものと認識しており、税負担の増大等による直接的かつ財務的な影響のみならず、取扱商品・製品の技術的問題や市場での需要の減少、それに伴う企業評価の低下等が当社グループの業績及び財政状態を悪化させる要因となる可能性があります。当社グループではこの課題を専門的に取り扱う組織体を設置し、シナリオの設定や影響額の算定、また継続的なモニタリングを行っていくと同時に、当社グループの置かれたサプライチェーンにおいて、環境配慮製品やサービスを当社グループのお客様であるものづくり企業へ提供することにより、脱炭素社会の実現と環境課題に積極的に取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、IT関連需要、脱炭素化の加速、SDGs達成に向けた需要といった具体的な動き、加えて設備投資や輸出の回復基調、景気回復への期待感が根底にあったものの、依然続く新型コロナウイルス感染症の拡大とそれに伴う行動制限、半導体の供給不足、原材料価格の高騰、自動車の減産、地政学的リスクの顕在化などによりそれらが押し下げられる形となりました。原材料価格の高騰、年度末にかけての円安基調が最終販売価格の値上げ圧力を高めていることから、全体として景気停滞・後退への警戒感が強まっております。
このような状況の中で、当社グループでは中期経営計画「FACE2021」の最終年度として、計画当初に掲げた「次世代型エンジニアリング商社」に向けた基礎固めとする総仕上げを図りました。営業活動においては次世代エネルギーに特化したエナジーソリューションズ事業本部、エンジニアリングセンターの新設、脱炭素や脱プラスチックス、医療などの社会課題をテーマとしたビジネスの推進、海外においては中国を中心に現地主導ビジネスの拡大に成果が出始めました。コーポレート領域においては、次世代を担う人材育成、働きがいの向上を目的とした新人事制度の導入、持続的な社会を実現するためのサステナビリティ基本方針の制定と当社におけるマテリアリティの特定などにも取り組みました。その結果、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として続く中にあっても業績は年度を通じて堅調に推移し、当連結会計年度の売上高は、1,480億75百万円(前期は1,400億29百万円)となりました。
売上原価は、1,239億36百万円(前期は1,185億72百万円)となりました。なお、売上総利益率は、プラント・エネルギー事業の粗利益率向上などにより、前期の15.3%から16.3%へと増加しました。この結果、売上総利益は241億38百万円(前期は214億57百万円)となりました。
販売費及び一般管理費は、給与をはじめとして人件費が増加したため、15億44百万円増加の172億71百万円(前期比9.8%増)となりました。
この結果、営業利益は11億36百万円増加の68億66百万円(前期比19.8%増)となり、営業利益率は前期の4.1%から4.6%へと増加しました。
営業外損益においては、営業外収益は、仕入割引や為替差益が増加したことなどにより2億7百万円増加の11億38百万円(前期比22.2%増)となりました。営業外費用は、匿名組合投資損失や事故関連損失などにより15百万円増加の2億12百万円(前期比8.0%増)となりました。この結果、営業外損益は前期より1億91百万円増加の9億25百万円(前期比26.1%増)となり、経常利益は13億28百万円増加の77億92百万円(前期比20.5%増)となりました。
特別損益においては、特別利益として投資有価証券売却益2億43百万円を計上したものの、特別損失として投資有価証券売却損5百万円を計上したため、差引き2億37百万円の収益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益80億30百万円から法人税等(法人税等調整額を含む)26億56百万円並びに非支配株主に帰属する当期純利益11百万円を差引き、6億8百万円増加の53億63百万円(前期比12.8%増)となりました。
当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前期の9.3%から9.6%へと増加しました。今後も、新中期経営計画の基本方針に則り、さらなる収益性の向上を目指し、自己資本の充実を図りつつ、ROEの維持・向上を目指してまいります。
国内外向けの各種プラント用設備の売上が大幅に減少したため、売上高は118億81百万円(前期は279億円)となり、収益認識会計基準等の適用により、売上高は113億87百万円減少しており、セグメント利益(営業利益)は5億62百万円減少の6億10百万円(前期比48.0%減)となりました。
当連結会計年度においては、環境商品であるバイナリー発電装置の納入案件での大口の売上計上が複数あり、売上高及び利益に貢献したものの、前期にあった石油関連顧客や化学プラント関連顧客に向けた大型設備納入や設備修繕の案件が一段落したことから、減収減益となりました。
本事業では、脱炭素に向けた新たな商材の開拓・提案や、つばめBHB社との資本業務提携をはじめ、環境負荷の低減を図る素材技術の普及促進を進めております。また、VR技術を用いた製造業向けオンライン・遠隔工場視察サービスを行うNEWJI社との業務提携など、コロナ禍で高まった非接触・遠隔作業のニーズに応える取り組みも進めており、時流テーマに先鞭をつける取り組みを活発化させております。
国内外向けリチウムイオン電池製造設備等の売上が大幅に増加したため、売上高は190億4百万円(前期は117億90百万円)となり、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1百万円増加しており、セグメント利益(営業利益)は3億36百万円増加の6億96百万円(前期比93.4%増)となりました。
本事業は、2021年4月より、リチウムイオン電池(LIB)製造関連分野に注力するべく、「エナジーソリューションズ事業」として、プラント・エネルギー事業より独立させたものであります。
当連結会計年度においては、国内顧客向け充放電検査装置及び関連設備の大型長納期案件で売上計上が多くあったことから、大幅な増収増益となりました。
本事業では、これまで欧州が先導していた環境対応自動車や電気自動車の生産に関して、今後は米国においても同様に生産が増大し、ビジネスチャンスが拡大すると見込んでおり、そのことから欧州、米国の双方に注力できる体制を整えました。実際に米国において充放電検査装置や関連設備の引合いが数多く出てきており、当面は好調な業績を継続できるものと期待しております。
プラスチックス製品・食品関連業界向けの成形機及び周辺機器、自動加工機等の売上が増加したため、売上高は192億75百万円(前期は176億82百万円)となり、収益認識会計基準等の適用により、売上高は54百万円減少となりましたが、セグメント利益(営業利益)は7億14百万円増加の6億46百万円となりました。
コロナ禍における巣ごもり需要から食品包装や食品容器の生産が増大し、それに伴ってプラスチックス製品製造設備の販売が好調となったことの他、注力を始めた医療関連分野においてディスポーザブルアイテム製造機器・装置の販売が増大したことにより、業績に顕著な回復が見られました。
本事業では、今後も、既存ビジネスの成長を図るのみならず医療用機器関連分野、またアグリビジネス関連分野への事業領域拡大を推進し、加えて環境問題への対応として生分解性プラスチックス関連の技術開発等を積極的に提案していくことなどにより、ビジネスの拡大を図ってまいります。
IT及びデジタル関連機器製造会社向けの電子部品製造関連設備等の販売が大幅に増加したため、売上高は168億26百万円増加の520億98百万円(前期比47.7%増)、セグメント利益(営業利益)は11億52百万円増加の31億25百万円(前期比58.4%増)となりました。
当連結会計年度においては、前期に引き続き中国顧客向けの半導体実装設備販売が好調であり、加えて国内顧客への大型案件も複数あったことから、大幅な増収増益となりました。
本事業では半導体供給不足、年度末にかけての中国における行動制限、地政学的リスクの顕在化といった懸念材料は依然あるものの、通信システムの高度化やDX化は引き続き世界的規模で進んでいくものと見ており、適切な在庫コントロールにより事業機会損失リスクの回避を図りながら、収益のさらなる向上に努めてまいります。
一方、本事業では、製造業や倉庫業等の企業向けに、自動倉庫やAMR(自律走行搬送ロボット)、ロボットアーム等を活用し、物流の自動化を図るソリューションサービス 「LOGITO(ロジト)」の提供を開始いたしました。国内製造各社において労働人口の減少と超高齢化社会による人手不足が課題となり、ロボットやデジタル技術を活用した自動化・省人化に向けた動きが加速している中、本事業では工場や倉庫等において実際の稼働現場の分析から支援し、構内物流の自動化を実現するソリューションサービスを立ち上げ、事業領域の拡大、新たな収益の獲得を図ってまいります。
自動車関連業界向けの自動組立ライン、塗装ライン、車載電子部品製造関連設備等の売上が増加したため、売上高は319億80百万円(前期は314億21百万円)となり、収益認識会計基準等の適用により、売上高は57百万円減少となりましたが、セグメント利益(営業利益)は2億46百万円増加の12億38百万円(前期比24.8%増)となりました。
当連結会計年度では中国において現地企業向けの取引が増大し、また新規顧客を獲得し取引が増大したことが要因となり、大幅ではないものの増収増益となりました。国内顧客に対する塗装ライン大型案件、米州での各種自動車製造関連設備の大口売上計上があったことも売上高及び利益の増大に寄与しております。
本事業では当連結会計年度中盤まで業績が低調に推移しておりましたが、業界を自動車の主要セグメントに基づいて細分化し、各セグメントに対応する組織体制を構築しグローバルでの活動を粘り強く行ったこと、またEV(電気自動車)化への投資シフトの中で立ち遅れ気味であった戦略商材、新しいニーズに対応する商材の浸透を加速した結果、年度後半にかけて業績が上昇基調となり、今後に期待が持てる状況となりました。
ヘルスケア事業
錠剤印刷検査装置やパッケージング用機器・装置等の売上が増加したため、売上高は111億89百万円(前期は106億50百万円)となり、収益認識会計基準等の適用により、売上高は9百万円減少となりましたが、セグメント利益(営業利益)は53百万円増加の11億61百万円(前期比4.8%増)となりました。
当連結会計年度においては、コロナ禍により健康意識の高まりが依然続いていることが追い風となり、業績は堅調に推移いたしました。主要商材である錠剤印刷検査機の販売台数が伸びた他、医薬品の包装ラインや健康食品の包装設備においても売上が伸長し、堅調な業績の要因となっております。
本事業では、グループ会社の第一実業ビスウィル㈱(メーカー機能)と㈱第一メカテック(サービス機能)との三位一体の関係から生まれるエンジニアリング力を強みとして、検査工程を含めた生産ラインを一括受注するビジネススタイルとなっており、今後もそのスタイルでの活動を強化し、さらなる収益の向上を図ってまいります。
航空機地上支援機材及び空港施設関連機器等の売上が大幅に減少したため、売上高は24億66百万円(前期は50億57百万円)となり、収益認識会計基準等の適用により、売上高は91百万円減少しており、セグメント損益(営業損益)は4億31百万円減少の79百万円の損失となりました。
本事業では、航空業界を主要な事業領域としながらも、救急・消防や災害対応のための特殊車両といった、社会インフラに貢献する商材についても取り扱いを開始し、それらの商材が拡充してきたことから、2021年4月より、事業の名称を「航空事業」から「航空・インフラ事業」に変更しております。
当連結会計年度はコロナ禍の影響が依然強く、主要な事業領域である航空業界で投資抑制が続いていることから、非常に厳しい業績となりました。今後は、主要顧客の設備投資の回復を待つだけでなく、業界内の変化をビジネスチャンスと捉え、高付加価値、高効率の新商材の開拓とサービスの提供にも注力し、早期の業績回復を図ってまいります。
売上高は75百万円減少の1億79百万円(前期比29.6%減)、セグメント損益(営業損益)は1億20百万円減少の1億18百万円となりました。
注 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用したことにより、前連結会計年度末の受注残高と当連結会計年度の期首受注残高は一致いたしません。
注 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度末の総資産は、122億76百万円増加の1,322億35百万円(前期比10.2%増)となりました。流動資産は121億81百万円増加の1,150億21百万円(前期比11.9%増)、固定資産は94百万円増加の172億13百万円(前期比0.6%増)となりました。
流動資産の増加は、現金及び預金の減少があったものの、受取手形及び売掛金、電子記録債権や商品及び製品の増加が主な要因であります。固定資産の増加は、有形及び無形固定資産の減価償却による減少があったものの、ソフトウエア仮勘定の増加が主な要因であります。
負債の合計は73億98百万円増加の735億12百万円(前期比11.2%増)となりました。流動負債は74億2百万円増加の712億92百万円(前期比11.6%増)、固定負債は3百万円減少の22億20百万円(前期比0.2%減)となりました。流動負債の増加は、仕入債務の支払いによる支払手形及び買掛金の減少があったものの、前受金の増加が主な要因であります。固定負債の減少は、その他固定負債の増加があったものの、長期借入金が減少したことが主な要因であります。
純資産の合計は48億77百万円増加の587億22百万円(前期比9.1%増)となりました。これは主に、配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益53億63百万円を計上したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前期の44.8%から44.3%へと減少しました。
有利子負債は、前期比1億73百万円減少の76億31百万円(前期比2.2%減)となりました。内訳は短期借入金70億82百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、長期借入金3億60百万円、その他1億89百万円であります。長期借入金は新ERPシステム導入に対応するものであります。なお、当連結会計年度末における有利子負債比率(DER)は0.13倍となり、前期の0.15倍から減少しております。
新中期経営計画「MT2024」のビジョンと基本方針に沿って、実施計画を着実に実践しながら、当社グループ全体の資金をグローバルレベルで有効に活用することにより、財務体質のさらなる強化を図ってまいります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、44億84百万円の減少となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は267億82百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、34億26百万円の減少(前期比145億67百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、前受金の増加があったものの、売上債権の増加、棚卸資産の増加があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、4億9百万円の減少(前期比11億36百万円増)となりました。これは主に、定期預金の払い出しがあったものの、固定資産の取得支出があったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、17億42百万円の減少(前期比2億7百万円減)となりました。これは主に、借入金の返済や配当金の支払いがあったことによるものであります。
当社グループの主要な資金は、商品やサービスの購入のために費やされており、他には販売費及び一般管理費、設備並びに新規事業分野への投資、M&Aやアライアンスにも活用しております。これらの資金需要について、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資本並びに銀行その他の金融機関からの短期・長期借入による資金調達にて対応していくこととしております。
資金の流動性については、取引銀行5行と120億円の貸出コミットメント契約を締結し、機動的かつ安定的な調達手段を確保しております。世界情勢の急激な変化等による資金需要に対応するため、また事業の拡大に伴う受注案件の大型化によるリスクに備えるため必要となる資金を十分確保しております。
株主還元については、株主に対する利益還元を経営の重要政策の一つとして位置づけており、今後は親会社株主に帰属する当期純利益の30%を配当性向の目安として、今後の事業展開及び安定配当の継続等を総合的に勘案のうえ、業績に応じた適正な配当を実施してまいります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産及び負債の金額、報告期間における収益及び費用の金額に影響を与えるさまざまな見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験や新型コロナウイルス感染症の影響を含むその時点の状況として妥当と考えられるさまざまな要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社グループの判断の基礎となっております。ただし、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なる可能性があります。
当社グループの経営成績等に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。
当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や、予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、投資有価証券の評価額は影響を受ける可能性があります。
特記事項はありません。
当社グループは、各種機械・器具・部品の販売等を行っておりますが、一部商品につきましては、子会社が開発・設計・製造を行っております。第一実業ビスウィル㈱は外観検査装置・錠剤印刷機を開発・設計・製造しております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
プラント・エネルギー事業
当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。
エナジーソリューションズ事業
該当事項はありません。
産業機械事業
該当事項はありません。
エレクトロニクス事業
該当事項はありません。
自動車事業
当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。
ヘルスケア事業
錠剤印刷外観検査システムでは、TIPS-EX4-CDの機能を強化し、2色印字が可能になりました。これにより印字内容の視認性が向上し、誤飲防止に貢献しております。さらに、600dpiの循環式新型印字ヘッドを搭載し、ドライインクを用いても印字品質と安定性を損なうことなく、高速かつ高精度に印字することに成功しました。既に納入実績もあり、今後販売の拡大が見込まれております。
錠剤外観検査システムでは、増加するデータインテグリティの要望に応えるため、機能強化に注力し、ソフトウェアのブラッシュアップ開発を行いました。昨年発売の新型TVIS-NS-GFについては、データを保証する機能を強化し、お客様がより安心して使用できるシステムとなっております。
画像処理システムでは、画像処理ユニットV-IPUのAI機能の強化を図り、利便性と精度向上に加えて、不良検知箇所の視認性を向上させることで、お客様の現場における生産性向上に貢献しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
航空・インフラ事業
該当事項はありません。
その他
当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。