文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(会社の経営の基本方針)
当社グループは、「協カ一致、堅実運営、積極活動」の社是三原則を掲げ、商事会社として経済社会の流通機構の一翼を担い、以て社会の繁栄に寄与することを目的として協カ一致して積極的に活動し、堅実に連営して企業を安定成長せしめ、株主及び取引先をはじめステークホルダーすべての信頼と期待に応え、相互繁栄を図るとともに役職員の生活の向上、幸福の増進を図ることを基本方針としております。
(中長期的な会社の経営戦略)
当社グループは、2022年度から2024年度までの中期経営計画「MT2024」において、「成長に向けた事業戦略」と「経営基盤の強化」を両軸とし、各種重点施策に取組んでまいりました。
「成長に向けた事業戦略」では、エンジニアリング機能の強化を通じて、大型化・複雑化するプロジェクト案件への現場対応力を向上させるとともに、「モノ×コト売り」の取組を着実に進化させてまいりました。また、事業投資制度の導入や、投資リテラシー向上を図る取組を進め、いくつかの投資案件を実現いたしました。
「経営基盤の強化」では、統合リスクマネジメント室を創設し、リスクに関する共通認識を醸成するとともに、将来のリスク増大を防ぐ意識の向上につなげてまいりました。
これら施策の成果により、2年目にあたる2023年度には最終年度の計画を前倒しで達成いたしました。そして、最終年度である2024年度には、売上高2,217億55百万円、営業利益131億3百万円を達成し、過去最高値を更新いたしました。
2025年度からスタートする新たな中期経営計画「MT2027」では、これらの成果を基に、「成長に向けた事業戦略」と「経営基盤の強化」をさらに深化させるとともに、利益成長と資本効率の一層の向上を目指してまいります。
中期経営計画「MT2024」
(単位:百万円)
注 表中の計画数値は、2022年5月12日に開示しました中期経営計画の数値となります。
新中期経営計画「MT2027」
(単位:百万円)
注 表中の2025年度(計画)以降の数値は、2025年5月9日に開示しました新中期経営計画の数値となります。
成長戦略「V2030」
(単位:百万円)
注 成長戦略「V2030」で掲げた営業利益目標125億円を前中期経営計画「MT2024」で達成したことを
踏まえ、さらなる成長を目指し、営業利益及びROEに関する新たな目標を設定いたしました。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後の我が国経済の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善に伴う個人消費や設備投資が持ち直しつつあるものの、米国の関税措置の影響による景気減速が懸念され、今後の先行きが不透明な状況になっております。当社グループでは、こうした市場環境や顧客動向の変化を注視しつつ、マイナス要因の最小化を図ってまいります。
当社グループは、2030年のあるべき姿「次世代型エンジニアリング商社」の実現に向けて、2022年度から2030年度までを「創造」「成長」「飛躍」と3年ごとに3つのフェーズに位置付け、取組んでおります。2025年度からスタートする新たな中期経営計画「MT2027」では、前中期経営計画でのテーマ「成長に向けた事業戦略」と「経営基盤の強化」をさらに深化させるとともに、利益成長と資本効率の一層の向上を目指します。その実現に向け、「成長を加速する事業戦略」と「変化に対応するレジリエントな経営基盤」をテーマに、「創造」フェーズで築いた基盤を活用しながら、持続可能な「成長」の実現を目指し、以下の目標に取組んでまいります。
I.経営理念と成長戦略「Ⅴ2030」(Ⅴ:Ⅴision)
経営理念
Mission(果たすべき使命)
人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに
Ⅴision(あるべき姿)
<次世代型エンジニアリング商社>
時代の一歩先を行くモノづくりパートナーを目指し、当社のエンジニアリング機能を核として継続的な価値の提供によりグローバルにお客様事業の成長と持続可能な社会の実現に貢献します。
Ⅴalue(価値基準)
<信頼> 社内外の関係者と協調し、ステークホルダーからの期待や社会的責任と当社目標を一致させながら、
やりがいに溢れ、個人が尊重され、成長を実感できる会社を目指します。
<成長> 独自のエンジニアリング機能によるモノづくりへの貢献とともに、積極的な成長市場への投資・
事業領域の拡大により継続的な成長を目指します。
<貢献> 経営の透明性と会社の継続的な品質の向上を通じて、重要な社会課題に積極的に取り組むことで
持続可能な社会の実現に貢献します。
これら経営理念を実現させるため、6つの基本戦略と2030年度の目標を掲げました。
1.「Ⅴ2030」 基本戦略
① 積極的な投資
② PL経営+BS経営
③ マルチステークホルダーを意識した経営
④ モノ売りから「モノ×コト」売り
⑤ グローバルの成長を取り込む
⑥ DX推進
2.「Ⅴ2030」 定量目標(連結)
売上高:300,000百万円、営業利益:18,000百万円、ROE:10%以上
※成長戦略「V2030」で掲げた営業利益目標125億円を前中期経営計画「MT2024」で達成したことを踏まえ、さらなる成長を目指し、営業利益及びROEに関する新たな目標を設定いたしました。
Ⅱ.新中期経営計画「MT2027」(MT:Medium-Term Business Plan)
定性目標
1.成長を加速する事業戦略 2.変化に対応するレジリエントな経営基盤
① 事業ポートフォリオの最適化 ① 人的資本の価値向上
② 事業投資の推進 ② 資本効率の最大化
③ グローバルビジネス拡大 ③ ガバナンスとリスク管理の強化
④ エンジニアリング機能の拡充 ④ DXでのイノベーションと競争力強化
今後とも、役職員が法令はもとより社会的規範を遵守するため「第一実業グループ行動規範」に則り行動し、企業としての社会的責任を果たすとともに社会に貢献していくことにも注力してまいります。
1 サステナビリティ全般
当社グループは、「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」を経営理念に掲げ、新しい時代を担う商社として、世界の様々な現場に寄り添うビジネスを展開しております。経営基盤を強化し、環境、社会・経済、ガバナンスの重要課題に、事業活動を通じて積極的に取り組むことで企業価値を高めてまいります。さらに、当社グループは、企業の社会的責任を果たしながら持続的かつ利益ある成長を追求し、ステークホルダーの皆さまとともに発展していくことを目指してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、持続的な成長を続けていくことを目的として、2022年4月にサステナビリティ推進委員会(現 サステナビリティ委員会)を設置し、年に2回サステナビリティ委員会を開催し、気候変動を含むサステナビリティに関する事項を審議しております。
同委員会は、代表取締役社長執行役員を委員長とし、上席執行役員がサステナビリティ推進責任者を務め、社内の取組を定期的にモニタリングし、今後の取組に対する審議・検討を行っております。審議内容については経営会議及び取締役会に報告され、社外取締役の視点による意見も取り入れた上で、サステナビリティの取組の評価を行っております。
また、2023年4月にサステナビリティ推進部を設置し、サステナビリティ推進責任者のもと同委員会の事務局を担うとともに、当社グループ全体における取組を加速させております。
<サステナビリティ委員会の取組(2024年度議論内容)>
・女性活躍推進プロジェクト
・実効性のあるBCPに向けた取組
・TCFDシナリオ分析について
・人権尊重への取組
・環境マネジメントシステム(EMS)を活用した推進活動
・リスクマネジメントに関する事項
・マテリアリティの見直しについて
・企業価値向上について
当社グループのリスク管理は、リスク管理委員会を中心として行われ、サステナビリティに係るリスクについても、同委員会の議案として取り上げられております。ただし、気候変動をはじめとする、サステナビリティの観点で重要度の高い機会・リスクについて、サステナビリティ委員会で管理・モニタリングを行っております。また、リスク管理委員会は、リスク管理を効果的かつ効率的に実施するために、リスク管理規程に基づき、その他のリスクと合わせて、当社グループ戦略に沿った気候変動リスク及び機会の管理を行っております。
持続的な成長を維持していくために、2022年度にマテリアリティを特定しました。しかし、近年、当社グループを取り巻く外部環境は急激に変化し、複雑さを増しております。こうした状況下で、持続的な成長を続けるためには、正確な課題認識及び経営戦略と一体となったマテリアリティの特定が重要と考え、新中期経営計画MT2027の初年度となる2025年度(2025年4月)に、マテリアリティの見直しを行いました。
STEP1:SDGsやISO26000等の国際的なガイドラインを参照しつつ、ステークホルダーの視点と、当社
グループにおける各セグメントの事業戦略をもとに課題を広範囲に抽出し、環境(E)、社会・経済
(S)、ガバナンス(G)の側面で分類しました。
STEP2:STEP1でリストアップした課題について、ステークホルダーにとっての重要度(縦軸)と当社グルー
プにとっての重要度(横軸)の2軸からなるマトリックスを用い、重要性の高い課題から並べて優先順位付けを行いました。
STEP3:重要課題を類似項目ごとに整理し、5つのマテリアリティ要素にまとめ、各マテリアリティに対して
リスクと機会の検証を行いました。
STEP4:各マテリアリティに対して、成長戦略「V2030」の目標達成に向けての目指す姿を設定いたしま
した。
STEP5:サステナビリティ委員会、経営会議及び取締役会にて意見交換を行い、妥当性を確認いたしました。
取締役会での審議を経て承認を得たマテリアリティは、以下のとおりであります。
・モノづくり現場における新たな価値の創造
・エンジニアリング機能強化によるソリューションの高付加価値化
・働く環境の整備と多様な人材の確保、育成
・気候変動への取組とサプライチェーンマネジメント
・ガバナンスの拡充
各マテリアリティに対する目指す姿は以下のとおりであります。マテリアリティへの取組や指標については、今後開示を進めてまいります。
2 気候変動
気候変動のガバナンスは「1 サステナビリティ全般 (1) ガバナンス」をご参照ください。
気候変動のリスク管理は「1 サステナビリティ全般 (2) リスク管理」をご参照ください。
(3) 戦略
当社グループは、2022年に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の最終報告書(TCFD提言)」への賛同を表明しております。2023年度は、7つの事業ポートフォリオのうち、資源、石油精製、化学分野におけるビジネスが多く、相対的に気候変動による財務的影響を受けやすいプラント・エネルギー事業 (セグメント)を対象とし、気候変動が当社グループの事業活動に与えるリスク及び機会を抽出し、シナリオ分析を実施いたしました。その概要は以下のとおりであります。
■参照したシナリオ
■気候管理のリスク及び機会
注 短期/3年以内、中期/4~9年以内、長期/10年以上
当社グループは、気候変動への取組とサプライチェーンマネジメントをマテリアリティの一つとして特定し、脱炭素社会の実現を目標として掲げております。自社の削減目標として、Scope1、2の削減率を定めるとともに、成長戦略V2030の投資戦略に脱酸素を取り込む等、事業を通じた取組を開始しております。
<具体例>
チリ全土7サイトに、両面発電型のパネル及び一軸追尾型の架台を採用した合計28メガワットの太陽光発電システムを納入いたしました。本プロジェクトはチリをパートナー国とした2022年度の二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism)資金支援事業のうち設備補助事業に採択されたものであり、同国の小規模分散型発電支援制度を活用し、化石燃料由来のグリッドからの電力の一部を再生可能エネルギーに代替することで、年間21,240トンのCO2削減効果が見込まれます。
(4) 指標及び目標
当社グループの気候変動リスクに関する指標及び目標並びに実績は、次のとおりであります。
注 1 Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
2 Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
3 排出量の算定に関しては、当社及び国内外の連結子会社を範囲としておりますが、小規模で全体への影響が
限定的な拠点については除外しております。
4 Scope2は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」で定められた電気事業者別の調整後排出係数(令和5年
度報告用)に基づき算定しております。
また、当連結会計年度は、温室効果ガス排出量の計測範囲の拡大に向けて取り組んでおり、当社グループの資本財、出張、通勤に伴う排出量は下記のとおりであります。
3 人的資本
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
当社グループは、2022年に「人をつなぎ、技術をつなぎ、世界を豊かに」をミッションとする経営理念を制定しており、多様化するニーズにあって、先進的な技術や高品位なサービスを活かした提案力により、「次世代型エンジニアリング商社」をあるべき姿として目指しております。
これらを基に、下記のとおり方針を策定し推進しております。
■人材育成方針
「環境の変化に対応できる、しなやかさと強さを兼ね備えた人材の育成と組織形成」
■社内環境整備方針
「高度専門性」「自律」「多様性」「健康経営」を軸に「採用」「研修・教育」「制度」の深化・充実を図る
(1) 戦略
①人的資本経営戦略
社員一人ひとりを「自ら考え、周囲に働きかけながら、実現に結び付ける」ビジネスパーソン志向を備えた人材とするべく、長期的な視点で育成することで、人的資本への投資と持続的な企業価値向上の両立を目指します。人的資本経営による社員の成長を、当社グループ事業における基礎体力の向上と従業員の労働意欲に結び付けることで会社の成長エンジンとし、当社グループの企業価値向上につなげ、ステークホルダーの皆さまへ還元してまいります。
・当社グループ事業基礎体力の向上
当社グループが目指す「次世代型エンジニアリング商社」の実現を目的に、新入社員には研修の段階から設備納品時に必要とされる項目について安全教育を実施、経験者採用においては高度な資格保有者の採用に注力する等して、さらに専門性を高めてまいります。
・従業員の労働意欲や成長意欲の向上
当社は7つの事業領域で、様々な市場・業界でビジネスを推進していることから顧客や仕入先も多岐にわたり、多様性への理解を深めることが「稼ぐ力」となります。多様性推進を目的とし、女性活躍の環境整備と採用活動の多角化を進め、中核的人材における女性比率の向上と外国籍人材や経験者採用を推進してまいります。
・幹部候補の経営力向上
幹部候補の育成を目的に、実践経験の多角化を進め、国内外の関係会社へ計画的に配置し、経営感覚を持った人材の育成を進めてまいります。
②人材戦略
方針を実現するための具体的な施策は下記のとおりであります。
一般職、総合職の統合
・女性のこれまで以上の活躍に重点を置き、多様な働き方を実現し、働きがいのある環境の整備
・従来の二者択一的な選択肢から、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を選択できる制度に変更
グループ長・部長代理クラスへの残業代支給
・プレーヤー色の強いミドルマネジメント層の役割を再整理し、残業代を支給
・最前線で現場を牽引する社員のモチベーションの向上を図る
部門長研修及び昇格試験への360度評価導入
・評価の公平性の確保
・自らの特性を把握し改善につなげる
・対話を重視した組織づくり
エンジニアの就業・成長環境の整備
・スキルマップを実装し適切なジョブへの任命や長期育成
・海外長期プロジェクトの支援強化
外国籍社員
・提出会社の役割等級制度をモデルに、地域性も重視した人事制度を実装中
・ガバナンス、行動指針、経営理念等を浸透させるための教育
(2) 指標及び目標
人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標
注 1 提出会社を範囲としており、連結グループに占める人員比率は45.1%であります。
単体:661名、連結:1,467名(2025年3月31日現在)
2 社員一人当たりの平均研修時間と職群別研修延べ時間について、2024年度からは各事業部での教育時間を含
めております。
3 「第1 企業の概況 5 従業員の状況」において、主要な連結子会社における女性活躍推進に関する指標
を記載しております。
4 当社においては上記の目標を実現すべく、関連するデータ管理とともに具体的な取り組みが行われているも
のの、連結グループに属する全ての会社では行われていないため、現時点で連結グループにおける記載は困
難であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが数年以内に顕在化する可能性があると判断したリスクでありますが、ここに掲げられている項目に限定されるものではなく、予見が困難なリスクも存在します。そのため、記載内容と実際の結果が異なる場合があります。
(マクロ経済環境の変化によるリスク)
当社グループの主な事業は各種機械・器具・部品の販売及び各種機械・器具の賃貸等であり、国内販売並びに輸出入を行っております。海外においては、2022年4月から2025年3月までの3年間にわたる中期経営計画「MT2024」において、世界4軸体制による海外事業展開を加速させてまいりましたが、2025年4月から2028年3月までの3年間にわたる新たな中期経営計画においても引き続き海外事業展開を加速させていくとともに、グローバル企業とのビジネス拡大を図り、収益力の強化に取り組んでおります。従いまして、国内はもとより世界的な景気動向によっては、当社グループの業績が変動する可能性があります。中国、アジア地域、北中南米、欧州の政治動向又は経済動向は、当社グループの事業機会を拡大させる可能性がある一方で、各国に広がりつつある保護主義、中国や新興国経済の成長鈍化、米中対立の影響による世界経済の減速懸念、世界的な地政学リスクの発現や米国の関税措置の影響による景気減速等、これらの地域における経済活動の停滞は当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。とりわけ中国に偏りつつあったサプライチェーンの再編や米国の政治動向、地域を問わない政治的・経済的紛争により投資が左右されることは当社グループの業績に関わる重要度の高いリスクと認識しております。
当社グループでは、世界4軸体制による海外事業展開に伴い連携を強化した海外各国の当社グループ会社との密なコミュニケーションにより、迅速な情報の入手と展開を行う体制を構築しております。また、事業ポートフォリオの機動性を活かして速やかに事業シフトを行うとともに、政治的不安定地域、経済減速地域の取引先を最大限にサポートすることにより、業績悪化のリスクを最小限にとどめる体制となっております。
(海外売上高比率増大に伴うリスク)
我が国企業は海外市場への進出や生産拠点の海外移転を依然進めております。これに対応し、当社グループも海外拠点の拡充等によりグローバル化を推進し、ビジネスチャンスの拡大を図っております。それに向けて、商社としてのコーディネート力を活かし、国内外の取引先に対して日本及び海外の商品やサービスの提供を支援し、クロスボーダー取引の展開にも注力しております。当連結会計年度における連結売上高に占める海外売上高の割合は前期の48.2%から52.6%へと増加しており、今後も中期経営計画の着実な実行により海外売上高比率は高まっていく傾向にあるものと予想されます。このため、国際的な金融環境、税制、為替レート動向、原油や原材料価格・輸送費用の動向、顧客企業の生産拠点への設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外での事業活動には予期できない政治体制・経済環境の変動、法律・規制の変更等による社会的混乱等のリスクが存在します。
このことに対し当社グループでは、当社グループのグローバルネットワークや幅広い取引先との関係を活かして迅速に情報・動向を把握し、最適な取引形態を選択することにより収益減少のリスクを最小限にとどめるように努めております。
(金利・資金調達に関わるリスク)
当社グループは、取引銀行5行と貸出コミットメント契約を締結し、必要に応じて資金を調達しております。当連結会計年度における当社グループの有利子負債は25億85百万円となっており、今後も運転資金の機動的かつ安定的な調達と金利コストの削減を目指してまいります。しかし、金融市場が不安定な場合や、当社グループの信用力の悪化により格付機関から当社グループに付与されている信用格付が引き下げられた場合等においては、当社グループにとって好ましい条件で適時に資金調達をできる保証はなく、当社グループの営業活動の制約要因となる可能性があるほか、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、今後の売上高及び金利動向によっては金融収支が悪化し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性もあります。加えて、国内外の主要金融市場において大きな混乱が生じた場合には、資金調達コストが増大する可能性もあります。
このことに対して当社グループでは、金融機関との良好な関係の継続や、適時の対話による機関投資家との関係の構築と深化に努めるとともに、資金調達先の多様化を図っております。また、不測の事態に備えた資金政策や、良好な財政状態の維持による格付けの維持や向上により、運転資金の機動的かつ安定的な調達、資金調達コストや金利コストの削減に努めております。
(IT・システムリスク)
当社グループの事業活動におけるシステム・ネットワークヘの依存度は年々拡大しており、セキュリティの高度化、コンピュータシステムデータのバックアップ等によりシステムやデータの保護に努めておりますが、自然災害、コンピュータ・ウイルス、不正アクセス、電力供給の制約や大規模停電、故障や不具合等によりシステムや通信ネットワークに甚大な障害が発生した場合、取引先との受発注業務をはじめ、事業活動に支障をきたすほか、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、事業継続対策の一つとして十分な安全性を備えたデータセンター及びクラウドサービスを利用しシステムやデータの保護を図っており、また、役職員が使用するコンピュータ等の末端機器への監視システムを導入することでコンピュータ・ウイルスや不正アクセスへの対応を行っております。電力・通信インフラの不具合による事業活動への影響に対しては、当社が定める事業継続対応マニュアルにおいて、速やかに安全な地域に移動し事業停止期間を最短に抑える等の対策を講じております。
(事業の展開に関わるリスク)
当社グループのビジネスモデルは機械メーカーの代理店業に特化したものから、技術革新に伴う取引先工場の生産支援、技術サポート等へとサービスの幅を広げております。それに伴い、モノ(商品)のみの取引からコト(役務)としての取引へと事業範囲が拡大しており、同時に個々の案件の取引規模も拡大し、また取引が複雑化、長納期化しております。とりわけ、リチウムイオン電池(LIB)に関わる事業においては、その製造における材料工程、製造工程、検査工程等あらゆる装置・役務を取扱っております。LIB市場については、内燃機関エンジン車の販売禁止が協議されている自動車業界やバッテリー機能の向上・効率化を志向する電子デバイス業界を中心に需要が依然増加しており、欧州・米州をはじめ世界各国で設備投資が行われております。市場・事業に対するリスクとして、大型工事案件の増加による事故の発生、それに伴う法的責任や費用の発生、技術の陳腐化に伴う市場価値の下落等が想定されます。それらに対し、当社グループでは十分な技量を備えたエンジニアの採用とその人事評価制度の整備、経営企画本部内に設置したグローバル戦略推進部門や契約締結に関わる法務・経営管理部門の強化等、リスク回避とビジネスチャンス獲得に向けた市場への対応力、競争力を高める取組を行っております。加えて、ここ数年で増大した、納入設備のリモー卜立上げ・試運転・検収立会い等に関して、検収後に不具合、要調整項目や未確認項目が発覚し、設備の不具合解消や調整のみならず契約上の責任、費用が発生することが想定されます。そのことに対しては、これまでに積みあがったノウハウのさらなる蓄積、成功事例の迅速な検証とともに、法務・経営管理部門の機能強化を通じて、リスクの回避を図っております。しかしながら、上記を含めリスクを完全に排除することはできず、リスクが発生した場合には当社グループの業績及び財政状態へ影響を及ぼす可能性があります。
(与信リスク)
当連結会計年度末における当社グループの売上債権の合計額は516億86百万円と、総資産の30.2%を占めており、取引先の信用悪化や経営破綻等により損失が発生する信用リスクを負っております。また、得意先からの商品及びサービスの受注に伴い、各種機械・器具等の製造を各仕入先に対して発注しております。これらのことに対し当社グループでは、取引権限やリスク管理に関する規程に則り、与信限度額・成約限度額について必要な承認手続きを行うこと、与信先の信用状態に応じて必要な担保・保証等の取り付けをすること、債権の流動化等のリスクヘッジを講じております。しかしながら、経済環境の悪化等による取引先の流動性危機、連鎖倒産、もしくは特定の大口与信先の経営不安等が発生し債権等が回収不能になった場合等、発生しうるリスクを完全に排除することはできず、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(長期戦略や中期経営計画におけるリスク)
当社グループは、長期の成長戦略及び中期経営計画を策定しております。これらの戦略や計画は中長期に及ぶことから、従来の事業においてここに記載しているリスクが潜在する期間も中長期にわたることに加え、積極的に推進を図っていく事業関連投資やその他投資においても、十分な効果が現れなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、機能を強化している経営企画部門を中心として投資検討能力の向上によるリスクの最小化を図っており、投資実行後は、定期的検証に基づく進捗分析、変更是非の検討と判断、速やかな開示を行ってまいります。
(災害リスク)
地震、台風、火災、感染症の流行等の災害発生により、当社グループの事務所、工場、役職員等に対する被害が発生し、営業・生産活動に支障が生じる可能性があります。当社では事業継続計画基本書を策定しており、加えてこれらの災害に対する事業継続対応マニュアルの作成、安否確認システムの導入、防災訓錬等の対策を講じてきております。しかしながら、これらによって災害による被害を完全に回避できる保証はなく、重大な被害が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、災害により当社グループの主要な取引先に重大な被害が発生した場合には、取引先の営業・生産活動の停滞が当社グループの業績を悪化させる要因となる可能性もあります。
(サステナビリティに関するリスク)
昨今大きな影響が懸念されている気候変動に関して、当社グループでは、TCFDの提言にある種々のリスクが、当社グループのみならずサプライチェーンにおいても重要な影響を及ぼすものと認識しており、税負担の増大等による直接的かつ財務的な影響のみならず、取扱商品・製品の技術的問題や市場での需要の減少、それに伴う企業評価の低下等が当社グループの業績及び財政状態を悪化させる要因となる可能性があります。当社グループではこの課題を専門的に取扱う組織体を設置し、シナリオの設定や影響額の算定、また継続的なモニタリングを行っていくと同時に、当社グループの置かれたサプライチェーンにおいて、環境配慮製品やサービスを当社グループのお客様であるものづくり企業へ提供することにより、脱炭素社会の実現と環境課題に積極的に取組んでまいります。また、気候変動に関連する課題以外でも、環境破壊、人権、ダイバーシティ等に関連する様々な基準や市場の変化に伴って当社グループのビジネス領域での需要や競争原理が変化し、それらの変化への対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があると認識しており、グローバル企業が実施する様々なサプライチェーンデューデリジェンスに適合する会社基準の策定に取組んでおります。
なお、当社グループでは、上述した項目をはじめとした事業推進上のリスクを統合的に取扱う実務専門部署を設置しており、複数の階層によりリスクの監視・管理を行う統合リスクマネジメント体制を整備しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国経済は、半導体需要の回復、好調なインバウンド需要、価格転嫁の進展、雇用・所得環境の改善や設備投資が持ち直しつつあること等から、緩やかな回復基調となりました。しかしながら、地政学リスクの増大に加えて、関税引き上げ等米国における新政権の経済政策動向、原材料費・人件費といった各種コスト増大や物価上昇による消費マインドの低迷への懸念等、不安定な情勢を背景に依然として先行き不透明な状況となっております。
このような状況の中、当社グループでは中期経営計画「MT2024」の最終年度にあたり、持続的成長を実現するため、「エンジニアリング機能の強化」「戦略的事業投資」「グローバル企業とのビジネス拡大」「DX強化」を着実に遂行してまいりました。
エンジニアリング機能の強化を目的に、人材の確保・育成に注力し、プロジェクト管理体制の充実を図りました。合わせて、多くの外国籍企業からの引き合いを獲得する等、時流に沿った新しいビジネスモデルの確立に取組み、成果を上げることができました。
また、全役職員が活躍できる環境づくりを目的とするプロジェクトを立ち上げ、女性活躍推進に取組むことで、本業による経済的価値の創出に加え、社会的価値も高めながら企業価値の向上にも努めてまいりました。
この結果、業績は年度を通じて好調に推移し、当連結会計年度の売上高は、2,217億55百万円(前期比18.1%増)となりました。
売上原価は、280億73百万円増加の1,839億84百万円(前期比18.0%増)となりました。なお、売上総利益率は、前期と同水準の17.0%で推移しました。この結果、売上総利益は58億91百万円増加の377億71百万円(前期比18.5%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、エンジニアリング機能の強化等に向けた積極的な人材投資のため、給与をはじめとした人件費が増加したこと等により、18億78百万円増加の246億68百万円(前期比8.2%増)となりました。
この結果、営業利益は40億12百万円増加の131億3百万円(前期比44.1%増)となり、営業利益率は前期の4.8%から5.9%へと増加しました。
営業外損益においては、営業外収益は、受取配当金が増加したことにより5百万円増加の12億40百万円(前期比0.5%増)となりました。営業外費用は、為替差損が減少したこと等により5億74百万円減少の7億46百万円(前期比43.5%減)となりました。この結果、営業外損益は前期より5億80百万円増加の494百万円の収益となり、経常利益は45億93百万円増加の135億97百万円(前期比51.0%増)となりました。
特別損益においては、特別利益として投資有価証券売却益1億86百万円を計上したものの、特別損失として投資有価証券評価損1億6百万円等を計上したため、差引き78百万円の利益(前期比94.7%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益136億76百万円から法人税等(法人税等調整額を含む)47億95百万円並びに非支配株主に帰属する当期純利益39百万円を差引き、13億80百万円増加の88億41百万円(前期比18.5%増)となりました。
当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前期の10.9%から11.6%へと増加しました。今後も、新中期経営計画の基本方針に則り、さらなる収益性の向上を目指し、自己資本の充実を図りつつ、ROEの維持・向上を目指してまいります。
国内外向けの各種プラント用設備やバイオマス発電所向け設備、地熱・天然ガス開発向け機材等の売上が大幅に増加したため、売上高は81億33百万円増加の238億56百万円(前期比51.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は14億36百万円増加の18億43百万円(前期比353.1%増)となりました。
海外向けリチウムイオン電池製造設備等の大口案件の売上計上があったため、売上高は199億12百万円増加の541億1百万円(前期比58.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は16億51百万円増加の26億84百万円(前期比159.7%増)となりました。
プラスチックス製品・食品関連業界向けの成形機、塗装関連設備及び周辺機器、医療関連器具製造装置等の売上が増加したため、売上高は16億7百万円増加の295億5百万円(前期比5.8%増)となりましたが、粗利率の低下により、セグメント利益(営業利益)は1億85百万円減少の8億90百万円(前期比17.2%減)となりました。
中国経済低迷の影響もあり、IT及びデジタル関連機器製造会社向けの電子部品製造関連設備等の販売が減少したため、売上高は3億97百万円減少の500億44百万円(前期比0.8%減)となり、セグメント利益(営業利益)は1億78百万円減少の26億94百万円(前期比6.2%減)となりました。
自動車関連業界向けの自動組立ライン、塗装ライン、車載電子部品製造関連設備等の売上が増加したため、売上高は19億23百万円増加の407億42百万円(前期比5.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は3億12百万円増加の21億86百万円(前期比16.7%増)となりました。
ヘルスケア事業
医療関連機器製造装置、錠剤印刷検査装置、自動包装ライン設備等の売上が増加したため、売上高は29億61百万円増加の157億42百万円(前期比23.2%増)となり、セグメント利益(営業利益)は6億58百万円増加の16億56百万円(前期比66.0%増)となりました。
航空機地上支援機材及び空港施設関連機器等の売上が増加したため、売上高は1億10百万円増加の76億39百万円(前期比1.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は20百万円増加の5億11百万円(前期比4.1%増)となりました。
売上高は2億87百万円減少の1億22百万円(前期比70.1%減)、セグメント利益(営業利益)は20百万円減少の4百万円(前期比82.6%減)となりました。
注 セグメント間取引については、相殺消去しております。
注 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
りであります。なお、最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実
績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
当連結会計年度末の総資産は、224億21百万円減少の1,713億73百万円(前期比11.6%減)となりました。流動資産は216億49百万円減少の1,499億40百万円(前期比12.6%減)、固定資産は7億72百万円減少の214億33百万円(前期比3.5%減)となりました。流動資産の減少は、未収入金や電子記録債権の増加があったものの、前渡金や受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことが主な要因であります。固定資産の減少は、有形及び無形固定資産の減価償却による減少のほか、時価評価による投資有価証券の減少及び退職給付に係る資産の減少が主な要因であります。
負債の合計は288億32百万円減少の915億21百万円(前期比24.0%減)となりました。流動負債は291億16百万円減少の877億77百万円(前期比24.9%減)、固定負債は2億84百万円増加の37億43百万円(前期比8.2%増)となりました。流動負債の減少は、未払金の増加があったものの、前受金や支払手形及び買掛金が減少したことが主な要因であります。固定負債の増加は、繰延税金負債が増加したことが主な要因であります。
純資産の合計は64億10百万円増加の798億52百万円(前期比8.7%増)となりました。これは、配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益88億41百万円の計上や、為替換算調整勘定が増加したことが主な要因であります。純資産が増加した一方で、総資産は減少した結果、自己資本比率は前期の37.8%から46.5%へと増加しました。
有利子負債は、前期比47億53百万円減少の25億85百万円(前期比64.8%減)となりました。内訳は短期借入金22億20百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、その他3億65百万円であります。なお、当連結会計年度末における有利子負債比率(DER)は0.03倍となり、前期の0.10倍から減少しております。
新中期経営計画「MT2027」のビジョンと基本方針に沿って、実施計画を着実に実践しながら、当社グループ全体の資金をグローバルレベルで有効に活用することにより、財務体質のさらなる強化を図ってまいります。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、36億65百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は338億82百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、115億94百万円の増加(前期比132億99百万円増)となりました。これは主に、前受金や仕入債務の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上、前渡金や売上債権及び契約資産の減少があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、12億90百万円の減少(前期比8億11百万円減)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入があったものの、有形・無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出があったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、76億90百万円の減少(前期比68億29百万円減)となりました。これは主に、短期借入金の返済や配当金の支払いがあったことによるものであります。
当社グループの主要な資金は、商品やサービスの購入のために費やされており、他には販売費及び一般管理費、設備並びに新規事業分野への投資、M&Aやアライアンスにも活用しております。これらの資金需要について、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資本並びに銀行その他の金融機関からの短期・長期借入による資金調達にて対応していくこととしております。
資金の流動性については、取引銀行5行と100億円の貸出コミットメント契約を締結し、機動的かつ安定的な調達手段を確保しております。世界情勢の急激な変化等による資金需要に対応するため、また、事業の拡大に伴う受注案件の大型化によるリスクに備えるため必要となる資金を十分確保しております。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
特記事項はありません。
当社グループは、各種機械・器具・部品の販売等を行っておりますが、一部商品につきましては、子会社が開発・設計・製造を行っております。第一実業ビスウィル㈱は外観検査装置・錠剤印刷機を開発・設計・製造しております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
各セグメントの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
プラント・エネルギー事業
該当事項はありません。
エナジーソリューションズ事業
該当事項はありません。
産業機械事業
該当事項はありません。
エレクトロニクス事業
該当事項はありません。
自動車事業
該当事項はありません。
ヘルスケア事業
日本の医薬品業界では、品質や供給の安定化に加え、少子高齢化による人手不足の深刻化により、検査システムの高度化が強く求められております。こうしたニーズに応えるべく、当連結会計年度は新機種を2種類リリースすることに成功いたしました。
1つ目は錠剤印刷機検査システムの最新型TIPS-FRであります。業界最高峰となる、1時間当たり最大70万錠の印刷検査処理能力を達成いたしました。検査撮像系のリニューアルや搬送の新技術搭載等技術革新を行い、最高峰の処理能力を備えながら、高精度印字と高性能検査を実現いたしました。また、生産量に応じて1列型、2列型とシステムの大きさを選択できることも特徴の一つであります。既に納入実績があり、現在は複数の引合を入手しており、今後の医薬品の安定供給に貢献することが期待される製品であります。
次に透明ソフトカプセルの自動検査ニーズに応えるため、ソフトカプセル検査システムCVIS-NS-GF型を開発、リリースいたしました。特徴は、シームのある透明ソフトカプセル、不透明ソフトカプセルの両方を高精度に検査できることであります。錠剤外観検査システムと同一の筐体を使用しており、錠剤外観検査の豊富な実績で培ったバリデーション基準を有しております。そのため、医薬品のみならず、健康食品の検査ニーズにも応えられる製品であり、既に納入実績を作ることができました。
研究開発面では、現在、錠剤成分検査に関して製薬企業や光源メーカーと共同開発を進めております。これは、赤外光を錠剤に照射し、その透過光の吸収率から成分量を検査する仕組みであります。錠剤の有効成分量を超高速に非破壊で全数検査することで、医薬品の成分量の品質確保に貢献できます。現在、プロトタイプの機械で有効性を確認しており、今後の製品展開を目指しております。
当連結会計年度における研究開発費の金額は
航空・インフラ事業
該当事項はありません。
その他
当セグメントに係る研究開発費は軽微であるため、記載を省略しております。