文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであり、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
当社は、2021年5月に2024年3月期(2023年度)までの3カ年を計画期間とする中期経営計画を策定し、掲げた重点戦略に基づき事業活動を展開してまいりました。当該計画期間においては、ウッドショックをはじめ、ウクライナ情勢や資源エネルギー価格の高騰、急激な円安の進行などにより不確実性が高まり、当社の経営環境は大きく影響を受けました。そのような環境の下、当社は2023年3月期(2022年度)において、計画の最終年度の定量目標を前倒しで達成することができました。
このたび当社は、経営環境の変化を新たな企業価値創造の機会と捉え、2024年3月期(2023年度)を初年度とする新たな「中期経営計画2023」を策定いたしました。「樹とともに、人と暮らしをつなぎ、はぐくみ、彩りある未来をつくります」を社会的存在意義と定義し、地球温暖化対策として重要な役割を担う森林資源の循環利用に向け、当社のルーツであり、エコマテリアルである木材の利活用の推進等を通じて、経済価値のみならず、社会価値及び環境価値の向上と社会課題解決の一翼を担うべく、本計画に掲げた諸施策を確実に実行していくことで、持続的な成長及び更なる企業価値の向上を実現してまいります。
本中期経営計画は、主要事業である建築資材事業における国産木材比率の上昇を見据えた強固なサプライチェーンの構築や住宅事業における免震マンションの供給拡大等により、本計画最終年度である2026年3月期は売上高2,800億円、営業利益80億円、経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益50億円を定量目標としております。
ROICについてはWACCを超える水準値である5%以上を目標としております。
※1 D/Eレシオ:(社債+借入金)/(株主資本+その他の包括利益累計額)
※2 ROIC:(営業利益―法人税等合計)/(社債+借入金+株主資本+その他の包括利益累計額)
基本方針
① 素材
我が国の潤沢な資源であり、地球温暖化対策として重要な役割を担う木材の取扱いを強化するほか、建築物の省エネ化・ゼロエネ化に資する商品やサービスの提供を推進し、温室効果ガスの排出削減に努めます。
② 暮らし
ストック型社会の形成に向け、耐震・健康・省エネに配慮した良質で長寿命な住まいづくりを推進し、「横浜」を基盤とする住宅ストックサービスの拡充と既存住宅流通に係る事業の比重を高めます。
③ 人
従業員の自主性・主体性の向上、更には、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進するとともに、「働きがい」と「働きやすさ」を高め従業員エンゲージメントの向上に努めます。
(4) 設備投資
2022年10月に運用を開始した当社グループにおける首都圏最大の物流センター「関東物流センター(埼玉県入間郡越生町)」を皮切りに、首都圏物流体制の再構築及び強化を図るべく2025年度の竣工を目指し「越谷物流センター(埼玉県越谷市)」の建替計画の立案に着手しました。外環道に近い利便性の高い立地を生かし、アッセンブル機能及び現場物流機能を強化し、広域ビルダーとの取引拡大を図ります。
また、YOUテレビ株式会社では、2021年より光ファイバーを幹線として一般個人宅へ直接引き込むことで大容量・超高速通信を可能とするFTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)化に向けた設備投資を実施しております。第1工区(横浜市鶴見区)に続き、2023年3月には第2工区(横浜市港北区・神奈川区)の工事が完了しました。引き続き2024年3月の最終第3工区(川崎市川崎区・幸区)工事完了に向けて推進してまいります。これにより、同社の情報配信及び通信環境サービスの充実を図るとともに、住宅事業における住宅ストックの活用及び既存住宅流通に係る事業等とのシナジーに活かしてまいります。
(5) 会社の対処すべき課題
※1 国産木材の利用による炭素貯蔵量等の「削減貢献量」や、社有林の二酸化炭素吸収量によるオフセットを含みます。
※2 社有林の二酸化炭素吸収量によるオフセットを含みます。
2050年にバリューチェーン全体でカーボンニュートラル実現を目指してまいります。その足掛かりとして、2026年にナイスグループの事業活動における二酸化炭素排出量の削減等を通じて、Scope1(直接排出)・Scope2(エネルギー使用に伴う間接排出)のカーボンニュートラルの達成を目指します。そして、2030年にScope3(サプライチェーンで発生するその他の間接的排出)を含め、ナイスグループのサプライチェーンにおけるカーボンニュートラルを目指します。
木材の取扱い強化、建築物の木造化・木質化の推進などに注力するとともに、これらの利益を山元に還元することで再造林を推進し、森林資源の循環利用を実現します。また、社有林「ナイスの森」の保有面積及び植林面積の拡大による二酸化炭素吸収量の増大、再エネ由来電力への切り替え等を推進してまいります。環境目標を具現化に導くPDCAを回す軸としてサステナビリティ委員会を設置し、環境経営への取組みに努め、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般への対応
① サステナビリティに関する考え方
当社は、持続的な成長及び更なる企業価値の向上を目指し、社会的存在意義として『樹とともに、人と暮らしをつなぎ、はぐくみ、彩りある未来をつくります』を掲げております。従業員をはじめとしたステークホルダーの「彩りある未来」の実現を目指し、社会的存在意義をサステナブル推進方針と位置付けることで、サステナビリティへの取組みをより一層強化するとともに、経営の中核にサステナビリティ視点を導入し、事業成長と社会のサステナビリティへの貢献の両立を実現してまいります。
当社は、人と環境に優しい自然素材である「木」の普及と、地震に強い構造の住まいづくり及び健康で快適な居住空間づくりを推進しております。これらの活動を通じて、環境問題や地域社会・経済における課題解決に取り組むことで、会社の持続的な成長の実現及び更なる企業価値の向上を目指しております。このような方針のもと、当社の取締役会は、サステナビリティに関するリスク及び機会について監督を行うこととしております。
また、当社代表取締役社長を委員長とし、各部門責任者などにより構成される「サステナビリティ委員会」を設置しております。同委員会は、気候変動への対応を含むサステナビリティに関する事項全般を統括し、マテリアリティの特定及び目標設定、進捗確認などについて審議を行い、重要事項は取締役会へ報告・提言を行います。
当社は、持続的な成長に向けて優先的に取り組むべき課題として、以下のとおり「素材」「暮らし」「人」の三つのテーマからなる九つのマテリアリティを特定しております。この三つのテーマを、2023年5月12日に公表した「中期経営計画2023」における基本方針として位置付け、同方針に基づく戦略を策定することで、経営戦略との統合を図ってまいります。
当社グループのマテリアリティ(重要課題)
サステナビリティ委員会委員から報告されたサステナビリティに関するリスクと機会について、同委員会が当社グループの事業や財務状態に対する影響を検討し、その重大性の評価を実施しております。また、評価したリスクの最小化と機会の獲得に向けた施策を策定するほか、その施策に関わる各部署の実施状況について報告を受け、実施状況の監督を行っております。
なお、同委員会において検討されたリスクや機会及びそれらに対する施策のうち、重要事項は取締役会に報告することとしております。
当社は今後、マテリアリティの達成に向けて、マテリアリティごとにKPI及び目標を設定し、達成度についてモニタリングを進めてまいります。なお、「中期経営計画2023」において、最終年度となる2026年3月期における到達目標を掲げております。詳細については、
(2) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応
① 気候変動に関する考え方
当社は、マテリアリティに係るテーマとして「素材 カーボンニュートラル社会の実現に向けて」を掲げるなど、気候変動への対応を経営上の重要課題として認識し、木材の流通をルーツとする企業として、国内の豊富な森林資源の循環利用によって課題解決に貢献すべく、住宅・建築物の木造化・木質化の推進等を通じて木材の利用促進を図っております。併せて、住宅・建築物の省エネ化・ゼロエネ化に資する環境配慮型商品やサービスの提供により、温室効果ガス排出量の削減に貢献するなど、事業活動による気候変動対策を推進しております。
当社のTCFDに関する開示情報の詳細については、当社ホームページをご参照ください。
URL https://www.nice.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/05/20230512_TCFD.pdf
② ガバナンス・リスク管理
気候変動に関するガバナンス・リスク管理は、サステナビリティのガバナンス・リスク管理に組み込まれております。詳細については、「(1) サステナビリティ全般への対応 ②ガバナンス 及び ④リスク管理」に記載しております。
③ 戦略
当社グループにおいて主要な売上高を占める、当社の木材の販売、建材及び住宅設備機器の販売、一戸建住宅及びマンションの分譲の3分野における2030年の気候変動の影響について、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析により特定した、当社における重要度が高い気候変動リスク及び機会は以下のとおりであります。
当社の3分野における主要な気候変動リスク及び機会
顕在化時期は短(2025年まで)・中(2026年から2030年まで)・長(2031年以降)の3段階、事業への関連度合いは●(大いに関連がある)、▲(関連がある)、―(あまり関連がない)の3段階、影響度は財務へのインパクトの大きさを鑑みた1~5の5段階で評価しております。
④ 指標と目標
a 環境目標
当社は、お取引先様やお客様をはじめとしたステークホルダーとの連携によって、バリューチェーン全体での温室効果ガスの排出量について、2050年までに実質ゼロにすることを宣言し、以下のとおり「ナイスグループ環境目標」を策定しております。
ナイスグループ環境目標
※1 国産材の利用による炭素貯蔵量等の「削減貢献量」や、社有林の二酸化炭素吸収量によるオフセットを含みます。
※2 社有林の二酸化炭素吸収量によるオフセットを含みます。
b 温室効果ガス排出量の実績
当社は、GHGプロトコルに則り、当社グループにおける事業活動に伴う温室効果ガス排出量の算定をしております。2022年3月期における当社グループの温室効果ガスの排出量は、以下の「2022年3月期におけるScope1・Scope2の実績」に記載のとおりであります。また、当社は、全国8カ所に社有林「ナイスの森」を所有しており、本社有林の二酸化炭素吸収量は7,417t-CO2となっております。
今後、Scope1・Scope2の合計値を2022年3月期比で36%削減するなど、「2026年目標」の達成を図ってまいります。
なお、2023年3月期における温室効果ガスの排出量については、算出終了後に
2022年3月期におけるScope1・Scope2の実績(※3)
※3 ナイス株式会社及び国内にある子会社29社を対象に算出した排出量であります。
(3) 人的資本への対応
① 人的資本に関する考え方
当社は、人材こそが当社グループの最大の財産であり、人材の成長がグループの成長の源泉であるという考えのもと、かねてより従業員の「働きやすさ」と「働きがい」の向上に努めてまいりました。加えて、2023年5月12日に公表した「中期経営計画2023」では、企業価値の向上に向けて、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進することにより、性別・国籍・年齢・障がい・価値観・雇用形態などにかかわらず、多様な人材一人ひとりがそれぞれの個性を活かし、自らの能力や強みを発揮し活躍する「主体的な風土の確立」を成長牽引策に掲げました。
② ガバナンス・リスク管理
人的資本に関するガバナンス・リスク管理は、サステナビリティのガバナンス・リスク管理に組み込まれております。詳細については、「(1) サステナビリティ全般への対応 ②ガバナンス 及び ④リスク管理」に記載しております。
③ 戦略
a 従業員の処遇面の見直し
当社は、従業員とその家族の生活を支え、活力をもって、かつ安心して仕事に取り組めるよう、2023年4月に、消費者物価指数の上昇並びに日本労働組合総連合会(連合)及び一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が公表した2023年春季労使交渉における交渉方針を踏まえた水準の賃上げ(ベースアップ及び定期昇給)を実施いたしました。加えて、従業員が安心して長く働ける、また、働きたいと思えるような魅力ある会社づくりを進めるため、同じく2023年4月に、役職定年制を廃止するとともに定年後の継続雇用制度における処遇改善を実施いたしました。今後、定年延長についても検討を進めてまいります。
b エンゲージメントスコアの向上
エンゲージメントサーベイを導入し、従業員一人ひとりが自らの能力や強みを発揮できる状態を実現できているかどうかを可視化し、課題を特定するとともに、課題解決に向けた施策を実行することでスコアの向上に取り組んでまいります。
c タレントマネジメントシステムの構築並びにサクセッションプランの策定及び実践
タレントマネジメントシステムの構築により、従業員一人ひとりのスキルや強み、経験等の情報を一元管理し、分析することによって、キャリア開発や戦略的な人員配置を行い、多様な人材が適材適所で活躍できる基盤を整備してまいります。また、会社の持続的な成長のために、サクセッションプランを策定し、次世代の経営者又は幹部となり得る候補者の人材プールを形成し、継続的に育成してまいります。
d 健康経営の実践
当社はかねてより、会社が健全であるためには従業員一人ひとりが心身ともに健康であることが重要であるという考えのもと、従業員の健康管理に取り組んでおります。従業員の健康増進のため、定期健康診断の実施はもとより二次検査の受診を勧奨し、また、産業医や保健師、心理士を配置し、従業員との面談等を通じて心身両面の不調者の早期発見及び保健指導などを実施しております。また、メンタルヘルス不調者を未然に防ぐため、従業員数50人未満の事業所を含めた全ての事業所でストレスチェックを実施しております。今後これらの取組みをさらに推進し、中期的には健康経営優良法人「ホワイト500」の認定取得を目指してまいります。
④ 指標と目標
当社は、多様な人材の活躍を推進する一環として、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法第64号)に基づき2021年4月に公表した行動計画において、2026年3月までに女性の採用比率を40%以上にすること及び女性管理職比率を2021年3月末時点の2倍にすることを目標として定めております。このうち女性の採用比率については、既に2022年3月期及び2023年3月期の2期連続で達成しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響については、具体的な内容を見積もることが困難であるため、記載しておりません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 住宅・不動産市場の動向に関するリスク
当社の事業は、国内における経済及び住宅・不動産市場の動向に大きく依存しております。何らかの要因により国内の経済状況が悪化し、需要の後退等につながった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、より広い市場を見据えた積極的な木材利用の促進及び付加価値の高い良質な住宅の提案・供給等により需要の喚起に努めるとともに、経済価値・社会価値・環境価値を創出し、持続可能な社会の形成に貢献するサステナブル経営への取組を強化し、収益性の向上を図ることで、当該リスクの軽減に努めてまいります。
(2) 木材、建材・住宅設備機器等の調達及び価格変動に関するリスク
当社グループは木材の仕入れを国内外から行っており、建材・住宅設備機器についても仕入先メーカーは部品調達や製品生産を海外拠点にて行っていることから、現地における社会不安(戦争・感染症の流行・地政学的リスク等)、自然災害等により仕入れが困難になる可能性があります。また、取扱商品の市況並びに需給の急激な変動、為替等による仕入価格の大幅な変動が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、国内外における調達力を生かし、木材製品や建材・住宅設備機器等の商品について、複数の産地、メーカーからの仕入れを通じて、安定的かつ適正価格での調達に努めているほか、全国30カ所の物流センターを活用してストック機能を発揮し、安定的な供給に務めておりますが、短期間での急激な価格変動が生じた場合には、一時的に影響を受ける可能性があります。
(3) 法令違反等に関するリスク
当社グループは、宅地建物取引業法、建設業法、建築士法等の法令に基づく許認可を受けるとともに、建築、労働、環境その他事業の遂行に関連する各種の法令及び条例に則り、事業活動を行っております。これらにおいて、外部協力事業者を含めて法令違反が生じた場合、改善に向けて多額の費用が発生すること、または業務停止等の行政処分を受けることで、当社グループの社会的信用やブランドイメージの低下、損害賠償金の支払いや訴訟等により、当社グループの業績及び財務状況が影響を受ける可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループは専門分野の異なる複数の法律事務所と顧問契約を締結しており、事案の内容に応じて的確な助言を受け、迅速に対応できる体制を整えております。また、取締役会直属のサステナビリティ委員会を設置し、コンプライアンス体制の維持及び向上を図るための施策の計画立案及び実施について監督を行うほか、コンプライアンスに関わる事案等の情報共有、分析並びに発生防止や対策に関する検討、指導及び監督等を行うとともに、必要に応じて取締役会に報告及び提案を行っております。
(4) 人材の確保に関するリスク
当社グループの持続的成長及び企業価値の向上は、有能な人材の確保に拠るところが大きく、何らかの要因により継続的な人材の採用及び育成が不十分となり、または人材の流出が続いた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進することにより、性別・国籍・年齢・障がい・価値観・雇用形態などにかかわらず、多様な人材一人ひとりがそれぞれの個性を活かし、自らの能力や強みを発揮し活躍できるよう、従業員の「働きやすさ」と「働きがい」の向上に努めてまいります。また、健康経営の実践を通じて、従業員が心身ともに健康に働ける健全な職場環境づくりを推進するとともに、キャリア開発や戦略的な人員配置などを通じて計画的かつ継続的な人材育成に努めてまいります。
(5) 自然災害及び感染症に伴う事業継続に関するリスク
大規模な地震や風水害等の自然災害が発生しインフラに甚大な被害が生じた場合や、感染症等の急激な拡大等により事業活動に大きな制約を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、安否確認等のマニュアルを作成し、定期的に訓練を行っているほか、計画的な設備の改修を進めるなど、災害による被害や業績等への影響を抑えるよう努めるとともに、感染症の流行も踏まえた事業継続体制の整備を進めております。
(6) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の機密情報を保有しております。当社グループのITシステムへのサイバー攻撃やウイルス感染等により業務が停滞した場合、また、個人情報等が漏洩した場合には、社会的信用の低下や損害賠償の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、情報資産を安全かつ適正に管理、運用し、情報の漏洩や紛失、不正なアクセスや破壊・改ざん・盗難などが起きないよう「情報セキュリティ方針」を定め、情報セキュリティに関する諸規程を策定し徹底した安全対策を講じております。また、情報資産を利用する全ての役職員に対し必要な教育訓練を定期的に実施しております。
(7) 品質保証に関するリスク
マンション及び一戸建住宅事業において、予期せぬ重大な品質問題が生じた場合には、多額の費用発生や当社グループの評価を大きく毀損することになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループでは、地盤調査、設計、基礎工事から上棟、竣工まで、施工の進捗に合わせて建築基準法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律に準じた自社検査とともに、第三者機関による検査も実施することで、設計・施工上の品質において万全を期すとともに、長期保証制度及び定期的な点検サービスを実施しております。
(8) 資金調達に関するリスク
当社グループは、主として金融機関等からの借入金により、事業に必要な資金を調達しております。そのため、金融市場の混乱や当社格付の引下げ、または金融機関や機関投資家等の融資及び投資方針の変更等により、当社グループの資金調達が制約される可能性があるとともに、将来において金利が上昇した場合には、資金調達コストが増大するおそれがあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績等が影響を受ける可能性があります。
当該リスクに対応するため、長期での資金調達や金利の固定化のほか、コミットメントラインの活用による十分な資金の流動性確保に努めるなど、安定的かつ効率的な資金調達活動に努めております。
(9) 為替に関するリスク
当社グループは海外から木材及び建材を輸入しており、為替変動により一時的に想定以上のコスト変動が発生する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、輸出入契約額の一定程度を先物為替予約によりヘッジすることで、為替相場の変動が経営成績に及ぼす影響を軽減するよう努めております。
(10)保有する資産に関するリスク
当社グループは、全国に木材市場や物流センター、山林等の有形固定資産を保有しております。経営環境の変化等により当該資産から得られる将来キャッシュ・フローの見積もりが著しく減少した場合、当該資産の市場価格が下落した場合及び用途が変更された場合等には減損損失が発生する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、当社グループでは、保有する固定資産等に対して、減損会計基準に基づく適切な減損処理を実施しております。
(11)気候変動に関するリスク
当社グループは、取締役会において気候変動に関する主要なリスクについて監督を行うこととしており、取締役会直属のサステナビリティ委員会において検討した事項について、必要に応じて審議を行い、重要事項を決定していくこととしています。
気候変動への対応については、TCFDのフレームワークに基づいてまとめており、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応」に記載しております。
(12)設備投資及び企業買収、研究開発等に関するリスク
当社グループは、事業拡大の有効な手段の一つとして、設備投資や企業買収、研究開発等の推進を掲げております。市況の変化や新たなリスクの顕在化等により、設備の稼働率や対象企業等の価値が大幅に低下するなど、想定した効果を得ることができなかった場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対応するため、取締役会等における十分な議論を踏まえた慎重な検討に加え、マーケット調査、対象企業の財務内容、契約内容の十分な事前調査の実施などにより、リスクの回避に努めております。
(13)取引先への信用供与に関するリスク
当社グループは、取引先に対する売上債権等の信用供与を行っております。従って、何らかの要因により取引先の経営状況が悪化した場合には、貸し倒れ等により突発的な不良債権等が発生し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
当該リスクに対応するため、信用リスクの顕在化を防ぐために適切な債権限度額を設定するなど、与信管理を徹底するとともに、信用リスクが顕在化した場合の損失に備えるため、一定の見積もりに基づいて貸倒引当金を設定しております。
(14)業務委託先の倒産等に関するリスク
マンション事業及び一戸建事業において、設計会社及び建設会社等の外部業者に対して各種業務の発注及び委託等を行っております。発注した各種業務が適切に履行されているか逐次確認しておりますが、外部業者が当該業務を履行しない場合や倒産した場合等には、当社グループが設定したスケジュールや品質基準・法令等に従って当該業務が履行されないおそれがあります。特に、顧客に分譲する販売用不動産等工事完成前に売買契約を締結し顧客に対して引渡義務を負う場合には、売主として顧客に債務不履行責任を負い、また、規制当局による是正指導の対象となるおそれがあります。これらにより、当社グループの事業、財政状態及び経営成績等は悪影響を受ける可能性があります。
当該リスクに対応するため、売主として保証金の供託または保険の加入をしております。また、他の事業者により各種業務が適切に履行されるよう、当社品質基準を共有できる複数事業者と与信等の一定の取引条件基準を設定した体制を構築するなど、リスクの最小化に努めております。
(15)新株式第三者割当増資に関するリスク
当社は2021年7月16日開催の取締役会において、新株式第三者割当増資及び当該割当先との資本業務提携契約の締結を決議しております。当該割当先が、当社株式を売却する場合には、当社の株式の需給に影響を与える可能性があり、また、当社の株価に影響を与える可能性があります。
当社グループは、当該資本業務提携契約に基づき、緊密かつ相互的な協力関係を構築することにより、両社の発展に貢献するよう努めていきます。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、コロナ禍にありながらも社会経済活動の正常化が進み、企業の設備投資意欲や賃上げ機運の高まりなど、内需を中心に持ち直しの動きが見られた一方、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源・エネルギー価格の高騰や円安の進行など、先行き不透明な状況が続きました。
住宅業界におきましては、新設住宅着工戸数が累計で860千戸(前期比0.6%減少)となりましたが、当社の事業にかかわる一戸建住宅の着工は、資材価格や建築費の高騰などの影響から、分譲住宅は259千戸(前期比4.5%増加)となったものの、持家は248千戸(前期比11.8%減少)にとどまりました。
また、木材価格については一昨年の「ウッドショック」と言われた急激な上昇局面から脱したものの、依然として調整局面が続いています。
このような環境の中、当社グループは木材の取扱いを強化するほか、ストック型社会の形成に向けた長寿命な住まいづくりの推進など、2021年5月12日に発表した中期経営計画に掲げた諸施策を実行するとともに、株式会社ヤマダホールディングスと住生活産業に係る包括的な取組みを進めてまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は2,363億29百万円(前期比3.0%増加)、営業利益は52億92百万円(前期比48.2%減少)、経常利益は49億49百万円(前期比48.4%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億80百万円(前期比15.7%減少)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a 建築資材事業
中期経営計画に掲げた重点戦略に基づき、木材の利用促進や、省エネルギー建材・設備及びエネルギー関連商材の販売拡大に努めてまいりました。
当社は、木材流通をルーツとする会社として、国産材の利用拡大の推進と地政学的リスクなどの外的要因に左右されない供給体制の確立に努めるべく、森林資源の循環利用に向けたサプライチェーンの構築を推進するとともに、家1棟分の木材を国産材でコーディネートする「国産材プレミアムパッケージ」の提案・普及を通じて、木造住宅における国産材比率の向上に努めました。また、非住宅分野における木造化・木質化の促進に向けて、必要な機能を集約し、設計事務所様などを補完する「ウッドビルディングネットワーク」による受注強化に加え、新たな内外装木質化ブランド「WoWooD®」の普及を推進しました。
2025年の省エネ基準適合義務化など、住宅の省エネ性能の見直しが加速する中、工務店様のZEHの取組みを一気通貫でサポートする、ナイスサポートシステムのサービス「スマとく」の提供により、省エネルギー建材・設備及びエネルギー関連商材の販売が順調に推移しました。また、基礎資材や副資材、インテリア材など、住宅に関する多様な商品を展開するプライベートブランドの取扱商品を拡充しました。
このほか、首都圏物流体制の再構築及び強化を図るべく建設していた「関東物流センター(埼玉県入間郡越生町)」が竣工し、運用を開始しました。
これらの結果、売上高は1,846億32百万円(前期比1.7%増加)となり、営業利益は40億68百万円(前期比61.7%減少)となりました。前連結会計年度における急激な木材価格の高騰からの調整局面が続いたため、木材部門の利益率は低下したものの、建築資材事業の業績は堅調に推移し、当連結会計年度における営業利益は「ウッドショック」の影響を受けた前連結会計年度を除き過去最高水準となりました。
b 住宅事業
中期経営計画に掲げた重点戦略に基づき、住宅ストックの活用及び既存住宅流通に係る事業等の強化・拡大を図るなど、持続的な成長につながる収益基盤の構築を進めるとともに、環境性とレジリエンス性の高い住まいと暮らし方の普及に努めてまいりました。
マンション事業は、免震マンション3棟(仙台、宇都宮、浜松)が全戸計上となり、2024年3月期に売上計上予定の物件の販売に着手しております。一戸建住宅事業は、前期比で売上計上戸数が減少しましたが、当社が競争優位性を発揮できるエリアに特化した事業展開の推進により利益水準が回復しました。
管理その他に含まれる既存住宅流通に係る事業については、首都圏で15店舗目となる「ナイス住まいの情報館」を横浜駅前にオープンし、横浜市中心部にお住まいの個人のお客様へのサービス向上を図るとともに、法人のお客様へ土地の有効活用やCRE活用の提案などを開始しました。これにより、当社が従来から基盤を持つ「横浜・川崎」エリアを中心に、住まいに関するワンストップソリューションの提供に努めたことで、不動産仲介事業、中古マンション買取再販事業ともに、堅調に推移しました。
これらの結果、売上高は415億30百万円(前期比10.5%増加)、営業利益は17億56百万円(前期比472.7%増加)となりました。
c その他の事業
その他の事業には、ソフトウェア開発事業及びシステム提供事業、一般放送事業(有線テレビ放送事業)や電気通信事業等の生活関連サービス事業、建築工事事業等が含まれております。
ナイスコンピュータシステム株式会社では、販売店様向け経営管理システム「木太郎®」のサブスクリプション型サービス「木太郎®6」の提供を開始しました。YOUテレビ株式会社では、FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)の敷設工事が終了したエリアで順次、インターネット光回線「Netyou光」のサービスを開始しました。
これらの結果、売上高は101億66百万円(前期比2.5%減少)、営業利益は13億29百万円(前期比6.4%増加)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ11億99百万円減少し、1,567億22百万円となりました。これは、現金及び預金が増加しましたが、売上債権が減少したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ40億45百万円減少し、1,053億32百万円となりました。これは、仕入債務が増加しましたが、借入金が減少したことなどによるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ28億46百万円増加し、513億90百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払い及び為替換算調整勘定の減少などによるものです。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ43億41百万円増加し、373億48百万円となりました。
営業活動による資金の増加は、129億56百万円(前期比112億22百万円の収入増加)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益45億88百万円、減価償却費14億94百万円、売上債権の減少53億60百万円、仕入債務の増加16億74百万円及び法人税等の支払額21億40百万円です。
投資活動による資金の減少は、23億44百万円(前期比16億68百万円の支出増加)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出24億55百万円です。
財務活動による資金の減少は、59億77百万円(前期は42億78百万円の資金の増加)となりました。主な内訳は、借入金の純減少額52億71百万円及び配当金の支払額5億85百万円です。
③ 仕入及び販売の状況
a 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績等をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(ⅰ)建築資材
(ⅱ)住宅
販売用不動産の受払状況
(注) 当期増加額欄及び当期減少額欄の( )は内数で、保有目的の変更による有形固定資産からの振替額及び保有目的の変更による有形固定資産への振替額であります。
(ⅲ)その他
事業の内容が多岐にわたるため、記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績
当連結会計年度における売上高は2,363億29百万円(前期比3.0%増加)となりました。建築資材セグメントでは建材・住宅設備機器の売上高が増加し、住宅セグメントでは新築マンションの引渡戸数の増加に加え、中古マンション買取再販事業も伸長したことが主な要因であります。
利益面では、ウッドショック後の木材価格調整局面において木材販売に係る売上総利益が減少する中、販売費及び一般管理費の削減に努めましたが、営業利益は52億92百万円(前期比48.2%減少)、経常利益は49億49百万円(前期比48.4%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は37億80百万円(前期比15.7%減少)となりました。
連結売上高、連結営業利益等をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」及び「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは現在、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金のほか、借入金、社債及び増資等により調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。来年度以降の建築資材事業における経常運転資金や住宅事業における販売用不動産の取得といった資金需要等に対応し、機動的な資金調達の実現を図るため、2023年3月31日までに主要取引金融機関との間で、総額138億円のコミットメントライン契約を締結しております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 定量目標」に記載しております。
中期経営計画の最終年度である2026年3月期の目標は、売上高2,800億円、営業利益80億円、経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益50億円であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。