当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、前第3四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第2四半期連結累計期間に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間(2023年12月1日~2024年5月31日)における我が国経済は、経済活動のコロナ禍からの正常化が進み、雇用・所得環境が改善するなかで、各種政策の効果もあって、回復の兆しを見せ始めている一方、原材料価格やエネルギーコストの高騰、長期的な円安傾向が加わり、物価上昇が止まらないなど、先行き不透明な状況となっております。
このような状況のもと、当社グループでは、2030年11月期に向けた中長期ビジョン及び2026年11月期に向けた中期経営計画を推進し、更なる成長と企業価値の向上を目指す事業の運営をいたしました。
当第2四半期連結累計期間では、ファインケミカル事業においてCDMO部門(医薬品開発製造受託部門)における重点顧客の受注拡大や高付加価値化による利益率の向上等の施策効果があらわれたこと、HBC・食品事業において自社企画の化粧品の販売が好調だったこと、医薬事業において薬価の改定によるプラス影響に加え医療用医薬品や医療機関専売化粧品新製品の販売が好調だったこと、また、化学品事業において表面処理設備部門の受注件数が増加したことなどにより、売上高・営業利益ともに伸長いたしました。
以上により、当第2四半期連結累計期間の売上高は280億9千1百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は13億4千5百万円(同551.6%増)、経常利益は13億7千5百万円(同388.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億4百万円(前年同期は2億2千8百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
次に、セグメントの概況につきご報告申し上げます。
ファインケミカル事業
医薬品原料部門では、輸入品等の商品販売において、ジェネリック医薬品向け原料や新薬向け中間体の販売に注力し、販売数量・販売価格ともに堅調に推移したことに加え、製品の製造販売においても、販売が好調に推移したことと価格改定等の効果も重なり、利益率の向上が見られました。一方で、営業人員を増員したことにより人件費が上昇しました。
CDMO部門では、専門的研究人材の増員により受託キャパシティを拡大しつつ、大手新薬メーカーからの受注拡大、ベンチャー企業などの新規顧客開拓に注力しました。また、引き続き治験薬製造の効率性向上にも努め、受託案件の利益率の更なる引き上げに成功したほか、ペプチド基幹原料の「疎水性タグ」の販売に着手し、ペプチド・核酸領域に存在感を示す海外のグローバルメガファーマ等の新薬メーカーからの中分子原薬のプロセス開発案件の受注を増やすことができました。
以上により、当事業全体の売上高は103億5千6百万円(前年同期比13.6%増)、営業利益は1千1百万円(前年同期は1千2百万円の営業損失)となりました。
HBC・食品事業
食品原料部門では、一般加工食品向け機能性食品原料の取引が拡大する一方、機能性表示食品に対する不安の広がりによりサプリメント向け原料の需要が減少し売上高は低調な推移となりました。なお、前下期に提供を開始した一般加工食品・機能性食品の原料検索プラットフォーム「i-Platto(アイプラット)」は利用社数が伸びており、多様化する顧客ニーズに迅速かつ的確に対応したいお取引先様に浸透しております。
化粧品原料部門では、企画・インサイドセールス組織による顧客対応力強化と、営業効率化の成果により、売上高は堅調に推移した一方で、仕入原価の高騰等による影響により利益面は低調に推移いたしました。
化粧品通販部門では、自社企画の化粧品「ピュレア」の販売及び輸入化粧品「Torriden(トリデン)」の販売が引き続き好調に推移したことにより業績が大幅に伸長いたしました。
なお、不採算であった一般用医薬品等卸売事業からの撤退により、売上高が前年同期比で減少した一方、営業損益は大幅に改善いたしました。
以上により、当事業全体の売上高は67億2百万円(前年同期比23.9%減)、営業利益は2億5千8百万円(前年同期比236.4%増)となりました。
医薬事業
医療用医薬品部門では、2022年12月に発売したルリコナゾール軟膏・クリーム1%「イワキ」が順調に伸長したことに加え、2023年7月1日に帝人ファーマ株式会社より製造販売承認の承継を受けた先発品のボンアルファ®・ボンアルファ®ハイの販売が好調に推移いたしました。また、同業他社の一部製品が販売中止になったことを受け、ゲンタマイシン硫酸塩軟膏0.1%「イワキ」やピコスルファートナトリウム内用液0.75%「イワキ」等の販売が伸長いたしました。さらに、2024年4月の薬価改定において、一部製品が不採算品再算定ならびに基礎的医薬品指定を受けたことにより営業利益が大幅に伸長いたしました。
美容医療部門では、医療機関専売化粧品であるNAVISION DRブランドの拡販に引き続き注力しており、主力製品の美白シリーズや日焼け止めシリーズの販売が好調に推移いたしました。
以上により、当事業全体の売上高は54億1千4百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は6億2千3百万円(前年同期比144.8%増)となりました。
化学品事業
表面処理薬品部門は「プリント基板セグメント」「電子部品セグメント」「半導体セグメント」に集中して販売促進に注力しておりますが、この2年間在庫調整などにより市場は低迷しておりました。当第2四半期に入り半導体電極形成用薬品や電子部品の受動部品向けめっき薬品は回復基調にありますが、プリント基板市場は横ばいからやや回復と非常に緩やかな伸びにとどまっております。
現在、国内有力半導体装置メーカーの協力のもと、売上高回復に向け、薬液+装置によるトータルソリューションの提案を強化しております。また、プリント基板市場、電子部品市場、半導体市場で需要が高まっている次世代の通信規格6Gを見据えた開発を継続しつつ、変化が大きい自動車用途向けニーズにお応えすべく新たな開発も進めております。
表面処理設備部門では、工場拡張に伴う受注件数増加により販売が好調に推移いたしました。引き続き顧客の要望を取り入れた新構造装置開発を進めてまいります。
以上により、当事業全体の売上高は55億9千9百万円(前年同期比27.2%増)、営業利益は5億3百万円(前年同期は8千1百万円の営業損失)となりました。
その他事業
その他事業では、主に石川県の奥能登地域における社会課題解決を目的とした「ソーシャルインパクト事業」を企画運営し、奥能登の地域資源を活かしながら、石川県内企業や大学、また、当社グループが出資するファンドとの協業を通じて、製品開発から販売及びサービス提供を行うことで当社グループのソーシャルインパクト戦略を進めております。
「令和6年能登半島地震」により、石川県珠洲市内倉庫からの撤退や在庫の廃棄等、震災の事後対応を行い、事業活動を十分に行うことは難しかったものの、現地決済型ふるさと納税サービス「ふるさとNOW」や石川県で展開する地元密着求人「イシカワズカン」が貢献し、売上高は前年同期を上回りました。また、奥能登の天然資源や伝統技術から生まれる素材を使ったナチュラルヘルスケア商品「NAIA」の販売を開始いたしました。
以上により、当事業全体の売上高は1千8百万円(前年同期比392.0%増)、営業損失は5千4百万円(前年同期は4千8百万円の営業損失)となりました。
② 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、総資産665億2百万円(前連結会計年度末比7億5千2百万円減)、負債合計374億4千9百万円(同12億3百万円減)、純資産は290億5千2百万円(同4億5千万円増)となりました。
総資産の減少の主な理由は、現金及び預金の減少11億6千9百万円、電子記録債権の増加4億1千7百万円、建設仮勘定の増加5億3千5百万円等によるものです。負債合計の減少の主な理由は、支払手形及び買掛金の増加2億4千6百万円、電子記録債務の増加4億3千9百万円、短期借入金の減少10億1千万円等によるものです。純資産の増加の主な理由は、利益剰余金の増加3億4千3百万円、その他有価証券評価差額金の増加7千7百万円等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは増加、投資活動によるキャッシュ・フローは減少、財務活動によるキャッシュ・フローは減少、これに現金及び現金同等物に係る換算差額等を加えた全体で11億6千9百万円の減少となり、当第2四半期連結会計期間末における資金残高は55億8千8百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動により増加した資金は22億5千9百万円(前年同四半期比14億5千5百万円増)となりました。これは、主に、税金等調整前四半期純利益11億3千4百万円、減価償却費11億2千4百万円、売上債権及び契約資産の増加額2億5千5百万円、仕入債務の増加額6億7千万円、法人税等の支払額4億7千5百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動により減少した資金は15億3千7百万円(前年同四半期比14億1千2百万円増)となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出13億1千2百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動により減少した資金は18億7千7百万円(前年同期は6億3千9百万円の収入)となりました。これは、主に、短期借入金の減少9億1千万円、長期借入金の返済による支出6億2千3百万円、配当金の支払額3億6千万円等によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費総額は4億9千5百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第2四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。