当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当中間連結会計期間(2024年12月1日~2025年5月31日)における我が国経済は、経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境も改善され、緩やかな回復が続いております。一方で、米国による広範な関税政策の影響による景気減速の懸念、中国の景気鈍化や地政学リスクの高まりにより、先行きは依然として不透明な状況となっております。
このような状況のもと、当社グループでは、2030年11月期に向けた中長期ビジョン及び2027年11月期に向けた中期経営計画を推進し、更なる成長と企業価値の向上を目指す事業の運営を行ってまいりました。
当中間連結会計期間では、ファインケミカル事業において開発受託が好調であったこと、HBC・食品事業において輸入化粧品の販売が好調だったことなどにより、売上・利益とも伸長しました。
以上により、当中間連結会計期間の売上高は301億2百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益は22億2千2百万円(同65.2%増)、経常利益は21億4千9百万円(同56.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は12億8千8百万円(同82.8%増)となりました。
次に、セグメントの概況につきご報告申し上げます。
ファインケミカル事業
医薬品開発エコシステム部門では、CMC事業において、新薬メーカー、ベンチャー企業やジェネリックメーカーへの営業活動を継続し、新規案件の獲得に注力したほか、MicroED(Microcrystal Electron Diffraction、微小結晶電子回折)関連の受注拡大に努め、受注済み案件の一部中断・中止の影響を差し引いてもなお総じて受注は順調に推移しました。ペプチド・核酸領域においては、海外のグローバルメガファーマ等から中分子原薬のプロセス開発案件の受注が順調に推移しました。以上の結果、売上・利益ともに好調に推移しました。
医薬品原料プラットフォーム部門では、商社事業において、価格競争に左右されにくく付加価値の高い輸入原薬、新薬向け医薬中間体の販売に注力し、また、安定した収益基盤を持つ国内B&S(Buy-Sell)は計画通り伸長しました。一方で、事業拡大に伴う増員やオフィス移転に起因する販管費の増加もあり、結果として、売上・利益ともに伸び悩みました。
医薬品CDMO部門では、CMO事業において、外用剤製造の2シフト制導入、前期改修中であったアレルゲン製造設備の再稼働により、生産能力が向上しました。また、自社品製造事業においては、安定供給の継続に加え、高付加価値受託品目の取扱いが増加しました。その結果、売上・利益ともに好調に推移しました。
以上により、当事業全体の売上高は115億5千8百万円(前年同期比11.6%増)、営業利益は8億7千1百万円(前年同期は0百万円の営業損失)となりました。
HBC・食品事業
食品原料部門では、一部の機能性表示食品に対する消費者不安が一巡し、需要の回復がみられたものの、原材料費や人件費の上昇に伴う価格改定と、消費者の節約志向の強まりにより、全体としては需要が伸び悩んでおります。このような中で、原料検索プラットフォーム「i-Platto(アイプラット)」の利用登録社数の増加、高付加価値商品の販売増加、提案機能の強化などにより新規獲得額は増加しました。結果として、売上は堅調に推移しましたが、利益は伸び悩みました。
化粧品原料部門では、物価上昇の影響により高価格帯や嗜好性の高い製品を中心に需要が減少してきております。このような中で、企画・インサイドセールス機能の強化、顧客対応力の向上、営業効率の向上により新規獲得額が増加しました。一方で、原材料費や人件費の上昇に伴う原価の上昇が継続しております。結果として、売上は横ばいで推移しましたが、利益は伸び悩みました。
ライフサイエンス部門では、出生数の減少により新生児向け医療機器市場が縮小し、その他医療機関向け製品においても病院経営の効率化を背景に価格競争が一層激化しており、営業リソースを基幹病院に集中させるなど、営業効率の向上を図る施策を実施しました。その結果、主力商品である新生児・小児用人工呼吸器などの新規獲得額は増加したものの、前期実績を牽引した商品の需要が一巡した影響により、売上全体は減少し、利益も伸び悩みました。
化粧品製販部門では、通販事業において、広告効率の改善により既存化粧品の販売が増加しました。輸入化粧品・自社企画品販売事業においては、自社企画製品「Pureal(ピュレア)」の販売が好調であったことに加え、韓国コスメの輸入化粧品「Torriden(トリデン)」シリーズの新製品販売効果もあり、販売が大幅に増加しました。化粧品輸入サポート事業においては、化粧品OEM事業開始による人員増加及び東京オフィス開設のため販管費が増加しました。以上の結果、部門全体では売上・利益ともに好調に推移しました。
また、M&Aに係る費用の増加により販管費が増加しました。
以上により、当事業全体の売上高は80億1千7百万円(前年同期比19.6%増)、営業利益は5億4千4百万円(同174.1%増)となりました。
医薬事業
医薬品部門では、2024年10月に導入された長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)に対する選定療養の対象品目となった後発医薬品「ルリコナゾール『イワキ』」や、「ベタメタゾン吉草酸エステル『イワキ』」等の販売が増加しました。薬価改定の影響により先発医薬品と同等またはそれ以上の薬価となった後発医薬品の販売は減少し、また、原料不足などにより原料供給が停止していた製品で一部製造を再開できていないものの影響はありましたが、総じて売上・利益ともに堅調に推移しました。
美容医療部門では、「NAVISION(ナビジョン)」ブランドにおいて、医療機関専売化粧品の「NAVISION DR」シリーズの販売が伸長しました。また、2024年12月より取扱いを開始した「illsera(イルセラ)」シリーズについても、認知度が向上し販売が増加しております。その結果、売上・利益ともに堅調に推移しました。
以上により、当事業全体の売上高は60億9百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は6億7千9百万円(同10.2%増)となりました。
化学品事業
表面処理薬品部門では、高付加価値製品として「微細配線形成用薬品」「受動部品向けめっき薬品」「半導体電極形成用薬品」の販売促進活動に注力しましたが、国内・海外ともに主要販売先の需要回復が遅れていることにより販売が伸び悩みました。そのような中で、電子部品向け薬品においては、海外での新規顧客獲得により販売が増加しました。結果として、売上・利益ともに横ばいでの推移となりました。
表面処理設備部門では、得意先の設備投資が一巡したことにより設備の受注が大幅に減少しましたが、修理及びメンテナンス案件、部品販売等、設備販売以外に注力したことで、設備以外の販売は過去最高となりました。しかしながら、結果として、売上・利益ともに伸び悩む展開となりました。
以上により、当事業全体の売上高は44億9千9百万円(前年同期比19.6%減)、営業利益は1億9千万円(同65.4%減)となりました。
その他事業
その他事業では、石川県奥能登地域における社会課題解決を目的とした「ソーシャルインパクト事業」を企画・運営しております。
ヘルスケア部門において、「農業×ヘルスケア」を軸に前期立ち上げた「NAIA(ナイア)」ブランドの拡販に注力し、ブランド刷新に伴う先行投資としてのPR活動により販管費が増加しました。また、2025年4月、能登の自然素材と皮膚科学を融合させた新製品である「菊炭&酒粕配合 洗顔フォーム」「酒粕 クリアエッセンスローション」「コメヌカ プレシャスセラムエマルション」「能登ヒバ バスソルト」の販売を開始しました。顧客からは一定の反響を得ており、今後の拡販に向けて着実に施策を進めていく段階にあります。農業事業では、地域社会への貢献と持続可能なビジネスモデルの構築を進展するべく、自治体との連携を基に事業を拡大しており、副産物のヘルスケア素材への利用も推進しております。これらの結果、売上は拡大した一方、PR活動の先行投資が利益を押し下げました。
地方創生部門では、ふるさと納税事業において、自治体やゴルフ場等での現地決済型サービスの導入件数が増加し、売上・利益ともに順調に推移しました。
以上により、当事業全体の売上高は1千7百万円(前年同期比5.9%減)、営業損失は2億2百万円(前年同期は5千1百万円の営業損失)となりました。
② 財政状態
当中間連結会計期間末の財政状態は、総資産655億3千6百万円(前連結会計年度末比9億4千1百万円増)、負債合計395億5百万円(同2億1千2百万円増)、純資産は260億3千万円(同7億2千8百万円増)となりました。
総資産の増加の主な理由は、現金及び預金の増加2億3千8百万円、電子記録債権の増加4億1千1百万円、建設仮勘定の増加2億5千6百万円等によるものです。負債合計の増加の主な理由は、支払手形及び買掛金の減少1億8千4百万円、電子記録債務の増加3億1千3百万円、短期借入金の減少23億1千4百万円、賞与引当金の減少3億6千9百万円、長期借入金の増加34億7千8百万円、繰延税金負債の減少4億9千4百万円等によるものです。純資産の増加の主な理由は、利益剰余金の増加8億9千7百万円、その他有価証券評価差額金の減少1億5千9百万円等によるものです。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローは増加、投資活動によるキャッシュ・フローは減少、財務活動によるキャッシュ・フローは増加、これに現金及び現金同等物に係る換算差額等を加えた全体で2億3千8百万円の増加となり、当中間連結会計期間末における資金残高は62億1千6百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動により増加した資金は10億6千9百万円(前年同期比11億9千万円減)となりました。これは、主に、税金等調整前中間純利益20億3千2百万円、減価償却費11億5千6百万円、棚卸資産の増加額9億9千6百万円、法人税等の支払額6億5百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動により減少した資金は15億7千2百万円(前年同期比3千4百万円増)となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出12億8千4百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動により増加した資金は7億7千5百万円(前年同期は18億7千7百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の新規借入れによる増加50億円、短期借入金の減少33億1千2百万円、長期借入金の返済による支出5億2千3百万円、配当金の支払額3億6千7百万円等によるものであります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費総額は4億6千5百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。