文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
社是である「開拓者精神」に基づき、新規の事業をM&Aや社内でも新しい取組みを行うことにより時代の流れに合った事業を開拓しております。今後も、日本国内での投資に加え、人口や需要が増えるグローバルなどでも投資を進めてゆく考えです。また投資効率も考えて投資を行ってゆきます。
経営においては、効率がよく、無駄がない、借金の少ない、キャッシュ・フローが豊かな、内容や質の良い会社を目指します。
目標は、付加価値(≒総利益額)を増やし持続的に成長することです。
投資の効率については、事業で使っている金額(EV≒IC:純資産1,921億円+借入金83億円-現預金1,284億円=720億円)から生み出された純利益190億円の利回り(ROIC)は、今期は26%程度(190億円÷720億円)でありました。
また年平均成長率は、EVについては直近10年間で+0.6%直近3年間で△1.2%、総利益については直近10年間で+3.2%直近3年間で+8.6%、営業利益については直近10年間で+5.9%直近3年間で+15.0%となっております。投資の効率や営業利益の成長率に比べ、EVや総利益の成長率に課題があると考えます。
現在、事業の付加価値を見える化し、PDCAサイクルを回しながら持続的に成長し続けるTQM活動に取り組んでいます。付加価値を増やすためには既存事業の売上高を増やしたり、総利益率を向上させたり、新しく買収した事業をPMI等を通しきちんと成長させる実力が必要です。
投資する地域については、GDPや人口が伸びている海外(環太平洋地域:東南アジアや北米、豪州)や、日本では東京のような人口やサービス業が集中する大都市部を主に考えています。
投資する事業については、自分たちが事業内容を理解でき、自分たちが運営できる事業を投資利回りも考慮しながら決定しております。キーワードは、①競争する上で優位性を持った事業、②業界の勝ち組企業、③グローバルでの事業、④東京など大都市部でのサービス業、⑤勝ち組コア事業の補強、⑥今後成長が見込まれる業種・業界などです。
今期の投資は45億61百万円でした。既存事業の投資については、ゴンドラ事業のレンタル用ゴンドラなどを主なものとして投資しました。
また、海外事業のEVは91億円となりEV全体に占める比率は13%(91億円÷720億円)となりました。今後も外貨を獲得できる海外の比率を高めてゆきます。
また実質現預金は、1,201億円(現預金1,284億円-借入金83億円)となり、現在のEV720億円を上回っており課題です。EVを増やすには、投資を行い成長させてゆく実力(見える化、事業計画作成、持続的PDCAを基盤にし、TQMを行う仕組みや組織)をつけること、そしてその力を組織や事業に定着させることが必要です。数年前よりこの難題に取り組んでおり、進捗しています。
※EV≒IC…純資産+借入金-現預金
ROIC(Return on Invested Capital)…純利益÷(IC≒EV)
TQM(Total Quality Management)…販売・管理・生産・開発の全部門が、仕事の品質価値を高める為に、問題を見える化し、計画、実施を定期的に確認する改善活動
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する基本方針
当社企業グループは、当社の社是と行動指針に基づき、事業活動の成長を通じて持続可能な未来社会の実現に貢献することをサステナビリティの基本方針としております。
(社是)
・開拓者精神
・綜合商社の目的達成
・働きがいのある職場達成
・私達は会社の仕事を通じて社会に貢献しよう
(行動指針)
・法令を遵守し、社会良識を持って行動します。
・時代の流れに対応し、企業価値向上を図ります。
・お客様の信頼や期待に応える商品・サービスを提供します。
・健全な事業活動を展開し、仕事を通じて社会に貢献します。
・働きがいのある職場を整備し、社員の活力を引き出します。
(2)ガバナンス、リスク管理
当社は、グループ全体、各事業及び子会社におけるサステナビリティに関連するテーマを含む重要な議案や報告事項をコーポレート・ガバナンス体制の中の取締役会及び経営幹部会で審議しています。また、サステナビリティに関連する課題に取り組むため、サステナビリティ推進プロジェクトを設置しています。
リスクや機会は、各執行役員、各事業や子会社において最初に認識され評価されます。事業上のリスクや機会は、各事業や子会社からの報告会議体である月例会議や経営幹部会に報告され、あるいは随時社長及び担当執行役員に報告され、戦略や対応が審議されます。特に緊急度・影響度が高いリスクに関しては、経営幹部会の中に設置されるリスク・コンプライアンス委員会においてリスクを評価し対応を審議・決定します。重要度の高いものは取締役会へ報告及び対応の提案がなされます。
リスクについては、経営幹部会、リスク・コンプライアンス委員会、各執行役員、各事業や子会社において管理されます。機会については、各事業及び子会社の事業計画策定のプロセスにおいて評価され戦略に組み込まれます。
※上記を含むコーポレート・ガバナンスの体制の概要については、
※リスク・コンプライアンス委員会は、2025年4月に設置しております。
当期中に行ったサステナビリティに関連するテーマを含む取締役会及び経営幹部会の主な審議内容は以下のとおりです。
サステナビリティ推進プロジェクトの構成及び役割は以下のとおりです。
(3)戦略
① 環境
・各国・地域の環境規制を遵守します。
・再生可能エネルギー事業への取組みを通じて低炭素社会へ貢献します。具体的には、日本国内にて20基(40,000kWh)の風力発電及び1,000kWhの太陽光発電を、再生可能エネルギー事業として展開しています。
・2024年3月期よりCO2排出量を計測するプロジェクトを立ち上げており、当社グループにおける2025年3月期のCO2排出量を計測しました。今後、実績の分析を行い、戦略策定や目標設定に向けた検討をしていきます。
② 人的資本
※人的資本に関する記述について、当社はグループ全体を包含する戦略を策定していないため、当社単体の戦略について記述しております。
当社は、企業付加価値向上を目的とした人材タレントマネジメントの確立のため、現状に満足せず高い目標を持ち成長する人材の育成と、働きがいのある職場環境づくりを行い、社員の活力を引き出します。
<人材育成方針について>
タレントマネジメント
企業の付加価値向上を目的としたタレントマネジメントの確立を目指しています。その実現のために、新人事制度の構築やITシステムの更新に着手しました。女性の活躍推進や管理職人材育成は重要課題と位置付けており、女性社員のためのネットワークを作り、働きやすい環境を整備、促進していきます。
新部署立ち上げと人材育成
2024年3月期より実施している戦略プロジェクトを基に、新しい部署(コーポレート戦略・TQM企画本部)を立ち上げました。事業の問題の見える化、問題抽出、計画立案、実行策定、 PDCAサイクルを回し、経営課題を改善できる人材育成を行っていきます。また、管理監督者向けにTQM研修を実施し、自ら現状分析や問題の見える化、施策を立てPDCAを回せるように育成を行っています。
採用
新卒採用は通年採用を実施しており、多様な能力を有する人材を採用しています。また、中途採用では他社での豊富な経験と専門的な知見を有する人材を管理職として積極的に登用しています。即戦力としてだけでなく、他社での経験を当社に取り入れることで、付加価値向上を目的とした人材育成を行っています。
<社内環境整備について>
社員が健康で仕事とプライベートを両立できるような職場環境づくりに取り組んでいます。
「長時間労働の削減」、「社員の健康管理」に注力しており、長時間労働の削減に向けては、全社での目標数値の策定や毎月1回の会議でのレビュー・対策の検討を行っております。また、2020年から健康管理システムを導入し、社員の健康診断・ストレスチェック・過重労働を管理し、産業医と連携、社員の面談や健康管理に努めております。また、システムにて定期健康診断の受診率を管理しており、受診率100%を目標に未実施がないように、社内掲示板等で受診勧奨を行っております。
また、グループ全体でも健康保険組合と連携、社員の健康推進のための取組みや補助を行っております。環境や社宅の安全に配慮し、地域のハザードマップ等を確認し、安心して働ける環境、生活できる環境を提供しています。また、自然災害に備えて、社員安否確認システムを導入しています。
(4)指標及び目標
当社グループの指標、目標及び実績は以下のとおりです。
① 環境
当社グループは、地球温暖化や気候変動のリスク及び機会を評価・管理するための指標として、CO2排出量の計測を開始しました。今後、グループ全体でのCO2排出量を確認・分析してまいります。CO2排出量の実績等につきましては、計測した数値を分析した後に開示を検討いたします。
② 人的資本
※ 当社は関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組を実施しているものの、連結子会社の中にはデータ管理を実施していない会社もあるため、連結会社ベースでの記載が困難であります。このため、主として当社及び子会社が女性活躍推進法に基づく情報開示をしている指標を記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)国内経済環境の変化のリスク
当社グループの事業の多くが、人口が減少したりGDPが低迷したりしている日本国内に集中しており、当社の国内の既存事業の多くは日本の環境に影響を受けます。特に主力商品であるセメントや石油製品は、需要の減少が続いており今後想定以上のスピードで需要が落ち込んだ場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)ガソリンスタンド事業の需要リスク
当社グループはガソリンスタンド事業を行っており、「脱炭素社会」を目指す近年の世界的な流れの中で、低燃費車やEV車普及の進度によって需要減少の影響を受け、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)信用リスク
当社グループの取引先に対する売上債権については、貸倒れによる損失に備えて一定基準により貸倒引当金を計上しております。また、取引先ごとに取引限度額を定めるなど与信管理も十分行っておりますが、取引先の信用悪化や経営破綻等により債権の回収が困難となるリスクがあります。特に建設業関連の売上債権が多いことから、建設不況となれば取引先の信用悪化や経営破綻等により多額の貸倒費用が発生する可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事業投資リスク
当社グループは、M&Aを通して既存事業の拡大や強化を図り、また新規事業や海外事業への進出を目指しております。企業買収や事業譲受けを判断するに当たり、十分なデューデリジェンス等を実施しておりますが、想定外の要因により買収先の業績や財政状態が急激に悪化したり、期待する利益が上がらなかったり、また当該事業から撤退を余儀なくされるリスクがあります。その場合には、固定資産やのれんの減損損失など当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、のれんの償却については、その効果が発現すると見積られる期間で償却しております。
(5)製品の品質に関するリスク
当社グループが製造したり販売したりする生コンクリートの品質につきましては、JIS規格に対応し十分な品質管理体制をとっております。しかしながら、生コンクリートは半製品でありその強度は打設したあと4週間後の強度試験の結果が基準となることから、万一人為的ミスや想定外の要因により製品に欠陥があれば、使用した建物に強度不足やひび割れが発生し、多額の損害賠償を求められるリスクがあります。想定を超える損害賠償費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループが製造し販売した食品の品質につきましては、商品の安全性を最重要課題とし、生産全般で発生が予見されるリスクへの予防措置を講じるなど十分な品質管理体制をとっております。しかしながら、偶発的な事由によるものを含めて製品不良が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)減損リスク
当社グループは、生コンクリート工場やガソリンスタンド等の事業用固定資産を保有しており、これらの事業の収益性の低下により投資した固定資産の回収ができないと見込まれる場合には、減損処理を行うことがあります。
また、M&A等により取得した株式やのれん等の価値が下落し投資が回収できないと見込まれる場合にも、減損処理を行うことがあります。これらの減損損失が多額に発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)土壌汚染に関するリスク
当社グループが運営するガソリンスタンドや油槽所につきましては、定期的に設備の点検や補修等を実施しており、石油製品の漏洩による土壌汚染の防止に努めております。しかしながら、予測できない要因によって石油製品が漏洩したことにより、汚染の除去費用や拡散防止費用、また住民に対する損害賠償費用等が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)風力発電事業のリスク
当社グループが行う風力発電事業は、地震や落雷等により風力発電所が被害を受けるリスクがあります。また、自然災害以外にも不測かつ突発的に機械的(又は電気的)故障が発生した場合にも、風力発電機が停止するリスクがあります。損害保険により不測の事態への対応を講じておりますが、保険でカバーされない損失が発生するリスクがあります。
また、異常気象や温暖化など地球規模での環境の変動が起こり、風向きや風量が想定外に変化し発電量が減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)技術革新によるリスク
当社グループが行う情報システム事業やケーブルテレビ事業は、技術革新のスピードが極めて速く、その対応が遅れることにより、顧客からの注文の減少や商品・設備の陳腐化等が発生するリスクがあります。その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、事業を行う上で必要な許認可や建設業法、揮発油業法、ガス保安法、消防法、放送法等の法令や規制の適用を受けております。しかしながら、これらの法規制に適切な対応ができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、従業員に対するコンプライアンス教育は適時実施しており、法令や社内規程の遵守を徹底するよう指導しておりますが、万一従業員による不正行為があった場合には、その内容次第では当社の業績や社会的な信用に影響を及ぼす可能性があります。
(11)納期遅延リスク
当社グループが製造したり販売したりする生コンクリートの原材料の一つである骨材は毎月の生産能力に限界があります。当社は、骨材の供給能力と製品の納期を勘案して顧客に見積りをしていますが、想定外の工期の短縮により生コンクリートの需要が集中した場合、骨材の調達不足により生コンクリートの供給が困難となる可能性があります。特に大型プロジェクト工事の場合、納期遅延による多額の損害賠償が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)カントリーリスク
当社グループが行うODA商社事業はミャンマー等、様々な国・地域において取引及び事業活動を行っており、これらの国・地域の政治・経済・社会情勢に起因して生じる予期せぬ事態、プロジェクトの停止や遅延等のカントリーリスクを有しております。リスクが顕在化し、債権回収や事業遂行の遅延・不能等により損失が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の業績につきましては、売上高は3,390億5百万円(前期比4.4%増)となりました。売上高の増加要因としましては、建設資材の販売数量は減少しましたが仕入価格高騰に伴う売価の上昇があったこと、ODA事業において新規受注案件の販売が好調であったこと、スパイス事業において販売が好調であったこと、情報システム関連事業において文教市場向けの販売が好調であったこと、POSの新紙幣対応の特需があったことなどがありました。
営業利益につきましては、315億8百万円(前期比21.5%増)となりました。
増加要因としましては、①建設資材の価格転嫁が進んだこと、②ゴンドラ事業において高層マンションの改修需要が旺盛であり引き続き好調であったこと、③ODA事業において新規受注案件の販売が好調であったこと、④スパイス事業において販売が好調であったことなどがありました。
減少要因としましては、①ガソリンスタンド事業において価格競争が激しくなったり、燃料卸売事業やガスケット事業において競争激化により販売数量が減少したことなどがありました。
以上のことにより、営業利益は増益となりました。
営業外損益におきましては、前期より為替差益が減少し、経常利益は336億21百万円(前期比13.1%増)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は314億21百万円(前期比6.9%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は190億22百万円(前期比4.7%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
<情報システム関連事業>
情報システム関連事業におきましては、売上高は292億28百万円(前期比7.3%増)となり、営業利益は49億13百万円(前期比11.7%増)となりました。
売上高、営業利益につきましては、文教市場向けの販売が好調であったこと、POSの新紙幣対応の特需があったこと、PC、家電等の販売が好調であったことなどにより増加しました。
<企業サプライ関連事業>
企業サプライ関連事業におきましては、売上高は1,676億39百万円(前期比5.7%増)となり、営業利益は252億98百万円(前期比20.2%増)となりました。
売上高につきましては、建設資材の価格転嫁が進んだこと、ゴンドラ事業において高層マンションの改修需要が旺盛であり引き続き好調であったこと、ODA事業において新規受注案件の販売が好調であったこと、スパイス事業において販売が好調であったことなどの増加要因により増加しました。
営業利益につきましては、増加要因として建設資材の価格転嫁が進んだこと、ゴンドラ事業において高層マンションの改修需要が旺盛であり引き続き好調であったこと、ODA事業において新規受注案件の販売が好調であったこと、スパイス事業において販売が好調であったことなどがありました。減少要因としましては、燃料卸売事業やガスケット事業において競争が激しくなり販売数量が減少したことなどがありました。
以上のことにより、営業利益は増益となりました。
<生活・地域サービス関連事業>
生活・地域サービス関連事業におきましては、売上高は1,421億37百万円(前期比2.3%増)となり、営業利益は39億38百万円(前期比29.1%増)となりました。
売上高につきましては、建設資材の販売数量は減少しましたが仕入価格高騰に伴う売価の上昇があったことなどにより増加しました。
営業利益につきましては、ケーブルテレビ事業において設備工事費用が減少したこと、建設資材の価格転嫁が進んだことなどにより増加しました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は2,989億88百万円となり、前連結会計年度末と比べて68百万円減少しました。
流動資産は2,408億98百万円となり、前連結会計年度末と比べて30億61百万円増加しました。
固定資産は580億90百万円となり、前連結会計年度末と比べて31億30百万円減少しました。
負債合計は1,068億27百万円となり、前連結会計年度末と比べて67億23百万円減少しました。
純資産合計は1,921億61百万円となり、前連結会計年度末と比べて66億55百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは254億15百万円となり、前連結会計年度に比べて61億65百万円減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加と前期末が休日であったことに伴う収支ずれの影響によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは△49億7百万円となりました。これは主に、ゴンドラ事業のレンタル用ゴンドラなどへの投資による支出であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは△149億89百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出や、配当金の支払いによる支出などであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
受注実績は、生産実績と概ね連動しているため記載を省略しております。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 投資有価証券
当社グループの保有する投資有価証券について、従来より減損処理に関する基準を設けており、これに基づいて処理を実施しております。市場価格のある投資有価証券については、期末日における被投資会社の株価が取得価額に比べ50%以上下落している場合は原則として減損処理を行っております。市場価格のない投資有価証券については、被投資会社の純資産額を基にした1株当たりの実質価額を見積り、株価の代わりに用いて検討することで市場価格のある投資有価証券と同等の減損処理を行っております。
被投資会社の株価もしくは業績の著しい低迷があった場合には、投資有価証券の減損処理が必要となる可能性があります。
b. 固定資産
当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき適時に処理を実施しております。減損の測定に至った場合に見積ることになる回収可能価額は、事業に供している資産については正味売却価額もしくは使用価値を使用し、遊休及び休止資産については主として正味売却価額を使用しております。使用価値を算定するために利用した将来キャッシュ・フローについては、予算等社内における管理会計の計画数値を基に見積りを行っております。当社グループにおいては、減損リスクの管理として、新たな案件発生の可能性の把握と対応及び既に減損処理した案件についての定期的な回収可能価額の見直しを行っております。
事業損益の見込の悪化、新たな遊休及び休止資産の発生等があった場合には、回収可能価額を見積ることになり、減損損失を計上する可能性があります。
c. 退職給付に係る負債
当社グループの従業員の退職給付債務及び退職給付費用は、簡便法を採用している連結子会社を除き、割引率、退職率、昇給率、長期期待運用収益率等の計算基礎を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。会計数値の計算上重要な要素となる計算基礎については、当社の割引率を長期国債の実績利回りに基づき決定している他、それぞれ基準を設定の上、定期的に見直しを行っております。この見直しの結果、計算基礎を変更する場合の他、年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差など予め定めた基礎率と実際の数値とに差が生じる場合には、数理計算上の差異が発生し、売上原価及び一般管理費を増減させる可能性があります。また、数理計算上の差異については、主に1年で費用処理することとしております。
未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用については、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績の分析
経営成績の分析については、4「経営者による財政状態、経営成績等及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
b. 財政状態の分析
財政状態の分析については、4「経営者による財政状態、経営成績等及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
c. キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、4「経営者による財政状態、経営成績等及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
d. 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、3「事業等のリスク」をご参照ください。
e. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、主として内部資金により充当することとしております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,063億25百万円であります。資金の流動性については、4「経営者による財政状態、経営成績等及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、4「経営者による財政状態、経営成績等及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発活動は、主に企業サプライ関連事業において、ゴンドラに係わる基礎研究、要素開発と商品開発(新商品の開発・既存商品の改良)を行っており、研究開発費の総額は