第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における医療用医薬品市場は、ジェネリック医薬品の使用促進など医療費抑制策の浸透による影響があったものの、C型肝炎治療薬が第3四半期以降、予想を大幅に上回って著しく伸長し、希少疾病用医薬品等の新薬の寄与もあり、前年に比べて大きく成長いたしました。

一方で、人口の高齢化が進展するなか、将来に向けた安定的で持続可能な医療保険制度の運営確保に加え、効率的で質が高い医療の実現を目指した地域包括ケアシステムの確立のための施策が推進され、今後の市場環境の変化が予測されております。

このような状況のもと、当社グループは医薬品卸売と調剤薬局の二つの事業を核とする医療、健康、介護分野に携わる流通企業集団として、今後の急速な環境変化に対応するために、患者様や医療機関が抱える問題を解決するための様々な顧客支援システムの開発・提案に取り組み、地域包括ケアシステムの構築に貢献し、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進いたしました。

そのため、平成27年6月に、グループ経営体制を強化し、当社グループの競争力を高めることを目的として、純粋持株会社制から事業持株会社制に移行いたしました。

当連結会計年度の業績は、C型肝炎治療薬や希少疾病用医薬品等の新薬の売上寄与と、独自の顧客支援システム、特に自動音声認識薬歴作成支援システム「ENIFvoice SP」、「初診受付サービス」の契約件数の拡大が業績に貢献し、他のサービスも安定的に寄与したことに加え、販売管理費の削減効果もあり、売上高1,308,474百万円(前期比12.6%増)、営業利益は28,618百万円(前期比185.7%増)、経常利益は34,493百万円(前期比116.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は21,771百万円(前期比60.8%増)となりました。

 

(セグメントの状況)

医薬品卸売事業におきましては、適正利益の確保を図るとともに、物流センターとコールセンターの機能を強化し、受注から配送にわたる全てのオペレーションコストの低減と業務効率を図る「営業と物流の一体改革」を一層推進するとともに、間接部門を含めた要員の適正化を推進することで、経費削減を図りました。また、独自の顧客支援システムの提案活動に注力いたしました。

これらの結果、医薬品卸売事業における当連結会計年度の業績は、売上高1,255,431百万円(前期比13.1%増)、営業利益は27,315百万円(前期比230.1%増)となりました。

調剤薬局事業につきましては、地域医療に密着した店舗運営において、調剤報酬の改定に対応した高付加価値化による収益性改善を図るとともに、店舗業務の標準化や本部への業務集約による経費削減策に取り組み、当連結会計年度の業績は、店舗が14店舗増加したことやC型肝炎治療薬による処方箋単価の上昇に加え、販売管理費削減効果により、売上高99,967百万円(前期比8.5%増)、営業利益は2,924百万円(前期比83.2%増)となりました。

治験施設支援事業では、受注が順調に推移した結果、売上高531百万円(前期比43.3%増)、営業利益301百万円(前期比86.0%増)となりました。

情報機器販売事業では、売上高1,394百万円(前期比14.4%減)、営業損失136百万円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し12,696百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は27,854百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  ①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は、2,381百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比26,966百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益35,114百万円を計上、減価償却費4,721百万円、のれん償却額2,574百万円、仕入債務の増加額29,659百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額52,214百万円、たな卸資産の増加額1,999百万円、未払消費税等の減少額2,286百万円、法人税等の支払額10,691百万円があったこと等によるものであります。

 

  ②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果支出した資金は、4,942百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比8,400百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、有形固定資産の売却による収入2,429百万円、投資有価証券の売却による収入3,376百万円がありましたが、資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出5,923百万円、投資有価証券の取得による支出2,532百万円、関係会社株式の取得による支出1,708百万円があったこと等によるものであります。

  ③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果支出した資金は、10,134百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比2,876百万円減少)となりました。これは資金減少要因として、長期借入金の返済による支出5,729百万円、自己株式の取得による支出3,263百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,915百万円があったこと等によるものであります。

 

(注) 「第2 事業の状況」における記載金額には、いずれも消費税等は含まれておりません。

 

 

2 【仕入及び販売の状況】

(1)仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品卸売事業(百万円)

1,165,675

113.5

調剤薬局事業(百万円)

17,652

92.4

情報機器販売事業(百万円)

763

83.1

合計(百万円)

1,184,091

113.1

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品卸売事業(百万円)

1,206,958

113.0

調剤薬局事業(百万円)

99,776

108.4

治験施設支援事業(百万円)

531

143.3

情報機器販売事業(百万円)

1,208

86.6

合計(百万円)

1,308,474

112.6

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

 

当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組み、市場における企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。

国民の健康寿命の延伸と超高齢化社会における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に「地域包括ケアシステム」の確立が推進されるなか、当社グループは医薬品卸売事業、調剤薬局事業を中心に、予防、医療、介護の切れ目ない連携に貢献することを目指してまいります。また、医療ならびに医薬品業界の急速な環境の変化、最先端の課題を先取りして、ジェネリック医薬品80%時代を見据えた医薬品流通のさらなる効率化と高付加価値化に加えて、今後上市される新薬の主流とされるスペシャリティ医薬品、希少疾病用医薬品など高度管理を要する医薬品の取り扱いや医療関連サービス、新たなビジネスモデルの開発により、未開拓のセグメントを探究して顧客基盤の拡大に挑戦してまいります。

また、医療および健康関連企業としての公共性を認識し、グループ全体最適と生産性の向上に向けた諸施策をもって経営のスリム化を一層推進するとともに、全ては健康を願う人々のために、社会から継続して支持される企業集団を目指してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 

当社及び当社グループの事業その他に関する主なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)法的規制等について

当社グループの主な事業、取り扱い品目は、医薬品医療機器等法および関連法規等の規定により、必要な許可、登録、指定及び免許を受け、販売活動を行っております。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)薬価基準改定および医療保険制度改革の影響について

当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されており、医療保険で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品等の請求価格を定めたものであります。従って、基本的に薬価基準は販売価格の上限として機能しております。

この薬価基準については、厚生労働省が市場における医療用医薬品の実勢価格調査(以下「薬価調査」といいます。)を行い、その結果を薬価基準に反映させるために2年毎に改定が行われております。政府が医療保険財政健全化を目的として行う制度改革は、その動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 調剤業務について

医療用医薬品の性格上調剤過誤が生じた場合、人体に損害を生じさせる可能性があります。人的過失等の事由により調剤過誤が発生したときは、多額の賠償金の請求を受けるだけではなく、既存顧客の信用および社会的信用の低下を招くおそれがあります。その場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、薬剤師法において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置に人数を厳しく規制されており、薬剤師の必要人数が確保されない場合には業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)自然災害について

当社グループは、自然災害等に備え、危機管理体制の構築や基幹システムおよび周辺システムの完全二重化を実施しておりますが、想定外の大規模災害が発生した場合、売上高の低下、復旧費用の増加等、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)個人情報の管理について

当社グループは医療従事者や患者について、それぞれ多数の個人データを取り扱っております。医療従事者および患者に関する個人データは、その資産価値および高秘密性から、その取り扱いに不備があった場合、一般的な個人データの漏洩の場合に比し、より重い社会的信頼の低下や賠償責任が生じる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態の分析

  ① 資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.4%増加し、474,715百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が52,129百万円、商品及び製品が1,999百万円それぞれ増加し、現金及び預金が12,978百万円減少したこと等によります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.1%減少し、167,983百万円となりました。これは、のれんが2,386百万円減少したこと等によります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて7.1%増加し、642,698百万円となりました。

  ② 負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて8.0%増加し、421,401百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が29,659百万円増加したこと等によります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて11.0%減少し、46,639百万円となりました。これは、長期借入金が3,383百万円、リース債務が1,376百万円それぞれ減少したこと等によります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて5.8%増加し、468,041百万円となりました。

  ③ 純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて11.0%増加し、174,656百万円となりました。これは、利益剰余金が20,075百万円増加した一方、自己株式が3,263百万円増加したこと等によります。

 

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比146,326百万円増加(前期比12.6%増加)の1,308,474百万円となりました。医薬品卸売事業では、C型肝炎治療薬や希少疾病用医薬品等の新薬の寄与と、独自の顧客支援システム、特に自動音声認識薬歴作成支援システム「ENIFvoice SP」、「初診受付サービス」の契約件数の拡大が業績に貢献しました。また、調剤薬局事業では、地域医療に密着した店舗運営において、調剤報酬の改定に対応した高付加価値化による収益性改善を図りました。

② 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比18,601百万円増加(前期比185.7%増加)の28,618百万円となりました。医薬品卸売事業では、適正利益の確保を図るとともに、物流センターとコールセンターの機能を強化し、受注から配送にわたる全てのオペレーションコストの低減と業務効率を図る「営業と物流の一体改革」を一層推進し、間接部門を含めた要員の適正化を推進することで、経費節減を図りました。また、調剤薬局事業では、店舗業務の標準化や本部への業務集約による経費削減策に取り組みました。

③ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比18,591百万円増加(前期比116.9%増加)の34,493百万円となりました。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は35,114百万円となり、法人税等合計は13,343百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比8,235百万円増加(前期比60.8%増加)の21,771百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は2,381百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、仕入債務の増加により資金が増加し、売上債権の増加により資金が減少したこと等によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動による資金の減少は4,942百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得により資金が減少したこと等によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動による資金の減少は10,134百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済、自己株式の取得により資金が減少したこと等によるものであります。

この結果、当連結会計年度末における資金残高は、前連結会計年度末比12,696百万円減少の27,854百万円となりました。