第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における医療用医薬品市場は、平成28年4月の市場拡大再算定の特例を含む7.8%の薬価基準の引き下げやジェネリック医薬品のさらなる使用を促進する診療報酬改定などの医療費抑制策が推進された影響と前期に急成長したC型肝炎治療薬市場の急速な縮小により、抗がん剤等新薬の寄与はあったものの、前年に比べて大幅なマイナス成長となりました。

このような状況のもと、当社グループは医薬品卸売と調剤薬局の二つの事業を核とする医療、健康、介護分野に携わる企業集団として、患者様や医療機関が抱える課題を解決するための様々な顧客支援システムの開発・提案に取り組み、地域包括ケアシステムへの貢献により、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進いたしました。

平成28年11月に発足させた共創未来ファーマ株式会社については、12月の薬価追補収載において2成分3品目を発売し、売上・利益ともに順調なスタートとなりました。顧客需要に的確に対応する製造販売一体型のビジネススキームを確立し、高品質・高付加価値なジェネリック医薬品を中心に医療用医薬品を安定的かつ合理的に提供することを目指してまいります。

当連結会計年度の業績は、売上高は1,231,046百万円(前期比5.9%減)、営業利益は14,244百万円(前期比50.2%減)、経常利益は19,844百万円(前期比42.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,225百万円(前期比34.7%減)となりました。

 

(セグメントの状況)

医薬品卸売事業においては、個々の製品価値に応じた価格体系に基づく単品単価の価格交渉により適正利益の確保を図るとともに、当社独自の顧客支援システムの提案活動に注力することによりフィービジネスの拡大に努めました。また、継続して既存業務を抜本的に見直し、間接業務の集約化によるトータル人員の適正化を推進することで、生産性の向上を図りました。 

その結果、自動音声認識薬歴作成支援システム「ENIFvoice SP」、「初診受付サービス」の契約件数の拡大が業績に貢献し、他の顧客支援システムも安定的に寄与したものの、医療用医薬品市場のマイナス成長に加え、C型肝炎治療薬の市場縮小の影響を大きく受け、医薬品卸売事業における当連結会計年度の業績は、売上高1,180,640百万円(前期比6.0%減)、セグメント利益(営業利益)は13,998百万円(前期比48.8%減)となりました。

調剤薬局事業では、各薬局が調剤報酬の改定に対応した機能を構築するための施策を推進し、地域医療に密着した店舗運営において、顧客のニーズに対応したサービスを提供することで高付加価値化を図るとともに、店舗業務の標準化や本部への業務集約による経営の効率化を推進することで収益性の改善に取り組みました。一方で、調剤報酬改定と薬価改定の影響を大きく受け、その結果、当連結会計年度の業績は、売上高95,807百万円(前期比4.2%減)、セグメント利益(営業利益)は1,244百万円(前期比57.4%減)となりました。 

治験施設支援事業では、売上高322百万円(前期比39.4%減)、セグメント利益(営業利益)は74百万円(前期比75.2%減)、情報機器販売事業では、売上高1,614百万円(前期比15.8%増)、セグメント利益(営業利益)は81百万円となりました。 

(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し132百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は27,721百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  ①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は、16,062百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比13,681百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益21,871百万円を計上、減価償却費4,483百万円、のれん償却額2,188百万円、売上債権の減少額47,053百万円がありましたが、資金減少要因として、仕入債務の減少額41,302百万円、未払消費税等の減少額1,002百万円、法人税等の支払額17,122百万円があったこと等によるものであります。

  ②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果支出した資金は、6,294百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比1,351百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、有形固定資産の売却による収入4,195百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入2,398百万円がありましたが、資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出7,159百万円、無形固定資産の取得による支出1,402百万円、関係会社株式の取得による支出2,499百万円、貸付けによる支出1,364百万円があったこと等によるものであります。

  ③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果支出した資金は、9,900百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比234百万円増加)となりました。これは資金減少要因として、短期借入金の純減少額1,507百万円、長期借入金の返済による支出4,698百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,851百万円、配当金の支払額2,058百万円があったこと等によるものであります。

 

(注) 「第2 事業の状況」における記載金額には、いずれも消費税等は含まれておりません。

 

 

2 【仕入及び販売の状況】

(1)仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品卸売事業(百万円)

1,101,524

94.5

調剤薬局事業(百万円)

16,852

95.5

情報機器販売事業(百万円)

736

96.4

合計(百万円)

1,119,112

94.5

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品卸売事業(百万円)

1,133,939

94.0

調剤薬局事業(百万円)

95,457

95.7

治験施設支援事業(百万円)

322

60.6

情報機器販売事業(百万円)

1,327

109.8

合計(百万円)

1,231,046

94.1

 

(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 

 

当社グループは「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指してまいります。
 我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に「地域包括ケアシステム」の確立と医療費抑制のための施策が推進されております。地域包括ケアシステムにおける医療提供体制については、施設完結型から地域完結型への変革に向けた取り組みが進められております。また、医療費抑制のための取り組みとして、市場拡大再算定の特例が施行され、薬価の毎年改定を含む薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が決定され、また、ジェネリック医薬品の使用促進のための施策が推進されております。
 このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化、最先端の課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、調剤薬局事業については、健康サポート薬局への機能変革を推進するなど地域包括ケアシステムの構築に貢献することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック数量80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を需要予測に基づき安定的に供給する製造販売一体型のサプライチェーンを構築していくことで、患者様や医療機関の皆様の課題を解決するとともに、当社グループの収益向上に寄与させてまいります。
 一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益レベルの向上を目指してまいります。
 さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。
 以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

 

当社及び当社グループの事業その他に関する主なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)法的規制等について

当社グループの主な事業、取り扱い品目は、医薬品医療機器等法および関連法規等の規定により、必要な許可、登録、指定及び免許を受け、販売活動を行っております。監督官庁の許認可の状況により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)薬価基準改定および医療保険制度改革の影響について

当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されており、医療保険で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品等の請求価格を定めたものであります。従って、基本的に薬価基準は販売価格の上限として機能しております。

この薬価基準については、厚生労働省が市場における医療用医薬品の実勢価格調査(以下「薬価調査」といいます。)を行い、その結果を薬価基準に反映させるために2年毎に改定が行われております。政府が医療保険財政健全化を目的として行う薬価制度の抜本的改革は、その動向によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 調剤業務について

医療用医薬品の性格上調剤過誤が生じた場合、人体に損害を生じさせる可能性があります。人的過失等の事由により調剤過誤が発生したときは、多額の賠償金の請求を受けるだけではなく、既存顧客の信用および社会的信用の低下を招くおそれがあります。その場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、薬剤師法において薬剤師以外の調剤を禁じていることや、医薬品医療機器等法および厚生労働省令等によって、薬局への薬剤師の配置に人数を厳しく規制されており、薬剤師の必要人数が確保されない場合には業績に影響を与える可能性があります。

 

(4)自然災害について

当社グループは、自然災害等に備え、危機管理体制の構築や基幹システムおよび周辺システムの完全二重化を実施しておりますが、想定外の大規模災害が発生した場合、売上高の低下、復旧費用の増加等、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)個人情報の管理について

当社グループは医療従事者や患者について、それぞれ多数の個人データを取り扱っております。医療従事者および患者に関する個人データは、その資産価値および高秘密性から、その取り扱いに不備があった場合、一般的な個人データの漏洩の場合に比し、より重い社会的信頼の低下や賠償責任が生じる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態の分析

  ① 資産

流動資産は、前連結会計年度末に比べて10.0%減少し、427,052百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が47,043百万円、商品及び製品が1,653百万円それぞれ減少したこと等によります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて2.3%増加し、171,818百万円となりました。これは、建設仮勘定が4,376百万円、投資有価証券が2,935百万円それぞれ増加し、のれんが2,421百万円減少したこと等によります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.8%減少し、598,871百万円となりました。

  ② 負債

流動負債は、前連結会計年度末に比べて12.5%減少し、368,758百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が41,309百万円、未払法人税等が7,431百万円それぞれ減少したこと等によります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて10.3%減少し、41,841百万円となりました。これは、長期借入金が3,422百万円減少したこと等によります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて12.3%減少し、410,599百万円となりました。

  ③ 純資産

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて7.8%増加し、188,271百万円となりました。これは、利益剰余金が12,184百万円、その他有価証券評価差額金が1,071百万円それぞれ増加したこと等によります。

 

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比77,428百万円減少(前期比5.9%減少)の1,231,046百万円となりました。医薬品卸売事業では、当社独自の顧客支援システムの提案活動に注力することによりフィービジネスの拡大に努め、自動音声認識薬歴作成システム「ENIFvoice SP」、「初診受付サービス」の契約件数の拡大等が業績に貢献したものの、医療用医薬品市場のマイナス成長に加え、C型肝炎治療薬の市場縮小の影響を大きく受けました。調剤薬局事業では、地域医療に密着した店舗運営において、顧客ニーズに対応したサービスを提供するなどの高付加価値化による収益性改善を図りましたが、調剤報酬改定と薬価改定の影響を大きく受けました。

② 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比14,374百万円減少(前期比50.2%減少)の14,244百万円となりました。医薬品卸売事業では、継続して既存業務を抜本的に見直し、間接業務の集約化によるトータル人員の適正化を推進することで、生産性の向上を図りました。調剤薬局事業では、店舗業務の標準化や本部への業務集約による経営の効率化を推進することで収益性の改善に取り組みました。

③ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度比14,649百万円減少(前期比42.5%減少)の19,844百万円となりました。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は21,871百万円となり、法人税等合計は7,645百万円となりました。その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比7,545百万円減少(前期比34.7%減少)の14,225百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動による現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の増加は16,062百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上、売上債権の減少により資金が増加したこと等によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動による資金の減少は6,294百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得により資金が減少したこと等によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動による資金の減少は9,900百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済により資金が減少したこと等によるものであります。

この結果、当連結会計年度末における資金残高は、前連結会計年度末比132百万円減少の27,721百万円となりました。