文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に患者様を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。
我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に医療費抑制のための施策が推進されております。2018年4月には、地域包括ケアシステムの構築に向けた診療報酬・調剤報酬改定とともに薬価制度の抜本改革が行われ、毎年薬価調査・毎年薬価改定が実施されることとなりました。一方で、2018年1月には、安定的な医薬品流通が確保されることを目的とした「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」、2018年9月には、医薬品製造販売業者等が医療用医薬品の販売情報提供活動において行う広告または広告に類する行為を適正化することにより医療用医薬品の適正使用を確保することを目的とした「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」、さらに、2018年12月には、医薬品の適切な流通経路管理を目的とした「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン」がそれぞれ厚生労働省より発出され、医薬品医療機器等法の改正に向けた動きも本格化しております。
このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、かかる急速な環境の変化や課題を先取りし、迅速かつ的確に対応することで、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献してまいります。そのため、患者様、医療機関様、さらには在宅医療・介護に携わる専門職等の課題を解決する顧客支援システムの開発・提案に取り組み、調剤薬局事業については、地域連携薬局ならびに専門医療機関連携薬局への機能変革を進めるなど、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革を推進してまいります。また、ジェネリック医薬品数量シェア80%時代を見据え、独自の検証により品質を担保したジェネリック医薬品を安定供給してまいります。なお、株式会社スズケンとの新たな流通モデルの共同展開につきましては、お得意様の声を反映した患者様視点での安全、安価で高品質なジェネリック医薬品の安定供給を目指し、2019年4月1日にジェネリック医薬品の合弁会社「株式会社TSファーマ」を設立いたしました。このような取り組みにより、患者様や医療機関様の課題を解決するとともに、当社グループの収益性向上に寄与させてまいります。
一方で、グループ全体で業務の集約化と標準化、人員の適正化を進めることで生産性の向上を図り、安定的な収益の確保と収益性の向上を目指してまいります。
さらに、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、各機能を事業継続の観点から見直し、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めることで、安心・安全の医薬品供給を追求してまいります。
以上のことから、患者様、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
当社及び当社グループの事業その他に関する主なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社及び当社グループの事業その他に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
(1) 法的規制等について
当社グループの主な事業、取り扱い品目は、医薬品医療機器等法および関連法規等の規定により、必要な許可、登録、指定及び免許を受け、販売活動を行っております。監督官庁の許認可の状況により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 薬価基準改定および医療保険制度改革の影響について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されており、医療保険で使用できる医薬品の範囲と医療機関が使用した医薬品等の請求価格を定めたものであります。従って、基本的に薬価基準は販売価格の上限として機能しております。
この薬価基準については、厚生労働省が市場における医療用医薬品の実勢価格調査(以下「薬価調査」といいます。)を行い、その結果を薬価基準に反映させるために2年毎に改定が行われております。本年10月には、消費税増税に伴う薬価改定が予定されており、2020年4月にも通常の薬価改定が実施されます。また、2018年4月の薬価制度の抜本改革により2021年4月より中間年においても薬価調査・薬価改定が導入されることが決定し、その内容を含め、今後の薬価基準改定および医療保険制度の改正の内容によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 特有の商慣習について
当社グループが主に事業展開する医療用医薬品卸売業界においては、医薬品が生命関連商品であり納入停滞が許されないという性質上、医薬品を価格未決定のまま医療機関・調剤薬局に納入し、その後に価格交渉を始めるという特異な取引形態が旧来より続いております。官民挙げてかかる流通慣行の改善に継続して取り組んでいるところではありますが、交渉が難航した場合に当社グループでは合理的な見積もりにより決定予想価格を算出して売上計上しております。価格交渉に長時間を要する場合や当初予想と異なる価格での決定となる場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 販売中止、製品回収等について
当社グループの取り扱う製品が予期せぬ副作用や異物混入等により販売中止または製品回収等の事態となった場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 調剤薬局事業について
医療用医薬品の性格上調剤過誤が生じた場合、人体に損害を生じさせる可能性があります。人的過失等の事由により調剤過誤が発生したときは、多額の賠償金の請求を受けるだけではなく、既存顧客の信用および社会的信用の低下を招くおそれがあります。その場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、厚生労働省令によって薬局への薬剤師の配置に人数を厳しく規制されており、薬剤師の必要人数が確保されない場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
さらに調剤薬局事業は薬価基準に基づく医療用医薬品販売収入ならびに健康保険法に定められた調剤報酬点数に基づく調剤料および薬学管理料等が主要な収入となります。従って、薬価改定や調剤報酬改定の内容や医療保険制度改革による制度改正の内容によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6) 消費税について
調剤薬局事業者が患者に販売する医療用医薬品は、消費税法により非課税商品となっておりますが、調剤薬局事業者が卸売事業者から購入する医療用医薬品には同法により消費税等が課税されております。そのため、調剤薬局事業では、消費税等の最終負担者として費用計上しております。従って、将来消費税が改定されたときに薬価基準がその変動率に応じて改定されなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 減損損失について
固定資産の減損会計は、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として当期の損失とすることとされています。このため、保有する固定資産の収益性の低下や市場価値が著しく下落した場合など、固定資産の減損会計の適用により特別損失の計上が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8) システムトラブルについて
当社グループは、その事業運営をコンピュータシステム及びそのネットワークに依拠しており、大規模なシステムトラブルが発生した場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) 自然災害について
当社グループは、自然災害等に備え、危機管理体制の構築や基幹システムおよび周辺システムの完全二重化を実施しておりますが、想定外の大規模災害が発生した場合、売上高の低下、復旧費用の増加等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10) 個人情報の管理について
当社グループは医療従事者や患者について、それぞれ多数の個人データを取り扱っております。医療従事者および患者に関する個人データは、その資産価値および高秘密性から、その取り扱いに不備があった場合、一般的な個人データの漏洩の場合に比し、より重い社会的信頼の低下や賠償責任が生じる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における医療用医薬品市場は、2018年4月の診療報酬改定において薬価ベースで7.48%の薬価基準引き下げが実施されるなど引き続き厳しい環境下で推移しました。
このような状況のもと、当社グループは、医療・健康・介護に携わる企業集団として、医薬品卸売、調剤薬局、医薬品製造販売等の事業を展開するとともに、患者様や医療機関様が抱える課題を解決する顧客支援システムの開発・提案や地域包括ケアシステムの構築に貢献することで、幅広い分野で存在価値を発揮する付加価値サービス型ビジネスモデルへの変革をグループ一体となって推進いたしました。
中長期的な収益性向上のための事業戦略の一つとして、2016年11月に発足させました共創未来ファーマ株式会社につきましては、富士フイルムファーマ株式会社が製造販売元ならびに販売元であったジェネリック医薬品の承継・販売移管を受けるなどラインナップの拡充を図り、2019年3月末現在、ジェネリック医薬品の取り扱いは73成分156品目となりました。また、2018年11月に新たな物流拠点としてこれまでに培ってきた自動化の技術を一層進化させた物流センター「TBC広島」が稼働するなど、災害時にも医薬品を安定的に供給出来るよう物流体制の更なる高機能化に取り組みました。さらに、株式会社スズケンと2018年7月に顧客支援システムの共同利用について、また、2019年2月に新たな流通モデル(ジェネリック医薬品・スペシャリティ医薬品)の共同展開について基本合意いたしました。
当連結会計年度の業績は、売上高は1,222,199百万円(前期比0.7%増)、営業利益は15,783百万円(前期比17.0%減)、経常利益は21,452百万円(前期比14.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,863百万円(前期比3.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業におきましては、2018年1月に厚生労働省より発出された「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」に沿って、個々の製品価値に見合った単品単価交渉に努めるとともに、当社・顧客双方の大きな業務負担となっている急配・頻回配送を改善し、最適な配送回数を実現するための施策を推進いたしました。また、ENIF本部や初診受付サービス、ENIFvoice SP+A、ENIFvoice Core、Core-POS等の当社独自の顧客支援システムの普及促進に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,175,413百万円(前期比1.3%増)、セグメント利益(営業利益)は16,084百万円(前期比6.2%減)となりました。
調剤薬局事業におきましては、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、当社の顧客支援システムの活用などによる店舗業務の標準化や効率化を引き続き推進することで、収益性の改善に取り組みました。当連結会計年度の業績は、売上高93,222百万円(前期比4.9%減)、セグメント利益(営業利益)は1,425百万円(前期比60.0%減)となりました。
治験施設支援事業では、売上高280百万円(前期比13.1%減)、セグメント利益(営業利益)は55百万円(前期比38.4%減)、情報機器販売事業では、売上高1,385百万円(前期比18.3%減)、セグメント利益(営業利益)は36百万円(前期比43.1%減)となりました。
(注)1.TBCはToho Butsuryu Center(東邦物流センター)の略称であります。
2.ENIF本部は薬局業務一元管理本部システム、ENIFvoice SP+Aは自動音声認識・電子薬歴一体型システム、ENIFvoice Coreは自動音声認識・電子薬歴一体型レセプトコンピュータ、Core-POSはレセコン連動型POSシステムの名称であります。
3.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
仕入及び販売の実績は、次のとおりであります。
①仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。
① 総資産
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて17,927百万円増加し、663,727百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて21,703百万円増加し、479,427百万円となりました。これは、社債の発行をした一方、自己株式の取得等による支出があり現金及び預金が11,664百万円増加し、受取手形及び売掛金が5,548百万円、商品及び製品が5,501百万円それぞれ増加したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて3,776百万円減少し、184,299百万円となりました。これは、有形固定資産が1,614百万円、のれんが1,254百万円、投資有価証券が1,042百万円それぞれ減少したこと等によります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて2,232百万円減少し、510,467百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金、商品及び製品が増加し、現金及び預金が減少したこと等によります。
調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,151百万円減少し、46,062百万円となりました。これは、のれん償却額1,517百万円等によります。
治験施設支援事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて35百万円減少し、898百万円となりました。
情報機器販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて166百万円増加し、2,219百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて11,850百万円増加し、449,878百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて9,438百万円増加し、400,265百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が5,143百万円、1年内償還予定の社債が7,955百万円それぞれ増加し、未払法人税等が2,131百万円減少したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて2,412百万円増加し、49,612百万円となりました。これは、社債が5,057百万円増加し、リース債務が1,382百万円、繰延税金負債が1,089百万円それぞれ減少したこと等によります。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて6,076百万円増加し、213,848百万円となりました。これは、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により11,626百万円増加した一方、自己株式が3,644百万円増加、その他有価証券評価差額金が2,422百万円減少したこと等によります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し11,710百万円増加しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は75,382百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、13,428百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比38,549百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益20,913百万円を計上、減価償却費4,869百万円、のれん償却額1,572百万円、仕入債務の増加額5,027百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額5,355百万円、たな卸資産の増加額5,394百万円、法人税等の支払額9,750百万円があったこと等によるものであります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果支出した資金は、7,649百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比4,799百万円増加)となりました。これは資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出2,799百万円、無形固定資産の取得による支出1,000百万円、投資有価証券の取得による支出2,952百万円があったこと等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果獲得した資金は、5,329百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比9,083百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、社債の発行による収入20,100百万円がありましたが、資金減少要因として、自己株式の取得による支出10,002百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,808百万円、配当金の支払額2,025百万円があったこと等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。