文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「全ては健康を願う人々のために」をコーポレートスローガンとして掲げ、「わたしたちは社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します。」との経営理念のもと、常に健康を願う人々を第一に考え、その満足度を高めるべく顧客価値の創造に取り組むことで、持続的な成長による中長期的な企業価値の向上とコーポレートブランドの確立を目指しております。
我が国においては現在、国民の健康寿命の延伸と超高齢社会、総人口の減少における持続可能な社会保障制度の構築・維持を目的に、薬価の毎年改定など医療費抑制のための様々な施策や、「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取り組みが推進されております。
また、近年は、遺伝子治療医薬品や再生医療等製品をはじめとした、高額で厳密な管理が必要とされる医薬品が多く登場し、医薬品のモダリティが大きく変化しており、医薬品等の多様性に対応できる営業・物流体制の構築が求められております。
このように医療ならびに医薬品業界の環境変化がますます加速しているなか、当社グループは医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、国民の健康寿命の延伸と持続可能な社会保障制度の構築・維持に貢献し、社会から継続して支持される企業であるべく、中期経営計画2023-2025「次代を創る」を策定いたしました。当社グループの目指す姿の実現に向けて、当中期経営計画年度において次代に繋がる基盤を創ってまいります。
また、当社グループは企業の安定的かつ長期的な成長と、持続可能な社会の実現に向けて、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)、およびコンプライアンスというそれぞれの領域における課題を洗いだし、その解決に向けたサステナビリティ経営を推進しております。医薬品等の流通を担う立場として、環境保全と事業活動の両立を最重要課題と捉え、物流センターからお得意先への直送や配送回数の適正化、共同物流など配送効率の向上に取り組んでまいります。また、性別・国籍・年齢等を問わない幅広い人財活用と、各種研修やプロジェクトへの参画を通じた人財育成、社員一人ひとりの人権・人格を尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成するとともに、人的資本価値の最大化を図ってまいります。
さらに、健全な事業活動を行うべく、ガバナンスの一層の強化を図るとともに、全ての役職員が「関連法規の遵守」と「コンプライアンス・リスクマネジメント」を最優先事項として行動してまいります。加えて、医療および健康関連企業としての公共性と社会インフラとしての使命を認識し、非常時においても医療提供体制を維持するため、震災・パンデミック対策など医薬品の安定供給に必要な投資を各ステークホルダーからの信頼と共感をベースに進めてまいります。
このような取り組みを推進することで、健康を願う人々、顧客、地域社会、株主、社員など全てのステークホルダーから必要とされ、継続して支持される企業集団を目指してまいります。
(注)モダリティとは、創薬技術や手法等の治療手段の種別のことであります。
当社グループは、「社会・顧客と共生し、独創的なサービスの提供を通じて新しい価値を共創し、世界の人々の医療と健康に貢献します」という経営理念に基づき、医療・健康・介護分野に携わる企業集団として、事業を通じた社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
なお、サステナビリティに関する詳細な方針は当社ホームページ(https://www.tohohd.co.jp/csr)に記載しております。
(1)ガバナンス体制について
当社はサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ推進委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。
≪取締役会による監督体制≫
取締役会は、サステナビリティや気候変動に関するリスクと機会に係る課題について、サステナビリティ推進委員会より取り組み状況や目標の達成状況の報告を受け、モニタリングします。また、新たに設定した対応策や目標を監督します。
人的資本に関しては、人的資本に係る投資、主要部署における責任者以上の職位の任免、ならびに重要な労働条件の基準に関する決定および変更について、取締役会の承認を受けております。また、その他の社員の任免や労務管理、健康経営推進をはじめとする各施策の推進についても取締役会に報告され、監督を受けております。
≪サステナビリティ推進委員会≫
サステナビリティ推進委員会は、営業・物流・管理部門のメンバーで構成され、気候変動に係る事項を含むマテリアリティ(重要課題)の特定や環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)、DX等への対応を含むサステナビリティ戦略について審議し、取締役会に報告します。
サステナビリティ推進委員会は、委員長を専務取締役COOが務め、サステナビリティ方針に基づく行動計画の立案、目標設定、進捗管理、効果検証を行うとともに、気候変動が事業に与える影響について、毎年評価を行い、識別したリスクの最小化と機会の獲得に向けた方針をもとに、対応策の策定および目標の設定を行います。
また、目標の達成状況を審議し、取締役会に報告し、監督を受けております。
当社グループのESGに関する基本的な考え方、マテリアリティ(重要課題)は当社ホームページに掲載しております。
東邦ホールディングスのESG https://www.tohohd.co.jp/csr/esg
≪気候変動に係る所管部署≫
広報IR本部は、サステナビリティ推進委員会の事務局を担当するとともに、関連部署との連携や全社的な気候変動に係る対応の推進を担い、気候変動に係る事項を含むサステナビリティ戦略を検討し、サステナビリティ推進委員会に提言します。
≪人的資本に係る所管部署≫
総務人事本部および広報IR本部が各施策の検討・立案および推進を担い、代表取締役やサステナビリティ推進委員会に提言します。
≪サステナビリティ推進体制≫
当社グループのサステナビリティに係るガバナンス体制図は、以下のとおりです。

(2)リスク管理について
当社グループでは、経営上のリスクもしくは経営上のリスクに発展しかねない事態が発生した場合の対応と、経営上のリスクの発生を未然に防止するためにリスク管理基本規程を定めております。リスク管理基本規程および関連マニュアルは、グループ・コンプライアンス・リスク管理委員会において定期的に検証・改善を行っております。グループ・コンプライアンス・リスク管理委員会は、代表取締役CEOが委員長の任にあたり、リスク要因の早期発見・把握、リスク発生防止体制の改善、リスク発生時の対応策の策定などを定期的に行っております。
サステナビリティや気候変動に関連するリスクにつきましては、サステナビリティ推進委員会にて、サステナビリティ課題がもたらす事業リスクおよび収益機会を識別・評価し、グループ・コンプライアンス・リスク管理委員会やグループ災害対策等委員会と連携の上、取締役会に報告します。
なお、具体的な事業のリスクについては次項に記載しております。
(3)人的資本に関する取り組み
当社グループは、社員は会社の財産、すなわち「人財」であるとの考えのもと、人財によって成長してきた歴史と、社員の自由な発想を尊重してきた企業文化を大切に継承するとともに、当社グループが必要とする人財の育成と人事制度の整備、働き方改革の推進により人的資本の価値最大化に取り組んでおります。
人的資本に係る投資、主要部署における責任者以上の職位の任免、ならびに重要な労働条件の基準に関する決定および変更については、取締役会に付議し承認を受けております。また、その他の一定職位以上の社員の任免や健康経営推進をはじめとする人的資本に関する各施策についても適宜、取締役会で報告を行い、監督を受けております。
人的資本におけるリスクについては、労働災害の発生、役職員による法令違反行為、人材流出等が挙げられますが、安全および衛生や災害補償をはじめとする各規程を定めるとともに、コンプライアンス研修の実施、人事制度の充実、職場環境の整備等を通じてリスクの発現を防止しております。
なお、当社は2023年4月から2026年3月までの3カ年を対象とする中期経営計画2023-2025「次代を創る」で、人的資本へ60億円の投資を計画しております。
①人材育成方針
当社グループは、コーポレートスローガン「全ては健康を願う人々のために」を羅針盤として、グループにとって必要な人財を①キャリア開発と研修強化、②人事制度の整備、③働き方改革の推進により育成します。
当社グループが必要と考える人財は以下の通りです。
また、性別、国籍・年齢等を問わない幅広い人財活用と、社員の個性や能力、チームワークを尊重することで、自由闊達な企業風土を醸成してまいります。
②社内環境整備方針
③指標及び目標
当社は多様性を確保するため、女性管理職比率を指標とし、「2020年代の可能な限り早期に30%にする」という目標を定めております。当事業年度の女性管理職比率は16.5%となっており、前事業年度より5.1%増加しております。
④当事業年度における主な取り組み
・全従業員を対象とした毎月のコンプライアンス研修:受講率 100%
・営業担当者を対象とした毎月の独占禁止法研修:受講率 100%
・東邦薬品㈱のMSを対象としたリスキリング研修:受講者 751名
・新任管理職研修、新任営業課長研修:受講者数 85名
・営業所長研修:受講者数 134名
・社内プロジェクトMAXIS2021の推進:プロジェクト参加人数 63名
・国立研究開発法人産業技術総合研究所との共同研究:参加人数 24名(出向者 8名、社内研究員16名)
・女性社員の管理職への積極登用:東邦ホールディングス㈱ 新規管理職登用者数(男性5名、女性2名)
・健康経営推進:東邦ホールディングス㈱、東邦薬品㈱、㈱J.みらいメディカル、㈱ネグジット総研が健康経営優良法人2023を取得
(4)気候変動への取り組み
当社グループは、気候変動への取り組みを重要課題の一つと位置付け、サステナビリティ推進委員会を中心に気候変動に関するリスクと機会の特定、当社に与える影響、具体的な対応策等の検討を進めております。また、必要なデータの収集と分析を進めており、その内容につきましてはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が提言する情報開示フレームワークに沿った開示を推進してまいります。
なお、詳細については、当社ホームページ(https://www.tohohd.co.jp/csr/activity/climatechanges)をご覧ください。
①ガバナンス(気候関連リスクおよび機会に関するガバナンス)
◆ガバナンス体制
当社グループは、サステナビリティ推進委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。
◆取締役会による監督体制
取締役会は、気候変動に関するリスクと機会について、サステナビリティ推進委員会より取り組み状況や目標の達成状況の報告を受け、モニタリングします。また、新たに設定した対応策や目標を監督します。
◆気候変動に係るサステナビリティ推進委員会の役割
サステナビリティ推進委員会は気候変動が事業に与える影響について、毎年評価を行い、識別したリスクの最小化と機会の獲得に向けた方針を示し、対応策の検討・立案及び目標の設定を行います。
②リスク管理
気候変動に係るリスクについては、サステナビリティ推進委員会にてリスクと機会の識別、評価、対応検討と目標の設定、対応策の推進を行い、定期的に取締役会に報告します。
③戦略
当社グループは、気候変動関連を含むサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識しております。特に、生命に係る医薬品の流通を担う立場として、自然災害の激甚化に伴うサプライチェーンの寸断や医薬品供給能力の低下は大きな事業リスクであり、社会リスクでもあります。また、事業から直接排出されるScope1とScope2の排出量は少なく、サプライチェーンから排出されるScope3の排出量が多いことが特徴です。このような認識に基づき、気候変動に伴う当社グループの事業への影響を把握し、対応策を策定するため、シナリオ分析を実施しました。
医薬品卸売事業を対象組織として、IPCC第5次評価報告書やIEA WEO2020 NZE等のシナリオを参照の上、気候変動が2030年時点で1.5℃上昇する世界におけるシナリオ(移行シナリオ)と、2050年時点で4℃上昇する世界におけるシナリオ(物理シナリオ)を想定し、影響度が高いと考えるリスクと機会を定性的に特定したものを以下の表にまとめております。
(注)1.影響度の評価基準については、「影響を受ける可能性」と「影響の大きさ」を考慮し、定性的に評価しております。
2.時間軸は、短期(~2025年まで)、中期(~2030年まで)、長期(~2050年まで)に設定しております。
④指標と目標
当社グループは、温室効果ガス(Scope1・2・3)の排出量を指標とし、温室効果ガスの排出量の大きい領域や削減対象を把握し、環境負荷の低減に努めております。社会的環境の変化を踏まえ、自社の直接的な排出を対象とするScope1・2については、中長期的な削減目標を継続的に検討しております。また、カーボンニュートラルの実現に向けて、Scope3に対する取り組みも重要であると認識し、具体的な削減目標を検討しております。今後は仕入先や顧客との協働を進め、温室効果ガス排出量削減に向けた取り組みを進めてまいります。
◆Scope1・2・3における排出量の実績
(注)3.Scope2の排出量データはマーケット基準で算出しております。
4.対象範囲は、東邦ホールディングス㈱、東邦薬品㈱、㈱セイエル、九州東邦㈱、㈱幸燿、㈱東邦システムサービスとしております。
◆今後の取り組み
当社グループは、政府が掲げる目標「カーボンニュートラル」実現に向けて、高効率設備への改修による「省エネ」、太陽光発電設備の導入による「創エネ」、再生可能エネルギーの調達による「再エネ」などを計画的に実施してまいります。また、気候変動に関連する炭素税の導入や電力価格上昇の可能性を考慮した対応を実施してまいります。
当社および当社グループの事業その他に関する主なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、当社および当社グループの事業その他に関する全てのリスクを網羅したものではありません。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における医療用医薬品市場は、2022年4月に実施された診療報酬改定において、薬剤費ベースで6.69%の薬価基準の引き下げが行われるなど、引き続き医療費抑制策の影響を受けましたが、新型コロナウイルスによる第7波および第8波の感染拡大に伴い、治療薬・検査キットなどの関連製品の売上が拡大し、プラス成長となりました。当社グループにおきましても、新型コロナウイルス関連製品の売上が大きく寄与したことに加え、がん治療薬・スペシャリティ医薬品の伸長等により増収増益となりました。
顧客支援システムにつきましては、医薬品発注・情報端末機「ENIF」のWEB版である「FutureENIF-WEB(フューチャーエニフウェブ)」を新たにリリースしたほか、オンライン診療・服薬指導システム「KAITOS(カイトス)」につきましては、医療機関のニーズに応じて機能を大きく見直し、アプリ版をリリースすることで患者様の利便性の向上を図りました。また、コロナ禍において、診療予約やオンライン診療のニーズが高まっていることから、その導入と併せてホームページの充実を図る医療機関が増加しており、「病院なびホームページサービス」の提案活動を強化いたしました。
物流機能につきましては、医療用医薬品等の北陸エリアにおける物流の要として、物流センター「TBC北陸」(石川県金沢市)が2022年5月に稼働いたしました。また、TBCダイナベースの好立地および高機能を製薬メーカーからご評価いただき、卸物流に加え、メーカー物流の受託も増加しました。さらに、冷凍領域での厳密な温度管理や輸送が求められる製品を安定的に供給するため、-25℃~+4℃に対応した定温搬送装置「サルム FZ」を新たに開発し、シスメックス株式会社とともに高度な冷凍輸送が必要となる精度管理試料の供給において、サステナビリティ・環境配慮の観点からドライアイスフリー輸送の運用も開始いたしました。
中長期的な事業成長のための取り組みとしましては、成長分野における最先端技術の取り込みや枠にとらわれない協業の推進を進めており、その一環として、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と連携研究ラボを2023年4月に設立し、医療アクセスにおける様々な課題を解決するための共同研究を実施することで合意いたしました。
収益性の改善と企業価値向上のための取り組みにつきましては、グループ経営の最適化と組織のスリム化による生産性の向上を目的に、営業拠点の統廃合をはじめとした組織および人事の大幅な見直しを行いました。また、機動的な経営体制構築のため、2022年6月には取締役の人数をこれまでの14名から9名に減員し、そのうち1名を女性、社外取締役の人数を3名といたしました。さらに、持続的成長と社会課題の解決に向けた取り組みを一層推進するべく「サステナビリティ推進委員会」を新たに設置するとともに、健康経営の推進を図り、東邦ホールディングス株式会社、東邦薬品株式会社、株式会社J.みらいメディカル、株式会社ネグジット総研の4社が、2023年3月に「健康経営優良法人2023」の認定を取得しております。
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,388,565百万円(前期比9.7%増)、営業利益12,813百万円(前期比2.3%増)、経常利益19,176百万円(前期比5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13,630百万円(前期比1.9%増)となりました。
なお、2023年3月24日に独立行政法人国立病院機構本部を発注者とする「九州エリア」に所在する病院が調達する医療用医薬品の入札に関する独占禁止法違反で当社連結子会社である九州東邦株式会社が公正取引委員会より排除措置命令および課徴金納付命令を受けました。当社グループは改めて事態を厳粛に受けとめ、コンプライアンスの再徹底に全力で努めております。信頼回復に向けて健全かつ透明性の高い事業活動をグループ一体となって推進してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業においては、引き続き新型コロナウイルス関連製品の配送に尽力したほか、後発医薬品メーカーのGMP違反に伴う後発医薬品の出荷調整や解熱鎮痛薬の需給ひっ迫による出荷調整への対応に努めました。スペシャリティ医薬品をはじめとする、取扱卸を限定する製品の売上は順調に伸長しており、新型コロナウイルスの治療薬・検査キットの需要増も業績に大きく寄与しております。医療機関との価格交渉につきましては、個々の製品価値と流通コストに見合った価格交渉を一層推進し、適正利益の確保に努めました。顧客支援システムにつきましては、リモートディテーリングを活用したオンラインによるプロモーションを新たに開始し、オンライン診療・服薬指導システム「KAITOS(カイトス)」、初診受付サービス、薬局本部システム「ミザル」等の提案活動に積極的に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,336,766百万円(前期比9.9%増)、セグメント利益(営業利益)10,443百万円(前期比4.8%増)となりました。
調剤薬局事業においては、調剤報酬改定への対応を進めるとともに、採算性を重視した新規開局や閉局を行いました。また、質の高い医療サービスを提供すべく、SNSでの服薬フォローやオンライン服薬指導、処方せん送信アプリなどのデジタルツールの活用や、かかりつけ薬剤師の育成に取り組みました。2022年10月からは、山形県酒田市にある共創未来あきほ薬局が厚生労働省主導の「電子処方箋のモデル事業」に参画し、電子処方箋の活用事例や課題の収集に努めております。また、新型コロナウイルス感染症の早期収束に向けて、店舗における感染症対策を徹底するとともに、抗原検査キットの販売や、PCR等検査無料化事業に応じた無料PCR検査・抗原検査も実施いたしました。
その結果、売上高92,346百万円(前期比0.6%増)、セグメント利益(営業利益)2,431百万円(前期比18.0%減)となりました。
医薬品製造販売事業においては、自社で構築した独自の検証システムによる徹底した品質管理と、需要に基づく計画的な生産体制を構築することで、高品質・高付加価値な後発医薬品の安定供給に取り組みましたが、他の後発医薬品メーカーの出荷調整に伴う需要の急増により、当社につきましても一部の製品が影響を受けました。また、当連結会計年度に後発医薬品3成分5品目を新たに発売するなど引き続き製品ラインナップの拡充を図り、2023年3月末時点での販売製品は89成分208品目となりました。その結果、売上高9,944百万円(前期比9.4%増)、セグメント利益(営業利益)864百万円(前期比2.3%減)となりました
その他周辺事業においては、売上高は6,635百万円(前期比16.1%増)、セグメント利益(営業利益)は621百万円(前期比57.2%増)となりました。
(注)1.TBCはToho Butsuryu Center(東邦物流センター)の略称であります。
2.GMP(Good Manufacturing Practice)とは、医薬品の製造業者および製造販売業者に求められる、医薬品の製造管理および品質管理の基準であります。
3.リモートディテーリングとは、医療従事者に専門担当者がオンライン経由で情報を提供することであります。
4.セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績及び受注実績
当社グループの生産実績及び受注実績は、金額的重要性が乏しいため、記載を省略しております。
② 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における「主な相手先別販売実績」については、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先はありませんので記載を省略しております。
① 総資産
当連結会計年度末における当社グループの総資産は、前連結会計年度末に比べて12,912百万円増加し、715,288百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて20,412百万円増加し、533,519百万円となりました。これは、売掛金が14,521百万円、商品及び製品が11,048百万円それぞれ増加し、現金及び預金が8,055百万円減少したこと等によります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて7,500百万円減少し、181,768百万円となりました。これは、有形固定資産が4,382百万円、投資有価証券が6,137百万円それぞれ減少したこと等によります。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
医薬品卸売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて27,681百万円増加し、562,837百万円となりました。これは、売掛金、商品及び製品がそれぞれ増加したこと等によります。
調剤薬局事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて1,615百万円増加し、55,845百万円となりました。これは、CMS預け金が増加したこと等によります。
医薬品製造販売事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて326百万円増加し、18,123百万円となりました。
その他周辺事業のセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて8百万円減少し、5,571百万円となりました。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて11,277百万円増加し、472,372百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて37,369百万円増加し、440,188百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が15,128百万円、1年内償還予定の社債が20,003百万円それぞれ増加したこと等によります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて26,091百万円減少し、32,183百万円となりました。これは、社債が20,023百万円、長期借入金が6,124百万円それぞれ減少したこと等によります。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて1,635百万円増加し、242,916百万円となりました。これは、利益剰余金が11,277百万円増加した一方、自己株式が7,388百万円増加し、その他有価証券評価差額金が2,057百万円減少したこと等によります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較し8,174百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は81,839百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果支出した資金は、9百万円(営業活動によるキャッシュ・フローが前期比16,351百万円減少)となりました。これは資金増加要因として、税金等調整前当期純利益20,420百万円を計上、仕入債務の増加額14,685百万円がありましたが、資金減少要因として、売上債権の増加額14,634百万円、たな卸資産の増加額10,854百万円、法人税等の支払額8,986百万円があったこと等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果獲得した資金は、4,315百万円(投資活動によるキャッシュ・フローが前期比15,348百万円増加)となりました。これは資金増加要因として、有形固定資産の売却による収入1,807百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入5,866百万円がありましたが、資金減少要因として、有形固定資産の取得による支出1,639百万円、無形固定資産の取得による支出880百万円があったこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果支出した資金は、13,060百万円(財務活動によるキャッシュ・フローが前期比8,586百万円減少)となりました。これは、資金増加要因として、長期借入による収入3,610百万円がありましたが、資金減少要因として、長期借入金の返済による支出6,395百万円、自己株式の取得による支出7,390百万円、配当金の支払額2,187百万円があったこと等によるものであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの主要な資金需要は、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、必要に応じて金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達にて対応していくこととしております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の連結子会社等においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようコミットメントライン契約を締結しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 市場価格のないその他有価証券の評価
当社グループは、市場価格のないその他有価証券は移動平均法による原価法を採用し、その評価は1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産額が50%を下回っている場合に減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案してその実質価額が合理的な期間内に回復可能であるか判断しております。
なお、将来の超過収益力等を反映した価額を実質価額とすることが合理的と判断される場合には、当該金額を純資産額に代えて減損処理の要否を検討しております。減損処理の要否を検討するに当たっては、投資先から事業計画等を入手し、これまでの実績等を勘案して、超過収益力等の毀損が生じていないか、または当社グループの投資価値回復計画を作成し、実質価額が取得価額に比して50%超下回るものの、実行可能で合理的な投資価値回復計画があり回復可能性が十分な証拠によって裏付けられるかにより判断しております。
従って、事業計画等が達成されない場合、投資有価証券の減損処理を実施し当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
市場価格のないその他有価証券の評価のうち、市場価格のない非連結子会社株式の評価は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 独占禁止法関連損失引当金
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
③ 繰延税金資産の回収可能性の判断
当社グループは、繰延税金資産について四半期毎に回収可能性を検討し、回収可能性がないと考えられる金額に対しては評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断は、業績を踏まえた将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の企業分類が分類2、分類3に該当する会社は、繰延税金資産の回収可能性を判断する際に、課税所得見込額やタックス・プランニングは予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため、見積可能期間は3年でスケジューリングを行っております。
将来の課税所得見込額は業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、繰延税金資産の見直しを行うため法人税等調整額の金額に影響を与える可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を実施することとしております。回収可能価額の算定において用いられる資産グループごとの割引前将来キャッシュ・フローは事業計画に基づいて見積りを実施しており、当該事業計画は予測不能な前提条件の変化など見積り特有な不確実性があるため長期的な売上成長率を見込まずに作成しております。固定資産の回収可能価額の評価にあたっては、見積った将来キャッシュ・フローに貨幣の時間価値等を考慮した割引率を用いて算出した割引後将来キャッシュフローもしくは正味売却価額を用いております。
これらの主要な仮定について、市場環境の変化等により見直しが必要となる場合、固定資産の減損が発生し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
⑤ 貸倒引当金の見積り
当社グループは、債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については過去3年間の貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
相手先の財政状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加引当処理が必要となり、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
該当事項はありません。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、355百万円であり、当社ならびに医薬品製造販売事業において今後の事業成長に資する研究開発活動を行っております。研究開発費総額の内訳は、当社(全社)318百万円、医薬品製造販売事業36百万円となっております。