第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、2025年4月に創業100年を迎えましたが、次の100年に向けた新たな事業展開として、「衣・健・住」を軸とした戦略的ビジネスモデルを推進しています。この3領域への集中投資とシナジー創出により、収益性の向上と社会的価値の両立を目指していまいります。

 

「衣」ブランド価値の再構築と差別化による収益力強化

当社の原点である子ども服事業は、「キムラタンらしさ」を追求した独自のブランド価値の確立により、競争優位性を高めてまいります。現状の経営資源を有効に活かすために差別化された領域への集中戦略に転換し、ターゲット層を絞り込み、エッジの効いたブランドポジショニングにより、顧客ロイヤルティの向上と収益性の改善を図ってまいります。

 

「健」少子高齢社会に対応したヘルスケア領域への展開

当社はこれまで園児見守りサービス「cocolin」を通じて、保育施設内の安全・安心を支援してまいりましたが、少子高齢化を踏まえ、高齢者を対象とした熱中症対策を含む「室内見守り」分野へ事業領域を拡大します。

特に高齢者の室内での熱中症が深刻な問題となっている状況を踏まえ、高齢者向け見守りサービスの開発に着手し、熱中症アラート機能等を備えた商品・サービスを提供することで、新たな収益機会を創出してまいります。

 

「住」資産性・社会性を兼ね備えた不動産事業の拡大

生活の基盤である「住」領域では、以下の4つの収益モデルを通じて、安定的かつ成長可能な事業基盤の構築を進めます。

① 賃貸不動産の保有による安定収益の確保

  収益性の高い賃貸資産の保有により、企業経営に必要なキャッシュ・フローの安定化を図ります。

② 空き家の再生・再販売

約900万戸とも言われる日本の空き家問題に対し、当社はリノベーション等を通じて、低価格・高付加価値な中古住宅として市場に再供給。資源の有効活用と地方活性化を両立させます。

③ 不動産小口化投資商品の提供

不動産特定共同事業の許可を活かし、再生物件を小口化・証券化して投資家に提供。利回りに加え、ESG視点からの再生型資産運用という新たな投資価値を創出します。

④ 地域密着型のマッチングプラットフォーム運営

地方移住やリノベーション希望者と、地元工務店・デザイン事務所をつなぐマッチングサイトを構築。地域経済への波及効果を生み出しながら、当社のプラットフォームビジネスとして収益化を図ります。

 

以上の「衣・健・住」の各領域において、社会課題の解決と収益性の両立を図ることで、持続可能な成長と企業価値の最大化を実現してまいります。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2025年3月期において営業利益1億34百万円、経常利益10百万円を計上いたしましたが、最終損益では46百万円の純損失を計上する結果となりました。この結果を真摯に受け止め、今後の持続的成長に向けては、収益力の一層の強化と安定的かつ健全な財務基盤の構築が喫緊の課題であると認識しております。

 

 

① 不動産事業の戦略的拡大と基盤強化

2024年8月、当社はリノベーションによって中古物件の資産価値を再生するノウハウを有するイストグループを子会社化し、「再販事業」を当社の新たな事業の柱として位置づけました。また、同年9月には株式会社メディカグループより「HOUSEリサーチ」事業を譲受。これにより、中古住宅を取得したい一般顧客と住宅会社をつなぐマッチングプラットフォームへと刷新を進め、再販事業との相乗効果を通じた新たな収益源の創出を目指しております。

さらに、2025年2月には、不動産特定共同事業の許可を保有する株式会社SwanStyleの株式取得を決定。これにより、個人投資家からの資金調達を可能とする小口不動産投資スキームの導入を進め、不動産関連収益モデルの多角化と投資家層の拡大を図ります。

当社グループでは、不動産ビジネスの中核をなす「賃貸事業」「再販事業」「不動産特定共同事業」「マッチング事業」という4領域のバランス最適化を志向しており、物件選定・取得、リノベーション、販売チャネルに至るまでの体制をグループ全体で構築することで、経営資源を最大限に活用し効率的な事業運営を図ってまいります。

今後も、物件ポートフォリオの最適化や物件仕入における積極的な情報収集とスピーディーな意思決定を行い、不動産事業の中長期的な利益成長を目指してまいります。

 

② アパレル事業:ブランド価値再構築と収益体質の改善

アパレル事業においては、売上の拡大よりも「キムラタンらしさ」の再構築によるブランド価値の向上を最優先課題とし、顧客セグメントの再定義と選択と集中による差別化戦略を推進しております。具体的には、特定のニッチ層に向けた商品開発を強化し、ブランドロイヤリティの高い顧客基盤の構築を目指します。

また、SNSを中核としたデジタルマーケティング施策を通じてブランド認知の再拡大と新規顧客獲得に注力するとともに、粗利益率の向上、在庫消化率の改善による事業体質の改善に取り組んでおります。これにより、アパレル事業の収益性回復と再成長への道筋を明確に描いてまいります。

③ ウェアラブル事業:事業領域の拡張と中長期的成長戦略

ウェアラブル事業においては、2025年3月期も導入園数および利用園児数が順調に増加し、保育現場での事故防止への関心の高まりを追い風に、今後も安定した成長が見込まれます。

一方で、国内出生数の減少という構造的課題に対応すべく、当社はウェアラブルIoTの応用領域を保育領域にとどまらず高齢者福祉・介護分野へと拡張する方向で舵を切っております。

2025年3月には、高齢者向けの室内熱中症リスク軽減をテーマに、ミツフジ株式会社との資本業務提携契約を締結いたしました。これは、高齢者の室内事故防止や健康モニタリングへの技術応用を通じて、新たなソリューション型サービスとしての収益モデルの構築を目的としています。

今後は、園児見守り領域と高齢者見守り領域の両輪による事業展開を推進し、中長期的に社会課題の解決に資する成長エンジンの確立を図ってまいります。

 

当社グループでは、これらの取り組みを通じて、持続的な増収・増益の実現を目指すとともに、キャッシュ・フローの最大化と自己資本の充実を図り、経営の安定性を高めてまいります。加えて、今後の成長戦略においては、M&A・アライアンスを含めた柔軟かつ機動的な経営判断を通じて、企業価値の長期的な向上に一層努めてまいる所存です。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、サステナビリティに関しては事業に関連する領域で取り組んできましたが、中長期的な成長や持続可能性を確保するために、事業の多様化や効率化を図るとともに、経済・社会の持続的な発展に貢献することが必要不可欠であると考えております。今後、サステナビリティを広く経済、社会、環境の視点で捉え継続的に取り組んでまいります。

 

 

(1) ガバナンス及びリスク管理

現在、当社グループでは取締役会を中心としたガバナンス体制を構築しておりますが、経済・社会の持続的な発展に貢献し、企業価値を向上させるためには、サステナビリティ全般に関するリスク及び機会について幅広く捉え、多様な視点で検討を行う必要があると考えております。当事業年度においては、取締役を中心として事業活動や社会問題との関連性についての議論と整理を行ってまいりましたが、今後、幅広い世代が参画できるサステナビリティ推進のための仕組みを構築してまいります。また、各事業部において、事業活動に重大な影響を及ぼす懸念のあるリスクについての識別、評価を行い、社会課題の解決と当社グループの持続的成長の両面で重要な課題については、取締役会においてリスク及び機会の審議及び監督を行う体制を構築しております。

ガバナンスの構築においては、具体的には以下のような論点で課題を整理してまいります。

戦略を策定し具体的な目標を設定することが重要であると考えており、戦略と目標設定には、環境への影響の軽減、社会的な利害関係者との協力関係の構築、従業員と関係性の強化などが含まれることを想定しております。

また、サステナビリティに関する情報の適切な報告、透明性の確保が必要であり、企業の持続可能性に関する報告書や指標の策定、情報の公開等を行うことにより、当社グループの持続可能性への取り組みや進捗状況をステークホルダーに対して明確に伝達するよう努めてまいります。

サステナビリティに関連する問題について、社会的な利害関係者と積極的に関わり、協力関係を築く仕組みについても検討してまいります。これには、顧客、投資家、従業員、など、企業に関与する様々なステークホルダーが含まれますが、ステークホルダーとのコミュニケーションや関係構築により、企業のサステナビリティ戦略はより具体化されていくものと考えております。

 

(2) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

当社グループでは、将来の成長・持続的な発展や競争力向上のためには、長期的な視点に立った人的資本に関する戦略が必要であり、従業員のスキルや能力向上、組織の強化、事業の多様化などを考慮し人的資本の戦略を立案・実行することは、企業の持続的な発展に寄与するものであると考えております。これまではグループ全体の業績改善が最重要課題でありましたが、今後、長期的な戦略についても前記の戦略立案と併せ取り組んでまいります。

加えて、人的投資の成功には、組織文化と従業員のエンゲージメントが重要な要素であり、従業員が成長や変革に積極的に参加し、組織の目標達成に貢献することが必要であると考えております。今後、組織文化の整備や従業員のモチベーション向上にも注力し、人的投資の効果の最大化に取り組んでまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2025年6月25日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経済状況・消費動向に関するリスク

日本国内の景気変動や個人消費の低迷、所得環境の悪化などにより、当社グループの事業において需要が減少し、売上の減少や利益率の悪化を招く可能性があります。さらに、景気後退時には資金調達環境も厳しくなるため、財務基盤の安定確保が課題となる懸念があります。

 

(2) 災害等に関するリスク

日本は自然災害の多発地域であり、地震、台風、洪水、津波等により本社・店舗・賃貸物件やシステムインフラが被災すると、事業活動の一時停止や営業損失、復旧費用の増大をもたらす可能性があります。また、海外を含むサプライチェーンの断絶による原材料・製品供給の遅延、顧客サービスの停止等、複合的な影響を受ける恐れもあります。

 

(3) 不動産市況変動リスク

不動産市場は、金利水準、景気動向、不動産取引規制、建築資材価格、投資家マインドなどの複合的な要因によって大きく影響を受けます。当社グループが展開する再販事業や賃貸事業では、これらの市況変動によって、不動産価格の下落による販売利益率の低下、流動性リスク、含み損による減損損失の計上等のリスクが顕在化する可能性があります。

 

(4) 空室率・入居率に関するリスク

当社グループが保有・運用する賃貸物件においては、エリアの人口動態、景況感、競合物件の増加、建物の老朽化等により、空室率の上昇や賃料の下落、リフォーム費用負担の増加等が発生する可能性があります。特に以下の点に注意が必要です:

 

(5) 建築・改修コストの上昇リスク

再販事業における付加価値創出のためのリノベーションやリフォームは、資材価格や施工単価の上昇によるコスト圧迫を受けやすい構造です。特に建材価格の高騰(特に輸入木材・鉄鋼・コンクリートなど)、職人・施工人員の人手不足による工賃上昇、工期の遅延による機会損失等の外部要因によって価格上昇が加速するリスクがあります:

また、改修範囲が想定以上に広がることによるコスト負担増による利益計画への影響が懸念されます。

 

(6) 物件取得における競争激化リスク

不動産仕入の競争は年々激化しており、良質な収益物件や仕入価格が魅力的な中古住宅へのアクセスが難しくなっています。これにより、仕入価格の上昇による利益率の低下、価格上昇による長期保有リスク等のリスクが想定されます。

 

(7) 法的・規制リスク

不動産業界は都市計画法、建築基準法、不動産特定共同事業法など多岐にわたる法令・規制が適用される業界です。これらの規制が改正された場合、法令対応に伴うコスト増 新規プロジェクトの中止・見直し等の影響を受ける可能性があります:

 

 

(8) 天候に関するリスク

季節商品である子供服は、気温や天候の変動に大きく左右されるため、異常気象によって販売シーズンの短縮や在庫滞留が発生する恐れがあります。これにより、販売機会の喪失や値引き販売の増加、利益率の低下が生じる可能性があります。

 

(9) 製品の安全性に関するリスク

繊維製品の製造過程での針などの異物混入、有害物質の含有、縫製不良等は顧客の安全・健康に直接影響し、回収対応や損害賠償請求、ブランドイメージの失墜を招く恐れがあります。

 

(10) 市場競争力に関するリスク

ファッション市場はトレンドの変動が激しく、競合他社やファストファッションブランド、海外ブランドとの競争が激化しています。市場動向の見誤りや商品企画の遅れは、販売不振や顧客離れにつながり、ブランド価値の低下、売上・利益の減少を招くリスクがあります。

 

(11) 製品の仕入に関するリスク

主要生産拠点である中国における労働賃金の上昇や労働力不足は製造コストや納期に影響を及ぼす可能性があります。加えて、中国政府の規制強化や米中貿易摩擦などの地政学的リスク、及び為替変動によるコスト上昇は利益率を低下させる要因となります。これらが供給網の混乱やコスト増加を招いた場合、業績悪化を引き起こす恐れがあります。

 

(12) 特許・知的財産リスク

当社グループが展開するウェアラブル事業においては、IoT技術、センサー制御、通信機能、ウェアラブル端末の形状・素材、ソフトウェア等、多岐にわたる技術要素を活用しており、当該分野における特許権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権に関するリスクが存在します。

 

(13) 個人情報保護・法規制リスク

ウェアラブル機器が扱う個人情報や健康情報に関して、個人情報保護法や関連法規の遵守が厳しく求められています。規制強化やデータ漏洩事故が発生した場合、法的制裁や社会的信用の失墜を招き、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の高まりなど回復基調が見られる一方、物価上昇の継続を背景とする個人消費の下押しリスクやアメリカの政策動向による世界経済への影響等、先行き不透明な状況が続いています。

 

このような状況の中、当社グループでは、不動産事業における収益増とコスト最小化による収益力のさらなる向上、アパレル事業における収益構造の改善、ウェアラブル事業における営業力・サービス力の強化による業績の一層の向上に注力してまいりました。さらにM&Aを中心とする成長戦略の構築と不動産関連事業の領域拡大にも取り組んでまいりました。

2024 年8月には、リノベーションにより付加価値を高めた中古物件の販売を強みとするイストグループの子会社化により、「再販事業」を新たな事業の柱とすべく不動産関連ビジネスの領域拡大を進めました。同年9月には、不動産関連のマッチングプラットフォーム事業を譲り受けし、中古物件を中心とした家を持ちたい一般顧客と住宅会社をつなぐプラットフォームへと刷新することで、当社グループの再販事業を加速させるとともに、不動産関連事業における新たな収益の獲得にも挑戦してまいります。加えて、2025年3月27日付公表の「子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ」に記載のとおり、福岡都市圏のひとつに位置し、高い入居率を安定的に維持している不動産を保有する不動産賃貸業を営む有限会社九建機材の子会社化を実施しました。

 

当連結会計年度の売上高は、前年同期比36.9%増の17億58百万円となりました。店舗閉鎖の影響によりアパレル事業が減収となったものの、不動産事業では2024年1月及び2024年8月に実施したM&Aによる子会社収益が純増となりました。

売上総利益率は前年同期に対し1.4ポイント低下し41.3%となりました。これは主に不動産事業において再販事業及び完成工事高の構成割合が増加したことによるものであります。売上総利益額は増収に伴い前年同期比32.5%増の7億26百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、アパレル事業の店舗閉鎖や不動産事業における経費削減による減少があるものの、前掲のイストグループの子会社化による経費の純増及び同社M&Aに伴う株式取得関連費用28百万円の一括費用処理により、前年同期15.8%増の5億91百万円となりました。一方で、経費率は前年同期に対し6.1ポイント減少し33.7%となりました。

 

この結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期比261.9%増の1億34百万円(前年同期は営業利益37百万円)となりました。経常損益は支払利息、控除対象外消費税等の増加はあったものの、営業利益増により前期の赤字から一転、10百万円の利益計上(前年同期は経常損失19百万円)となりました。他方で、特別利益について、当期は、主に固定資産売却益及び負ののれん発生益等が、前期に比べ減少したことから、親会社株主に帰属する当期純損失は46百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益40百万円)となりました。

 

当連結会計年度より、各セグメントの業績をより適切に反映するため、各セグメントへの本社費用の配賦方法を変更しております。以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を変更後の報告セグメントの区分に組み替えて分析しております。

 

不動産事業

当期におきましては、既存物件の稼働率は概ね安定的に推移したことに加え、販売用物件の売却や2024年1月に子会社化した株式会社キムラタンプロパティ及び2024年8月に子会社化したイストグループの収益が純増となりました。

 

なお、2025年3月27日付で株式取得した有限会社九建機材については、2025年3月末日をみなし取得日としているため、損益の連結財務諸表の反映については2025年4月以降となります。

以上の結果、当連結会計年度の不動産事業の売上高は、前年同期比56.4%増の13億70百万円となりました。セグメント利益につきましては、前掲の販売用不動産の売却及び増収効果に加え、コスト低減に努めたことにより、前年同期比99.4%増の2億73百万円(前年同期は1億37百万円)となりました。

セグメント利益に減価償却費及びのれんの償却費を加算したEBITDAは5億23百万円(前年同期は3億82百万円)となりました。

なお、イストグループの詳細につきましては、2024年8月26日に公表いたしました「子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ」を、有限会社九建機材につきましては、2025年3月27日に公表いたしました「子会社の異動を伴う株式取得に関するお知らせ」ご覧ください。

 

アパレル事業

当連結会計年度におけるアパレル事業の売上高は、前年同期比5.6%減の3億58百万円となりました。これは、前期における3店舗の店舗閉鎖が主要因であります。これにより、当連結会計年度の平均稼働店舗数は前期の9店舗から5店舗に減少しております。

一方、既存店ベースの売上高は、活発なインバウンド消費に加え、クーラクールブランドの販売強化により売上は堅調に推移し、前年同期比24.3%増となりました。ネット通販につきましては、より利益率の高い自社サイトの集客増に注力した結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比2.6%増となりました。

セグメント利益につきましては、店舗閉鎖に伴う経費減やその他の固定費の削減に努めた結果、販管費は23百万円減少したものの、継続する円安傾向と在庫商品の積極販売により売上総利益率が前期比7.2ポイント減となったことから97百万円の損失(前年同期は86百万円の損失)となりました。しかしながら、在庫商品の積極販売による当期商品の仕入抑制を図った結果、商品及び製品は12百万円減少いたしました。

 

その他事業

その他事業であるウェアラブル事業につきましては、保育の現場における事故防止に対する関心が一層高まる中、全国地方自治体においても積極的にIT導入に向けた動きが活発化しており、当連結会計年度においては、バックオフィス体制の整備とアプリの改修等による既存保育施設での利便性の向上に取り組むとともに、新規導入施設拡大にも注力し、安心・安全の確保と保育の質の向上への貢献を目指してまいりました。

その結果、当連結会計年度末の導入施設数は、前年同期末の100園から135園へ増加いたしました。

売上高は前年同期比2.4%増となりましたが、今後も含め導入施設の拡大を企図したシステム関連の増強や販促費用の増加に伴いセグメント利益は1百万円の損失(前年同期は2百万円の利益)となりました。

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

不動産事業

アパレル事業

209,180

75.5

その他事業

3,043

545.8

合計

212,224

76.5

 

(注)1 金額は、製造原価及び仕入価額であります。

2 不動産事業は生産を行っておりません。

 

② 受注実績

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

不動産事業

112,684

571

合計

112,684

571

 

(注)1 不動産事業のうち、請負工事で該当金額のみを記載しております。

2 アパレル事業及びその他事業は、受注を行っておりません。

3 前連結会計年度において受注実績がないため、前年同期比(%)の記載は省略しております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

不動産事業

1,370,968

156.4

アパレル事業

358,141

94.4

その他事業

29,218

102.4

合計

1,758,327

136.9

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

  2 なお、最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先が存在しないため、記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末と比べ11億26百万円増加し、21億17百万円となりました。増加の主な内訳は、販売用不動産の増加12億62百万円であります。なお、当連結会計年度においてイストグループ及び有限会社九建機材を連結の範囲に含めたことに伴い受け入れた流動資産は5億52百万円であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末と比べ6億66百万円増加し、79億73百万円となりました。主な増加要因は、前掲の子会社の増加に伴うものであり、イストグループでは16億35百万円、有限会社九建機材では1億55百万円の固定資産を受け入れております。他方で、所有する賃貸用不動産の一部を販売目的に変更しており、総額で11億32百万円の固定資産を販売用不動産に振替えております。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末と比べ5億52百万円増加し、13億25百万円となりました。主な増加は、短期借入金3億85百万円、1年内返済予定の長期借入金93百万円であり、イストグループ及び有限会社九建機材の子会社化に伴い受け入れた流動負債は5億31百万円であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末と比べ10億23百万円増加し、76億33百万円となりました。長期借入金の増加9億51百万円、繰延税金負債の増加82百万円がその主な要因であり、イストグループ及び有限会社九建機材の子会社化に伴い受け入れた固定負債は15億38百万円であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ、2億11百万円増加し11億32百万円となりました。主な増減要因は、第16回新株予約権の行使による資本金及び資本剰余金の増加2億63百万円、親会社株主に帰属する当期純損失46百万円であります。

以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の11.0%から11.2%となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、2億4百万円と前年同期と比べ2億63百万円(△56.3%)の減少となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、3億30百万円の収入(前連結会計年度は66百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益20百万円、減価償却費2億12百万円、のれんの償却額38百万円、棚卸資産の減少1億円、法人税等の支払額38百万円等の要因により、前期に対し2億63百万円の改善となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、3億28百万円の支出(前連結会計年度は1億58百万円の支出)となりました。不動産事業の拡大に向けたイストグループ(株式会社イスト、株式会社ライブ、コネクト株式会社)及び有限会社九建機材の株式取得による支出2億97百万円と有形固定資産の支出26百万円が主な要因であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、2億65百万円の支出(前連結会計年度は5億3百万円の収入)となりました。主な増減要因は、借入金の返済6億49百万円、短期借入れによる収入1億31百万円、株式の発行による収入2億56百万円であります。

以上の結果、期末の現金及び現金同等物の残高は、2億4百万円となりました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要の主なものは人件費や物件管理費、修繕費、アパレル製品仕入等の営業費用であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。また、不動産事業の拡大に向けた株式取得にかかる資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入金や第三者割当増資等により調達しております。当社グループは、取引金融機関との緊密な関係維持に努めており、定期的に業績改善に向けた取組み状況等に関する協議を継続しつつ、状況を判断しながら第三者割当増資や新株予約権の発行を行うなど、安定的で機動的な資金調達の維持向上に努めております。

 

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うことから、実際はこれらと結果が異なる場合があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新たな感染症の発生やこれに伴う顧客の動向、市場に与える影響等を予想することは極めて困難ではありますが、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行っております。

 

5 【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度において、特記すべき事項はありません。