第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループを取り巻く足元の国内エネルギー業界におきましては、消費者意識の変化や省エネ・効率化の進展、少子高齢化に伴う長期的な需要減退、中東諸国の政情不安による地政学的リスクの高まりに伴う原油価格の上昇等、厳しい事業環境が継続しております。

また、国内石油元売りの統合や電力・ガスの小売り全面自由化等、エネルギーを取り巻く状況は引き続き大きく変化することが予想されます。

このような環境下、2017年4月に2ヵ年の中期経営計画『Moving2018 つなぐ 未来』を公表し、以下2つの基本方針に基づき、事業を推進いたしました。

 

中期経営計画の概要

 

1.計画名称:

 

 Moving 2018 つなぐ 未来

 

2.期間  :2ヵ年(2017年度~2018年度)

3.基本方針:『未来の成長に、つなぐ』~収益基盤の再構築~

① 資産の最適化:収益性・成長性を追求した資産入替の加速

② 収益力の向上:売上総利益経費率を指標に収益効率を高める

③ 顧客基盤の開拓:電力ビジネスを横展開させ、未来小売志向で顧客基盤を拡大

 

『グループの人や機能を、つなぐ』~組織基盤の再整備~

① 組織力の強化:グループ経営の基盤整備により組織力を強める

② 自律型人材育成:ミッションを明確にし、自律型人材を育てる

③ ENEX EARLY BIRD:短時間で高パフォーマンスを発揮する働き方を推進

 

収益基盤の再構築については、継続的な資産の入替、LPガス事業の再編、電力事業のバランシンググループの拡大等を行い、当期純利益は3期連続の増益となり、着実に成長しております。2018年度も引き続き基本方針に則り、収益基盤の再構築を進め、収益の更なる伸長を図ります。

組織基盤の再整備については、2019年2月に本社を移転することを決議し、グループ間コミュニケーションの活性化、デジタル化推進による業務の効率化をさらに進めます。また、カジュアルデーを導入し、柔軟な発想を生み出せる風土の醸成を図っております。2018年度については、働き方の質の改善、次世代技術を取り込むことによる業務効率の改善等を進め、持続的な成長を目指します。

なお、中期経営計画の初年度で、最終年度の利益目標(当社株主に帰属する当期純利益108憶円)を達成いたしました。この業績を踏まえまして、改めて市場環境や当社の現況等を総合的に検討した結果、2017年4月に公表しました中期経営計画の最終年度の定量計画を下記の通り上方修正することといたしました。

 

4.定量計画(2018年度):

① 営業活動に係る利益:187億円(増額2億円)

② 当社株主に帰属する当期純利益:113億円(増額5億円)

③ ROE:9.0%以上

 

なお、本期間における投資額は、566億円(増額116億円)を計画しております。

詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載しております。

上記計画に記載されている数値は、当社が現在入手している情報及び、合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により計画数値と大きく異なる可能性があります。

 

(1)エネルギー流通グループ

① ホームライフ部門

2018年度のホームライフ部門は「稼ぎ方改革」を目指します。顧客基盤の拡大と拡充の為、お客様に対してのサービスやアプローチを深化、効率化させる事が大きな課題と認識しており、現状有効活用できていない顧客情報のセグメント分けを行うことでお客様それぞれのニーズに合ったサービス・モノを提供していきます。

電力販売に関しても昨年度に引き続き、当社独自の電源を活用しながらガスと電気のセット販売を行い、エネルギーサービスの複層化を推進してまいります。

海外(フィリピン・インドネシア)において、既定路線の継続・拡大を図る一方、国内での新規事業を模索し、今後の収益の柱を構築してまいります。

 

② 生活・産業エネルギー部門

当部門は、2018年度より「生活エネルギー・流通部門」と「産業エネルギー・流通部門」が統合され、「生活・産業エネルギー部門」として始動いたしました。

これは当部門で今まで以上に、生活エネルギー分野においてCS(※1)関連事業や産業用燃料、アドブルーや電力販売等の地域のくらしに関わるサービスを充実させていくほか、産業エネルギー分野ではアスファルトや船舶燃料の販売、ターミナルタンクなどの物流設備の活用で産業を基盤から支えていく事業展開を標榜するものです。

取り扱う商品やサービスを提供する業種・業界といった既存の枠にとらわれず、新たな事業展開の可能性を積極的に模索・検討し、地域の生活と産業を支えるグループとして独自の価値と機能を提供してまいります。

(※1)CSとは、カーライフ・ステーションの略であり、当社が提案する複合サービス給油所です。

 

(2)電力・ユーティリティグループ

電力・ユーティリティ部門

異業種からの新規参入に加え大手電力会社の巻き返しもある厳しい市場環境の下、当部門ではこれまでの経験やノウハウと、発電から販売までの一貫体制を強みとして、事業拡大を図ってまいりました。

引き続き、異業種アライアンスパートナーとの取り組みやAI・IoTに代表される新技術の導入による家庭用低圧需要家向け電力販売事業の推進、「㈱リライアンスエナジー沖縄」の取り組みを通した沖縄エリアでの総合エネルギーサービスへの展開、低炭素社会実現に向け金融手法を取り入れた新たな再生可能エネルギー電源の開発等により更なる事業展開を図ってまいります。

 

(3)モビリティライフ事業部

昨年度から始動しました「自動車ビジネス室」を部に昇格させモビリティライフ事業部といたしました。様々な業種で技術革新による事業変化が起きている現在、当社といたしましてもこの変化を取り込み、今後起こりうる新たなライフパターンの変化に対応していく必要がございます。

ビッグデータ、AI・IoT等のIT技術の活用や、カーシェアリング等の新ビジネスモデル、更には次世代バイオディーゼル・バイオジェット燃料等の環境ビジネスの推進を通しより豊かな地域の社会基盤の実現に貢献するモビリティ(移動)や生活関連サービス提案を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 現時点で当社グループの事業上のリスクの発生について、経営成績・財政状態及び株式価格等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクを以下のように把握し、未然防止や発生を回避するために具体的施策を講じ迅速な対応をしてまいります。

 なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)業界動向及び競合によるリスク

当社グループを取り巻く石油、LPガス、電力販売等のエネルギー業界は、ガス事業法や電気事業法等の規制緩和、環境問題、少子高齢化問題等の要因による、新規参入業者の出現や同業者間の販売競争激化等によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、車販売事業(ディーラー)においては、自動車市場における急激な変化と激しい競争が繰り広げられております。今後においても業界動向等により更に競争が激化した場合は、自動車販売台数の減少や販売価格への影響により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)市況変動リスク

当社グループが取扱う石油製品等の商品価格は、原油価格や為替レートの変動等が影響する体系となっております。商品価格の変動に際しては、競合他社との関係や市況価格、価格転嫁に要するタイムラグ等に連動し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、電力販売につきましても、燃料の需給動向、競合他社との関係や市況状況により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)不良債権に関するリスク

取引先の経営環境及び景気動向や内外の経済情勢により不良債権が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)大口需要家取引に関するリスク

当社グループは、数社の大口需要家と取引しております。何らかの要因による取引関係の悪化で売上高の減少や信用リスクの発生により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)投資リスク

当社グループでは、発電設備や物流施設をはじめとした様々な投資活動を行っております。当社では新規投資の実行については、投資基準を設けて意思決定すると共に、既存投資案件の実績フォローを定期的に行い、投資効率の改善を図ることで投資リスクの低減を図っております。しかしながら、予期せぬ外部環境の変動等諸条件の変化等による資産価値の下落、追加的な資金拠出、発電設備等に関わる計画外の修繕費用の発生等により、投資の全部または一部が損失となる等、当社グループの経営成績及び事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(6)エネルギーに関する法規制及び政策についてのリスク

エネルギーに関する法規制及び政策の実施内容、進展状況によっては需要家や消費者のエネルギー需給動向への影響等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)金利変動によるリスク

当社グループは投資活動、営業取引に伴う資金の調達や運用において、金利変動リスクに晒されており、今後の金利変動により借入金利が上昇した場合には金融コストが増加し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)システム障害に関するリスク

当社グループが業務上運用している情報システムにおいて、自然災害や人為的・品質的な障害により受発注等を中心としたシステムに障害が発生した場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)個人情報漏えいなど情報管理に関するリスク

顧客を含めたステークホルダーの個人情報の管理、取扱いには当社グループにおいて社内規程等を整備し、細心の注意を払っておりますが、何らかの原因によりそれらの個人情報が漏えいした場合には、社会的信頼を失うとともに、企業イメージの低下を招くなど、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)土壌汚染など環境汚染に関するリスク

販売施設(CS等)及び油槽所については、燃料油流出による土壌汚染などの環境汚染問題が発生する可能性があります。当社グループにおいては、厳格な社内規程を設けて土壌汚染対策を実施しておりますが、何らかの原因で周辺環境へ与える影響が発生した場合には相応のコストも発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)天候の変動に関するリスク

冬季の暖房用エネルギーの中心である灯油・重油・LPガス・冷暖房用の電力・熱供給(冷水・温水)などの消費量は気候変動に密接に関係します。このため異常気象は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)事故・自然災害などに関するリスク

発電所事故等による大規模な停電、元売等石油製品の出荷基地における事故に起因する機能停止、地震等の自然災害、新型インフルエンザの流行等は、当社グループの営業活動に影響を与える可能性があります。当社では、予期せぬ事故・災害に対応するため、首都圏直下型の地震を想定したBCPの策定、停電対策等緊急時の対策を講じており、グループ会社においても個々に各種対策を講じておりますが、被害を完全に回避できるものでなく、事故・自然災害等の発生時には、当社グループの経営成績及び事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(13)カントリーリスク

当社グループは、海外の様々な国・地域において取引及び事業活動を行っており、これらの国・地域の政治・経済・社会情勢等に起因して生じる予期せぬ事態、現地法令・規則・税制の変更によって業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)退職給付費用及び退職給付債務に関するリスク

退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上の前提に基づき算出されておりますが、数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、あるいは、証券市場の低迷により年金資産が毀損した場合等には、退職給付費用・退職給付債務の増加や年金資産の追加的支出が必要となる可能性があります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(15)繰延税金資産に関するリスク

連結財務諸表において、資産側に計上される繰延税金資産は金額上重要性があり、当社グループは、将来の課税所得と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、実現可能な繰延税金資産を計上しております。

しかしながら、タックス・プランニングにおける課税所得の見積りの変動及びタックス・プランニングの変更、あるいは税率変動等を含む税制の変更等があった場合には、繰延税金資産が増減する可能性があります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)重要な訴訟等に関するリスク

当社グループの国内及び海外における事業活動等が今後重要な訴訟等の対象となり、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの消費税等に係る会計処理は税抜方式を採用しておりますので、この項に記載の売上収益、仕入実績等の金額には消費税等は含んでおりません。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における日本経済は、好調な世界経済を背景に輸出主導の景気拡大が続いており、企業収益や雇用環境の改善等により緩やかな回復基調となりました。しかしながら、極東地域や中東情勢等の地政学的リスクに加え、米国の通商政策動向や不安定な国内政治から、先行き不透明な状況が続いております。

このような環境のもと、当社グループは昨年4月に2ヵ年の中期経営計画『Moving2018 つなぐ 未来』を公表し、以下の基本方針に基づき、事業を推進しております。

 

<1> 『未来の成長に、つなぐ』~収益基盤の再構築~

① 資産の最適化

② 収益力の向上

③ 顧客基盤の開拓

 

<2> 『グループの人や機能を、つなぐ』~組織基盤の再整備~

① 組織力の強化

② 自律型人材育成

③ 働き方改革「ENEX EARLY BIRD」の推進

 

その取組みの一環として、昨年4月に事業部門の組織改編を行い、従来の「カーライフ部門」と「エネルギーイノベーション部門」の産業用燃料販売事業等を統合し、「生活エネルギー・流通部門」へ、また従来の「エネルギーイノベーション部門」を「産業エネルギー・流通部門」へと改編しました。石油需要減退に伴い業界再編を始めとする統廃合が進む中、石油販売事業を地域組織のレベルから融合させ、お客様にサービス・商品・資材等あらゆるものを提供する体制といたしました。

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

(ⅰ)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比380億1千8百万円増加し、3,826億2千1百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比284億2千9百万円増加し、2,455億5千5百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末比95億8千9百万円増加し、1,370億6千6百万円となりました。

 

(ⅱ)経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上収益は7,447億6千7百万円(前期比7.2%の増加)、営業活動に係る利益は171億5千3百万円(前期比12.8%の減少)、当社株主に帰属する当期純利益は110億2千5百万円(前期比6.0%の増加)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

ホームライフ部門の売上収益は935億9千2百万円(前期比8.2%の増加)、営業活動に係る利益は32億7千8百万円(前期比32.1%の減少)、当社株主に帰属する当期純利益は39億5千8百万円(前期比40.2%の増加)となりました。

電力・ユーティリティ部門の売上収益は745億4千1百万円(前期比18.6%の増加)、営業活動に係る利益は46億2千6百万円(前期比30.3%の減少)、当社株主に帰属する当期純利益は22億1千万円(前期比35.1%の減少)となりました。

生活エネルギー・流通部門の売上収益は4,883億9千9百万円(前期比1.8%の増加)、営業活動に係る利益は80億1千1百万円(前期比38.9%の増加)、当社株主に帰属する当期純利益は40億7千万円(前期比58.3%の増加)となりました。

産業エネルギー・流通部門の売上収益は882億3千5百万円(前期比33.3%の増加)、営業活動に係る利益は18億4百万円(前期比22.5%の減少)、当社株主に帰属する当期純利益は12億5千3百万円(前期比24.0%の減少)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1億5千4百万円減少の225億7千3百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は242億3千9百万円となりました。主な要因は、税引前利益191億6千9百万円、減価償却費等108億2千4百万円、法人所得税の支払いによる支出71億6千7百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は184億5千8百万円となりました。主な要因は、有形固定資産及び投資不動産等の取得による支出144億3千2百万円、投資の売却による収入54億1千1百万円、預け金の増加による支出70億円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は58億5千万円の支出となりました。主な要因は、有利子負債の減少による支出12億9千2百万円、配当金の支払いによる支出45億1千3百万円等によるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

当社グループの一部会社において、受注による製品の生産を行っているものの、これらの会社の生産実績及び受注実績の連結売上原価、連結売上高に対する割合がそれぞれ僅少であるため、生産実績及び受注実績については記載しておりません。また、仕入実績は、販売実績と概ね連動しているため記載を省略しております。

当連結会計年度の販売実績(売上高)をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

前期比(%)

ホームライフ部門(百万円)

104,941

15.6

電力・ユーティリティ部門(百万円)

78,560

19.7

生活エネルギー・流通部門(百万円)

799,001

10.1

産業エネルギー・流通部門(百万円)

173,842

18.2

報告セグメント計(百万円)

1,156,344

12.4

合計(百万円)

1,156,344

12.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.売上高は、日本の会計慣行によるものであり、当社及び当社の子会社が契約当事者として行った取引額及び代理人等として関与した取引額の合計です。当該売上高はIFRSに基づく売上収益ではありません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(ⅰ)経営成績等

a.財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比346億4千3百万円増加し2,127億6千9百万円となりました。その主要因は、国内石油製品価格の上昇等により営業債権が増加したことによるものであります。

(非流動資産)

当連結会計年度末における非流動資産の残高は、前連結会計年度末比33億7千5百万円増加し1,698億5千2百万円となりました。その主要因は、ホームライフ部門における液化石油ガス(LPガス)事業の再編統合影響によるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比311億7千8百万円増加し1,749億2千9百万円となりました。その主要因は、前連結会計年度末に比べ国内石油製品価格の上昇等により営業債務が増加したことによるものであります。

(非流動負債)

当連結会計年度末における非流動負債の残高は、前連結会計年度末比27億4千8百万円減少し706億2千6百万円となりました。その主要因は、長期借入金を返済したことによるものであります。

(資本)

当連結会計年度末における資本の残高は、前連結会計年度末比95億8千9百万円増加し1,370億6千6百万円となりました。その主要因は、利益剰余金の増加等によるものであります。

b.経営成績

(売上収益)

石油製品流通業界におきましては、需要減少が継続しており、また原油価格の先行きも不透明な状況が継続しております。

電力市場におきましては、昨年度より自由化された低圧分野を含め、新電力事業者が徐々にシェアを拡大しつつありますが、事業者間の競争激化や電力大手の原発再稼働の問題等、先行きは不透明な状況にあります。

このような状況のもと、当連結会計年度における売上収益は、前連結会計年度に比して497億7百万円増加し、7,447億6千7百万円となりました。主要因は、国内石油製品価格の上昇に伴う価格影響等によるものであります。

(売上総利益)

売上総利益は、前連結会計年度に比して47億8千2百万円減少し、888億2千2百万円となりました。主要因は、ホームライフ部門における液化石油ガス(LPガス)事業の再編統合等によるものであります。

(営業活動に係る利益)

営業活動に係る利益は、前連結会計年度に比して25億2千5百万円減少し、171億5千3百万円となりました。主要因は、売上総利益の減益によるものであります。

(税引前利益)

税引前利益は、前連結会計年度に比して17億5千万円減少し、191億6千9百万円となりました。主要因は、営業活動に係る利益の減益によるものであります。

(当社株主に帰属する当期純利益)

当社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比して6億2千万円増加し、110億2千5百万円となりました。主要因は、国内石油製品価格の上昇及びホームライフ部門における液化石油ガス(LPガス)事業の再編統合等の増益によるものであります。

(ⅱ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります

 

(ⅲ)資本の財源及び資金の流動性についての分析

a.キャッシュ・フロー

  「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.資金需要

  「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。

c.財務政策

  当社グループは現在、短期運転資金につきましては、金融機関からの短期借入又は短期社債(電子CP)の発行による調達を基本としており、設備資金や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入又は社債による調達を基本としております。

 

(ⅳ)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは2017年4月に2ヵ年の中期経営計画『Moving2018 つなぐ 未来』を策定し、営業活動に係る利益、当社株主に帰属する当期純利益、株主資本を有効活用するためROEを重要な指標として位置付けております。当社グループの当連結会計年度における営業活動に係る利益は172億円、当社株主に帰属する当期純利益は110億円、ROEは9.8であり、2017年度計画である「営業活動に係る利益:165億円」、「当社株主に帰属する当期純利益:104億円」「ROE:9.3」を全て達成することができました。

 

(ⅴ)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

<1>電力・ガス事業グループ

① ホームライフ部門

当連結会計年度におけるホームライフ部門は、昨年10月に大阪ガス株式会社(以下「大阪ガス」という。)との共同出資により「株式会社エネアーク(以下「エネアーク」という。)」を設立しました。その傘下に当社グループと大阪ガスグループの販売会社を配置するとともに、大阪ガスグループの北海道、四国2県の3販社を当社グループが株式取得したことに伴い、LPガス直売顧客軒数は約546,000軒となりました。

家庭向け電力販売事業におきましては、LPガスとのセット販売を中心に顧客基盤の拡大を推進しており、当連結会計年度末の顧客軒数は約12,000軒増加し、約54,000軒となりました。

海外事業におきましては、インドネシアにおける工業ガス販売事業(PT.ITC ENEX INDONESIA)、またフィリピンにおけるLPガス販売事業(Isla Petroleum & Gas Corporation)共に堅調に販売網並びに顧客基盤を拡大しており、今後も当社が国内で培ってきたノウハウを活かし事業を拡大してまいります。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、営業債権の増加等により前連結会計年度末比10億5千6百万円増加し660億8千9百万円となりました。

 

b.経営成績

売上収益は935億9千2百万円(前期比8.2%の増加)、大阪ガスグループとの再編統合の影響等により、営業活動に係る利益は32億7千8百万円(前期比32.1%の減少)、当社株主に帰属する当期純利益は39億5千8百万円(前期比40.2%の増加)となりました。

 

② 電力・ユーティリティ部門

当連結会計年度における電力・ユーティリティ部門は、電力事業の電力販売分野におきましては、厳冬による電力卸売市場価格の高騰等により利幅が圧縮されましたが、調達電源の多様化戦略と共に、法人向け並びに家庭向け販売数量の伸長・電力需給機能の相互連携強化の結果、当社及び王子・伊藤忠エネクス電力販売株式会社を中心に販売数量・損益面共に前期を上回りました。当該分野では、株式会社エネクスライフサービスを中心に、エリアに強い顧客基盤を持つ企業や異業種と提携し、家庭・小規模法人向けの新たな価値提案の検討を更に推進してまいります。

一方、発電分野におきましては、昨年10月に新設した火力発電所が稼働し総発電量は前期を上回りましたが、前期に実施した事業資産の入替えを目的とした風力発電設備の売却の反動等により損益面では前期を下回りました。当該分野では、電力の安定供給と環境負荷の低減を目指し電源ポートフォリオの充実、再生可能エネルギー発電設備への投資を推進してまいります。

熱供給事業(※2)におきましては、当期間内での平均気温の上下による需要の増減はあったものの、昨年4月に供給を開始した「GINZA SIX」(※3)の影響により熱需要量は前期を上回りました。また、沖縄電力株式会社、大阪ガス及び当社グループ会社の東京都市サービス株式会社との合弁で昨年12月に「株式会社リライアンスエナジー沖縄」を設立し、沖縄エリアにおいて熱供給事業を含むエネルギーサービス事業の取組みを開始するなど、多様化する顧客のニーズに応えられるよう、引き続き総合的なエネルギーサービス事業を推進してまいります。

(※2)熱供給事業とは、熱源プラントから複数の建物、オフィスビル等に、冷房・暖房等に使用する冷水・温水を導管で供給する事業です。

(※3)「GINZA SIX」とは、東京都中央区銀座にある複合商業施設で、当社のグループ会社である東京都市サービス株式会社が地域熱供給を行なっております。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、電力販売ビジネスの拡大による営業債権の増加等により前連結会計年度末比94億8千9百万円増加し801億8千9百万円となりました。

 

b.経営成績

売上収益は745億4千1百万円(前期比18.6%の増加)、前期に実施した事業資産の入替えを目的とした風力発電設備の売却の反動等により、営業活動に係る利益は46億2千6百万円(前期比30.3%の減少)、当社株主に帰属する当期純利益は22億1千万円(前期比35.1%の減少)となりました。

 

<2>エネルギー・流通事業グループ

① 生活エネルギー・流通部門

当連結会計年度における生活エネルギー・流通部門は、国内燃料需要の継続的減少という事業環境の中、販売数量、損益共に前期を上回る結果となりました。

本年度より、CS関連事業と産業用燃料、アドブルー(※4)、法人向け電力販売等の事業を統合し、生活エネルギー・流通部門へと組織体制を一新したことで、従来の事業別の垣根を越えて、地域のお客様のニーズにお応えするため、多様な商材を包括的に提案しております。

産業エネルギー販売事業におきましては、既存の商材の他に天然ガスを原料としたGTL(※5)軽油の販売をはじめとした新規商材の提案により、新たな価値を提供しております。

アドブルー販売事業におきましては、シンガポール向けの輸出や船舶向けの販売等販路を拡大しております。

CS関連事業におきましては、継続して系列CSにおける新型POS導入を促進し、共通ポイントを介したお客様の相互送客を実現しております。なお、当連結会計年度における当社グループCS数につきましては、不採算CSの計画的撤退等により、総数は1,812ヵ所(前期末より76ヵ所純減)となりました。

車関連事業におきましては、昨年4月よりエネクスオート株式会社において、従来の「イツモレンタカー」を新ブランド「カースタレンタカー」としてリブランド展開し、運営を開始しております。車両・接客品質を向上させレンタカーネットワークとしての機能の拡充と、WEBを活用したプロモーション・送客を行うことで、集客力向上を図ってまいります。

また、日産大阪販売株式会社におきましては、昨年9月に発覚した日産自動車株式会社の完成検査不正問題の影響で、第3四半期連結会計期間の販売台数は前年同期を大幅に下回る結果になりましたが、当第4四半期連結会計期間におきましては、新型車投入により前年同期の販売台数を上回るまで回復し、上期が好調だったこともあり当期累計販売台数は前期を上回る結果となりました。

(※4)アドブルー(AdBlue)とは、ディーゼル車の排気ガス中の窒素化合物(NOx)を無害化する「SCRシステム」に使われる高品位尿素水です。

(※5)GTLとは、Gas To Liquidの略であり、天然ガスからガソリン、灯油、軽油等を製造する技術。硫黄、金属等をほとんど含まない環境対応型燃料製造方法です。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、油価上昇による営業債権の増加等により前連結会計年度末比159億8千4百万円増加し1,654億6百万円となりました。

 

b.経営成績

売上収益は4,883億9千9百万円(前期比1.8%の増加)、石油販売事業の好調や不採算店舗の撤退等により、営業活動に係る利益は80億1千1百万円(前期比38.9%の増加)、当社株主に帰属する当期純利益は40億7千万円(前期比58.3%の増加)となりました。

 

② 産業エネルギー・流通部門

当連結会計年度における産業エネルギー・流通部門は、エネルギーイノベーション部門とカーライフ部門との組織改編により、アスファルト販売事業、船舶燃料販売事業、石油製品トレード事業、ターミナル事業の4事業を主軸とした部門となり、当期スタートしました。それぞれが専門性の高い事業を担う部門として、各事業におけるバリューチェーンの高度化・最適化、さらには様々なネットワークを活かした取引の拡大を進めることで、安定した事業基盤の構築を進めております。

その取組みの一環として、船舶燃料販売事業におきましては、昨年11月に大分港へ配給船を配備し、これにより8隻の国内配給船体制となりました。

また、新たな事業基盤の構築としては、環境・リサイクル関連事業にも注力しております。当社グループの火力発電所から排出される石炭灰を再利用して販売するフライアッシュ事業(※6)におきましては、「カノウエフエイ株式会社」が昨年11月より本格営業を開始し、事業拡大に向けて推進しております。また、船舶から回収される廃油をリサイクルし再生油として販売するスロップ・再生油事業も、実績を重ね着実に事業を推進しております。その他の新規取組み案件や投資案件につきましても、積極的に開拓・検討を行ってまいります。

(※6)フライアッシュ事業とはフライアッシュ(石炭火力発電所から排出される石炭灰の一つ)を回収・処理し、アスファルト舗装工事の路盤材等に再利用する事業です。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、油価上昇による営業債権の増加等により前連結会計年度末比149億2千3百万円増加し443億5千2百万円となりました。

 

b.経営成績

売上収益は882億3千5百万円(前期比33.3%の増加)、石油製品トレード事業の苦戦等により、営業活動に係る利益は18億4百万円(前期比22.5%の減少)、当社株主に帰属する当期純利益は12億5千3百万円(前期比24.0%の減少)となりました。

 

(経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2018年3月31日)

 当社グループにおいては、取引の当事者として提供される財またはサービス自体の付加価値を高める機能を有し、取引に係る重要なリスクを負担している取引以外の取引について、日本基準では、売上高を計上し関連する売上原価を総額で認識しておりますが、IFRSでは、対象となる取引が他社の代理人であると判断されるため、売上収益を純額で認識しております。

 この影響により、IFRSの売上収益は日本基準に比べて、333,880百万円減少しております。

 当社グループにおいては、取引の当事者として提供される財またはサービス自体の付加価値を高める機能を有し、取引に係る重要なリスクを負担している取引以外の取引について、日本基準では、売上高を計上し関連する売上原価を総額で認識しておりますが、IFRSでは、対象となる取引が他社の代理人であると判断されるため、売上収益を純額で認識しております。

 この影響により、IFRSの売上収益は日本基準に比べて、411,577百万円減少しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社と大阪ガスは、2017年8月3日に、液化石油ガス(LPガス)卸売・小売事業の再編統合について合意しました。

当該再編統合の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 7.子会社に対する支配の喪失」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。