当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、水産物流通の基幹システムである中央卸売市場の卸売業者として、多様化し、変化する消費者ニーズに対応した安全、安心で良質な水産物の安定供給、適正な価格形成、効率的な物流機能、的確な情報提供などによって、地域社会の食生活の充実安定に寄与するとともに、営業力の強化と経営の効率化により強固な経営基盤を確立し、企業体質の充実を図ることにより、将来にわたる安定した健全経営を基本方針としてまいります。
(2)経営戦略等
少子高齢化や人口減少などによる市場規模の縮小に加え、消費者の食生活の形態や購買行動が変化する中で、市場外流通との競合は一層激しさを増しております。
このような状況のもとで、当社は、多様化する消費者ニーズに対応するため、広範な情報収集や企画提案力を高め、荷主や販売先の開拓を図り、加工、物流などの市場機能を充実させ、集荷力や販売力を強化してまいります。また、卸売市場の活性化とそれに伴う新規取引先の獲得につながる体制を構築するとともに、業務の効率化や環境の変化に応じた組織改革を不断に実施して、企業体質の強化を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
企業価値を高めるための指標として、当期純利益を重視しておりますが、天候不順などによる自然の状況や海洋環境が業績に及ぼす影響も大きいことから、中長期の目標数値は設定しておりません。当社では、当事業年度の目標数値及びその達成状況を基本的な経営指標としております。
(4)経営環境及び対処すべき課題
水産物卸売業界におきましては、気候変動による海水温上昇や異常気象の影響による漁獲量の減少、水産資源管理のため強化される漁獲規制、海外での旺盛な需要による国内流通量の減少など、集荷面で難しい対応が求められています。また、魚食離れの進行、市場外流通の拡大、ネット通販の普及による販売チャネルの変化、水産物の価格変動や流通コストの上昇が利益を圧迫する要因となるなど厳しい事業環境が続くものと思われます。
このような経営環境のもとで、持続的な成長と中長期的な企業価値を向上させるため、諸課題に取り組み、安定的な収益の確保と経営基盤の確立を図ってまいります。
また、健康経営やサステナブルな活動を推進し、職場環境の整備、海洋における持続可能な環境保全に取り組んでまいります。
① 収益力の向上
主力事業である水産物の卸売部門は、地域、魚種、荷主別に集荷の対策を強化し、集荷の拡大を図るため産地開拓並びに商品の発掘に邁進してまいります。また、外部環境の変化に対応するために、消費者ニーズを的確に捉えることによって、生産者と仲卸業者などと情報を共有し、スピーディーに企画提案を行ない、当社内の営業推進室と連携して、販売の拡大に取り組んでまいります。
冷蔵倉庫部門は、営業の強化並びに新規顧客を開拓し、保管貨物の入出庫を増やすなど、事業の拡大と収益の確保を図ってまいります。
② 企業体質の強化
管理面では、法令遵守などコンプライアンス体制の整備、充実を図ると共に、業務改革を推進します。また、予算、債権、在庫などについて管理を徹底するとともに、業務の見直しによる経費削減に取り組み、経営効率化のためのDX投資や人材育成のための研修投資を継続的に実施してまいります。
③ 安全、安心で良質な商品の提供
食品表示や異物混入などの問題に消費者の関心が高まるなかで、食品の安全性と品質管理の重要性を従来にも増して認識し、安全安心委員会を中心とした品質管理体制を充実させてまいります。中央卸売市場としての公共的使命を担う企業として、信頼性の確保と向上に努めてまいります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社は、「私たちは、地域社会との信頼を深め、社業の発展を通じて、豊かな食文化の創造に貢献いたします。」という企業理念に基づき、持続可能な社会の実現に向けて、全てのステークホルダーの方々の期待に応えられるよう、組織が一丸となって課題に取組み、日本の市場流通をリードするフロントランナーとして、健康で豊かな社会に貢献する企業であり続けることを目標に掲げています。
(2)サステナビリティに関する取組
① ガバナンス
当社は、代表取締役社長を議長とし、常勤取締役で構成される経営革新会議を設置しています。経営革新会議にて協議されたサステナビリティに関する基本方針、戦略及び施策についての内容は取締役会へ報告しております。
内容について、経営革新会議から取締役会に報告されることで、取締役会の審議、監督が適切に図られる体制としております。
② 戦略
漁獲量減少の原因と考えられる気候変動などの環境問題、世界的な漁獲規制の強化といった水産資源管理の原因である乱獲や海洋汚染は、最重要課題と位置付けております。
当社は、環境や生態系、資源の持続性に配慮した方法で漁獲、養殖、加工、流通された水産物に対して第三者の認証機関による審査に適合したもののみに与えられる、マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)の流通加工段階(CoC)認証を取得するなどサステナブルな企業価値創造に向けた取組みを行っております。
③ リスク管理
当社は、直接又は間接的に当社の事業運営に支障をきたす可能性のあるリスクに迅速かつ的確に対処するため、社長が指名したリスク管理委員長が運営するリスク管理委員会を設置しております。当委員会により、全社的なリスクのモニタリング、防止策立案とその実行を行っております。
サステナビリティに関連するリスクにつきましても、当委員会においてモニタリングを行い、リスク発生時には適切な対応を実施します。
リスク管理委員会の内容については、取締役会においても情報共有が行われ、リスク管理の強化を図っております。
(3)人的資本に関する考え方及び取組
① 人材育成方針及び社内環境整備方針
当社は、組織力向上のため適切な人員配置を行うとともに、主体的、自律的に行動できる人材を育成し、支援します。
また、多様性を確保するため、性別・国籍や採用ルートによらず能力や適性などを総合的に判断し管理職に登用する人事制度を導入し、個人の能力を最大限に発揮できる環境づくりを目指しています。
② 指標の内容及び目標と実績
(人材育成)
新入社員及び管理職研修として、入社初年度や管理職への昇格時には、取引先の対応、評価者の考え方、コンプライアンスやハラスメント教育などキャリア形成のための研修を行っています。
上司と部下との個人面談を年2回実施し、双方向のコミュニケーションを図り、部下の目標達成や成長を支援しています。
(女性活躍推進)
女性活躍推進の観点では、職群選択制度を導入し一般職から総合職への転換を図り、女性活躍の場を広げる取組を行っております。
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指標 |
目標( |
実績(当事業年度) |
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(注)2022年度に女性社員の職種転換1名の実績があります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社では、このようなリスクを最小化するとともに、発生した場合の対応を図っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 法的規制について
主要事業であります水産物卸売業は、卸売市場法、食品衛生法、JAS法等が適用されており、これらの法改正、産地偽装や密漁など法規制にかかわる事故が発生した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は名古屋市より許可を受けて、名古屋市中央卸売市場で卸売業を行っておりますが、中央卸売市場の業務条例等に違反したことにより、名古屋市より業務停止等の処分を受けた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 外部環境等について
水産物卸売業は、海洋環境の変化や天候など自然条件による漁獲量の変動、漁獲規制や輸入制限、為替動向などの要因により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 食品の安全性について
食品の安全、安心に対する消費者の関心が高まる中で、食品の安全性と品質管理の重要性を従来にも増して認識し、社内に「安全安心委員会」を設置して、品質管理や産地表示等への監視を行うとともに、社員への啓蒙活動に取り組み、安全、安心で良質な商品の提供に努めておりますが、今後、食品の品質問題が発生した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 見積り前提条件の変動リスクについて
財務諸表の作成に際して、棚卸資産の評価、有価証券の減損、固定資産の減損、売上債権の回収可能性、繰延税金資産に対する評価性引当額、従業員の退職給付費用の算定に関して見積計算を行っております。これらの見積りは将来に関する一定の前提に基づいており、その前提が実際の結果と相違する場合には、予期せぬ追加的な費用計上が必要となり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 有価証券の損失計上のリスクについて
保有する有価証券については、主に公社債等の債券及び市場性のある株式であり、経済状況や株式市場の動向によっては譲渡損及び評価損が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(6) 減損に関するリスクについて
当社は不動産賃貸事業への投資を行っております。その結果、保有している有形固定資産につきましては、対象となる事業において将来の収益力が低下した等により、投資額の回収が困難になった場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 債権の貸倒リスクについて
主要な販売先であります仲卸業者について、開設者の名古屋市では、一定の財務基準を満たしていない場合に経営指導や必要な改善措置を行うことになっています。当社においては、与信管理の徹底といった債権管理の強化、貸倒引当金の設定などの対応を講じてまいりますが、予測不能な事態が生じた場合には、債権回収に支障をきたす可能性があります。
(8) 自然災害のリスクについて
当社の事業活動は、中部圏に集中していますが、この地域において、地震、津波等の大規模な自然災害が発生した場合は、当社の事業が一時的又は中長期的に中断を余儀なくされる可能性があります。
また、他地域において、同様な自然災害により当社の取引先に甚大な被害があった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保に関するリスクについて
今後の成長を実現していくためには、優秀な人材の確保と育成が重要課題であると認識しております。しかしながら、少子高齢化やそれに伴う労働人口の減少等もあり、人材の確保と育成が計画どおり進捗しない場合や、採用の競争激化に伴う給与、福利厚生等の上昇により経費が増加した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報システムに関するリスクについて
コンピューターウイルスの感染などによるシステム障害や情報漏洩に対し、規程等を整備するなど適切な対策を講じておりますが、予測不能なウイルスの感染や情報への不正アクセスなどにより、事業運営に支障をきたす恐れがあり、その結果、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 名義変更取引に係る収益認識に関するリスクについて
卸売部門において行われる冷蔵庫保管商品の販売取引は、一取引当たりの金額が相対的に大きく、また、商品の移動を伴わない名義変更による取引も多く行われております。この名義変更取引は、会社と販売先及び冷蔵庫業者間の書面手続で取引が完結するため、この取引を利用した循環取引による収益の過大計上が行われやすいという業界特有のリスクが存在しております。
当社では、販売目的により冷蔵庫保管商品を買付しますが、一定金額以上の取引では買付申請書による決済が必要となります。さらに、特定の大口仕入先から購入する商品が過去において自社の商品ではなかったことを確認するため、自社で保管している商品は社内の倉庫管理システムによる特有のコードが記録された資料を、他社に保管している商品は倉庫業者から得た名義変更取引の報告書などを用いてチェックします。このようにして、商品が循環して取引されていないかを確認しております。
(12) 内部統制に関するリスクついて
当社では、財務報告の信頼性の確保、コンプライアンス体制の強化を達成するために内部統制システムを整備し、運用してまいりましたが、前事業年度において、当社の販売先に対する売掛金について約定弁済がなされなかったことを契機として架空循環取引が行われていたことが発覚し、その経済的実態は資金移動取引であることが判明しました。そのため、当社は、循環取引に係る仕入高及び売上高を取り消すとともに、資金移動取引について金融取引として認識して未収入金を計上し、当該修正により生じた未収入金に対して貸倒引当金を計上しました。また、財務報告に係る内部統制に開示すべき重要な不備があったことが判明しております。当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を十分に認識しており、不備を是正するため、当事業年度からリスク管理体制の強化と会社財産の保全を基本方針に加えております。また、2024年5月14日に「特別調査委員会の提言を踏まえた再発防止策の策定に関するお知らせ」にて公表しました再発防止策について、具体的な対応策を構築し、全社一丸となって実行いたしました。
その結果、当事業年度末日においては、開示すべき重要な不備とされたものは全て是正されており、2025年6月27日付「内部統制報告書」において、財務報告に係る内部統制は有効である旨を開示しております。当社は、再発防止の取組を今後も継続的に実行し、一層コンプライアンス重視の経営を行っていくほか、役職員間の報告・連絡・相談を徹底するなど、循環取引等のリスクを排除できる対策を実行し、内部統制の強化を図ってまいります。
当社は、財務報告に係る内部統制の整備及び運用を重要な経営課題の一つとして取り組んでまいりますが、将来にわたって常に有効な内部統制システムを整備及び運用できる保証はなく、また、内部統制に本質的に内在する固有の限界があるため、今後、上記の対応が有効に機能しなかった場合や、財務報告に係る内部統制の不備又は開示すべき重要な不備が発生した場合には、当社の財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。
なお、現時点では予想できない上記以外の事象により、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における当社を取り巻く環境は、昨年からの円安の進行によるインバウンド需要が増加するとともに、雇用や所得環境が改善している中で個人消費の回復が後押しされてきました。一方で、食料品やガソリンなどの価格高騰が続いているなど、消費者心理が悪化していく恐れがあり、先行きは不透明な状況で推移しております。
当業界におきましては、少子化などの人口減少による市場規模の縮小に加え、消費者の食生活の形態や購買行動が変化する中、市場外流通との競合は一層激しさを増しております。
このような状況の中で、売上高は卸売部門で生鮮水産物の取扱数量が増加するなど、全体で36,760百万円(前年同期比1.7%増)となりました。経常利益は、501百万円(前年同期比1.0%増)となり、特別損失に過年度決算訂正関連費用の計上がありましたが、当期純利益は、330百万円(前年同期比1.7%増)となりました。
今後につきましては、当社は、多様化する消費者ニーズに対応するため、広範な情報収集や企画提案力を高めるとともに、荷主や販売先の開拓を図り、集荷力と販売力を強化してまいります。また、卸売市場の活性化とそれに伴う新規取引先の獲得に努めるとともに、業務の効率化や環境の変化に対応した組織改革を行い、企業体質の強化を図ってまいります。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(卸売部門)
鮮魚は、海洋環境の変化による漁獲量変動のリスクが依然として続く中、集荷網の拡充と量販店向けの商品提案に注力し、まぐろ、うなぎ、マダイ、サーモンなどが堅調に推移した結果、増収となりました。
塩冷加工品は、輸入価格の高騰による仕入価格の上昇や、食品全体の価格上昇に伴う消費鈍化が要因となり、鮭鱒、凍魚、チリメンの取り扱いが減少したため、減収となりました。
卸売部門全体では、集荷の強化及び利益率改善に取り組んだ結果、売上高は36,041百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は371百万円(同2.6%増)となりました。
(冷蔵倉庫部門)
回転率の高い生鮮品や冷マグロといった超低温冷凍貨物の入庫が順調に推移したものの、電気 料金や修繕費、庫内作業にかかる業務委託費が増加したため、売上高は484百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は134百万円(同16.1%減)となりました。
(不動産賃貸部門)
主な事業である賃貸マンションが堅調に稼働したものの、諸経費が増加したため、売上高は234百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は168百万円(同0.7%減)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末の流動資産は、9,430百万円(前事業年度末は10,340百万円)となり、前事業年度末比909百万円(8.8%)減少しました。これは主に、現金及び預金894百万円、有価証券399百万円の減少、商品441百万円の増加によるものです。
(固定資産)
当事業年度末の固定資産は、6,590百万円(前事業年度末は6,361百万円)となり、前事業年度末比229百万円(3.6%)増加しました。これは主に、破産更生債権等543百万円、投資有価証券257百万円の増加、長期未収入金551百万円の減少によるものです。
(流動負債)
当事業年度末の流動負債は、1,943百万円(前事業年度末は2,739百万円)となり、前事業年度末比796百万円(29.1%)減少しました。これは主に、買掛金584百万円の減少によるものです。
(固定負債)
当事業年度末の固定負債は、838百万円(前事業年度末は837百万円)となり、前事業年度末比で同程度となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、13,239百万円(前事業年度末は13,123百万円)となり、前事業年度末比116百万円(0.9%)増加しました。これは主に、繰越利益剰余金190百万円の増加、自己株式の取得による89百万円の減少によるものです。
当事業年度末の自己資本比率は、82.6%(前事業年度末78.6%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動により283百万円増加となりましたが、営業活動により829百万円、財務活動により230百万円それぞれ減少となったため、前事業年度末に比べ776百万円(13.2%)減少し、当事業年度末には5,120百万円となりました。
また、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は829百万円(前年同期は得られた資金2,272百万円)となりました。これは主に、仕入債務の減少額644百万円、破産更生債権等の増加額543百万円、棚卸資産の増加額441百万円の資金減少要因が、長期未収入金の減少額551百万円、税引前当期純利益459百万円の資金増加要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は283百万円(前年同期比14.1%減)となりました。これは主に、有価証券の償還による収入400百万円、定期預金の払戻による収入376百万円の資金増加要因が、定期預金の預入による支出257百万円、投資有価証券の取得による支出212百万円の資金減少要因を上回ったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は230百万円(前年同期比61.3%増)となりました。これは主に、配当金の支払額140百万円、自己株式の取得による支出89百万円によるものであります。
④ 販売、仕入及び生産の状況
イ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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金額(千円) |
||
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卸売部門 |
36,041,502 |
101.7 |
|
冷蔵倉庫部門 |
484,428 |
103.1 |
|
不動産賃貸部門 |
234,988 |
101.0 |
|
合計 |
36,760,920 |
101.7 |
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 最近2事業年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
丸鮮㈱ |
5,224,230 |
14.5 |
5,364,749 |
14.6 |
ロ 商品仕入実績
当事業年度における商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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金額(千円) |
||
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卸売部門 |
34,745,884 |
107.1 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
ハ 生産実績
当事業年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
金額(千円) |
||
|
冷蔵倉庫部門 |
464,847 |
112.1 |
(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
売上高については、36,760百万円(前年同期比1.7%増)となりました。これは、卸売部門で生鮮水産物の取扱数量が増加したことなどによるものです。
利益面では、営業利益が330百万円(前年同期比4.3%減)となり、経常利益が501百万円(前年同期比1.0%増)となりました。これは、一般管理費に内部統制改訂関連費用の計上がありましたが、営業外収益に保険金収入などの計上があったことによるものです。今後は経費削減などに努め、利益拡大に取り組んでまいります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、「第2事業の状況 3事業等のリスク」に記載しておりますが、当事業年度におきましてもリスクを最小化するために、適時、迅速な対応を図ります。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要のうち主なものは、水産物卸売のための商品仕入、集荷に伴う運送費等の経費、冷蔵倉庫稼働に伴う経費、一般管理費等の営業費用、システム投資及び不動産の購入等に係る投資であります。これらの資金需要に対し、当社では主に自己資金を充当しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載しておりますとおり、中長期の予測は困難であるため、当事業年度の売上高及び営業利益を目標数値としております。当事業年度の目標数値及びその達成状況については以下のとおりです。
売上高:36,200百万円以上(達成率101.5%)、営業利益:345百万円以上(達成率95.7%)
なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析、検討内容については、水産物卸売業の比率が極めて高く、また、「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」の記載内容と概ね同一と考えられますので、記載を省略します。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
重要な契約等はありません。
特記事項はありません。