(1)企業理念・経営ビジョン
<企業理念>:「随縁の思想」
当社グループは、企業理念として創業以来「随縁の思想」を掲げております。「随縁」とは、「縁に随(したが)い縁を活かす」ことであり、人と人との出会い、そこから生まれる絆を大切に思い、互いに尊重し合い、助け合い、発展し合う、という思想のことを言い表したものです。
<経営ビジョン>:「三栄コーポレーションは真に優れた生活用品を提供します。『健康と環境』をテーマに健やかで潤いのあるくらしを創造します。」
当社グループはこの経営ビジョンの下、皆様がそれを選ぶことで幸せを感じる「くらしに良いもの」を提供することで、当社グループが永続的に存続し続け、ステークホルダーの皆さまを始めとする社会全体の利益となることを経営の基本方針としております。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは長期的に安定した収益を確保する経営基盤の確立が、永続的な企業存続やステークホルダーの皆さまの利益に資するとの考えから、7%程度の経常利益率を目標として掲げています。しかしながら2020年度(2021年3月期)は、期初より新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況ではありますが、私共といたしましては、100年企業を目指す上で、以下の重点施策の実現に向けて引続き注力してまいります。
(重点施策)
①サプライチェーンの高度化・マーケティング能力向上・プロ集団の育成
②ブランディング実践によるブランド力の強化・新ブランドの市場投入促進
③果敢なチャレンジの継続
④投下資本効率重視・PDCAの実践
⑤人材強化
⑥新しい業務基盤の活用促進
⑦ローコストオペレーションの推進
⑧グローバル管理態勢の深化によるグループシナジー効果の発揮
⑨攻めと守りのガバナンス推進
(3)経営環境
当社グループは、お客様のブランド製品を製造・品質管理・物流まで一貫して提供するOEM事業と、OEM事業で培ってきた海外ビジネスの知識と経験を活用し、自社ブランドや海外の秀逸なブランドを販売するブランド事業という二つの事業の相乗効果を追求するビジネスモデルを展開しています。
OEM商品は、高い品質が求められる一方で厳しい価格競争に晒されており、専門性の一層の向上とともに、消費者ニーズを先取りした緻密な商品戦略が求められます。一方、ブランドビジネスは、自社ブランドの場合、商品がヒットすればするほど市場に競合商品が出回り、価格競争に陥りやすい傾向が有るため、価格以外の面で消費者にとっての魅力を開発し保持する必要があると考えています。また、海外の秀逸なブランドについては、日本での認知度が低いケースも多く、日本市場において一定の成果をあげるために、相応の時間と綿密な販売戦略を講じる必要があります。一方、日本で既に一定の知名度のあるブランドの場合でも、内外価格差を利用した並行輸入品との競合に陥るリスクがあり、有効な並行輸入品対策が求められます。なお、既に十分な知名度とともに当社グループにおいて相応の販売実績を挙げているブランドにつきましては、将来のより安定した収益体質を確保するための施策を講じることが求められます。
当社は事業の特性上、「事業等のリスク」でも記載しておりますとおり、国内外に複雑かつ長大なサプライチェーンを構築しております。今般の「コロナ禍」では、そのサプライチェーンが分断されるなど、これまで直面したことのないリスクに晒されるなど、経営の舵取りが益々難しい状況となってきております。しかしながら、当社の長い歴史の中で、幾多の難局を乗り越えてきたように、今後も柔軟な発想や高度な専門性を武器に目の前の難局を乗り切り、更なる成長を目指します。
(4)対処すべき課題
(新型コロナウイルス感染症の影響と課題)
新型コロナウイルス感染症が世界規模で蔓延し、各国政府は都市封鎖、外出自粛、休業要請などの様々な感染症拡大防止措置を行っております。世界規模で人、物の動きが鈍化したことにより、世界経済全体が長期間に亘り停滞し、消費が大きく落ち込んだことで、当社グループの事業も大きな影響を受けています。営業面では、消費の落ち込みに伴う販売の鈍化に加え、中国を含む海外各地の自社工場や提携工場で製品を製造している当社の特性上、グループ全体のサプライチェーン(供給体制)も大きな影響を受けています。新型コロナウイルス感染症はいまだ終息の目途が立っておらず、2021年3月期における通期の経営成績への影響の大きさは把握困難な状況ですが、相当程度の大きさになるものと推測しております。新型コロナウイルスへの管理面での対応として、当社は事業継続計画(BCP)を発動し、社長以下の危機対策本部会議メンバーが定期的に会議を開催、従業員の安全確保のための在宅勤務や時差出勤の推進、本社ビル内での感染リスク軽減施策、運転資金の確保など、コロナ禍で必要なリスク低減施策を講じております。また、感染症蔓延が長期化することも視野に、新しい生活様式に合わせた働き方を模索、改革を進めることも課題と認識しております。
(営業面の強化に関わる課題)
①OEM事業の対処すべき課題
OEM事業では、お客様のブランド製品を、当社グループが有する世界規模のサプライチェーンを駆使して適切な価格でタイムリーにお届けしていますが、昨今のご要望の多様化・高度化に対応すべく、当社グループのサプライチェーンの精度・効率を一層進化させることが課題となります。さらに、マーチャンダイザー(企画営業担当者)の商品専門性やマーケティング能力を向上させ、単にお客様の設計や仕様に沿うだけではなく、健やかで潤いのあるくらしを創造する製品となるよう、企画立案からパッケージング、ロジスティックサポートに至るまで、積極的に関わることができるプロ集団となることを心掛けております。そしてこれこそが「健康と環境」をテーマに真に優れた生活用品を提供する当社グループの経営ビジョンに通じていくものと考えております。
②ブランド事業の対処すべき課題
ブランド事業では、「健康と環境」をテーマとした、当社グループ独自のブランドあるいは海外の秀逸なブランドを主に日本市場において展開しております。ブランドが市場に受け入れられ、さらに浸透するには長い年月を経て共感とご満足をいただく必要があります。そのため、緻密な市場分析や消費動向分析、的確なセグメンテーション、効果的な販売促進や広報活動など、一貫したブランディングの実践により顧客満足度を向上させ、事業の安定化を盤石にしていくことが最重要課題となります。また、消費者の世界観と価値観が絶えず大きく変化することから、新たなブランドを継続的に市場投入することで新陳代謝を促すことも、サステナビリティの観点から重要な課題です。ブランド店舗運営に当たっては、ここ数年人材確保も課題であり、また、昨今のコロナ禍では多くの店舗が一時休業に追い込まれるなど、小売り事業固有の課題の克服も急務となります。
③新規事業へのチャレンジ
当社グループは、長年に亘り様々な外部環境の変化に巧みに順応し、事業内容を柔軟に変化・対応させていくことで、幾多の困難も克服してまいりました。これからも激しく変動する外部環境に対処・順応して持続的に成長するため、果敢なチャレンジを継続することも重要課題となります。
④安定的な収益基盤の強化
将来に亘り、安定した収益基盤を確立するためには、採算性を重視した事業を追求することが重要課題と認識しております。現在当社では、当社グループ全体を管理できる新基幹システムの導入を進めており、それにより各種経営情報・指標を容易に捕捉できる体制を構築中です。これをフル活用することで、ROIC(投下資本利益率)を重視した経営方針に準じた営業施策の導入と、そのPDCAサイクルの活性化に積極的に取り組むことが課題となります。
(管理面の強化に関わる課題)
①個人のパフォーマンスを最大化するマネジメント
企業理念として掲げられた「随縁(縁に随(したが)い縁を活かす)の思想」の下、当社は人材を重要な資産と捉えています。今後とも、優秀な人材の安定的な確保に努めるとともに、教育・研修制度を充実させて社員教育・研修機会の創出・拡大を図ることで、経営環境の変化にも柔軟に対応できる次世代リーダーの人材育成に積極的に取り組んでまいります。
②経営管理の高度化
経営判断の迅速化を可能とする付加価値の高い経営情報を提供するため、刷新した業務基盤システムの機能をフル活用し、経営指標算出の簡素化やリアルタイムで経営計数を共有できる体制の構築が課題です。さらに、業務の標準化・効率化により、ローコストオペレーションの推進に取り組みます。
③グローバル管理態勢の深化
グローバルベースでのグループシナジー効果を最大限発揮し、経営効率を高めるため、レポート・決裁ラインの明確化、適材適所への人材配置の実現、現場への適切な権限委譲に取り組んでまいります。
④攻めと守りのガバナンス推進
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、議論活性化を図るために取締役会に従来の「報告」と「決議」に加えて新たに導入した「審議」事項を活用し、高度化・複雑化した経営課題に迅速・果断に取り組みます。また、攻めと守りが高い次元でバランスのとれたコーポレート・ガバナンスを実現するため、コーポレートガバナンス・コードへの積極的な対応に取組みます。
なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社グループは、日本国内および海外において、生活用品を中心に多岐に亘る商品を提供するOEM事業と、主に日本市場において、自社ブランドあるいは本質にこだわった海外の秀逸なブランドの卸売および小売事業を展開しております。こうした事業活動の性質上、先行き予測が困難で不確実性の高い様々なリスクが内在しており、世界の政治経済情勢の変化や大規模な自然災害の発生、感染症の拡大等に起因して、これらのリスクが顕在化した場合には、将来の当社グループの事業活動や経営成績、財政状態などに大きく影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを完全に排除することは困難ですが、当社グループではリスクマネジメント規程を制定し、それに基づき設立された組織横断的な各種の特定リスク小委員会を定期的に開催、リスクの適切な認識、迅速な対応を図ることで、リスクの極小化を図っています。
①サプライチェーンに関するリスク
当社グループは、世界各地で製造した生活用品を様々な国や地域で販売しているため、原料・資材の調達から輸出入通関手続を含めたロジスティックまで複雑かつ長大なサプライチェーンを構築しています。これは、当社グループが最も得意とするところではありますが、感染症の世界的な蔓延など事前に想定しにくい事態が発生した場合にサプライチェーンが滞り、売上高に相応な影響を与える可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、平時から製品の調達側、販売側双方の分散化を進めるとともに、万が一、リスク事象が顕在化したときには、リスクマネジメント委員会傘下のカントリーリスク小委員会が営業本部と共同して、世界各地の拠点と連携してリスク事象の対応を行う体制を運用しています。
②海外ブランド品の取扱いに関するリスクについて
当社グループでは、正規の販売代理店契約に基づいて、本質にこだわった海外の秀逸なブランドの卸売および小売事業を展開しております。海外ブランドの取扱いにあたっては、正規の販売代理店契約の条件内容の変化や、同契約を継続することに懸念が生じた場合、あるいは、新規に取り扱うこととなったブランドが様々な理由から計画通り進まなかった場合は、当該ブランドの事業活動は元より、当社グループの経営成績に多大な影響を与える可能性があります。
このリスクを回避するため、日本におけるブランド力の強化はもとより、精緻な販売計画の策定及びその計画の達成、ブランドホルダーとの良好な関係の維持に努めています。
③事業継続リスク
当社グループは、わが国だけでなく世界各地で事業活動を営んでいるため、大規模自然災害や感染症の拡大など、様々なリスクに晒されております。事業活動地域において重大なリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業活動、ひいては事業継続に重大な影響を与える可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、危機管理基本マニュアルや事業継続計画(BCP)に基づいて、リスクマネジメント委員会傘下の危機対策本部が即応する体制を整備するだけでなく、平時においても危機対策本部事務局会議を定期開催して、潜在リスクに関する情報収集やリスクが顕在化した際の対応策について検討を行っております。
④市場リスクについて
(為替変動リスク)
当社グループは、輸出入取引に付随し様々な為替相場の変動リスクに晒されおり、円相場の大幅な変動により輸入商品の価格競争力が大幅に失われた場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
こうしたリスクを回避・低減するため、為替決済が生じる日本への輸入商流の比率を相対的に引き下げることを進めるとともに、定期的に開催される市場リスク小委員会が為替相場の変動状況をチェックしています。また、基本的に輸入製品には為替を予約してリスクヘッジを行っています。
(金利変動リスク)
当社グループは、おもに運転資金に充当するため、円建ておよび米ドル建ての借入が発生します。いずれも金利変動リスクに晒されており、特に短期市場金利が急騰した場合は、金利負担の急増により、当社グループの経営成績や財務状態に大きく影響を与える可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、円建て借入については、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を利用したグループベースでの借入金残高の圧縮や、長期固定金利借入や実需の範囲内で金利スワップなどのリスクヘッジ手段を適宜導入することにより、金利変動リスクの抑制を図っております。
(流動性リスク)
当社グループは、仕掛品や製品在庫、設備投資などの運転資金ニーズに加え、危機管理下における事業継続のための資金繰りを支える流動性の確保も必要と考えています。事業継続等の観点から急激な増加資金需要にも耐えうる安定的なキャッシュフローを確保するため、取引金融機関との関係強化や資金調達手法の多様化に取り組んでいます。外貨流動性については、主取引銀行との間で中長期多通貨コミットメントラインを設定することにより、日本国内における米ドル資金調達時の流動性リスクをヘッジしています。
⑤信用リスクについて
当社グループでは、国内外の取引先に対し、必要に応じて、売掛金、前渡金、保証等の信用供与を行っております。こうした信用リスクに対しては、売掛債権を補償する取引先信用保険の付保や、過去の実績を基にした引当金の設定を行っておりますが、取引先の財政状態の悪化などにより、回収遅延や債務不履行が発生した場合には、結果として、想定以上の金銭的損失が発生する可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、与信管理規程に基づいた適切な与信限度額の設定、定期的な与信限度額見直の体制を運用するとともに、与信リスク小委員会において与信状況を定期的に監督しています。また、リスク低減には、販売市場の分散にも取り組む必要があると考えています。なお、万が一に備えて取引信用保険や輸出保険の付保により、リスク移転措置も講じております。
⑥コンプライアンス(法令遵守)に関するリスクについて
当社グループは、生活関連用品を中心に多岐に亘る商品を国内外で提供しており、わが国を含む世界各国で制定、施行されている各種法令および規制などを遵守することに努めております。しかしながら、複数の当事者を介して行う取引も多く、予防的措置を講じているにも関わらず、結果として法令や規制などに違反する事態に至るなど、場合によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、これからの法令や規制などが大きく変更された場合には、取引の継続が困難となる可能性や必要な対策に多額の費用を要する可能性があります。
こうしたリスクを回避するため、法務リスク小委員会において法改正情報の入手や法令遵守の状況を監督しています。また、情報管理委員会小委員会を定期開催し、個人情報の管理体制を監督する体制を整えています。
⑦商品の品質問題に関するリスクについて
当社グループは、提供している生活関連用品を中心とした商品の品質管理を徹底するとともに、製造物賠償責任保険に加入しております。しかしながら、万が一、重大な製造物賠償責任が発生した場合は、信用、ブランド・イメージが大幅に低下する可能性があり、さらに、製造物賠償責任保険の付保金額を大幅に超える賠償金支払義務が発生した場合には、当社グループの事業活動や経営成績、財政状態などに大きく影響を及ぼす可能性があります。
このリスクを回避するため、製造販売部門に専門の知識経験を有する品質管理担当(QA)を配置して品質管理を徹底することはもちろんのこと、万が一に備えて製造物賠償責任保険(PL保険)を付保してリスク移転措置を講じております。
なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、底堅く推移している企業業績を背景として雇用・所得環境の改善傾向が持続するなど、概ね緩やかな景気回復基調を辿りました。しかしながら、第4四半期に入ってから新型コロナウイルス感染症が世界的に急拡大したことで、内外経済に直接的な影響を与えており、日本経済を取り巻く環境は極めて厳しい状況となりました。
当社グループは、お客様のブランド商品を製造・品質管理・物流まで一貫して提供する「OEM事業」と、OEM事業で培ってきた海外ビジネスの知識と経験を活用し、自社ブランドや海外の秀逸なブランドを販売する「ブランド事業」という二つの事業とその相乗効果を追求するビジネスモデルを展開しております。
当連結会計年度のOEM事業は、服飾雑貨事業セグメントで売り上げが増加しましたが、家具家庭用品事業セグメントおよび家電事業セグメントの売り上げが減少したことにより事業全体では減収となりました。ブランド事業につきましては、服飾雑貨事業セグメントの売り上げが減少しましたが、家具家庭用品事業セグメントおよび家電事業セグメントの売上増加を主因に、事業全体で増収となりました。
この結果、当連結会計年度の連結売上高につきましては、前期比3.0%減少の412億1千7百万円となりました。利益面につきましては、売上高は減少したものの、顧客ポートフォリオの見直しにともない売上総利益率が改善したことにより、売上総利益は前期比1億1千5百万円増加の122億4千4百万円となりました。営業利益につきましては、売上総利益の増加に加え、販管費削減が進んだことにより前期比5億6千3百万円増加の13億1千5百万円となりました。経常利益につきましては、前期比5億1千4百万円増加の13億4千2百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、子会社小売店舗の固定資産の減損損失等の特別損失の計上や、子会社の繰延税金資産の取崩しによる法人税等調整額の計上により、前期比3百万円減少の1億9千1百万円となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(家具家庭用品事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比6.7%減少の185億2百万円となりました。OEM事業では、欧米向け家庭用品の売り上げが大幅に減少したことを主因に減収となりました。ブランド事業においては、「MINT(ミント)」などの家具・インテリアのネットショップの売上増加により増収となりました。
セグメント利益につきましては、売上高は減少しましたが、採算性の観点から北米ビジネスを大幅に縮小したことにより売上総利益率の改善と販管費の削減が進んだことから、前期比5億8千4百万円増加の10億3千6百万円となりました。
(服飾雑貨事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比2.1%減少の144億8千8百万円となりました。OEM事業では、トラベル商材を中心に国内向け売り上げが増加しました。ブランド事業においては、ドイツのコンフォートシューズブランド「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」等を販売する㈱ベネクシーおよびベルギーのプレミアム・カジュアルバッグブランド「Kipling(キプリング)」を販売する㈱L&Sコーポレーションの売り上げが減少しました。
セグメント利益につきましては、売上高の減少を主因に、前期比2千1百万円減少の5億7千3百万円となりました。
(家電事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比3.6%増加の60億3千2百万円となりました。OEM事業では、中国国内向けの売り上げが増加しましたが、日本向けが減少したことにより、減収となりました。ブランド事業においては、理美容家電・調理家電などを取扱う㈱ゼリックコーポレーションにおいて、理美容家電の国内向け売り上げが好調に推移したことに加え、全体として海外向け売り上げも伸長しました。なお、2020年1月1日付で、当社子会社であった㈱mhエンタープライズと㈱エス・シー・テクノは合併の上、商号を㈱ゼリックコーポレーションに変更し、家電事業セグメントにおけるブランド事業の更なる発展を目指し活動を開始しております。
セグメント利益につきましては、売上高が増加したことから、前期比9千4百万円増加の5億3千1百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 |
|
|
生産実績(千円) |
前期比(%) |
|
|
家具家庭用品事業 |
207,987 |
- |
|
家電事業 |
2,026,323 |
△6.4 |
|
合計 |
2,234,310 |
△6.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 |
|||
|
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
|
家具家庭用品事業 |
17,120,426 |
△12.4 |
3,495,045 |
△28.3 |
|
服飾雑貨事業 |
14,376,412 |
△6.3 |
1,887,392 |
△5.6 |
|
家電事業 |
5,785,308 |
12.1 |
638,866 |
△27.9 |
|
報告セグメント計 |
37,282,147 |
△6.9 |
6,021,305 |
△22.4 |
|
その他 |
2,606,499 |
35.0 |
518,431 |
383.1 |
|
合計 |
39,888,646 |
△5.0 |
6,539,736 |
△16.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 |
|
|
販売高(千円) |
前期比(%) |
|
|
家具家庭用品事業 |
18,502,032 |
△6.7 |
|
服飾雑貨事業 |
14,488,030 |
△2.1 |
|
家電事業 |
6,032,108 |
3.6 |
|
報告セグメント計 |
39,022,171 |
△3.5 |
|
その他 |
2,195,383 |
6.0 |
|
合計 |
41,217,555 |
△3.0 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、金額には、消費税等は含まれておりません。
|
相手先 |
前連結会計年度 自 2018年4月1日 至 2019年3月31日 |
当連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱良品計画 |
18,995,779 |
44.7 |
18,858,833 |
45.8 |
(注) 上記販売額には、㈱良品計画ならびに同社の子会社への売上高を記載しております。
次期連結会計年度の見通し
新型コロナウイルス感染症が世界規模で蔓延し、各国政府の感染拡大防止措置により、世界規模で企業活動が制約されたため、世界経済全体が長期間に亘り停滞し、各国の様々な市場での消費が大きく落ち込む状況が継続しております。そのため、当社グループが日本を含む世界各国で製造、卸売・小売販売している製品の販売数量にも大きな影響が出ており、また、当社グループは、中国を含む海外各地の自社工場や提携工場で製造した製品を調達している関係で、当社グループのサプライチェーン(供給体制)も大きな影響を受けております。
今後も第2波、第3波への懸念もあり、極めて厳しい状況が継続するものと思われますが、本邦での5月25日の緊急事態宣言解除により、外出制限が段階的に解かれ経済活動が再開したことから、現時点で入手可能な情報や予測等に基づき、以下のように業績予想を算定しております。なお、業績予想の算定は、6月までの実績値に7月前半の受注状況や販売状況を踏まえ、売上高を前期比20%程度の減少と見込んでおります。
売上高につきましては、4月の緊急事態宣言発出によって、全国的に店舗休業を含む営業時間の短縮が行われたこと、当社グループにおいても同様に店舗休業等を行ったことから、各報告セグメントにおいて、OEM事業における受注減やブランド事業における販売機会の喪失がありました。緊急事態宣言解除後、店舗等徐々に再開しましたが、未だ消費者の購買意欲上昇は見られないことから、大幅な減収と予想しております。
利益面につきましても、サプライチェーンの高度化、Eコマースの強化や一貫したブランディングの実践、ローコストオペレーションの推進など、重点施策に取り組んでいくものの、売上減少予想により、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、大幅減益を見込んでおります。
このような状況の下、次期の業績につきましては、売上高310億円(前期比24.8%減少)、営業損失15億円、経常損失15億円、親会社株主に帰属する当期純損失16億円を予想しております。
なお、通期の業績見通しの前提となる為替レートは1米ドル110.00円としております。
(業績予想に関する留意事項)
本資料における業績予想および将来の予測等に関する記述は、当連結会計年度末現在で入手した情報に基づき判断した予想であり、潜在的なリスクや不確実性が含まれております。
従いまして、実際の業績は様々な要因により、これらの業績予想とは異なることがありますことをご承知おきください。
(2)財政状態
①流動資産
「現金及び預金」や「商品及び製品」などが増加しましたが、「受取手形及び売掛金」が18億7千3百万円減少したことにより、当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末と比べて17億8千万円減少の165億6千1百万円となりました。
②固定資産
「有形固定資産」が増加しましたが、「投資有価証券」が減少したことを主因に、当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末と比べて12億5千7百万円減少の56億3千2百万円となりました。「投資有価証券」は13億4千9百万円減少しましたが、これは主に、政策保有株式の時価評価が下落したことによるものです。
③流動負債
「短期借入金」や「1年内返済予定の長期借入金」などの減少により、当連結会計年度末の流動負債は前連結会計年度末と比べて47億4千2百万円減少の69億1千3百万円となりました。「短期借入金」は36億1百万円の減少となりましたが、これは、前連結会計年度末が金融機関の休日と重なったことから大口の売掛金の回収が当期初にずれ込んだため期末超えのつなぎ資金として運転資金を調達していたことと、新規での長期固定金利借入(社債発行を含む)の実行により、20億円を返済したことによります。また「1年内返済予定の長期借入金」は9億5千万円の減少となりましたが、期日到来での借り換えにより、固定負債の「社債」および「長期借入金」に振り替わっております。
④固定負債
主に「繰延税金負債」の減少と「社債」および「長期借入金」の増加により、当連結会計年度末の固定負債は前連結会計年度末と比べて27億5千4百万円増加の38億6千2百万円となりました。「社債」および「長期借入金」はそれぞれ19億5千万円、10億円、増加しましたが、このうち20億円は新規の長期固定借入(社債発行含む)によるもので、9億5千万円は期日到来での借り換えにより「1年内返済予定の長期借入金」から振り替わっております。「繰延税金負債」は4億1千9百万円の減少となりましたが、これは「投資有価証券」の時価評価が下落したことに伴うものです。
⑤純資産
主に「その他有価証券評価差額金」の減少により当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末と比べて10億5千万円減少の114億1千7百万円となりました。「その他有価証券評価差額金」は9億2千万円の減少となりましたが、これは「投資有価証券」の時価評価が下落したことに伴うものです。
この結果、自己資本比率は51.0%、1株当たり純資産は4,792円88銭となりました。
(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて3億1百万円増加の50億7千5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、29億2千3百万円(前期は5億7千6百万円のキャッシュイン)となりました。
税金等調整前当期純利益は、売上総利益、営業利益および経常利益が増加となったことを主因に、前期比2億8千1百万円増加となる10億6千6百万円となりました。
非資金費用である減価償却費は、新基幹システム導入により前期比8千2百万円増加の5億6千9百万円となりました。また、子会社小売店舗の固定資産について減損損失を計上し、減損損失は前期比2億7百万円増加の2億1千5百万円となりました。
売上債権につきましては、北米向けOEMビジネスを抜本的に見直ししたことや、前連結会計年度末が金融機関の休日と重なった影響で大口の売掛金の回収が当期初にずれこんだことから、17億9千9百万円の減少となりました。
法人税等の支払額は、前期比2千7百万円増加の6億4千9百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、6億円(前期は6億3千8百万円のキャッシュアウト)となりました。これは主に、ブランド販売子会社による店舗網拡充や、新商品の金型投資などの有形固定資産の取得として4億7千9百万円を支出したことや、新基幹システムに関わるソフトウエアの取得として1億5千8百万円を支出したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、19億8千万円(前期は3億1千5百万円のキャッシュイン)となりました。
短期借入金が36億1百万円減少しましたが、これは、前連結会計年度末は金融機関の休日と重なったことから大口の売掛金の回収が当期初にずれ込んだため期末超えのつなぎ資金として運転資金を調達していたことと、新規での長期固定金利借入(社債発行を含む)の実行により、20億円を返済したことによります。
なお、社債の発行による収入が19億5千万円、長期借入れによる収入が10億円ありましたが、うち9億5千万円は1年内返済長期借入金の期日到来による借り換え、20億円は新規での長期固定金利借入(社債発行を含む)の実行によるものです。
また、配当金の支払額は3億7千6百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
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自己資本比率(%) |
47.5 |
55.1 |
51.8 |
48.9 |
51.0 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
42.1 |
37.8 |
35.7 |
29.5 |
30.1 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
1.5 |
2.6 |
6.5 |
11.6 |
1.8 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
61.9 |
34.9 |
28.7 |
15.0 |
71.2 |
(注)1 各項目における算出式は、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としてお
ります。
6 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資金需要
当社グループの主要な資金需要は、たな卸資産の購入のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の費用ならびに当社グループの設備の新設および改修等に係る投資となります。また、今後、当社グループの新たな収益源となり、企業価値向上に資するとの判断から、M&Aを含む新規事業への投資も資金需要の対象となります。
財務政策
資金需要の財源といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、主要取引銀行から供与された円資金借入枠に基づく借入金となります。なお、当社および国内関係会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、これにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理することで、資金効率の向上に努めています。また、「流動性の確保」「金利上昇リスクのヘッジ」等を目的に社債の発行および長期借入金の実行もしております。
一方、当社では、為替相場変動リスクのヘッジ方法の一貫として、国内OEM取引先との間で商品代金等の決済を米ドル建てで行う契約を締結しています。このため、短期のつなぎ資金として米ドル資金が必要となりますが、その調達源として、当社では、主要取引銀行との間で中長期多通貨コミットメントラインを締結しております。これにより、今後、本邦において米ドル資金調達リスクが想定外に顕在化した場合でも、米ドル資金の流動性を確保することができます。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
当該判断や見積りにおいては、従来の方法に加えて、新型コロナウイルス感染症の今後の影響を考慮する必要がありますが、「第5 経理の状況」の(追加情報)に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の終息時期やその拡大にともなう事業活動への影響について見通すことは困難であるため、当社グループでは足元の業績状況を踏まえ、2021年3月期中に概ね収束するものと仮定して、各種判断や見積りを行っております。
なお、当該見積りは、新型コロナウイルス感染症の収束時期および経済環境への影響が変化した場合には、当該見積りの結果に影響し、翌連結会計年度以降の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失として過去の貸倒実績率により、貸倒引当金を見積り計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる可能性があります。
また、当社においては子会社への貸付金等債権があり、子会社の支払能力について毎期検討をしております。支払能力が低いと判断した場合には追加引当が必要な可能性があります。
②投資の減損
当社グループは、特定の顧客および金融機関に対する株式を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、一定の基準に基づいて投資の減損処理をしております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合は、評価損の計上が必要になる可能性があります。
また、当社においても子会社への投資について、1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産が取得価額の50%以下となる場合は減損処理の要否を検討し回収不能と判定した場合は評価損の計上が必要になる可能性があります。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上する場合に将来の課税所得を合理的な予想に基づき回収可能性を検討しておりますが、繰延税金資産の一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の一部を費用として計上する可能性があります。
④固定資産の減損損失について
当社グループは、経営環境の変化や収益性の低下等により、事業等に供する土地、建物や小売店内装等の投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損損失を追加計上が必要になる可能性があります。
⑤棚卸資産の評価について
当社グループが取り扱う商品は特性上、陳腐化など発生しにくいものとなりますが、顧客需要の減少などによる滞留在庫や過剰在庫の発生に備え、一定のルールで滞留期間や過剰割合を算出し、一定の割合で簿価切り下げを行っておりますが、見込みを超える経済環境の変化等が発生した場合は、評価損の追加計上が必要になる可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。