(1)企業理念・経営ビジョン・行動規範
<企業理念>:「随縁の思想」
当社グループは、企業理念として創業以来「随縁の思想」を掲げております。「随縁」とは、「縁に随(したが)い縁を活かす」ことであり、人と人との出会い、そこから生まれる絆を大切に思い、互いに尊重し合い、助け合い、発展し合う、という思想のことを言い表したものです。
<経営ビジョン>:「三栄コーポレーションは真に優れた生活用品を提供します。『健康と環境』をテーマに健やかで潤いのあるくらしを創造します。」
当社グループはこの経営ビジョンの下、「くらしに良いもの」を提供することで、永続的な企業の存続と、ステークホルダーの皆さまを始めとする社会全体の利益となることを経営の基本方針としております。
<行動規範>
1. 私たちは、小さなことを誠実に行います。
2. 私たちは、助け合いのこころを大切にします。
3. 私たちは、感謝の気持ちを忘れません。
4. 私たちは、機を逃しません。
5. 私たちは、地球の未来を考え行動します。
当社グループの企業活動は、そのいずれもが、互いに尊重し合い、助け合い、発展し合う、三栄のこころである「随縁の思想」にささえられています。行動規範は、この企業理念の下、当社グループ全ての役員・従業員が、常日頃、いかに判断し、行動して行くべきか、と言う基準を示したものです。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは長期的に安定した収益を確保できる経営基盤の確立が、永続的な企業の存続やステークホルダーの皆さまをはじめとする社会全体の利益に資するとの考えから、7%程度の経常利益率を目標として掲げています。しかしながら2020年度(2021年3月期)は、期初より新型コロナウイルス感染症拡大の影響が大きく、現在もまだ、先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況ではありますが、私共といたしましては、100年企業を目指す上で、以下の重点施策の実現に向けて引続き、しっかりとしたPDCAの実践を通じて注力してまいります。
(重点施策)
①サプライチェーンの高度化・マーケティング能力向上・プロ集団の育成
②ブランディング実践によるブランド力の強化・新ブランドの市場投入促進
③果敢なチャレンジの継続
④投下資本効率重視
⑤人材強化
⑥ローコストオペレーションの推進
⑦グローバル管理態勢の深化によるグループシナジー効果の発揮
⑧攻めと守りのガバナンス推進
(3)経営環境
当社グループは、お客様ブランドの製品にまつわる製造・品質管理・物流まで一貫したサービスとサポートを提供するOEM事業と、OEM事業で培ってきた海外ビジネスに関する知識と経験を活用し、自社ブランドや海外の秀逸なブランドを販売するブランド事業という二つの事業の相乗効果を追求するビジネスモデルを展開しています。
OEM事業では、高い品質が求められる一方で常に厳しい価格競争に晒されており、専門性の一層の向上とともに、消費者ニーズを先取りした緻密なモノづくり戦略が求められます。一方、ブランド事業は、商品がヒットすればするほど市場に競合商品が出回り、価格競争に陥りやすい傾向が有るため、価格以外の面で消費者にとっての魅力を開発し保持する必要があると考えています。また、海外の秀逸なブランドについては、日本での認知度が低いケースも多く、日本市場において一定の成果をあげるために、相応の時間と綿密な販売戦略を講じる必要があります。一方、日本で既に一定の知名度のあるブランドの場合でも、並行輸入品との競合に陥るリスクがあり、有効な並行輸入品対策が求められます。なお、既に十分な知名度とともに当社グループにおいて相応の販売実績を挙げているブランドにつきましては、将来のより安定した収益体質を確保するための施策を講じることが求められます。
当社は事業の特性上、「事業等のリスク」でも記載しておりますとおり、国内外に複雑かつ長大なサプライチェーンを構築しております。今般の「コロナ禍」では、そうしたサプライチェーンの一時的な分断など、これまで直面したことのないリスクに晒されるなど、経営の舵取りが難しい状況が継続し、未だ収束する兆しさえ見えてきておりません。しかしながら、当社の長い歴史の中で、幾多の難局を乗り越えてきたように、今後も柔軟な発想や高度な専門性を武器に目の前の難局を乗り切り、力強い回復と、その先の更なる成長を目指してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(新型コロナウイルス感染症の影響と課題)
新型コロナウイルス感染症が世界規模で蔓延し、各国政府は都市封鎖、外出自粛、休業要請などの様々な感染症拡大防止措置を行っております。世界各国においてワクチンの接種が進んでおりますが、世界規模で人、物の動きが鈍化したことにより、世界経済全体が長期間に亘り停滞し、消費が大きく落ち込んだことで、当社グループの事業も大きな影響を受けています。新型コロナウイルス感染症は収束の目途が立っておらず、2021年3月期における通期の経営成績は、25期振りの赤字決算を余儀なくされました。営業面では、いまだ回復への道のりは平たんなものではございませんが「withコロナ」でも安定した収益基盤を早期に確立することが課題です。管理面では、変異型のウイルスが世界的に蔓延する中、引き続き感染リスク軽減策を講じ、「with コロナ」と言う新たな生活様式に応じた働き方改革を推し進めて行くことも大きな課題として取り組んでおります。
(営業面の強化に関わる課題)
①OEM事業の対処すべき課題
OEM事業では、お客様のブランド製品を、当社グループが有する世界規模のサプライチェーンを駆使して適切な価格でタイムリーにお届けしていますが、近年のご要望の多様化・高度化や、今後のwithコロナ時代に対応すべく、当社グループのサプライチェーンの精度・効率を一層進化させることが課題となります。さらに、マーチャンダイザー(商品企画営業担当者)の専門性やマーケティング能力を向上させ、単にお客様の設計や仕様に沿うだけではなく、健やかで潤いのあるくらしを創造する製品となるよう、企画立案からパッケージング、ロジスティックサポートに至るまで、積極的に関わることができるプロ集団となることを心掛けております。そしてこれこそが「健康と環境」をテーマに真に優れた生活用品を提供する当社グループの経営ビジョンに通じていくものと考えております。
②ブランド事業の対処すべき課題
ブランド事業では、「健康と環境」をテーマとした、当社グループ独自のブランドあるいは海外の秀逸なブランドを主に日本市場において展開しております。ブランドが市場に受け入れられ、さらに浸透するには長い年月を経て共感とご満足をいただく必要があります。そのため、緻密な市場分析や消費動向分析、的確なセグメンテーション、効果的な販売促進や広報活動など、一貫したブランディングの実践によりお客様満足度を向上させ、事業の安定化を盤石にしていくことが最重要課題となります。また、常に変化する消費者の世界観と価値観は、コロナ禍を受けて一層大きく変化を遂げていることから、サステナビリティの観点を重視することも含めて、引続き、一時の流行に流されにくく本質にこだわった秀逸なブランドの展開に努めることが重要な課題です。ブランド店舗運営に当たっても、安定的な経営基盤の確立を重要課題とし、ブランド本来の市場規模に見合った店舗戦略を志向することとします。
③新規事業へのチャレンジ
当社グループは、長年に亘り様々な外部環境の変化に巧みに順応し、事業内容を柔軟に変化・対応させていくことで、幾多の困難も克服してまいりました。これからも激しく変動する外部環境に対処・順応して持続的に成長するため、果敢なチャレンジを継続することも重要課題となります。
④安定的な収益基盤の強化
将来に亘り、安定した収益基盤を確立するためには、採算性を重視した事業を追求することが重要課題と認識しております。現在、当社では、新たに立ち上げた基幹システムを活用して、各種経営情報・指標を容易に捕捉できる体制を構築中です。
(管理面の強化に関わる課題)
①個人のパフォーマンスを最大化するマネジメント
企業理念として掲げた「随縁の思想」の下、当社は人材を重要な資産と捉えています。今後とも、優秀な人材の安定的な確保に努めるとともに、教育・研修制度を充実させて社員教育・研修機会の創出・拡大を図ることで、経営環境の変化にも柔軟に対応できる次世代リーダーの人材育成に積極的に取り組んでまいります。また、withコロナ・新常態に適応した「働き方改革」の推進と「人事制度」の整備(就業規則・評価制度の見直しなど)等に取り組むことも課題と認識しております。
②グローバル管理態勢の深化
グローバルベースでのグループシナジー効果を最大限発揮し、経営効率を高めるため、レポート・決裁ラインの明確化、適材適所への人材配置の実現、現場への適切な権限委譲に取り組んでまいります。
③攻めと守りのガバナンス推進
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指し、議論活性化を図るために取締役会に従来の「報告」と「決議」に加えて新たに導入した「審議」事項を活用し、高度化・複雑化した経営課題に迅速・果断に取り組みます。また、攻めと守りが高い次元でバランスのとれたコーポレート・ガバナンスを実現するため、コーポレートガバナンス・コードへの積極的な対応に取組みます。
なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当社グループは、日本国内および海外において、生活用品を中心に多岐に亘る商品を提供するOEM事業と、自社ブランドあるいは本質にこだわった海外の秀逸なブランドの卸売および小売を行うブランド事業を展開しております。こうした事業活動の性質上、先行き予測が困難で不確実性の高い様々なリスクが内在しており、世界の政治経済情勢の変化や大規模な自然災害の発生、感染症の拡大等に起因して、これらのリスクが顕在化した場合には、将来の当社グループの事業活動や経営成績、財政状態などに大きく影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを完全に排除することは困難ですが、当社グループではリスクマネジメント規程を制定し、それに基づき設立された組織横断的な各種の特定リスク小委員会を定期的に開催、リスクの適切な認識、迅速な対応を図ることで、リスクの極小化を図っています。
①事業継続リスクについて
当社グループは、わが国だけでなく世界各地で事業活動を営んでいるため、大規模自然災害や感染症の拡大など、様々なリスクに晒されております。事業活動地域において重大なリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業活動、ひいては事業継続に重大な影響を与える可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、危機管理基本マニュアルや事業継続計画(BCP)に基づいて、リスクマネジメント委員会傘下の危機対策本部が即応する体制を整備するだけでなく、平時においても危機対策本部事務局会議を定期開催して、潜在リスクに関する情報収集やリスクが顕在化した際の対応策について検討を行っております。
②海外ブランド品の取扱いに関するリスクについて
当社グループでは、正規の販売代理店契約に基づいて、本質にこだわった海外の秀逸なブランドの卸売および小売を行うブランド事業を展開しております。海外ブランドの取扱いにあたっては、正規の販売代理店契約の条件内容の変化や、同契約を継続することに懸念が生じた場合、あるいは、新規に取り扱うこととなったブランドが様々な理由から計画通り進まなかった場合は、当該ブランドの事業活動は元より、当社グループの経営成績に多大な影響を与える可能性があります。このリスクを回避するため、日本におけるブランド力の強化はもとより、精緻な販売計画の策定及びその計画の達成、ブランドホルダーとの良好な関係の維持に努めています。
また、海外ブランド品は、受注や販売の見込みに基づき一定時期にまとめて海外メーカーに発注し、一定量を在庫として保有する必要がありますが、実際の受注や販売が見込みどおりとならないことがあるため、在庫として保有するたな卸資産が過剰在庫となる可能性があります。こうしたリスクの抑制策として、当社および当社グループ各社は、各ブランド商品に見合ったたな卸資産の評価基準を「経理規則」において定め、本リスクに粛々と対処してきています。
③サプライチェーンに関するリスクについて
当社グループは、世界各地で製造した生活用品を様々な国や地域で販売しているため、原料・資材の調達から輸出入通関手続を含めたロジスティックまで複雑かつ長大なサプライチェーンを構築しています。これは、当社グループが最も得意とするところではありますが、感染症の世界的な蔓延など事前に想定しにくい事態が発生した場合にサプライチェーンが滞り、売上高に相応な影響を与える可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、平時から製品の調達側、販売側双方の分散化を進めるとともに、万が一、リスク事象が顕在化したときには、リスクマネジメント委員会傘下のカントリーリスク小委員会が営業本部と共同して、世界各地の拠点と連携してリスク事象の対応を行う体制を運用しています。
④商品の品質問題に関するリスクについて
当社グループは、提供している生活用品を中心とした商品の品質管理を徹底しております。しかしながら、万が一、重大な製造物賠償責任が発生した場合は、信用、ブランド・イメージが大幅に低下する可能性があり、さらに、賠償金支払義務が発生した場合には、当社グループの事業活動や経営成績、財政状態などに大きく影響を及ぼす可能性があります。
このリスクを回避するため、製造販売部門に専門の知識経験を有する品質管理担当(QA)を配置して品質管理を徹底することはもちろんのこと、万が一に備えて製造物賠償責任保険(PL保険)を付保してリスク移転措置を講じております。また、リスクマネジメント規程に基づく商品リスク小委員会において、発覚した当社の取扱商品に関する様々なトラブルの発生原因や対応策に関する情報の管理・共有を図るとともに、蓄積した知見を活用できる仕組みを構築しています。
⑤市場リスクについて
(為替変動リスク)
当社グループは、輸出入取引に付随し様々な為替相場の変動リスクに晒されており、円相場の大幅な変動により輸入商品の価格競争力が大幅に失われた場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
こうしたリスクを回避・低減するため、定期的に開催される市場リスク小委員会が為替相場の変動状況をチェックしています。また、輸入には必要に応じて適宜為替を予約してリスクヘッジを行っています。
(金利変動リスク)
当社グループは、おもに運転資金に充当するため、円建ておよび米ドル建ての借入が発生します。いずれも金利変動リスクに晒されており、特に短期市場金利が急騰した場合は、金利負担の急増により、当社グループの経営成績や財政状態に大きく影響を与える可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、円建て借入については、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を利用したグループベースでの借入金残高の圧縮や、長期固定金利借入や実需の範囲内で金利スワップなどのリスクヘッジ手段を適宜導入することにより、金利変動リスクの抑制を図っております。
(流動性リスク)
当社グループは、仕掛品や製品在庫、設備投資などの運転資金ニーズに加え、危機管理下における事業継続のための資金繰りを支える流動性の確保も必要と考えています。事業継続等の観点から急激な増加資金需要にも耐えうる安定的なキャッシュ・フローを確保するため、取引金融機関との関係強化や資金調達手法の多様化に取り組んでいます。外貨流動性については、主取引銀行との間で多通貨コミットメントラインを設定することにより、日本国内における米ドル資金調達時の流動性リスクをヘッジしています。
⑥信用リスクについて
当社グループでは、国内外の取引先に対し、必要に応じて、売掛金、前渡金、保証等の信用供与を行っております。こうした信用リスクに対しては、売掛債権を補償する取引先信用保険の付保や、過去の実績を基にした引当金の設定を行っておりますが、取引先の財政状態の悪化などにより、回収遅延や債務不履行が発生した場合には、結果として、想定以上の金銭的損失が発生する可能性があります。
このリスクを回避・低減するため、グローバルベースで、与信管理規程に基づいた適切な与信限度額の設定、定期的な与信限度額見直しの体制を運用するとともに、与信リスク小委員会において与信状況を定期的に監督しています。また、リスク低減には、販売市場の分散にも取り組む必要があると考えています。なお、万が一に備えて取引信用保険や輸出保険の付保により、リスク移転措置も講じております。
⑦コンプライアンス(法令遵守)に関するリスクについて
当社グループは、生活用品を中心に多岐に亘る商品を国内外で提供しており、わが国を含む世界各国で制定、施行されている各種法令および規制などを遵守することに努めております。しかしながら、複数の当事者を介して行う取引も多く、予防的措置を講じているにも関わらず、結果として法令や規制などに違反する事態に至るなど、場合によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。また、これからの法令や規制などが大きく変更された場合には、取引の継続が困難となる可能性や必要な対策に多額の費用を要する可能性があります。
こうしたリスクを回避するため、法務リスク小委員会において法改正情報の入手や法令遵守の状況を監督しています。また、情報管理委員会小委員会を定期開催し、個人情報の管理体制を監督する体制を整えています。
なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の動向に影響を受ける厳しい状況が継続しました。新型コロナウイルス感染症流行開始後1年以上が経過し、経済活動の回復が顕著な中国向けを中心に輸出が回復するなど、外需に持ち直しの動きがみられるものの、内需面では、2度の緊急事態宣言発出による外出・移動の自粛要請や休業・時短営業の要請等の影響で、引続き個人消費は一進一退の状況にあり、景況感や経済活動のV字回復には至っておりません。年度末より蔓延しつつある変異株や本邦における今後のワクチン接種の行方にいまだ不透明感は拭えない状況にあり、依然として厳しい状況が継続しています。
当社グループは、「くらしに、良いものを。」をテーマに、私たちの暮らしに寄り添う生活用品の取扱いを事業の主軸に置き、お客様のブランド商品を製造・品質管理・物流まで一貫して提供する「OEM事業」と、OEM事業で培ってきた海外ビジネスの知識と経験を活用し、自社ブランドや海外の秀逸なブランドを販売する「ブランド事業」という二つのビジネスモデルを展開しております。
当連結会計年度のOEM事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による受注減から、全ての事業セグメントにおいて大幅な減収となりました。ブランド事業におきましては、巣ごもり需要を背景に家具家庭用品事業セグメントにおけるネット販売は好調に推移したものの、実店舗を販路の主軸とする服飾雑貨事業セグメントにおいては、外出・移動の自粛要請や休業・時短営業の要請等の影響が大きく、ブランド事業全体で減収となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高につきましては、前期比19.8%減少の330億5千万円となりました。利益面につきましては、売上高の減少を主因に、売上総利益は前期比32億6千2百万円減少の89億8千1百万円となりました。営業利益、経常利益につきましても、それぞれ前期比20億2千5百万円減少の7億9百万円の損失、同17億8千9百万円減少の4億4千6百万円の損失となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、固定資産売却益2億8千3百万円の計上があったものの、前期比9億9百万円減少の7億1千7百万円の損失となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(家具家庭用品事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比4.3%減少の177億5百万円となりました。OEM事業では、国内外ともに新型コロナウイルス感染症拡大の影響による受注減から大幅な減少となりました。一方、ブランド事業においては、巣ごもり需要を背景に、「MINT(ミント)」などの家具・インテリアのネットショップの売り上げが好調に推移し、前期比で大きく伸長したほか、ドイツのテーブルウェアブランド「Villeroy&Boch(ビレロイアンドボッホ)」等を取扱う(株)エッセンコーポレーションの売り上げも前期比増加しました。
セグメント利益については、ブランド事業は増益となったものの、OEM事業での減益を主因に、前期比1億7千2百万円減少の8億6千3百万円となりました。
(服飾雑貨事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比39.8%減少の87億2千5百万円となりました。OEM事業では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響でトラベル商材の需要が大きく落ち込むなど、国内外ともに大幅な減少となりました。ブランド事業においては、ドイツのコンフォートシューズブランド「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」等を販売する(株)ベネクシーおよびベルギーのプレミアム・カジュアルバッグブランド「Kipling(キプリング)」を販売する(株)L&Sコーポレーションの売り上げが、外出・移動の自粛要請や休業・時短営業の要請等の影響で、前期比大きく減少しました。
セグメント利益については、売上減少により、前期比17億8百万円減少し、11億3千4百万円の損失となりました。
(家電事業)
当報告セグメントの売上高は、前期比21.3%減少の47億4千8百万円となりました。OEM事業では、国内外ともに新型コロナウイルス感染症拡大の影響による受注減が響き、大幅な減少となりました。ブランド事業においては、理美容家電・調理家電などを取扱う(株)ゼリックコーポレーションの売り上げが、巣ごもり需要を背景に調理家電は堅調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、予定していた新商品投入の時期を遅らせたことや理美容家電の需要が落ち込んだことなどにより、前期比減少しました。
セグメント利益については、OEM事業での売上高の減少を主因に、前期比3億4千3百万円減少の1億8千8百万円となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
|
|
生産実績(千円) |
前期比(%) |
|
|
家具家庭用品事業 |
220,972 |
6.2 |
|
家電事業 |
1,371,724 |
△32.3 |
|
合計 |
1,592,696 |
△28.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの受注状況は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
|||
|
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
|
家具家庭用品事業 |
19,675,552 |
14.9 |
5,465,091 |
56.4 |
|
服飾雑貨事業 |
7,935,327 |
△44.8 |
1,097,634 |
△41.8 |
|
家電事業 |
4,793,373 |
△17.1 |
684,217 |
7.1 |
|
報告セグメント計 |
32,404,253 |
△13.1 |
7,246,943 |
20.4 |
|
その他 |
1,359,713 |
△47.8 |
5,872 |
△98.9 |
|
合計 |
33,763,966 |
△15.4 |
7,252,815 |
10.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
|
|
販売高(千円) |
前期比(%) |
|
|
家具家庭用品事業 |
17,705,506 |
△4.3 |
|
服飾雑貨事業 |
8,725,085 |
△39.8 |
|
家電事業 |
4,748,022 |
△21.3 |
|
報告セグメント計 |
31,178,614 |
△20.1 |
|
その他 |
1,872,272 |
△14.7 |
|
合計 |
33,050,887 |
△19.8 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。なお、金額には、消費税等は含まれておりません。
|
相手先 |
前連結会計年度 自 2019年4月1日 至 2020年3月31日 |
当連結会計年度 自 2020年4月1日 至 2021年3月31日 |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱良品計画 |
18,858,833 |
45.8 |
13,273,866 |
40.2 |
(注) 上記販売額には、㈱良品計画ならびに同社の子会社への売上高を記載しております。
次期連結会計年度の見通し
今後の見通しにつきましては、本邦においてもワクチン接種が始まりましたが、感染力が高いと言われる変異株の流行もあり、新型コロナウイルス感染症の本格的な収束時期については、いまだ見通しづらい状況にあります。
このような環境下、当社グループとしては、新型コロナウイルス感染症拡大による影響の最小化に努めながら、次のような施策を講じていきたいと考えています。
OEM事業につきましては、ベトナムや台湾の現地法人設立などによるアジア圏での調達力および販売力強化、ローコストオペレーションの推進などに引続き注力していくことで収益基盤の強化を図るとともに、多様化・高度化するお客様ニーズや「withコロナ」時代の新たな価値観やニーズに対応すべく、当社グループのサプライチェーン精度・効率の進化、新規事業の企画および新商品開発のできる人材の育成などを推し進めてまいります。
ブランド事業につきましては、既存直営店のスクラップアンドビルドなどの店舗戦略を強化し採算性の向上を図るとともに、新たなブランドの構築・獲得、既存ブランドの認知度向上、複数ブランド取り扱いによるシナジー効果の追求などにより、売り上げの拡大、採算性の向上を図ってまいります。
このような施策の下、次期の業績につきましては、売上高360億円(前期比8.9%増加)、営業利益1億円(前期比約8億円増加)、経常利益1億円(前期比約5億円増加)、親会社株主に帰属する当期純利益1千万円(前期比約7億円増加)を予想しております。
なお、通期の業績見通しの前提となる為替レートは1米ドル110.00円としております。
(業績予想に関する留意事項)
本資料における業績予想および将来の予測等に関する記述は、当連結会計年度末現在で入手した情報に基づき判断した予想であり、潜在的なリスクや不確実性が含まれております。
従いまして、実際の業績は様々な要因により、これらの業績予想とは異なることがありますことをご承知おきください。
(2)財政状態
①流動資産
「受取手形及び売掛金」などが減少しましたが、主に「現金及び預金」が11億7千万円増加したことにより、当連結会計年度末の流動資産は前連結会計年度末と比べて11億4千5百万円増加の177億6百万円となりました。
②固定資産
「有形固定資産」「無形固定資産」が減少しましたが、「投資有価証券」が増加したことを主因に、当連結会計年度末の固定資産は前連結会計年度末と比べて7億1千6百万円増加の63億4千8百万円となりました。「投資有価証券」は12億6百万円増加しましたが、これは主に、政策保有株式の時価評価が上昇したことによるものです。
③流動負債
「短期借入金」や「1年内返済予定の長期借入金」などの増加により、当連結会計年度末の流動負債は前連結会計年度末と比べて17億2千3百万円増加の86億3千7百万円となりました。「短期借入金」は19億9千1百万円の増加となりましたが、これは主に運転資金の増加によるものです。また「1年内返済予定の長期借入金」は2億円の増加となりましたが、これは固定負債「長期借入金」の内、返済期限が1年以内に到来するものを振り替えたことによるものです。
④固定負債
「長期借入金」が「1年内返済予定の長期借入金」に振り替えたことにより減少しましたが、主に「繰延税金負債」が増加したことにより、当連結会計年度末の固定負債は前連結会計年度末と比べて2億4百万円増加の40億6千7百万円となりました。「繰延税金負債」は4億円の増加となりましたが、これは「投資有価証券」の時価評価が上昇したことに伴うものです。
⑤純資産
当連結会計年度末の純資産は前連結会計年度末と比べて6千6百万円減少の113億5千1百万円となりました。これは、「投資有価証券」の時価評価が上昇したことに伴い「その他有価証券評価差額金」が8億5千4百万円増加した一方、「利益剰余金」が8億1千1百万円減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は46.7%、1株当たり純資産は4,747円70銭となりました。
(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて11億7千万円増加の62億4千6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、7億6千3百万円(前期は29億2千3百万円のキャッシュイン)となりました。
税金等調整前当期純損失は、営業損失および経常損失となったことを主因に、前期比13億6千1百万円減少の2億9千5百万円となりました。
非資金費用である減価償却費は、前年同水準となりました。また、子会社小売店舗の固定資産について減損損失を計上しましたが、減損損失は前期比1億1千万円減少の1億5百万円となりました。一方、本社別館の土地・建物を売却したことにより、固定資産売却益2億8千3百万円を計上しました。
売上高の減少により、売上債権は前連結会計年度末に比べて1億8千1百万円減少、たな卸資産は同1億8千8百万円増加しました。
法人税等の支払額は、前期比6千9百万円減少の5億7千9百万円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により得られた資金は、1億8千7百万円(前期は6億円のキャッシュアウト)となりました。これは主に、ブランド販売子会社による店舗設備費用や、新商品の金型投資などの有形固定資産の取得として2億5千1百万円を支出した一方、本社別館の土地・建物を売却したことを主因に3億9千9百万円の収入があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、18億4千6百万円(前期は19億8千万円のキャッシュアウト)となりました。
短期借入金が19億9千1百万円増加しましたが、これは、主に運転資金の増加によるものです。
また、配当金の支払額は1億4千1百万円となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
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2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
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自己資本比率(%) |
55.1 |
51.6 |
48.9 |
51.0 |
46.7 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
37.8 |
35.7 |
29.5 |
30.1 |
21.1 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.6 |
6.5 |
11.6 |
1.8 |
△9.3 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
34.9 |
28.7 |
15.0 |
71.2 |
△22.4 |
(注)1 各項目における算出式は、以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としてお
ります。
6 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
資金需要
当社グループの主要な資金需要は、たな卸資産の購入のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の費用ならびに当社グループの設備の新設および改修等に係る投資となります。また、今後、当社グループの新たな収益源となり、企業価値向上に資するとの判断から、M&Aを含む新規事業への投資も資金需要の対象となります。
財務政策
資金需要の財源といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、主要取引銀行から供与された円資金借入枠に基づく借入金となります。なお、当社および国内関係会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、これにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理することで、資金効率の向上に努めています。また、「流動性の確保」「金利上昇リスクのヘッジ」等を目的に社債の発行および長期借入金の実行もしております。
一方、当社では、為替相場変動リスクのヘッジ方法の一貫として、国内OEM取引先との間で商品代金等の決済を米ドル建てで行う契約を締結しています。このため、短期のつなぎ資金として米ドル資金が必要となりますが、その調達源として、当社では、主要取引銀行との間で中長期多通貨コミットメントラインを締結しております。これにより、今後、本邦において米ドル資金調達リスクが想定外に顕在化した場合でも、米ドル資金の流動性を確保することができます。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
当該判断や見積りにおいては、従来の方法に加えて、新型コロナウイルス感染症の今後の影響を考慮する必要がありますが、「第5 経理の状況」の(追加情報)に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の収束時期等を合理的に見通すことは困難な状況にありますが、当社グループでは足元の状況を踏まえ、当連結会計年度以後においても影響は一定期間継続すると仮定して、各種判断や見積りを行っております。
なお、当該見積りは、新型コロナウイルス感染症の収束時期および経済環境への影響が変化した場合には、当該見積りの結果に影響し、翌連結会計年度以降の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する損失として過去の貸倒実績率により、貸倒引当金を見積り計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる可能性があります。
また、当社においては子会社への貸付金等債権があり、子会社の支払能力について毎期検討をしております。支払能力が低いと判断した場合には追加引当が必要な可能性があります。
当該見積りのうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
②投資の減損
当社グループは、特定の顧客および金融機関に対する株式を所有しております。これらの株式には価格変動性が高い公開会社の株式と株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、一定の基準に基づいて投資の減損処理をしております。将来の市況悪化または投資先の業績不振により現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合は、評価損の計上が必要になる可能性があります。
また、当社においても子会社への投資について、1株当たり純資産額と取得価額とを比較して1株当たり純資産が取得価額の50%以下となる場合は減損処理の要否を検討し回収不能と判定した場合は評価損の計上が必要になる可能性があります。
当該見積りのうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上する場合に将来の課税所得を合理的な予想に基づき回収可能性を検討しておりますが、繰延税金資産の一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の一部を費用として計上する可能性があります。
④固定資産の減損損失について
当社グループは、経営環境の変化や収益性の低下等により、事業等に供する土地、建物や小売店内装等の投資額の回収が見込めなくなった場合には、固定資産の減損損失の追加計上が必要になる可能性があります。
当該見積りのうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
⑤棚卸資産の評価について
当社グループが取り扱う商品は特性上、陳腐化など発生しにくいものとなりますが、顧客需要の減少などによる過剰在庫の発生に備え、一定のルールで過剰割合を算出し、一定の割合で簿価切り下げを行っておりますが、見込みを超える経済環境の変化等が発生した場合は、評価損の追加計上が必要になる可能性があります。
当該見積りのうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
特記事項はありません。
特記事項はありません。