第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策の効果により、設備投資や雇用環境の改善が見られ、企業収益や雇用環境は緩やかな回復が続きました。一方、中国を始めとするアジア新興国の景気減退、英国のEU離脱問題、米国新政権の政策に対する懸念や金融市場の不安定な動きの影響などから、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

小売業界におきましては、政府による消費税増税の延期決定がされたものの、実質賃金の伸び悩みや消費の二極化傾向の進展に加え、節約志向がより高まる中、ネット通販の台頭やライフスタイルの多様化による購買行動の著しい変化によって、市場は力強さを欠く状況で推移いたしました。

当社グループを取り巻く事業環境におきましては、主要販売先である百貨店等における外国人観光客の購入単価減少等による消費の鈍化や地方経済低迷による店舗閉鎖などの影響から、百貨店を中心に低調に推移いたしました。

この様な状況の下にあって当社グループは、「川辺三ヵ年新中期経営計画2014」の最終年度である3年目が終了し、顧客第一主義を経営の根幹として、革新的な発想に則した企業活動を通じて、市場競争力の強化と新たなる事業領域の拡大を促進し『コト提案型企業への変革と製造小売業を目指す』を経営ビジョンとして掲げ、企業の継続的成長に努めてまいりました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高171億62百万円(前年同期比100.1%)、営業利益7億47百万円(前年同期比108.4%)、経常利益7億90百万円(前年同期比108.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益6億43百万円(前年同期比146.6%)となりました。

セグメントの業績を示しますと、次のとおりであります。

 

身の回り品事業
  売上高につきましては、衣料品全般が低迷する中、ハンカチーフ市場はインバウンド需要の大幅な減少等から、厳しい環境下にありました。当社主要販売先である百貨店等において、市場占有率の拡張を引続き維持できたものの、年間の最大需要期であるホワイトDAY商戦の苦戦もあり、前年比99.8%となりました。

スカーフ・マフラーにつきましては、例年より気温低下が早く、秋口から防寒商品の動向が良かったことに加え、イベント展開の提案を強化した結果、秋冬商品全般は好調に推移したことで、上半期の販売不振を補えたため前年比100.0%となりました。

タオル・雑貨につきましては、テレビ通販、直営店におけるバックの販売不振がありましたが、タオルの売上が堅調に推移した結果、前年比100.5%となりました。

この結果、身の回り品事業といたしまして、売上高は前年比99.9%となりました。

 

フレグランス事業
  ブランド戦略としては、「プラダ」「アナスイ」のブティック向けの販売と、「サルヴァトーレ フェラガモ」の新アイテムの投入が好調でありました。売上においてはホールセール部門における積極的な販売促進活動の実施により伸長し、百貨店に向けての初のメゾンブランドの投入も寄与しフレグランス事業の売上は前年比101.2%となりました。

  

利益面につきましては、身の回り品事業におきまして、ハンカチーフ商材のインバウンド需要の大幅な減少による影響がありましたが、正価品の販売が引続き好調であった事により、売上総利益が増加し、前期と比べ増益となりました。
 フレグランス事業におきましては、売上の伸長と主力ブランドの価格改定を実施したことにより売買益率が伸長し、売上総利益も前年比104.0%の増益となりました。

  

以上の理由により、全事業といたしましては前年同期と比べ、営業利益、経常利益は増益となりました。
  親会社株主に帰属する当期純利益におきましては、固定資産売却損益2億2百万円を計上した事から増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、6億66百万円増加し、13億89百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、8億37百万円(前年同期は8億24百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費、固定資産売却益等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、10億20百万円(前年同期は32億39百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産及び投資不動産の売却による収入等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
  当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、11億91百万円(前年同期は19億43百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出等であります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

 

(1) 販売経路

販売経路

販売別売上構成比率(%)

平成28年3月期

平成29年3月期

 

 

 

百貨店

52.0

51.4

 

 

当社

 

 

量販店

12.9

13.0

 

 

 

 

 

専門店、小売店その他

35.0

35.5

 

 

合計

100.0

100.0

 

 

(2) 品目別販売実績

(単位:千円)

区分

平成28年3月期

平成29年3月期

数量

金額

数量

金額

 

千枚

 

千枚

 

ハンカチーフ

27,109

11,189,859

26,763

11,165,847

スカーフ・マフラー

529

2,058,609

524

2,059,172

タオル

806

868,285

820

938,657

その他

226

546,477

148

483,213

身の回り品事業計

 

14,663,231

 

14,646,891

 

千個

 

千個

 

フレグランス事業

1,379

2,485,173

1,605

2,515,182

合計

 

17,148,405

 

17,162,073

 

(注) 上記金額は、消費税等は含まれておりません。

 

 

(3) 品目別仕入実績

(単位:千円)

区分

平成28年3月期

平成29年3月期

ハンカチーフ

6,188,230

6,186,910

スカーフ・マフラー

1,338,821

1,184,595

タオル

691,679

783,329

その他

530,996

487,230

身の回り品事業計

8,749,728

8,642,066

フレグランス事業

1,807,983

1,932,490

合計

10,557,711

10,574,556

 

(注) 金額は仕入価額によっております。

上記金額は、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、顧客第一主義を経営の根幹とし、「革新」的な発想に則った企業活動を通じて、一人でも多くの人々に「喜び」と「満足」を与えることで、より豊かで平和な社会の実現に貢献することを経営理念にしております。

 新スローガンとして、“時代のムードに合う提案を積み重ね、今はまだない豊かさを、お客様の明日に添えるために”「新たな瞬(とき)を染める」を掲げ、コト提案型企業への変換と好循環型製造小売業を目指して更なる成長を目指してまいります。

 具体的には身の回り部門においては、魅力ある商品づくり、売場づくりによりハンカチーフマーケット全体の活性化を図り、市場占有率の向上で売上拡大に努めます。又、画期的な機能・効能をお客様に伝える新アイテムの導入も検討する等、新たな商品企画の施策を進めてまいります。
 洋品においては、カシミアアイテムを中心にイベント、ステージ展開を強化し売上増進に向けて攻めの体制で臨みます。
 加えて販路拡大策として、直営店舗出店、TV通販・EC事業の販売強化、連結会社等による新規取引先開拓も継続して積極的に行ってまいります。
 フレグランス事業につきましては、新ブランドの取得と販売店舗数拡大による売上増進と、ホールセール部門における売買益率改善を重点策として、黒字化継続を図ります。

 以上の取組みにより、当社グループは成長戦略を実現し企業価値の更なる向上に向け一層の努力いたします。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、『川辺株式会社 新中期経営計画2017』における経営指標の目標を以下の通りに置き、採算性の向上を最重要課題として、より強固な経営基盤の確立に努めます。

① ROA  (総資本利益率)        (連結)

 3.5 %

② ROE  (株主資本利益率)     (連結)

 7.0 %

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

重要戦略  ・プレイヤーズ直営店舗の拡大
      ・さらなる製造業(㈱ソルティー・レインボーワールド㈱)としての売上拡大
      ・フレグランス事業再構築による継続的な黒字体質への転換、成長軌道へ
            ・中国市場への売上拡大
      ・EC事業のさらなる挑戦

 

 

(4)会社の対処すべき課題

 当社グループを取り巻く事業環境におきましては、主要販売先である百貨店等における外国人観光客の購入単価減少等による消費の鈍化や地方経済低迷による店舗閉鎖などの影響から、百貨店を中心に低調に推移いたしました。

 この様な厳しい市場環境のなか、当社グループの対処すべき課題として下記課題に取り組んでまいります。

 

 ① 製造業・小売業を拡大させることにより好循環型企業を目指す
 ② 直営店舗の拡大及び既存店舗の強化による売上拡大
 ③ 中国事業の販売強化を実行し、更なるグローバル化への対応
 ④ 人材育成を図り市場競争力と業績の向上に努める

 

(5)その他、会社の経営上重要な事項

 特記すべき事項はありません。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) ライセンス契約について

当社グループは数多くの日本国内外の著名ブランドの権利者と商標使用並びに技術提携に関する契約(以下「ライセンス契約」といいます)を締結しております。このライセンス契約により当社グループは様々なブランドの製造・販売権を得ることができ、著名ブランド商品を市場へ供給することが可能となっております。例えば当社グループが提携関係にあるブランドでは、「ポロ・ラルフローレン(米国)」、「ジル・スチュアート(米国)」など、著名なブランドとして数多くの人が知るところであり当社グループ商品の市場への供給・浸透に寄与するところも大きいものと考えます。

一方、上述のライセンス契約は慣例的に2年乃至3年の期間のものが多く、契約更新に伴う契約条件の改定や、これらライセンス供給側に起きるM&Aなどによる経営方針の転換など、ライセンス契約への影響も考えられます。当社グループはこのようなリスクを回避するため様々な方策を講じておりますが、当社グループがこれらの提携関係を維持できなくなった場合、若しくは契約に大きな変更が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 知的財産権及び訴訟の可能性について

当社グループは、提供する商品についてはライセンス契約によるものの外、自社企画商品もあり、これらに関連して特許・実用新案・意匠・商標など知的財産権に関する調査・出願・登録も行っております。

また当社グループでは、これら権利の調査・出願・登録などは専門的立場の特許事務所などを通じて随時行い、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意しておりますが、当社グループの調査範囲・内容が将来にわたり充分かつ適当であるとは保証できないものと考えます。これら調査・確認は公示されている権利に市場調査の結果などを加味して判断を致しますが、そもそも権利の登録の有無を前提としない法もあることで知的財産権の調査・確認は煩雑化し、また意匠・商標権などの産業財産権は国の登録審査の結果如何に関わることなどから、当社グループが出願をしてもその権利を必ずしも取得できるとはいえないものと考えます。

なお、当社グループは現在において当社グループ商品による第三者の知的財産権の侵害は存在していないと認識しておりますが、一方上述の手続を行ったとしても全てを正確に想定することは困難であり、将来にわたり知的財産権の侵害を理由として第三者より損害賠償、差止などを求める訴えの提起を受ける可能性がないとは限りません。従いまして、かかる事態が発生した場合には当社グループ商品の開発又は販売に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 生産拠点について

当社グループは、従来国内生産を主とし安定した商品供給を続けておりましたが、デフレ経済の動向を受け当業界でも消費者の価格に対する認識は大変厳しい目をもって見られるようになってきました。当社グループでは競合他社の動向も踏まえ価格の引き下げを実施することもありますが、比較的価格の低い当社グループ商品においては、売上の確保と市場競争力を維持・向上させていくために商品自体の付加価値を高める手段も講じております。これら高付加価値商品の開発にはわが国より生産コストの低い海外拠点での生産を行うことも必要で比重は増えつつあります。

このような生産拠点の移動は、付加価値の高い商品を作り出すというメリットもありますが、他方、国内生産量の減少から生産拠点の統廃合を招くような場合には生産の一極集中という不都合が生じ、また他国における法の施行・改正、為替レートの変動などがあった場合には流通の再編や生産コストの上昇などの現象が起きないとも限らず、かかる場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 人材確保と人件費抑制との関連について

今日の流動的な経済社会の中において、当社グループが更に積極的な経営を推し進めてゆくには、経験と知識に基づいた指導力を有する人材の確保が不可欠と言えます。また当社グループの事業内容からは、ファッションという時代の流行をいち早く掴み、商品開発を行っていくためには広範囲な知識と専門技術を有する優秀なデザイナーや商品マーチャンダイザーの確保も同様に必要であります。

当社グループでは、こうした優秀な人材の確保と育成を行うことに加え社外への流出を防ぐことも企業の重要課題であると考えます。

当社グループでは、現在、優秀な従業員の確保はあるものの、余剰人員がいないのが現状であります。

このような状況により、多数の優秀な従業員の同時期における離職や適格な人材の確保が不充分であった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(技術受入契約)

契約会社名

契約先

契約期間

契約内容

当社

ポロ・ラルフローレン

自平成26年4月1日
至平成31年3月31日

ハンカチーフのスケッチパターンによる複製並びに商標使用権の取得及び技術援助

ジル・スチュアート

自平成26年7月1日
至平成31年12月31日

ハンカチーフのスケッチパターンによる複製並びに商標使用権の取得及び技術援助

 

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積の概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

(2) 財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、8,527,296千円(前連結会計年度末は、7,805,749千円)となり、721,546千円増加いたしました。現金及び預金の増加(723,461千円から1,389,881千円へ666,420千円増)、受取手形及び売掛金の増加(3,319,400千円から3,358,095千円へ38,695千円増)、たな卸資産の減少(3,449,364千円から3,434,096千円へ15,267千円減)、前払費用の増加(146,741千円から155,896千円へ9,154千円増)、前渡金の増加(4,079千円から11,302千円へ7,223千円増)が主な要因です。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、6,808,474千円(前連結会計年度末は、7,791,911千円)となり、983,436千円減少いたしました。建物の減少(1,138,767千円から1,016,225千円へ122,542千円減)、機械装置及び運搬具の増加(95,558千円から127,940千円へ32,381千円増)、土地の減少(1,507,091千円から1,259,146千円へ247,944千円減)、建設仮勘定の減少(20,000千円から―千円へ20,000千円減)、投資有価証券の増加(1,711,877千円から1,800,880千円へ89,003千円増)、関係会社株式の増加(67,754千円から103,018千円へ35,264千円増)、投資不動産の減少(2,557,891千円から1,800,959千円へ756,931千円減)が主な要因です。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、5,224,035千円(前連結会計年度末は、5,337,583千円)となり、113,547千円減少いたしました。支払手形及び買掛金の増加(2,900,515千円から2,981,873千円へ81,358千円増)、短期借入金の減少(800,000千円から500,000千円へ300,000千円減)、1年内返済予定の長期借入金の増加(675,000千円から738,200千円へ63,200千円増)、未払法人税等の減少(241,552千円から140,615千円へ100,936千円減)、未払消費税等の増加(105,676千円から244,213千円へ138,536千円増)が主な要因です。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、2,982,352千円(前連結会計年度末は、3,689,193千円)となり、706,840千円減少いたしました。長期借入金の減少(2,460,000千円から1,698,500千円へ761,500千円減)、繰延税金負債の増加(73,939千円から172,611千円へ98,671千円増)、社債の減少(366,250千円から318,750千円へ47,500千円減)が主な要因です。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、7,129,382千円(前連結会計年度末は、6,570,884千円)となり、558,498千円増加いたしました。利益剰余金の増加(2,746,293千円から3,280,250千円へ533,957千円増)、その他有価証券評価差額金の増加(379,944千円から407,585千円へ27,641千円増)、が主な要因です。

(3) キャッシュ・フローの分析

「1 業績等の概要、(2)キャッシュ・フローの状況」を参照願います。

(4) 経営成績の分析

「1 業績等の概要、(1)業績」を参照願います。